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バイヤーインタビュー

 

バイヤーインタビュー 株式会社オリンピック

バイヤーインタビュー 株式会社オリンピック
 
デイリー事業部 商品部シニアバイヤー 今井 聡氏
旬と高付加価値で訴求
 漬物は〝伸び代〟のある商材
 
関東で食品スーパーとディスカウント業態を中心に64店舗を展開する株式会社オリンピック(木住野福寿社長、本部=東京都国分寺市)のデイリー事業部商品部シニアバイヤーの今井聡氏に、今年の和日配カテゴリーの動向についてインタビュー。漬物全般の売れ行きや同社の取組み、今後の方針などについて詳しく話を聞いた。
(菰田隆行)
◇    ◇
―今年の漬物の動向は。
「今年3月から10月までの漬物売上は約110%と前年を超えている。キムチ・梅干はもとより浅漬も好調だった。キムチについてはメーカーさんが欠品を起こすほどの売れ行きだった。競合店が安売りを行う中で、メーカーさんと問屋さんの協力を得て他店の動きに流されず、しっかりと商品を揃えられる体制を保っていたので、さらに売上を伸ばすことができた。売れ行きが好調だからといって何を売っても良いわけではなく、NBの陰に隠れて普段は手に取ってもらえないような独自性のあるメーカー品を重点的に展開した。そのお陰でそのキムチメーカーさんと、新規商品の開発を取り組むところまで行けた。梅干については、もともと598円ライン中心の品揃えだったところに、梅干の季節指数が上がる夏場のタイミングで980円ラインの高品質商材を投入し、仕掛けた途端に林修先生のテレビ放映があって一気にブレイクした」
 
―大根商材の季節だ。
「アイテムのレパートリーが少ない大根商材の中で、沢庵以外の大根浅漬などを展開していく。季節ごとの「旬カレンダー」を綿密に組み立て、旬の素材が多く出回る前の〝走り〟の時に完成された商品を揃えることを心がけている。後手に回ると取って付けたような物しか売れなくなるからだ。青果や果物のコーナーでは旬の訴求が整理されているが、漬物コーナーではその印象が薄いのが問題だ。〝素材の旬〟をしっかりと意識して『オリンピックに来れば旬の物がドンと揃っている』と言ってもらえるような品揃えにしたい。これはメーカーさんや問屋さんの協力が必要で、例えば百貨店等に自社の小売り部門を持っているメーカーさんはそれをやれている。旬を打ち出すことはメーカーさんにとっても絶対にメリットがあるはず。むしろそれを〝武器〟にした商品を一緒に作っていきたいという思いがある」
 
―11月17日に国立店がリニューアルオープンした。
「漬物売場は24尺から32尺に広がり、売上は10日間で改装前の1・6倍だった。数量ベースは1・5倍だったので客単価が確実に上がっている。当社がこだわっているのはまず目に付くことで、かつ〝まとまりのある売場〟だ。和日配は包装も素材の色も見た目がバラバラで煩雑なイメージになってしまうので、売るべき商品を決め、そこに重点を置く。上段は1フェイスで、東京地場の高品質商材と京都錦小路の本場ブランドメーカーで訴求している。中段はブロックごとに並べ、下段は単品力の強い物を並べている。この考えがないと1フェイスばかりの寄せ集めになってしまい、まとまりがなくなる。お客さんには分からなくても乳酸発酵の漬物をひとまとめにしたり、素材が被らないことにも気を配る。ごぼう、ちび胡瓜、しゃくし菜、黒にんにくなどが揃っていて、キムチも白菜だけでなくチャンジャやイカキムチなど、それぞれのメーカーさんが自信を持って送り込むメイン商材ばかりなのでほとんど全商品がまんべんなく売れている。これを意識すると漬物は、売上の結果がすぐに出る醍醐味のあるカテゴリーだ。他店スーパーは数が売れるものを揃える視点。当社も売れるNB商材を無視することはできないが、要は同じ素材の商品でも原料と製法にこだわり、安全・安心でおいしいもの。そして価格のイニシアチブが取れ、リーズナブルに提供できることを意識して、意図的に仕掛けたのが国立店の漬物売場だ。売場は広がったが、そのせいで売上が伸びたわけではない。間延びしないよう新しい切り口のものを揃え、かつNBでも特徴の薄い商品は削ることを行った結果だ」
 
