講演録

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講演録 2015

 

宮尾教授講演 『和食の名脇役~漬物~』発酵食品として漬物アピールを

宮尾教授講演 『和食の名脇役~漬物~』発酵食品として漬物アピールを
 

 2015(平成27)年7月4日、漬物研究同志会の視察研修会において、東京家政大学の宮尾茂雄教授による『和食の名脇役~漬物~』の講演が行われた。漬物の啓蒙活動には和食との連携が欠かせないとした上で、国内外でのPR活動を推奨。また、漬物の発酵食品としての認知度向上や、塩分について表示の問題や健康面にも言及した。
 はじめに和食の特性について、温帯気候や島国であるため米や野菜、魚といった食材が豊かで、多彩な料理法に適する豊富な軟水を有することを挙げ、その湿潤で温暖な気候から多彩な発酵食品が生まれたとした。また、発酵に注目が集まる中、乳等省令における発酵乳と比べても、多くの漬物が発酵食品であるということが言え、「発酵食品としての漬物」をよりアピールする必要性を提言。和食の基本である「一汁三菜」に漬物が含まれている事実も合わせて、漬物の啓蒙活動に利用すべきであるとした。そして、「和食の基本はお米」であり、米の消費量の低下と連動して、漬物の消費量が減っていることから、「漬物を普及させるには、和食との連携が不可欠。とにかくお米を食べてもらうことが大前提。世界無形文化遺産となり健康に良いと注目が集まっていることからも、和食関連業界が力を合わせて米の普及に取り込むべき」と述べた。
 漬物の塩分については「日本の食品に含まれる塩分量は100gで表示することが基本であるが、必ずしも全て食べるわけではない」とし、漬物の塩分量が実際よりも多く認識されているという傾向を指摘。漬物に多く含まれるカリウムについて「ナトリウムの排出を促進させる効果があり、新しい食品表示法で表示項目に入ってくる。注目度も上がるため、もっとアピールしていかねばならない」とした。また、主要国の平均寿命と食塩摂取量のデータから、日本人は塩分を多く摂取しているが長寿国であることを示した上で、国内においても「長野県は長寿で病気も少ないが、味噌をはじめ塩分をたくさん取っている」とし、その一因として「カリウムを豊富に含む野菜を多く摂取している」事実を挙げつつ、塩分と健康面についても今後、研究を続けていくとした。
 最後に「日本は今後、人口が減少することが予想されている。これに対して国内の産業の衰退を防ぐため、輸出を活発化させようという動きがある」とミラノ万博における「本場の本物」のPR活動を紹介。国内においても高山食品株式会社の高山喜一郎氏が練馬区内の小学校で実施している「沢庵の作り方教室」を取り上げ、「全国の漬物屋さんが若い人が漬物に親しみを持つようにいろんな催し物をやって頂きたい」と国内外でのPR活動を提言した。

 

 

新日本SM協会の三浦専務が講演(平成27年6月「関口会」)

新日本SM協会の三浦専務が講演(平成27年6月「関口会」)
 
