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漬物研究同志会

 

漬物研究同志会 中国視察研修会

漬物研究同志会 中国視察研修会
 
技能実習生と交流し未来を考える
 漬物研究同志会(近清剛会長)は2016(平成28)年9月9日~13日、中国視察研修会を実施した。今回のテーマは「①20年前に外国人技能実習制度を構築した山形県東置賜郡高畠町と中国山東省蓬莱市との交流」、「②日本の農業のルーツを辿る」の2つ。
 ①は外国人技能実習制度の受け入れ先となった高畠町と出先機関となった蓬莱市の旧交を温めるというもので、②は2200年前に日本に農耕・製紙などの技術を伝え日本の発展の大きな礎を築いたと伝えられている徐福の古里を巡る内容。漬物を語る上で欠かせない歴史と業界の未来につながる取組みの一端に触れ、日本と密接な関係にある中国の昔と今について多くを学ぶ研修となった。
 
実習経験者は蓬莱市企業で管理職
日本流の仕事を理解し成長
 蓬莱市に到着した近会長を手厚く出迎えたのは、かつて株式会社三奥屋(近清剛社長、山形県東置賜郡高畠町)及び高畠町で働いた経験を持つ28人の外国人技能実習生たちだった。
 「本当に嬉しいですね。自分の子供ではないのですが、子供のように思っています。みんなも私のことを父親だと言ってくれます。1期生はちょうど20年前なので、20年ぶりの再会です。みんな一生懸命働いてくれました。研修生の中に日本に行っていなかったら今の自分にはなっていなかった、と言っていた人がいました。日本での1年間は短かったと思いますが、人生の中で貴重な経験になっているはずです。みんなに会えて本当に良かった」
 静かな口調で話した近会長の目は涙で潤んでいた。
 日本で研修したことは外国人にとってもステータスとなっている。3日目となった11日に訪問した蓬莱佳味食品有限公司は、全体の売上の95%が輸出商品で、85%が日本向けに出荷。国内販売は少ない。主力商品は冷凍のいか、かき、タラで、いかの輸出量は年間6500t、カキフライは1200tとともに国内トップに位置している。また、2009年にISO22000‥2005認証を取得するなど、衛生管理も国内トップクラスのメーカー。日本語で会社の概要を説明した王涛加工工場長は、高畠町で外国人技能実習生として1年間働いた経験がある。さらに、同社では日本で働いた実習生を雇用し、多くの人が管理職として働いている。
(中略)
 
日本の農業のルーツを辿る
徐福にまつわる地で研修
 日本の農業のルーツへ―。日本に農耕・製紙などの技術を伝えたとされる徐福の足跡を辿った。
 その歴史は2200年前まで遡る。日本では縄文時代から弥生時代に移り変わろうという時代。「不老不死の仙薬」を求める秦の始皇帝に探索を命じられた徐福は、東方に仙薬を求めて渡海することを上申した。このことは司馬遷の『史記』にも記されており、東方の遥か海上に蓬莱、方丈、瀛州という3つの神山があり、ここに仙人が住んでいる。童男童女とともに不老不死の仙薬を探しに行くことを願い出た。始皇帝はそれを許可し、童男童女3000人、五穀の種子、百工(各種技術者)を徐福に託した。
 徐福は紀元前219年、大船団を率いて中国を出航し、辿り着いた先で農耕などの技術を伝え、中国には戻らなかった。徐福が降り立った地は日本と言われており、日本の発展の礎を築いた人物とされている。この伝説は現在も青森県から鹿児島県まで多くの地域で受け継がれている。
 宮尾氏は、「徐福伝説は日本全国で語り継がれています。徐福の大船団がバラバラになって日本の各地に辿り着き、その地に定住した可能性もあると思います。歴史的にも中国の大陸文化が日本に伝わってきたことは間違いなく、日本で稲作が始まった時期と重なっていることも興味深いです。当時、中国から作物の種や様々な技術が伝えられたことは事実で、それが徐福だったのかは定かではありませんが、中国の話と合わさって、そういった話が全て徐福に関係するものになったのだと思います」と説明。諸説あるものの、徐福が紀元前219年に大船団を率いて出航した地とされる蓬莱水城で海の先を見つめていた。
(後略)
 
 
山東食聖醸造食品有限公司で歓迎される一行
 
上海の豫園で記念撮影
 
高畠町の企業で労働経験がある元技能実習生に歓迎される近会長(中央)
 