―今後の方針は。
「漬物はシュリンクするカテゴリーといわれているが、新しいユーザーを取り込むことを優先した売場ではなく、コアな漬物ファンが『オリンピックに行けばこれがある』というものを揃えたい。漬物は意図をもって仕掛ければ、確実に結果が出る〝伸び代〟のある商材だ。こだわりの商材をメーカーさんと共に開発したいと思うし、『面白いバイヤーがいるな』と思っていただき、良い商品をぜひ提案してきてほしい」
【2018(平成30)年12月10日第4959号8面】
 
株式会社オリンピック https://www.olympic-corp.co.jp/
国立店:東京都国立市北3-39-1 TEL0425-23-5691
 

「オリンピック国立店」の和日配売場

「オリンピック国立店」の和日配売場
 
漬物コーナー(全景)
 
こだわり商品コーナー
 
キムチコーナー
 
浅漬・ふる漬コーナー
 
沢庵・酢漬コーナー
 
佃煮コーナー
 
蒟蒻コーナー
 
納豆コーナー
 

バイヤーインタビュー 株式会社平和堂

バイヤーインタビュー 株式会社平和堂
 
一般食品事業部日配品課バイヤー 簗脇 裕信氏
伝統食に誇り持って提案
 おつまみ需要や旬伝える売場で
 
株式会社平和堂(平松正嗣社長、本部=滋賀県彦根市)は、近畿・中部地区2府7県に150店舗を展開する総合スーパーチェーン。一定の地域に多くの店舗を集中させるドミナント戦略により、地元滋賀県を中心に根強い支持を誇っている。和日配カテゴリに関しては、おつまみとしての切り口、旬を伝える売場作りなどが功を奏し、今年上期は好調に推移した。
担当する一般食品事業部日配品課の簗脇裕信バイヤーに、好調の秘訣や今後について聞いた。(門馬悠介)
◇ ◇
‐和日配部門の上期の動向について。
「今年(2018年)は和日配全体では昨対比約102%で、猛暑を受け涼味商品が大きく伸びた。漬物は107%と非常に好調が続き、ピーク時に月間150%を記録した梅干し、安定して10%近い伸びを続けたらっきょうをはじめ、浅漬、キムチ、沢庵など総合的に良く売れた。佃煮・煮豆は、トータルでやや100%を割り込んだが、水産系ではPBのちりめん山椒を120%と大きく伸ばすことが出来た。市場に定着した蒸し大豆も安定している。納豆はテレビ放映の影響が大きく2桁の伸び。5%の値上げがありながら数量が10%以上伸びており、煮豆はこの人気に押された部分があるかもしれない。豆腐はほぼ100%。甘酒は毎日飲む大容量のタイプにシフトし、単価が上昇した。猛暑の影響から、逆に揚げ分類、練り製品は厳しい部分があった」
 
‐売場作りについて重視している点。
「お客様がデリカへとシフトする流れの中、以前と同じ商品をそのまま並べるだけでは、昨対を超えるのは難しい。今年は具体的な食シーンを提案する売場を意識し、特にチラシ掲載している〝酒肴の逸品〟に代表される、おつまみ提案を強化した。漬物ではキムチや高菜漬、味噌漬、わさび漬など、佃煮では水産系で珍味に近い商品、他には寄せ豆腐や生食の練り製品などがこれに当たる。また伸長している個食タイプへのシフトも進めた」
 
