<紀州梅特集> 梅加工品の需要が増加 原料不足下での創意工夫を
紀州産の梅が深刻な原料不足に陥っている。
今年の作柄は平年の7割作となり、2年連続の不作となった。昨年は4割作と史上最低の作柄となったが、一昨年からの持ち越し在庫があったので厳しい環境ながらも対応することができた。しかし、今年は昨年からの持ち越し在庫がない状態で平年の7割しか原料がなく、低級品の原料価格は一昨年の2倍以上に高騰するなど、昨年以上に厳しい状況となっている。
今秋の値上げ幅は昨年が小さいところは大きくなり、昨年が大きいところは小さくなるなど、単年で見ると差があるものの、一昨年の価格と比較すると小売り向け商品は最低でも30%、最高で50%以上上がっているものもある。また、中国産も昨年から今年にかけて値上げが実施されている。
紀州産で値上げ幅が大きいのがギフトや通販で使用されるA原料を使用した商品。紀州梅産地では4月に4回雹が降り、秀品率が大幅に低下。各メーカーでは等級を下げて販売することを余儀なくされている他、低級品を使用した訳あり商品や新規格商品を作って対応している。
小売り向け商品も通販用の商品も品質が下がっているにも関わらず、値上げをしなければならない、という状況となっており、物価高騰が続いて消費者の節約志向は高まっている中、どこまで消費者の理解を得られるかが重要なポイントとなっている。
昨年からの値上げで国産の数量は2割前後落ちているが、金額は値上げした分がプラスとなっており、前年よりも微増している。売上だけを見ると悪くない状況だが、数量の2割減は梅干し市場の将来性を考えると大きな不安材料となっており、梅離れの加速が懸念されている。
紀州みなべ梅干協同組合(殿畑雅敏理事長)と紀州田辺梅干協同組合(前田雅雄理事長)では、9月に「令和7年度紀州産梅干の状況について」の題目で共同声明を発表。紀州産が不作となった現況を伝え、組合加盟企業の価格転嫁がスムーズに行われるよう、流通や小売関係者に理解を求めている。
各メーカーでは紀州産の原料が不足しているため、中国産商品の提案を行っており、売場では中国産のアイテムが増加している。国産と中国産では単価が大きく異なるが、中国産の売れ行きは好調で消費者の梅離れを防ぐアイテムとして重要な役割を果たしている。ただ、紀州梅産地には中国産原料を扱っていないメーカーもあり、原料確保は引き続き大きな課題となっている。
中田食品株式会社(中田吉昭社長、和歌山県田辺市)では、梅干しの価値を高めるため、栄養成分表示を従来の100gから1粒あたりに変更。「梅干しは高塩」というイメージを払拭し、より梅干しを食べやすい環境を作るための取組を行っている。
梅干しの風味と酸味、塩気は他にはない魅力となっており、お菓子や飲料などのフレーバーなどとして幅広く使用されている。フリーズドライや梅肉、梅加工品などへの引き合いは年々増加している。原料不足の状況下でも創意工夫を凝らしながら事業を推進している企業を特集した。
【2025(令和7)年11月1日第5211号1面】
今年の作柄は平年の7割作となり、2年連続の不作となった。昨年は4割作と史上最低の作柄となったが、一昨年からの持ち越し在庫があったので厳しい環境ながらも対応することができた。しかし、今年は昨年からの持ち越し在庫がない状態で平年の7割しか原料がなく、低級品の原料価格は一昨年の2倍以上に高騰するなど、昨年以上に厳しい状況となっている。
今秋の値上げ幅は昨年が小さいところは大きくなり、昨年が大きいところは小さくなるなど、単年で見ると差があるものの、一昨年の価格と比較すると小売り向け商品は最低でも30%、最高で50%以上上がっているものもある。また、中国産も昨年から今年にかけて値上げが実施されている。