 
蓬莱佳味食品有限公司を訪問する一行
 
宝来市との交流会
 
中国四大名楼の一つと称される蓬莱閣
 
山東食聖醸造食品有限公司の工場を見学
 
山東食聖醸造食品有限公司で情報交換
 
山東食聖醸造食品有限公司で醤油を試飲
 
大連塩化グループの食用塩包装生産工場を視察
 
日本の農業の神様と呼ばれる徐福の庵
   

[近清剛会長]
38度線で結ばれる絆 全漬連も実習制度を活用
 「今回の研修会では弊社や高畠町で働いた実習生たちと10年ぶり、20年ぶりに会うことができて本当に嬉しく思っています。外国人技能実習生の受け入れの話は、30年前まで遡ります。一番の目的は労働力の確保でした。3Kと呼ばれる仕事の雇用が難しくなってきていて、このままいくと色々な産業で人手の問題が出てくる可能性がありました。また、国際化が進む中で外国人との共生も課題で、研修生の受け入れ事業に着手することになりました。一番の問題はどこの国のどこの町と協力関係を結ぶかということです。高畠町と蓬莱市は北緯38度線付近にあり、気候が似ていてラフランスやさくらんぼなどの農作物も採れることなどから、その以前から交流がありました。互いに使節団を派遣して関係を強めながら人の交流についても検討するようになり、蓬莱市海外貿易局が送り出し機関、高畠町商工会が受け入れ機関となり、1年以上かけて協定書に調印する運びとなりました。それは今から20年前の1996年のことです。1期生は募集80人に対して2000~3000人の応募があったと記憶しています。それを150名くらいに絞って現地で面接を行いました。実習生の働きぶりはすごくまじめで、生活指導員がいるので生活面の問題もありませんでした。休日には私の自宅にいつも20人くらいの実習生が遊びに来ていました。日本の労働力確保は20年前よりも深刻で、全漬連でも1年から3年の業種認定を受けるために取り組みを行っているところです。産業力を落とさないためには現場で働いてくれる人が必要なので、同制度の件については真剣に考えていく必要があります。日本で働いた実習生は日本の発酵技術を活かした漬物、醤油、味噌などの食文化を母国に伝える伝道師になってくれる可能性がありますし、何より日本で働いた経験がステータスとなっています。蓬莱佳味食品有限公司でも管理職で働いている人が多く、経験者の人生にとっても大きなプラスになっていて、これらの取組みは国際貢献にもつながっています。需要と供給は確かに存在し、あとはそれをどうやって上手く形にしていくかが重要です。全漬連会員の皆様におかれましては、ただ労働力ということではなく、そういった観点からも外国人技能実習制度について考えていただきたいと思います」

 
[宮尾茂雄氏]
大船団の幻影浮かぶ 中国人が持つ探究心に感嘆
 「同志会では13年前に日本の農業の神様と呼ばれる徐福の歴史を学ぼうということで蓬莱に来ました。その時、私は来ていないので徐福の伝説に興味がありました。醤油や味噌なども遣隋使や遣唐使によってもたらされたというのが定説になっていて、日本で醤油の記述が出てくる最古のものは奈良時代です。その時、醤(ジャン)の記述がいきなり出てくるのですが、その前段があるはずだと思います。中国から文化や様々な技術が伝わってきたことは間違いなく、残っている記述はありませんが、遣隋使の前にそういったものが中国から伝わってきてもおかしくないと思っています。日本で稲作が始まったのは縄文時代から弥生時代とされていますが、秦の始皇帝の命を受けた徐福が伝えたとも言われています。稲作を伝えたのは徐福ではない可能性もありますが、当時、何らかの形で日本に伝わったものが徐福の功績としてシンボライズされ、言い伝えられているのだと思います。伝説によれば五穀の種子を持ち込んだとされ、『ノアの方舟』のような伝えられ方もしています。まさに農業の神様ですね。蓬莱は後に軍港としても活用されますが、大船団が出航する港としては適地です。大きな入江を見ると大船団の幻影が浮かび上がってくるようです。始皇帝の命令で不老不死の仙薬を探すために海を渡ったとされていますが、知識人である徐福がどういう気持ちだったのかを考えると複雑な心境ですね。中国は広大な土地があり、日本にはない風景が広がっています。農業に関しては豊かな国で、日本もまだまだ依存せざるを得ない状況だと思います。それにしてもこの大陸では満足せず、更なる成功を求めてあてもない航海の旅に出るということは途方もないことで、中国人の探究心の強さを感じました」
【本文は一部割愛。詳細は2016(平成28)年9月19日第4861号1、4~5面で】
 