‐好調の理由は。
「MDをおつまみ・弁当・朝ごはんといった食シーンに変えたことが、お客様から評価されたと考えている。これまでは、均一価格で平台に様々なカテゴリの商品を展開するのが常だったが、結局お客様は目的とするカテゴリの商品しか購入しない場合が多かった。複数のカテゴリを組み合わせて売ることで、相乗効果が生まれ、売上が伸長した。またおつまみ向けの商品とお酒を一緒に積むなど、クロスMDを強化したことも一因だと思う。商品をリピートしてもらうにあたっては、お客様を飽きさせないMDが必要で、今後も一つ一つ探して行きたい」
 
‐具体的な売れ筋商品。
「漬物では、当社自体キムチの構成比が業界平均と比べ低く、ここ数年強化を進めてきた。そのためキムチは非常に伸びており、ピックルスコーポレーションのご飯がススムキムチ、おつまみ系でカップ入りのピリ辛ッごま白菜が売れ筋だ。PBであるE‐WA!のキムチも徐々にお客様が付いて来ている。単品商材の売れ筋は季節毎に大きく異なるが、夏場は地元メーカーのヤマヨのピリ辛胡瓜茄子や絹かわなす、上期全般ではオギハラ食品の明太子高菜が好調だった。東海漬物のぷち!浅漬シリーズも若い方を中心に好評だ。佃煮はPBのちりめん山椒が伸びている。3年続けて不漁となったいかなごのシュリンクを補うため始めたが、予想を上回る好評ぶりだ。納豆は商品全般が非常に好調。個食惣菜では、フジッコのおかず畑シリーズが伸びており〝簡便惣菜〟の分類を立てての売場作りが成果を挙げている」
 
‐漬物の位置づけは。
「漬物は他のカテゴリと比べ、買い上げ点数を増やしやすい特徴がある。ご飯のお供・おつまみなど食べるシーンを上手く組み合わせて提案出来れば、一度の買い物で1パックのみではなく、例えば白菜の浅漬とキムチを一度に購入する消費者もいる。また和日配の中で最も旬を伝えやすい分類で、季節を意識した提案が可能だ。原菜確保が非常に大変な中でご協力をいただき、おつまみ的な切り口・旬を見せるという2点を強化出来たことが、結果に繋がった」
 
‐その他、漬物に関する具体的な取り組み。
「つい先日、PBで減塩タイプの白菜漬を新発売した。塩分を通常品から30%カットし減塩しながらも美味しいという商品だ。健康かつ今まで販売して来たものと遜色ない美味しさ、という部分にこだわった。モニター評価で好評を得ているので今後に期待したい。他にも乳酸発酵を謳う商品を、キムチを中心に増やしている。滋賀県産野菜を使った漬物では、日野菜や下田なすの漬物を継続的に販売している。現在豆腐のPBで滋賀県産大豆を使用しているが、漬物や水産加工品に関して、原菜確保も含めた、地産池消の取り組みを進めて行きたい。韓国ではキムチだけで6000億円の市場があることを考えれば、まだまだ伝統食品の伸び代は大きいはず」
 
‐和日配の今後と課題。
「個食や健康といった新しいトレンドを追いながらも、〝長年の伝統を引き継ぐ〟ことを大切にしたい。伝統食に誇りを持ちながら、若い方にも食べてもらえるような形を考える必要がある。食べるきっかけ自体が減って来ている中では、新商品開発よりも既存商品の新しい切り口を考えることが重要だ。そうした提案をメーカーの方からもいただきたい。個人的には、和日配の将来には味噌汁が重要だと考えている。味噌汁は色々なものを繋ぐ存在で、もし食卓から無くなれば、和日配の多くのカテゴリが減少すると思う。ほかにも、現在取り組むおつまみをはじめ様々な切り口を探しながら、ひとつひとつ地道に取り組んで行きたい」
【2018(平成30)年10月1日第4951号1面】
 
株式会社平和堂 http://www.heiwado.jp/
   
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