「日本の現状と今後の経営者像」
 有力ベンダーとしても知られる関口漬物食品株式会社(関口悟社長、本社=東京都世田谷区)の取引企業からなる関口会(大沢幸雄会長)は2015(平成27)年6月25日、東京都目黒区の目黒雅叙園にて平成27年度(33期)総会を開催。関口会総会後、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会専務理事の三浦正樹氏が「日本の現状と今後の経営者像」の演題で講演を行った。
 同氏は1950年2月5日生まれで昭和48年に大学を卒業し、日魯漁業株式会社、日本ペプシコーラ社、三井物産株式会社等を経て2000年に公益社団法人日本セルフサービス協会事務局長として入局。2010年に公益社団法人新日本スーパーマーケット協会(全国スーパーマーケット協会と合併統合)の専務理事に就任し、現在に至る。
 同氏は新日本SM協会が取り組んでいるスーパーマーケット検定、3団体合同スーパーマーケット統計調査、Rプロジェクト(新卒者採用支援)、ビジネスマッチング、消費者購買指数の共同開発・発表等の内容について説明。同協会最大のイベントとして開催しているスーパーマーケット・トレードショー(SMTS)、デリカテッセン・トレードショー(DTS)について、「2016年は50回目の開催ということで、これまで東京ビッグサイト東館全館での開催でしたが今回は西館も使って規模が拡大します。機能性食品コーナーやオーガニックの出展もありますが、目玉はバール(軽食喫茶店)です。食品SMはドラッグストアやCVSに対して受け身の姿勢で苦戦しているが、来年こそ大反撃の年だと思っている。バールは仕事終わりに最寄駅で小皿料理を提供するというもので、おもしろいと思う。そこで、漬物を出せるシチュエーションを作りたい」と漬物とのコラボレーションにも言及した。
 日本の現状については、食料自給率、毎年80万人の人口が減っている状況を説明し、「スーパーは利益のない戦いでNB商品の価値が下がっている。PB及び地方の商品を販売して利益を上げようとしている。今後は価値あるNB商品に勝算がある」と高付加価値のニーズが高まっていくことを指摘。それを示す例として「あるスーパーでは高級な肉が売れてタレもこれまでのPBではなく、高級なNB商品が売れるようになって客単価も上がった。昨年の暮れくらいから消費動向が変わってきた」と述べた。また、入社時代を振り返り、「SMの売上は生鮮3品で6割を占めていた。これから伸びるのは惣菜だが、利益面で貢献しているのは日配とグロッサリー。日配メーカーはもう少し意見や主張をしてもいいと思う」と見解を述べた。
 今後の経営者像では、新日本SM協会の横山清会長の話を例に上げ、「横山会長は夢を語るのが好きで、我々が協会に入ってきたとき、会長の会社の売上は500億円でした。それが今では5000億円です。当時から会長は夢や目標を語っていた。それによって社員は自分たちの役割が分かるようになる」と夢や目標の重要性を強調。「野球で例えると社長はGM、社員は選手です。1番から9番まで求められる役割を与えることが大事で、人員を上手く配置できれば優勝することができる」と役割分担が成功の秘訣であるとした。
 最後に倫理感とコンプライアンスについては、法令順守、情報収集、売れない商品について解説。続いて成功への条件として①危機意識の共有②明確な目標設定③理解を得られる戦略、戦術の策定④トップのリーダーシップと責任の自覚⑤思いやりの5項目を上げ、「SM業界で勝つ方法はない。商品で差別化できないので、日々の積み重ねしか勝つ方法はない。メーカーが自信を持って発売した商品を、自信を持って売れるようにしないといけない。そうでなければメーカー、問屋、SMのみんなが厳しくなる。いい意味で団結して努力に報いられる利益を出してほしい」とまとめた。続いて統計調査担当の長瀬直人氏がスーパーマーケット業界概要、スーパーマーケット販売・景気動向、新しい物価指数の開発についてデータを使いながら解説した。
【2015(平成27)年6月29日第4808号3面】
 
一般社団法人新日本スーパーマーケット協会 http://www.super.or.jp/
関口漬物食品株式会社 http://www.sekiguchi-01.co.jp/

 
 

発酵食品サミット 「発酵」テーマに開催(平成27年6月)

発酵食品サミット 「発酵」テーマに開催(平成27年6月)
 
