講演録

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講演録 2017

   

会合・イベント等で、著名人が講演した内容を採録するページです。

 
☆★目次★☆
 
 
 
 

京都府漬物協同組合 ソルト関西・渡辺氏講演(電子版限定)

京都府漬物協同組合 ソルト関西・渡辺氏講演(電子版限定)
 
渡辺氏
〝良い塩梅〟適塩の大切さ説く
 京都府漬物協同組合(平井達雄理事長)は2017(平成29)年1月26日、グランドプリンスホテル京都にて研修会および新年会を開催。研修会の講師には、株式会社ソルト関西(山本博社長、本社=大阪市中央区本町)品質管理室課長の渡辺尚昭氏を招き、「『塩について』製法から適塩まで」のタイトルで、塩に関する幅広い内容の勉強会を行った。講演内容は以下の通り。
◇    ◇
■表示について
 塩に関しては「ミネラル豊富」や「ミネラルを含む」、「ミネラル塩」といった表示をすることは認められていません。加えて、「天然」や「自然」という言葉も使用できません。そもそも塩はすべて天然の原料から出来ており、「天然」や「自然」という言葉を使うことで、より品質が優れたものであるという誤認を招く恐れがあることが、その理由です。
■製法について
 塩の製法についてポイントとなるのは、塩分濃度3%の海水をどう濃くするか、水分をどう蒸発させるか、の2つです。製法は大きく分けると、①海水(そのままを蒸発、イオン交換膜で濃縮した後蒸発等)、②天日塩(粉砕して洗浄、溶解し再結晶等)、③岩塩(粉砕、溶解し再結晶)の3つのパターンがあり、それぞれ塩としての特徴も異なります。
■塩の需要と用途について
 食塩摂取量の推移を見ると(出展:「国民健康・栄養調査報告」「日本人の食事摂取基準」、厚生労働省)、平成元年から平成24年までの1歳以上の1人当たり・1日の食塩摂取量は、平成元年が12.2g、平成7年に13.2gのピークを迎えて以降ほぼ毎年緩やかに減少を続け、平成24年には10.0gとなっています(数値は摂取した食部中に含まれるナトリウム量の数値を2.54倍して求めた値で、実際に調味や味付けに使用した塩量を測定したものではない)。
 塩の業務用需要量は(出展:公益財団法人塩事業センターHP)、平成9年度には食品工業用計で98万9千t(漬物:13万t、味噌:6万3千t、醤油:21万5千t、調味料:15万7千t)、平成27年度には食品工業用計で76万t(漬物:8万t、味噌:3万7千t、醤油:16万t、調味料:11万2千t)となっています。また、こうした食用+食品工業用が塩全体の用途の約12.5%なのに対し、ソーダ工業用は75.2%(出典:財務省塩需給実績、2011)と高い割合を占めています。
 
研修会の様子
■適塩について
 人間の体の中の塩分は、0.9%の濃さで血液や消化液に溶けており細胞の周りには塩水が無くてはなりません。塩分が不足すると減少した塩の量に合わせて水分(血液)の量が減り、脳への酸素供給が減るため、めまいやふらつきを引き起こすことになります。これが体の中に塩分が無くてはならない理由のひとつです。
 また、脳への信号や脳からの信号を伝えるために、ナトリウムイオンが働いています。塩が無ければこの働きが十分でなくなるため、足がつったり痙攣を起こしたりします。他にも、塩に含まれる塩化物イオンが胃液を作るもとになる、ナトリウムイオンが小腸で栄養を分解・吸収する際に働くため、塩分が不足すると食欲不振や栄養の吸収阻害に繋がることになります。
 塩分の過剰摂取と高血圧の関係については、1954年にアメリカのダール博士が提唱した「塩分の過剰摂取が高血圧を招く」との考え方が、またたく間に世界中に広がり詳細な検証がなされました。すると、1984年に元名古屋市立大学教授の青木久三氏が「食塩の摂取量は血圧に関係なく高塩分でも体外に排出できれば血圧は上昇しない」とし、1988年にロンドン大学などが共同で32カ国約1万人を対象に行った調査(インターソルトスタディ)で、「調査対象者の大部分を占める1日の塩分摂取量が6~14gの人たちには塩分摂取と高血圧に相関関係が見られなかった」とするなど、両方の立場の意見があるのが現状です。また、「食塩を摂っても血圧が上がる人と上がらない人がいる」(インターソルトスタディ)という、食塩感受性(食塩摂取で血圧が上がる体質)という性質も報告されています。
 塩の摂取量については、厚生労働省推薦食塩摂取量が、男性8g未満、女性7g未満とされていますが、家庭での食事や外食なども考慮すると、正確な摂取量を計算するのは不可能という面もあります。私の個人的な考えとしては、過度な減塩は止め、美味しい食事を楽しみながらも無駄な塩分摂取は控え、良い塩梅を意識することが大切だと思います。
◇    ◇
 講演終了後には、田中稔章副理事長より「塩と漬物に関しては、消費者に対し業界を挙げて正しい理解を求めて行くことが必要だと思います」と、感想を交えながらのお礼の言葉が贈られた。
【2017(平成29)年2月13日第4879号13面】
 
京都府漬物協同組合 http://www.kyo-tsukemono.com/
 
   
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