紀州産で値上げ幅が大きいのがギフトや通販で使用されるA原料を使用した商品。紀州梅産地では4月に4回雹が降り、秀品率が大幅に低下。各メーカーでは等級を下げて販売することを余儀なくされている他、低級品を使用した訳あり商品や新規格商品を作って対応している。
小売り向け商品も通販用の商品も品質が下がっているにも関わらず、値上げをしなければならない、という状況となっており、物価高騰が続いて消費者の節約志向は高まっている中、どこまで消費者の理解を得られるかが重要なポイントとなっている。
昨年からの値上げで国産の数量は2割前後落ちているが、金額は値上げした分がプラスとなっており、前年よりも微増している。売上だけを見ると悪くない状況だが、数量の2割減は梅干し市場の将来性を考えると大きな不安材料となっており、梅離れの加速が懸念されている。
紀州みなべ梅干協同組合(殿畑雅敏理事長)と紀州田辺梅干協同組合(前田雅雄理事長)では、9月に「令和7年度紀州産梅干の状況について」の題目で共同声明を発表。紀州産が不作となった現況を伝え、組合加盟企業の価格転嫁がスムーズに行われるよう、流通や小売関係者に理解を求めている。
各メーカーでは紀州産の原料が不足しているため、中国産商品の提案を行っており、売場では中国産のアイテムが増加している。国産と中国産では単価が大きく異なるが、中国産の売れ行きは好調で消費者の梅離れを防ぐアイテムとして重要な役割を果たしている。ただ、紀州梅産地には中国産原料を扱っていないメーカーもあり、原料確保は引き続き大きな課題となっている。
中田食品株式会社(中田吉昭社長、和歌山県田辺市)では、梅干しの価値を高めるため、栄養成分表示を従来の100gから1粒あたりに変更。「梅干しは高塩」というイメージを払拭し、より梅干しを食べやすい環境を作るための取組を行っている。
梅干しの風味と酸味、塩気は他にはない魅力となっており、お菓子や飲料などのフレーバーなどとして幅広く使用されている。フリーズドライや梅肉、梅加工品などへの引き合いは年々増加している。原料不足の状況下でも創意工夫を凝らしながら事業を推進している企業を特集した。
【2025(令和7)年11月1日第5211号1面】
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<滋賀特集> 地元産品へ関心高まる 千枚漬の大蕪は生育好調
滋賀県では、県内漬物メーカーの中で、彦根市のキャラ・ひこにゃんをパッケージに起用したり、人気アーティストの西川貴教氏がプロデュースする商品を発売したりと、滋賀らしさを活かした魅せ方が活発化している。
滋賀出身の西川貴教さんは、米フェスや、音楽イベントの開催で地元に貢献し、この11月より「戦国ディスカバリー滋賀・びわ湖」のアンバサダーにも就任した。湖魚佃煮原料を産むびわ湖への関心を高めるきっかけとなりそうだ。
漬物原料に目を向けると、今冬の千枚漬用の大蕪の生育は好調、収穫量は平年並みと予想される。残暑で作付けは遅れたが、10月に入り気温が冷え込み、蕪の生育に適した環境となっている。
滋賀の漬物メーカーでは、食べごたえのある丸千枚、簡便な切千枚、香りの良いゆず千枚、千枚の白と対比できる赤かぶら漬と、どれも、量産体制を整えており、消費者の期待に応える。
滋賀出身の西川貴教さんは、米フェスや、音楽イベントの開催で地元に貢献し、この11月より「戦国ディスカバリー滋賀・びわ湖」のアンバサダーにも就任した。湖魚佃煮原料を産むびわ湖への関心を高めるきっかけとなりそうだ。
漬物原料に目を向けると、今冬の千枚漬用の大蕪の生育は好調、収穫量は平年並みと予想される。残暑で作付けは遅れたが、10月に入り気温が冷え込み、蕪の生育に適した環境となっている。