小泉武夫氏(全漬連顧問)が健康機能性を語る
講演する小泉氏
 全国発酵食品サミットinふくしま実行委員会は2015(平成27)年6月20日と21日、福島県福島市の「こむこむ」にて第8回全国発酵食品サミットを開催した。
 同サミットは「発酵」をキーワードとしたまちづくりを展開する全国各地の自治体や団体が集い、連携を深め今後の活動を資するとともに、地元の人と「発酵」について認識を深め、より熟成させていくことを目的に1年に1度開催されている。今年は震災後の復興に向けた施策の一環として、ふくしまDC(デスティネーションキャンペーン)の会期での開催となった。
 サミットでは東京農業大学名誉教授で全日本漬物協同組合連合会顧問でもある小泉武夫氏、宮城大学食品産業学部准教授の金内誠氏、広島大学名誉教授の渡邊敦光氏、日本料理分とく山総料理長の野﨑洋光氏が講演を行った他、全国発酵食品物産展、福島県の発酵食品物産展、ふくしま特選市なども開催され、注目される「発酵」に関連する情報を広く発信した。
 初日の講演は味噌のPR活動を行っている味噌ガールの藤本智子さんの司会進行で、渡邊和裕実行委員長(一般社団法人福島市観光コンベンション協会会長)、小林香福島市長、畠利行福島県副知事の挨拶に続いて小泉氏が「なぜ、発酵食品は体にいいのか」の演題で講演。講演会は事前申込みで満席(200人)となるなど、「発酵食品」への関心の高さを伺わせた。
 日本や海外の発酵食品の事例などを紹介した小泉氏は、「新鮮な魚を独特の風味をもつ発酵液に浸潤させた後これを天日干しにしたくさやは新島で350年前に作られたと言われています。新島では昭和45年まで医者がおらず、薬屋もなかった。病気になったらくさやの漬け汁を飲み、傷にもぬった。天然のくさや菌は子孫を残すために腐敗菌を殺します。抗生物質と同じです。昔の人は発酵食品が体に良いということを知っていました」と説明。海外では捕獲したアザラシの中で海燕を3年発酵させてビタミン補給をしているイヌイットの発酵食品、もやしを発酵させて豚肉などと炒めて食べるカンボジアの料理、豆腐を唐辛子、麹、塩で発酵させた中国の珍味などを紹介。「医食同源という言葉がありますが、食べ物は薬です。食が多様化し、日本人は和食から洋食が増えて大変なことになっています。寿命ランキングで1位だった沖縄県は30位まで落ちた。これはアメリカの食生活が入ってきた影響」と指摘。小泉氏は納豆を入れた味噌汁を毎日飲んでいることで健康を維持していることを強調した。
 
第8回全国発酵食品サミット
 「なぜ、発酵食品は体にいいのか」のテーマでは、「発酵食品は栄養価が高い。例えば納豆はアミノ酸が多く含まれ、ビタミンも豊富。日本人は80年くらい前まで肉をあまり食べていなかったが、大豆を食べていた。牛肉に含まれているたんぱく質の量は17~18%で、大豆は16~18%と変わりません」と大豆の栄養価を説明し、「味噌汁に納豆、豆腐、油揚げを入れると4種類の肉が入っているのと同じ。これらは全て野菜から作られていて、味噌と納豆が発酵食品」と究極のスタミナ食を紹介した。
 また、乳酸発酵させた韓国のキムチについては「食欲増進、風邪の予防、ダイエット効果、強壮、整腸作用、大腸がん予防、免疫力アップ、動脈硬化予防、抗菌と滅菌の効果もある」と健康効果を説明。味噌についても「免疫力アップの他、放射性物質を体外に排出する効果がある」と機能性を解説した。
 和食についても言及し、「青果、豆、菜っ葉、根茎、山菜、海藻など7種類の植物から作られており、日本人は究極のベジタリアン」と提言。現在、医学会のキーワードは「脳ではなく腸」と指摘し、食物繊維を摂ることで腸が刺激され免疫力が高まるという。「肉を多く摂取すると歯垢やカスが出やすくなり、大腸がんや直腸がんになりやすくなる。都道府県別で肉の消費量1位は沖縄県で、野菜消費量のワースト1位も沖縄県です。急激に肉を食べるようになり、遺伝子がそのスピードについていけなくなっている」と見解を述べた。同氏は肉を食べたときに野菜も一緒に食べることを推奨し、食物繊維の重要性を強調。「発酵食品を食べると食物繊維も摂れて腸内細菌が増える。便で悪性菌が排出され、風邪やがんになりにくくなる」と健康に大きく寄与できるとした。
 最後に「和食の基本である一汁三菜は、ご飯、汁もの、三種類のおかずという意味で、その中には香の物も入っている。それを食べてきた日本人は健康だった」とまとめた。
 
