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特別寄稿

ダイエー創業者 巨星・中内㓛氏没10年記念献花が開催される

献花会場の入口
中内㓛氏没10年記念・献花台

【特別寄稿】

日本に大衆消費社会を実現 「歴史とは、過去と現在との対話である」
 グローカルマネジメント社 代表 小澤 信夫氏(淑徳大学経営学部講師)
 
―流通革命に携わったダイエーの志士たちが次々と参集する―
 2005年9月19日に逝去されてから丸10年を迎え、参集された方々は、流通科学大学内(神戸市西区学園西町3-1)に設けられた献花台に神妙に頭を垂れていました。来場者が巨星中内氏故人を偲び、故人がいつもいつでも言われていた「ネアカ のびのび へこたれず」の心に触れることが出来るような没10年記念の催しになっていました。
 式典等は行わず、当日は、軽装で自由に献花し、来学者は献花後、日本の流通の歴史を刻んだ資料館を見入り、故中内さんが成し遂げた流通革命の偉大な足跡に感動されていました。当日、来学が叶わなかった方にも献花できるよう、大学サイトにバーチャル献花を用意するなど、きめ細かな配慮がされていました。
 ダイエーOB.OGの方やお取引先の方が早朝から多数来学され、流通科学大学理事長・中内潤さんが、そのお一人おひとりにご丁寧な挨拶をされていたのが大変印象的でした。
 ダイエー社内報創刊号「飛躍」の編集に外部から支援していただいた印刷企画会社の社長の姿がありました。「今の豊かな大衆消費社会は、中内さんが命を懸けて築いた」-このリジェンドを語り継いでいかなければならないとしみじみ言っておられたのが印象的でした。
 まさに当大学が目指す実学の思想は、新しい明治維新時代へと舞台を移した松下村塾創始者・長州藩士吉田松陰の生き様と重なって見えてきました。飛耳長目録と言い、なんでも見てやろう精神が沸々と感じられました。「まず行動する」「走る」「百聞は一見にしかず」-等々、松陰の思想が中内ネアカ塾にダブって見えるのです。「良い品を どんどん安く 売り より豊かな社会を」-を旗印にまっしぐらに進み、豊かな現在の大衆消費社会を創造された中内さんの魂が連綿と根付いていました。
 「流通革命を成し遂げるためには、常に目標を打ち立て、これを実現するには一歩一歩を力強く歩み続けていく他はない」という言葉を中内さんは、しばしば発していましたが、それをすべて実行されていました。現実主義者であると同時に理想主義者でありました。この流通科学大学も、その夢の実現の一つだと思います。
 「恐れては、何もできないのだ。時代の先を行く者は石をぶつけられる覚悟を持たなければならない。私は流通革命というはりつけにあって、常に石をぶつけられてきた」と言っておられた中内さんの言葉が思い出されます。なりたい自分を発見する〝流通科学大学〟の建学の理念「流通を科学的に研究教育する事を通じて、世界の平和に貢献し、真に豊かな社会の実現に貢献できる人材を育成する」が連綿と脈打っていました。
 
【小澤信夫氏プロフィール】
中央大学卒業(昭和41年)、淑徳大学経営学部講師、㈲グローカル・マネジメント社代表取締役
社会保険労務士事務所主宰、日本経営事務研究学会会員、ダイエー・マルエツで秘書・教育・人事等々の取締役を歴任し、ダイエー創業者中内(なかうちいさお)氏の側近として、リーダー像やマネジメント手法を学ぶ。マルエツでは「店長直行便」を立ち上げ、同社は消費者志向優良企業・通産大臣賞を受賞。2004年、池袋地区の特殊暴力対策協議会会長としてコンプライアンスに努め、警察庁長官賞受賞。著書「リーダーのための実践的マネジメント論」(ストアジャパン社)、「お店のクレーム解決力」(ダイヤモンド社)
 
 
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