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西友商店「あゆ茶漬」

あゆ茶漬

全国水産加工たべもの展2022
「あゆ茶漬」が水産庁長官賞

 西友商店株式会社(阪田嘉仁社長、滋賀県高島市今津町)の「あゆ茶漬」が、第66回全国水産加工たべもの展で水産庁長官賞を受賞した。
 最大の特徴は鮎を素焼きにしていること。一度素焼きにすることで鮎に香ばしさが生まれ、うま味が増す。その後、鮎の身が崩れないよう職人が手で炊き上げていくと、芯までタレが染み込み、ふっくらと柔らかな佃煮となる。
 このタレは砂糖と醤油、清酒、山椒を中心としたシンプルなもの。「香魚」とも呼ばれる鮎が持つ繊細な風味を活かすため、一般的な佃煮と比べるとすっきりとした味付け。山椒が加わることで爽やかで飽きのこない味わいとなっている。ご飯に乗せてお茶漬けに、またそのまま酒の肴として食べることをオススメしている。
 同社のルーツは、古くから鮎漁の拠点として栄えた近江今津で昭和初期に創業したうなぎ・川魚専門店にある。現在は本店で飲食店を営んでおり、地域を代表するうなぎの名店として愛されている。
 「あゆ茶漬」の、鮎を素焼きにするという手間ひまが掛かる独自の製法は、長年培われた佃煮の技術を応用したものである。日本一の琵琶湖を有する滋賀という地域特性と、同社の歴史が生んだ逸品と言える。
 阪田社長は「鰻や鮎は海産物以上に資源量が少なく、希少な存在であり、安売りできるものではない。その中で選ばれる商品を作るには、基本的な品質に磨きをかけるのに加え、当社だけのプラスアルファの価値付けが必要」との考えの下、近年は製造工程の見直しや、原料の厳選など、これまで以上に厳格に行っている。
 飲食店においても同様で、細部まで気遣いの行き届いたコロナ対策、盛り付けにまでこだわりSNS映えするメニュー開発などの価値向上策が奏功し、コロナ下でも売上を落とすことなくここ2年間を乗り切ってきた。
 環境保護活動にも取り組んでいる。原料の端材を堆肥化して滋賀県産米「みずかがみ」の循環農業に活用するなど、良質な原料の確保と環境保護を両立させている。
【2022(令和3年)5月16日第5093号】

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