 
金内誠氏(宮城大学)が講演 「古くて新しい、オールドバイオテクノロジー」
金内氏
 小泉氏に続いて宮城大学食品産業学部准教授の金内誠氏が「古くて新しい、オールドバイオテクノロジー」の演題で講演を行った。
 ここ数年の食にまつわるトピックスとして、偽装、食中毒、マッサン、健康、和食(無形文化遺産)を上げ、「風土によって、気候や環境、収穫物が違うため、FOODも違ってきます。和食の素材は魚介類を含めると8種類から構成されます。欧州の食材は50種類くらいだと言われていますが、日本の食材は2000~3000種類です。そして、そのそれぞれの食をつなぐのが味噌、醤油、清酒など和食文化の中心となる発酵です」と発酵が多彩な食材をつなぐ役割を担っていることを紹介した。
 日本ではヨーグルト、納豆、味噌、醤油、パン、キムチ、チーズ、かつおぶしなど発酵食品を食している機会が多いが、都市部では主食が米からパンに置き換わるなど特に若者は「和食離れ」の傾向にある。「パンの主食化が日本の未来の姿かもしれないが、若者の発酵食品のイメージは健康が1位。情報提供の場が必要」と情報発信を課題とした。
 
味噌に関心を示す子供たち
 脳内のメカニズムついて、「脳は味に対して冒険を求めない。経験があれば食べられるが、変わったものが出てくると経験がなく味がわからないから拒否反応を示す。小さい頃から食の経験を増やすことが大事」と解説。「味覚とは味の感覚。嗜好は味から判断する好き嫌いで、味わうということは頭を使うということ」と説明した。嗜好の要因は大きく3つで、①本能的嗜好(のどの渇きなど)②経験による嗜好(おふくろの味など)③情報による嗜好(CM、行列など)。「飲食と同時に快感を伴うとその時食べていたものが好きになり、美味しいと思うようになる。一家団欒の場も大事。和食文化を守るためには食育が必要」とした。
 発酵食品は微生物との戦いから生まれたもので、保存性の向上、嗜好性の向上、機能性の向上を研究した結果、各地で発明された。保存性については流通の発達で必要されなくなり、嗜好性についても食の多様化により役割は減少。注目されるのは健康食への関心が高まっていることから機能性と位置づけられる。「日本人は様々な問題を発酵によって解決してきた。現代ではその役割が変わり、健康へとシフトしていく」と方向性を示した。
 
賑わう全国発酵食品物産展
 最後に「人間の発明の中で一番素晴らしいのは、微生物制御技術。古代ギリシャの医師ヒポクラテスは『ワインは最も美味しい薬であり、最も楽しい食品でもあり、最も価値ある飲料である』と述べている。発酵は我々にとっては古いものでも、世界にとっては最先端のもの。世界中がそのことに気づき始めている」と発酵食品が注目されていることを指摘した。
 同じ会場では「発酵食品のできるまで」パネル展、「あまこうじ」ドリンク試飲会、「もやしもん」菌劇場、味噌の食べ比べなどのイベントが行われた他、熊本のうまかモンプロジェクト商品(小泉武夫先生監修)、よこて発酵文化研究所などが出展した全国発酵食品物産展が開催。また、中合7階大催事場で福島県の発酵食品物産展も併催。森藤食品工業、八島商店、みずほフーズなどが出展し、盛況となった。
【千葉友寛、2015(平成27)年6月29日第4808号1、3面】
 
NPO法人 発酵文化推進機構 http://hakkou-bunka.jp/
 
 
 

都立食品技術センター 第一回講演会を開催 ハラル制度と食品防御(27年5月)

都立食品技術センター 第一回講演会を開催 ハラル制度と食品防御(27年5月)
 
並河教授
 東京都立食品技術センターは2015(平成27)年5月27日、東京都千代田区の東京都産業労働局秋葉原庁舎において平成27年度第1回講演会を開催した。
 第1部として帝京大学経済学部経済学科の並河良一教授が「中小企業にとってのイスラム市場の魅力とハードル-ハラル制度の概要と市場開発-」の演題で講演。
 「イスラム市場には大きな魅力があるが、そこに入るためにはハラルという制度をクリアする必要がある。ハラル制度は極めてわかりやすいが、それをビジネスとして始めた瞬間、急に難しくなって行き詰まる」と述べ、「イスラム教徒が安心して使用・消費できる基準」であるハラル制度について、動物の処理方法から加工過程、輸送・保管・陳列に至るまで戒律を厳守せねばならず、各工程でイスラム教徒の関与を求められるなど、「宗教の概念が多く盛り込まれており、日本のように技術から入っていくのでは難しいのでは」と導入の難しさを解説。「制度への理解が曖昧なままハラルを謳っては、いつか大きな問題が起きる」と現状を危惧するとともに、「宗教機関からの認証などきちんと裏を取るべき」と警鐘を鳴らした。
 