漬物研究同志会 滋賀研修

漬物研究同志会 滋賀研修
 
会員企業やまじょうを視察
新入会の鈴木氏・山本氏・山田氏も
 漬物研究同志会(近清剛会長)は2016(平成28)年7月23、24日の2日間に渡り、滋賀県で国内研修会を実施。会員企業の株式会社やまじょう(上西宗市社長、滋賀県湖南市)の工場や直営店の視察、同会が師事する東京家政大学の宮尾茂雄教授の講演などが行われ、充実した2日間を過ごした。
 工場見学では、同社の品質管理に対する想いが現れた製造現場を視察し、予定時間を超えるほど盛んな質疑応答が行われた。また夜には懇親会も開催。今後のHACCP導入や漬物の需要喚起に向けた取り組みなど、業界の未来について語り合う機会となった。
 なお、本研修会から3名の新入会員(株式会社鈴木食品の鈴木良太社長、株式会社山豊の山本千曲社長、株式会社若菜の山田耕平社長)が加わり、会の活動がさらに強化。〝日本の名門漬物メーカーの参加〟と会員らは今後の活動に期待を寄せた。同会は日本を代表する食品工学の権威である宮尾教授を師事する地域名産の漬物製造卸トップが集う勉強会で、昭和56年の発足当時からキユーピー醸造株式会社がその活動を全面的にバックアップしている。
工場・店舗を見学
 23日には、早速やまじょうの工場を見学した。一行がまず注目したのは、製造ラインに並ぶ様々な機械。同社では徹底した品質管理を信条としており、原菜の洗浄・カッティング・漬け込み・袋詰め・加熱殺菌・低温倉庫保存・配送といったそれぞれの分野でその都度、よりよい機械設備を導入してきた。加えて、用具の取扱いに関する注意事項を掲示し安全性や品質に配慮した現場作り、製品ひとつひとつの外観を社員の目で厳しくチェックする様子などを見学した会員からは、感嘆の声が上がった。
 また同社は8年前から小売業をスタートさせ、現在は湖南市・近江八幡市・彦根市の3箇所に直営店を持つ。一行は2日間かけて全ての店舗を視察した。直営店では地域に根差した取り組みを重視し、瓦の名産地として知られる近江八幡市の店舗には、「山上」の文字を記した瓦製の表札がある。また全ての店舗で、近江商人の屋敷に設けられていた「川戸」と呼ばれる野菜・鍋などの洗い場を再現している。他にも季節の花をあしらう演出など来店者を惹きつける工夫が多く見られた。
(後略)
 
