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アニバーサリー 2025

京都市 京の名匠に村上嘉一氏 「千枚漬」守る熟練の技

村上氏(右)と松井市長
 京都市は、伝統産業の卓越した技を持ち、業界発展に貢献する「伝統産業技術功労者(京の名匠)」を発表、昨年12月16日に京都市役所で表彰式を実施した。
 本紙関連では宮川町むらかみ(東山区)の村上嘉一代表が表彰を受けた。
 染物、織物、工芸、食品などの分野で活躍する11名に、松井孝治市長より表彰状が授与された。松井市長は「日本のみならず世界の宝と言える技術を磨き、後進へ伝えている皆様に敬意と感謝を申し上げる。伝統の価値は何物にも代えがたく重いものであるが、今日においては見落とされがちなのが現実。価値を正しく、世界中へ伝えていくこと、道を極める人々を応援することに市として力を尽くしたい」と伝統産業を後押しする姿勢を示した。
 受賞した村上氏は、宮川町むらかみの四代目として、千枚漬を中心に、季節に合わせた漬物を製造してきた。
 同店の千枚漬は鉋を用いて手作業でミリ単位の調整をしながら薄切りにしていることや、味付けは酢をほとんど使わず昆布を多く用いた独自の味が特徴。
 村上氏は蕪や気候の状態を見極めながら、熟練の技術でこの伝統の味を守ってきた。
 表彰式を終えて村上氏は「野菜の状態を見極め、同じ味に仕上げるには技術と経験が必要。努力を認めていただき励みになる。近年は温暖化の影響で野菜の出来が不安定。難しい環境だが、お客様に喜んでいただくためにも、このような時こそ腕の見せどころ、と踏ん張っていきたい」と話した。
【2025(令和7)年1月11日第5184号7面】
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