鬼武部長
 続いて、第2部として日本生活協同組合連合会品質保証本部安全政策推進部の鬼武一夫部長が「生活協同組合における食品防御の取り組み-現状と課題-」の演題で講演。
 2013年に起きた冷凍食品の農薬混入事件を例に、「緊急時への対応が日常的にシミュレーションできていなかった」と危機管理の不備とともに、「事件以前に工場で起きたいくつかの軽微な事件に対し原因究明していない」、「公表や商品回収の決定の遅れ」などガバナンスの弱さやコンプライアンス能力の不足を指摘し、食品防御の必要性を説いた。また、食品防御の導入については「食品衛生がベースで、その上で食品防御の観点を入れる。そのときに人の管理などの『ソフト面』とカメラの設置などの『ハード面』の両面を導入することが理想的であるが、難しければソフト面をより重要視すべき」であり、「トップが従業員それぞれの名前を覚えるなど、現場実態を的確に把握し、管理できることが重要である」とした。
 次いで、日本生協連の品質保証体制について、危機管理や食品防御に対する意識の向上と共に、意図的な混入をさせない「働き続けたいと思える会社」を目指した取組みを紹介。実践的な内容とわかりやすい解説に各聴講者、熱心に聞き入った。
 
東京都立食品技術センター http://www.food-tokyo.jp/index.html
 
 

ロック・フィールドの岩田弘三会長が講演(日本惣菜協会・通常総会 27年5月)

ロック・フィールドの岩田弘三会長が講演(日本惣菜協会・通常総会 27年5月)
 
演題「これからの惣菜 ~ロック・フィールドのこれまで、これから~」
講演する岩田会長
 一般社団法人日本惣菜協会(堀冨士夫会長)は2015(平成27)年5月19日、東京都新宿区のハイアット リージェンシー東京で平成27年度「第37回通常総会」を開催。記念セミナーとして株式会社ロック・フィールドの岩田弘三会長が講師に招かれた。
 岩田会長は第一部として「これからの惣菜~ロック・フィールドのこれまで、これから~」の演題で講演。同社の歴史を写真とともに振り返り、惣菜の普及と未来を語った。
【講演要旨】
 「惣菜というビジネスは大きくなれば潰れる」と弊社の創業当時は言われていたが、そういう時代を超えて、これだけ大勢の方々が本日の総会にお集まり頂き、中食が大きな意味を持ってきていることが大変、感慨深い。
 欧米化が進む中、1965年に神戸の元町にレストランを創業し、1970年に本場をベンチマークして行こうということでヨーロッパへ勉強に向かったが、これから日本で外食産業だという時代にフランス、イタリア、ドイツをはじめヨーロッパで既にデリカテッセンそして中食のビジネスモデルが定着していたことに驚き、ひょっとしたら日本でもデリカの時代が来るんじゃないかと、ピンときた。
 そして、急いでアメリカへ行くと、こちらもアメリカンスタイルのデリカがしっかりと定着していたことから、デリカの時代が来ると確信し、帰国後、1972年にロック・フィールドを創業した。
 創業当初はまだまだ料理を家で作る時代で、日常的な惣菜はきっと売れないだろうということで、百貨店でギフトとして販売をはじめ、ヒットした。
 その後、もうそろそろ非日常から脱却し、日本の惣菜が求められる時代が来たのではないかと、ギフトから撤退を決断。日本の従来の和食というコンセプトではなく、新日本の惣菜、新日本食をやろうという想いをもって、サラダというツールを中心に様々な商品開発をはじめた。
 また、百貨店毎に異なったブランドで展開していたが、「デパートにおける大惣菜時代がこれからやって来る。なんとかRF1ブランドを共通でやらしてほしい」とお願いした。当初は大反対されたものの、結果としてこれによりブランドを通してお客様との関係を築くことができ、今のデパ地下ブームに火をつけることができたのではないかと思う。
 時代もライフスタイルも価値観も絶えず変化し続けている。路面店や駅ビルへの展開もあった。成功はもちろん撤退や失敗もあり、必ずしも自分が考えたことが全て具現化できたわけではないが、いろんな方に助けられ、今日があることを感謝している。
 