滋賀の漬物メーカーでは、食べごたえのある丸千枚、簡便な切千枚、香りの良いゆず千枚、千枚の白と対比できる赤かぶら漬と、どれも、量産体制を整えており、消費者の期待に応える。
(大阪支社・高澤尚揮)
【2025(令和7)年11月1日第5211号1面】
【2025(令和7)年11月1日第5211号1面】
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<おせち特集> セット物や大容量品を拡充 ハレの日も値ごろ感前面に
2026年元旦に向けたおせち商戦がスタートした。原材料価格の高騰や最低賃金上昇に伴う人件費の増加など様々なコストアップにより、栗きんとん、黒豆、たづくり、昆布巻きといった佃煮おせちの値上げ幅は3~15%程になる見込みで、今年も近年の値上げトレンドが継続する。そのような中、おせちメーカーでは、値上げによる数量減少と単価上昇を踏まえて、前年並から微増の売上を想定している。
2026年おせちのテーマは〝値ごろ感の演出〟。継続的な物価上昇により消費者の節約志向はこれまで以上に高まりを見せており、お正月のハレの日の食卓においても、値ごろ感が求められるという見方が強い。そのため、付加価値の提案がテーマの一つとなっていた近年のおせち商戦と比較し、より価格やボリューム感を重視した商品構成が目立つ。
その流れの中で、昨年に続きラインナップが増えているのがセット物商品。栗きんとん、黒豆、たづくり、昆布巻きといった定番の4点セットを始め、2点セット、3点セット、さらにそれぞれの量目を減らした少量食べきりセット、おつまみ用佃煮セットなど多彩な品揃えが揃う。一度に様々な品目が食べられる少量多品種のセット物を拡充し、値ごろ感を訴求する。
また昨年に続き、今年も年末年始が最大9連休となることが想定されており、家族団らんの時間に大人数でたっぷりと楽しむことができる大容量品の品揃えにも力が注がれている。
佃煮おせちの中でも、近年伸長が際立つ栗きんとん製品では、大容量品、少量品のラインナップ追加や芋餡のグレードアップ、調味料の改良など各社様々な動きがあり、多様化する消費者ニーズへ対応を図る。
黒豆は、丹波篠山産の原料が猛暑の影響により不足。各社が代替品を販売するものの、一大ブランドとして知られる丹波篠山産の供給不足による売場への影響が懸念される。
たづくり、昆布巻きに関しても、原料不足や原料高騰が継続する中、各社が規格変更による少量品の発売など値ごろ感を外さないよう工夫を凝らした提案を行う。
百貨店では、昨年同様に各社が〝消費の二極化〟への対応を進める。価格据え置き商品の拡充、大容量かつコスパを重視する人向けのお値打ち商品の提案が見られる一方で、名店の味を堪能できる料亭監修おせちなど贅沢気分を味わいたい人向けの商品の品揃えにも力を入れる。
肉料理のみを詰め合わせた「肉おせち」、スイーツのみを詰め合わせた「スイーツおせち」など、おせちのバラエティ化も年々進んでおり、今年も各百貨店が個性的なおせちを展開、多様化する消費者ニーズに対応する。(おせち特別取材班)
2026年おせちのテーマは〝値ごろ感の演出〟。継続的な物価上昇により消費者の節約志向はこれまで以上に高まりを見せており、お正月のハレの日の食卓においても、値ごろ感が求められるという見方が強い。そのため、付加価値の提案がテーマの一つとなっていた近年のおせち商戦と比較し、より価格やボリューム感を重視した商品構成が目立つ。
その流れの中で、昨年に続きラインナップが増えているのがセット物商品。栗きんとん、黒豆、たづくり、昆布巻きといった定番の4点セットを始め、2点セット、3点セット、さらにそれぞれの量目を減らした少量食べきりセット、おつまみ用佃煮セットなど多彩な品揃えが揃う。一度に様々な品目が食べられる少量多品種のセット物を拡充し、値ごろ感を訴求する。
