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塩 業界活動2025

<くらしお> 2025年度活動計画を策定 運動の認知度向上へ

 塩業界(塩の製造、輸入、流通に携わる業界)及び塩のユーザー等の関係業界(食品製造業や小売店の業界など)で構成する「塩と暮らしを結ぶ運動推進協議会」が2017年にスタートさせた「塩と暮らしを結ぶ運動(略称:くらしお)」は4月24日、全体会議を開催。運動の2024年度の活動報告と2025年度の活動計画を確定した。
 2024年度は、活動計画に従い、公式サイトの拡充、公式Xアカウントの活用、本運動を挙げての熱中症対策啓発、熱中症予防声かけプロジェクトと連携しての熱中症対策啓発、外部イベントへの参加を実施し、本運動及び熱中症対策をはじめとする塩の大切さの周知を行った。
 主な活動としては、全体会議2回、運営会議6回を開催した。会員の状況(2025年3月末時点)は、正会員:6団体(構成員69社)、賛助会員:3団体、協力団体・協力会社等:35団体・社。
◆2025年度活動計画
【基本方針】
①引き続き、以下の活動目標の達成を目指す。
(1)塩が生きていく上で欠かせないものであることの啓発の推進
②基本方針に基づく年間のスケジュールは、以下の通り。
 ・5月~ 運動を上げての熱中症対策啓発
 ・6月 塩と暮らしの日(7月3日)に向け広告出稿
 ・7月 公式Xでの熱中症予防キャンペーン
 ・1~2月 公式サイトでのくらしおクイズキャンペーン
【公式サイトの拡充】
①既存コンテンツの拡充
 ・「くらしお古今東西」等について、専門家からの寄稿により、更新を継続する。
②Xの活用
 ・既存のサイトコンテンツの紹介、サイトの更新情報の紹介を継続する。
 ・熱中症対策のため、 WBGT(暑さ指数)の発信を実施する(4月~10月予定)。
【効果的な広告等の実施】
①新聞広告
 7月3日の「塩と暮らしの日」に向けて、食品業界紙(協力会社5紙※本紙含む)への広告の出稿を継続する。
②熱中症予防声かけプロジェクトとのコラボによる自治体へのウチワ等の配布
 ・ウチワ、ポスター、塩タブレット等の提供を継続する(5月以降)。
③Xキャンペーン
 ・公式Xアカウント上でキャンペーンを実施する(7月)。
④クイズキャンペーン
 ・公式サイト上でクイズキャンペーンを実施する(1月~2月)。
⑤本運動を挙げての熱中症対策啓発
 ・会員各団体・各社のオフィス等での熱中症対策啓発ポスターの掲示、塩タブレット・ウチワの設置を実施する。
【イベント等における周知】
 ○大規模イベント等での周知活動を実施する。
【ツール・グッズ】
 ○熱中症対策啓発ポスター、ウチワ、塩タブレットを増刷する。
【他団体との協力の推進】
 ○自治体等については、塩タブレットの提供等による連携・協力を継続する。
 ○熱中症予防声かけプロジェクトとのコラボを継続し、引き続き「ひと涼みアワード」での受賞を目指す。
【メディア広報】
 ○プレスリリースへの情報の提供や、食品業界紙等への情報提供を継続し、記事化による運動の周知の促進を図る。
【塩の価値向上策】
 ○早期の取りまとめ、発信を目指す。
【2025(令和7)年5月21日第5196号6面】