 
「山上 本店」前で記念撮影
 
 
宮尾教授
 
近会長
 
上西社長
 
小林氏
 
 
工場内で説明を受ける一行
 
3箇所ある直営店も全て見学
 
若宮食品のブルーベリーと、宮尾教授協力の下開発した柴常の漬物ベイクドチーズケーキ
   
東京家政大 宮尾教授講演
野菜の洗浄・発酵の概念など語る
 東京家政大学の宮尾茂雄教授が、「第一部原料野菜の殺菌洗浄(新規炭酸次亜水の話題を含めて)、第二部漬物における発酵とは」の演題で講演した。
 ~第一部~
■札幌白菜切りづけからの教訓:2012年8月、北海道札幌市のメーカーの白菜切りづけ(調味液pH6・1、酸度0・0%、塩分濃度1・9%)からO157が検出される食中毒事故が発生した。札幌市は、①汚染区域と非汚染区域の物理的な区分が不十分、②同一のものが多数ある樽や蓋などが用途別に区分されていなかった、③殺菌用の次亜塩素酸ナトリウムの調整を目分量で行い、殺菌途中での塩素濃度の測定や次亜塩素酸ナトリウムの追加などを行っていなかったなど「製造工程に問題があった」と結論付けるも、「問題があった工程」は特定できず。その後厚生労働省が全国の漬物メーカー2282施設を対象に行った立ち入り検査では、製造施設の清掃や室温などの衛生管理の不備が1488施設(65%)、食材を殺菌していない・殺菌の記録がないのが1729施設(76%)といった実態が明らかとなり漬物の衛生規範の改正・HACCP導入の促進へと至った。
■電解水(次亜塩素酸水)による殺菌洗浄:原料野菜の除菌方法には、加熱などの物理的除菌、次亜塩素酸ナトリウムを使うなどの化学的除菌がある。次亜塩素酸ナトリウムはpHによって殺菌効果が大きく異なり、希塩酸などを用いてpH6・0に希釈した場合は、そのまま水で希釈した場合(pH8~9)と比較して高い殺菌効果が得られる。これはpHにより有効塩素の存在比が異なるため。ただしpHが4・5以下に低下すると有害な塩素ガスが発生しやすくなるため、希塩酸などを用いた希釈には、安全性の問題がある。
■炭酸次亜水による殺菌洗浄:安全性と殺菌効果を両立する方法として、炭酸ガス混合方式による炭酸次亜塩素酸水(次亜塩素酸ナトリウム水溶液を炭酸ガスによってpH5・0~6・5に調整した弱酸性の殺菌水)殺菌がある。炭酸ガスを注入すると、中性域までは急速にpHが降下するが、弱酸性域になるとなだらかに降下し安定する。そのため万一過剰に投入しても塩素ガスが発生する危険な状態にはなりにくい。50~100ppmの低濃度でも短時間で殺菌できるため、現在はカット野菜の殺菌などに利用されている。
 ~第二部~
■発酵漬物の主な乳酸菌:発酵漬物には、発酵初期・低塩漬物に多い「ロイコノストックメセンテロイデス」などの乳酸球菌、発酵の中後期・発酵漬物の主要乳酸菌である「ラクトバチルス プランタルム」や「ラクトバチルス ブレビス」などの乳酸桿菌といった様々な植物性乳酸菌が関係している。植物性乳酸菌は胃酸や胆汁に耐え腸に生きたまま届くため、便通改善作用や免疫調節作用などの健康効果が期待できる。なお、死んだ乳酸菌では整腸作用は失われるものの、免疫調整作用は残存すると考えられている。
■漬物における発酵の概念(私案):現状では、発酵漬物は乳酸菌の活動により乳酸菌数は107~108/g(ml)、pH3・5~4・5程度になったものと捉えることができるが、具体的な数値で規定されたものではなく、発酵の概念はあいまい。今後その概念を明確にするため、発酵に程度の概念を導入することを提案する。発酵した野菜素材を殺菌した場合も含めて、全漬連として認定・検査協会で検証する。具体的には、充分な発酵(現在の発酵の概念)、温和発酵(マイルド発酵)など、pHや乳酸菌数などで定義づける。今後の課題としては、漬物の発酵について科学的データを蓄積することが必要。
【本文は一部割愛。詳細は2016(平成28)年8月29日第4858号14面で】
 
 

漬物研究同志会 研修会を開催

漬物研究同志会 研修会を開催
 
発酵に「程度」の概念導入を
近会長
 漬物研究同志会(近清剛会長)は2015(平成27)年11月19日、東京都板橋区の東京家政大学で研修会を開催。同会が師事する全日本漬物協同組合連合会(近清剛会長)常任顧問の宮尾茂雄教授が「発酵と腐敗」の演題で講演会を行い、消費者にも理解しやすいように発酵と発酵漬物の特徴付けを提唱した。発酵に『程度』の概念を導入することで、消費者に対して農産物漬物における発酵の理解を図り、PRしやすくすることが狙い。
 また、同会が9月に参加した中日醸造・食品・栄養・環境シンポジウム/中日伝統食品創新フォーラム(主催=中国食品科学技術学会、日本生物工学会、四川省食品科学技術学会、四川大学)が1、2年後、日本で開催される予定であることが明らかになり、全日本漬物協同組合連合会と漬物研究同志会も協力することが確認された。日本のみならず世界から注目される『発酵』に関する情報を日本から世界に向けて発信することになる。
 その他、同大学宮尾研究室の卒論生との漬物談義も実施され、各社製品のアンケート調査報告が行われた他、意見交換が行われた。いずれも漬物業界の道標となる内容で、有意義な研修会となった。
【本文は一部割愛、詳細は2015(平成27)年11月23日第4825号2面で】
 