特別対談「ロック・フィールドの戦略的事業・ブランド構築・人材への取組み」
対談する岩田会長と見目教授
 第二部では岩田会長が専修大学商学部の見目洋子教授と特別対談。ロック・フィールドの戦略的事業やブランド構築、人材への取組みについて語った。
【対談要旨】
 見目教授 御社は中食業界において組織体として極めて高いブランド力をもっている。個々の事業を推進するだけでなく、横串を刺すようなシンボリックな企業価値のデザインへの取り組みをどのように認識し、意識したのでしょうか
 岩田会長 ソニーが大好きで、ベンチマークをどこにしようかと考えたとき、ブランドとしての訴求力や新規性からソニーがいいと考えたが、自分たちの事業を考えるとまずトヨタをベンチマークにしようと思った。また、私の友人で一世を風靡したアンリ・シャルパンティエという洋菓子屋さんが芦屋にあり、極めてセンスが良く、教えを乞いにいった。彼やその店のデザインをやっていた彼の叔父、また神戸で知り合った建築家の安藤忠雄さんらに多大な影響を受けた
 見目教授 トヨタをベンチマークにしたのはどのような考えからでしょうか
 岩田会長 社員は戸惑いを見せていたが、先進性を考えたときに自分たちの業界で選ぶのではなく、世界で「ジャパンNo.1」と呼ばれるような日本のモノづくり、その経験から学びたかった
 見目教授 新日本食としての惣菜を作るにあたって、別の視点や価値観が必要であり、また基本的には日本のモノづくりであり、品質管理を徹底していかねばならない。そういったことを意識しながら、トヨタをベンチマークにしようと考えたのでしょうか
 
 岩田会長 トヨタさんで研修をお願いした際、業態の違いに驚かれた。また、なんとか人を出してほしいとお願いし、2年間出向して頂いた。トヨタさんに学んだからこそ、330店舗、盛岡から鹿児島まで毎日何百種類の商品を作りながら日配する、今日のビジネスモデルを作り上げることができた
 見目教授 日本の全ての業界で人材をどのように確保し、育成していくかが社会的な課題となっている。私は岩田会長のところへ何度もお伺いさせて頂いておりますが、いつも最後に必ず社員食堂にご案内して頂き、また企業内の保育園について説明をして頂いている。私がこれまで見てきた企業とはまた違った目線を持っておられ、女性への応援を通しながら、地域社会との関わりを大切にして、より社会性のあることへの関心であったり、先端性を感じる。御社の社員に対して経営者としてどのような理念をもっておられるのでしょうか
 岩田会長 数々の失敗を教訓としながら、時代が何を求めているのか、何をやると評価されるのかを考えてきた。川崎にある工場のパートのフィリピン人の方が清潔で安全で社員食堂が美味しいからと、友達も働きに連れてきてくれた。時給も大事だが、働く中でトータルの満足度が重要ではないか。コストはかかってもリターンの方が大きいという想いを持つように心掛けている。精神的に経営者が得られる安心感はお金では代えられない
 
 見目教授 女性の社会進出が進む中、認可保育園の不足などまだまだ厳しい状況です。そうした中で御社はかなり早い時期から社内保育室の設置などに取り組んでいらっしゃいます
 岩田会長 日本が戦後、高度成長していく中で、欧米化したライフスタイルになり、男女共同参画の時代が間違いなく来る。その中で保育所の設置は有利になるのではないかと考えていた。例えば静岡の工場では立地的に優良企業に囲まれているが、パートさんを集めるときになにができるかと考えたときに、社員食堂の整備であったり、保育室を設置することは可能性を高める要素となる
 見目教授 「サラダ革命」を起こし、惣菜の普及に貢献してきた御社ですが、これからの中食について、企業としてどのような役割を果たしたいとお考えでしょうか
 岩田会長 日本は「課題先進国」だといわれているが、我々「課題解決先進会社」として何ができるか。生活習慣病が大きな問題となっている。これまでの価格競争における過脂過塩化も一因であろう。その中で改めて生活習慣病を新しい生活習慣の中で解決していくような提案が、食品の企業としてできるのではないか。また、「ベジタブルファースト」や「食事を楽しく一緒に食べる」といった食事の持っている価値を生かせば、今の課題を少しでもよくできるのではないか。そういったことに取り組んでいくことが我々企業の為になり、なによりお客様の為になると考えている
(電子版のみ掲載)