くらしお
https://www.shiotokurashi.com/

瀬戸内国際芸術祭 「塩と生命」イベント開催

(左から)北川氏、中村氏、高梨氏によるトークセッション
生物に塩は不可欠な存在
 瀬戸内国際芸術祭実行委員会(池田豊人会長=香川県知事)は6日、塩サミット春のトークイベント「塩と生命」を香川県高松市のかがわ国際会議場で実施し、オンライン中継も実施された。
 本イベントは、10月5日に香川県綾歌郡の宇多津エリアで開催予定の「塩サミット」のプレイベントとして企画された。
 イベントの開会に際して、同芸術祭総合ディレクターである北川フラム氏は「10月に開催予定の塩サミットは、塩の研究者をはじめ、塩業関係者、さらには塩が名前につく方々や、塩尻、塩竈のように塩がつく地名の方々を招き、あらゆる角度から『塩』について語り尽くす。本日は、なぜ生物は生きるために塩を必要とするのか、その謎を紐解く機会にしたい」と挨拶した。
 次に、JT生命誌研究館名誉館長の中村桂子氏が登壇し講演した。中村氏は生命科学者の視点で、塩について「命の場である海から取れ、海の中の様々なものが含まれる複雑な存在」と表現し、生物にとって海や塩は欠かすことができないと伝え、一例として胎児は、海の水のような状態が保たれる母体内の羊水で生育すると語った。
 また、昨今のSDGs推進の動きに一つ疑問を投げかけ、人間が自然を保護するという観点ではなく、人間は自然の一部であるという意識は忘れてはならない、これこそが生命科学的に見た本来の多様性だと伝えた。
 続いて、たばこと塩の博物館で主任学芸員を務める高梨浩樹氏が登壇。勤務先の博物館の塩の常設展示では、製塩技術史や塩の科学といった様々な角度から塩を物語り、「塩が生活に不可欠な役割を担う必需品である」との展示ストーリーにこだわっていると紹介した。
 さらに、塩が生物にとって必須な存在である理由として、生物の細胞を囲む細胞外体液を維持する役割を塩が持つことを示した。
 そして、塩を摂取しづらい環境下にある生物、例えばアフリカ中部の熱帯雨林に住むマルミミゾウにおいても、塩なめ場を作り、塩を補給していると話した。人間以外の動物も、塩を過不足なく摂取し、食事とは別に塩をなめることがある。
 高梨氏は「生物は何らかのセンサーで、塩の過不足にうまく対応し生存している」と講演を締めくくった。
 最後に北川氏、中村氏、高梨氏のトークセッションでは、北川氏が「発酵食品には塩が使われていますね」と投げかけ、中村氏と高梨氏は、一定の塩分濃度が発酵に関わる特定の微生物(乳酸菌、酵母など)の生育環境を作り出し、その結果、醤油や味噌などを生み出すと、発酵のメカニズムを解説した。
 中村氏は「自然や世界は本当に複雑であり、科学であっても人間が完全に把握することは困難であるため、謙虚な姿勢で自然や世界と向き合ってほしい」と総括し、トークセッションも閉幕した。
【2025(令和7)年5月11日第5195号4面】

<年頭所感> 塩業界の明るい未来創造

日本特殊製法塩協会 会長 又吉元榮

 令和7年の年頭にあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 旧年中は当協会会員の皆様はもとより、関係先の皆様には多大なるご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
 当協会は2015年に特殊製法塩の品質向上・調査研究及び普及啓発、関連団体との協調と関係諸官庁への要請など、業界の健全な発展と消費者の食生活向上に寄与することを目的に設立され、今年で設立10年を迎えます。発足当時を振り返りますと、雲を掴むような活動から出発し現在に至るまで、歴代の理事並びに運営委員、そして会員各位が協会発展のため共に汗を流して参りました。
 その活動が功を奏し、現在では「塩と暮らしを結ぶ運動」「全国塩業懇話会」への参画をはじめ、塩業界全体の発展に寄与する団体として内外から広く認知されております。今後は当協会の法人化も視野に入れ、更なる組織体制の強化を図っており、新会員も随時募集しております。ともに塩業界の明るい未来を創造して参りましょう。入会希望の企業は当協会ホームページ(下記)よりご連絡ください。
 最後に、塩業界全体の益々の発展を祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
【2025(令和7)年1月1日第5183号4面】

日本特殊製法塩協会


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