 
宮尾教授が講演提唱 発酵の基準は100万/g
宮尾教授
 ワイン、ビール、清酒、焼酎、みりん、味噌、醤油、米酢、かつお節、納豆、チーズ、ヨーグルト、漬物、パン…。これらは全て発酵食品である。世界一の長寿国である日本の健康を支える発酵食品は世界からも注目を浴びている。宮尾教授は広範囲で表現される『発酵』について程度の概念を導入し、それぞれの特徴を打ち出しやすい環境を整備することを提唱した。
 宮尾教授は「個人的な見解ですが、漬物においてはもっと発酵の部分をPRしても良いと思っています。消費者は発酵について良いイメージを持っています。発酵という言葉を上手く使うことができれば漬物のイメージも良くなると思います」と漬物のイメージアップにもつながると指摘。続けて「酒、醤油、味噌は商品として流通する場合、多くのものは殺菌されているので生きた菌はいないのですが、これらは発酵食品として認識されています。一方、漬物では、しば漬やすぐきなど一部のものが発酵漬物として認識されているように思います。これまで発酵食品の世界ではあまり言われてこなかった、『発酵の程度』に関する概念を導入することで漬物の多くが発酵食品としてPRできるようになるのではないか、と思っています」と説明。微発酵、温和発酵(マイルド)、軽度発酵(ライト)、十分な発酵(ヘビー、現在の発酵の概念)と段階の基準を設けて発酵のレベルを明確にすればその段階に応じたPRをしやすくなるという考えだ。
 宮尾教授が基準の参考としたのは乳等省令におけるはっ酵乳(ヨーグルト)と乳酸菌飲料の位置づけ。乳等省令では、はっ酵乳の乳酸菌数または酵母数(1㎖当たり)は生菌が1000万以上、乳酸菌飲料は100万以上となっている。宮尾教授は漬物における発酵の用語について、「農産物漬物において、発酵とは、製造過程において主に乳酸菌が100万/g(㎖)以上に達した状態で、主に乳酸菌による乳酸等の生成によりpHが4・5以下となること。こうじ(こうじ菌)や酵母により、糖分やエタノール等風味成分が増加することにより、風味が形成されること」を提案している。(後略)
 
 
 
宮尾教授の講演会
宮尾教授の講演会
 
各テーブルで積極的な意見交換が行われた
各テーブルで積極的な意見交換が行われた
 
卒論生によるアンケートの総評
卒論生によるアンケートの総評
   
新年度の活動テーマは『発酵』 卒論生と意見交換を実施
 研修会は事務局を務める小林登氏(キユーピー醸造)の司会進行で、近会長が挨拶に立ち、9月に開催された中日醸造・食品・栄養・環境シンポジウム/中日伝統食品創新フォーラムの報告を行った上で、「宮尾先生の学術発表は非常に有意義な内容でした。発酵食品としての漬物の価値を業界人がもっとPRしていかなければならないと思います。次回のフォーラムは日本で開催されるそうです。新年度はフォーラムの協力も含めて発酵のテーマで活動していきたいと思っています」と『発酵』を活動方針のテーマに掲げた。(中略)
 漬物談義では、同志会会員企業より提供された漬物23品について、事前に宮尾研究室の卒論学生たち10名がまとめたアンケートの総評が発表された。調査は商品のパッケージデザイン・内容量・サイズ・色・歯切れ・調味の6項目を5段階で評価。学生たちからは、「中身を出すと色味が良いが、パッケージでは暗いイメージになっている」、「スーパーだと目立たなさそう」、「他の味との違いがわかりづらい」、「裏面に美味しい食べ方等が記載されているとよい」など、デザインを重視する若者らしい意見が出された。
 さらに内容量・サイズについては、「一人では量が多すぎる」、「小分けに加工してもよいのでは」など、一人暮らしの学生ならではの声が聞かれた。味に関しては「パッケージで謳っている味や食感と違った」、「クセがあり少し食べづらかった」など厳しい意見も。「同志会の皆さんの為にも厳しめに評価してもらいました」という宮尾教授の言葉があったように、全体的に忌憚のない意見が目立ったが、同志会会員は学生たちの率直な意見に熱心に耳を傾けていた。総評後は各テーブルごとに分かれた学生たちと意見交換を行った。
 最後に近会長から「これから宮尾教授とともに『発酵食としての漬物』のブランディングをさらに進めていきますので、若い皆さんもぜひ漬物にご理解を頂きたいと思います」と締めの挨拶があり、閉会となった。
   
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