一般社団法人日本惣菜協会 http://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/
株式会社ロック・フィールド http://www.rockfield.co.jp/
 
 
 

日本チェーンドラッグストア協会・宗像守事務総長 講演録(2015年2月)

日本チェーンドラッグストア協会・宗像守事務総長 講演録(2015年2月)
 
SMTSで健康食品セミナー
「小売店舗の健康食品市場における可能性と連携について」
 
 日本チェーンドラッグストア協会(関口信行会長・神奈川県横浜市)の宗像守事務総長は2015年2月10日、第49回スーパーマーケット・トレードショー2015で、セミナープログラムとして「小売店舗の健康食品市場における可能性と連携について」と題し、特別講演を行った。
 一昨年、アベノミクスでは、第3弾の日本再興戦略の1つとして、健康分野において7項目を打ち出しており、最も重要とされているのが、グレーゾーン関連規制解消、エビデンス運動、食事の基準の「健康寿命延伸産業の育成」、薬局を地域健康情報拠点としてセルフメディケーションを推進する「予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり」、企業の責任で機能性表示、米国ダイエタリーサプリメントを参考にする「食を有する健康増進機能の活用」であり、健康寿命を伸ばすことで医療費を抑制する仕組みである。
 宗像事務総長は「国は、保険を使って長生きするのではなく、健康寿命を伸ばす政策に変える方向である。人口減少によりコモディティマーケットは激減し、ディスカント合戦となる。そうすると日本の発展は失われるが、一方で、新しいマーケットを創造する時代でもある。ドラッグストアもシェアを失いつつあり、生きる道は無い。自分たちで新しい未来のマーケットを作る必要がある」と述べ、「これまでのビジネスモデルを変え、社会的役割、機能をもつシフトチェンジが必要。国は健康カテゴリーと在宅カテゴリーを求めているが、SMもドラッグストアも対応できていないのが現状である。メーカーはさまざまな商品を提案するも、売り場ではカテゴリーとしてアピールされていない。しかし、それが新しいマーケットである。これからはSMとドラッグストアは協力しあい、このマーケットを作るべきである」と強調した。
 主な問題として、在宅介護食はオムツなどと合せて、店舗で展開するも、高齢者であっても1日1500カロリー必要とされていることから、低カロリー介護食では、『生き続けれない』といった、説明を店員はできない。そこで、農水省は「在宅介護食の検討会」を実施し、施設介護から在宅介護に変えることで、2兆8000億円のマーケットができると打ち出した。「介護食を『スマイルケア食』と変え、消費者ないし介護士が求める商品をアルゴリズム化し、選択して購入できるようにすれば、農水省の打ち出したマーケットは可能になる」と述べた。
 次にSM業態に対し、実例を元に説明した。アメリカでは、ダイエタリーサプリメントの制度を導入し、小売店で健康食への教育が行われた。結果、食材に対しても気を遣うようになり、ウォールマートが仕掛けたディスカウント合戦から抜け出し、売り上げを伸ばした企業もあるという。また、ウォールマート自身でさえも健康を軸とした売り場作りをしないと、売り上げが取れない状況になったという。そして「日本ではサプリメントチェーンはまだないが、いずれは出てくるだろう。また、サプリメントだけでなく食品も合せての健康作り商品の提案が必要だ」と指摘した。
 さらに、機能性表示が整備されれば、食品の機能性を出すことが可能となり、その商品がどのようにして健康に良いかなどが、店で表現することが可能となることで、ディスカント合戦ではなく、新たなマーケット拡大をすることができる。
 最後に、同協会が新日本スーパーマーケット協会と協力して、マーケット拡大を目的とした「健康食品市場創造研究会」を立ち上げており「メーカー、卸、小売一緒になって取り組みたいので、ぜひ当研究会に入会していただきたい」とした。
 
日本チェーンドラッグストア協会 http://www.jacds.gr.jp/
 
   
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