また昨年に続き、今年も年末年始が最大9連休となることが想定されており、家族団らんの時間に大人数でたっぷりと楽しむことができる大容量品の品揃えにも力が注がれている。
佃煮おせちの中でも、近年伸長が際立つ栗きんとん製品では、大容量品、少量品のラインナップ追加や芋餡のグレードアップ、調味料の改良など各社様々な動きがあり、多様化する消費者ニーズへ対応を図る。
黒豆は、丹波篠山産の原料が猛暑の影響により不足。各社が代替品を販売するものの、一大ブランドとして知られる丹波篠山産の供給不足による売場への影響が懸念される。
たづくり、昆布巻きに関しても、原料不足や原料高騰が継続する中、各社が規格変更による少量品の発売など値ごろ感を外さないよう工夫を凝らした提案を行う。
百貨店では、昨年同様に各社が〝消費の二極化〟への対応を進める。価格据え置き商品の拡充、大容量かつコスパを重視する人向けのお値打ち商品の提案が見られる一方で、名店の味を堪能できる料亭監修おせちなど贅沢気分を味わいたい人向けの商品の品揃えにも力を入れる。
肉料理のみを詰め合わせた「肉おせち」、スイーツのみを詰め合わせた「スイーツおせち」など、おせちのバラエティ化も年々進んでおり、今年も各百貨店が個性的なおせちを展開、多様化する消費者ニーズに対応する。(おせち特別取材班)
【2025(令和7)年10月21日第5210号1面】
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<八郎潟特集> 文化庁「100年フード」認定 ユニークな〝秋田の佃煮〟に注目
わかさぎの佃煮、甘露煮、唐揚げの名産地として知られる秋田県八郎潟では、今年も9月22日より八郎湖で、通称・どっぴき漁と呼ばれる機船船引(きせんふなび)き網漁がスタートした。
わかさぎは、ここまで前年並の漁獲量となっており、佃煮メーカーには連日新鮮なわかさぎが運び込まれている。だが、漁師の減少も影響し、今年も平年の漁獲量には届いていない。白魚は前年比で漁獲量が減少しており、全体的に原料の不足感が強まっている。
秋田の佃煮メーカーが製造する「秋田の佃煮」は今年3月、地域で世代を越えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁「100年フード」に認定された。
秋田の佃煮文化は、他県とは異なる独自の食文化として受け継がれてきた。いかの佃煮に甘納豆(手亡豆)が加えられた「いかあられ」は、他県では見ることが少ないが、秋田県内のほとんどのスーパーで広く販売されている。新鮮なわかさぎを使用した「わかさぎからあげ」は、醤油の甘辛タレや塩味、カレー味など多彩な味付けで各業者が製造している。これらの工夫を重ねた商品群を総称し、「秋田の佃煮」と呼んでいる。各社では「100年フード」認定を機に、ユニークな特徴のある「秋田の佃煮」を県外へ販売していくことにも力を入れる。
今年、佐藤食品(秋田県潟上市)、千田佐市商店(秋田県潟上市)の2社が地元にカフェをオープン。佃煮をコーヒーとともに楽しむ新たな食文化の提案を行っている。
わかさぎは、ここまで前年並の漁獲量となっており、佃煮メーカーには連日新鮮なわかさぎが運び込まれている。だが、漁師の減少も影響し、今年も平年の漁獲量には届いていない。白魚は前年比で漁獲量が減少しており、全体的に原料の不足感が強まっている。
秋田の佃煮メーカーが製造する「秋田の佃煮」は今年3月、地域で世代を越えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁「100年フード」に認定された。
秋田の佃煮文化は、他県とは異なる独自の食文化として受け継がれてきた。いかの佃煮に甘納豆(手亡豆)が加えられた「いかあられ」は、他県では見ることが少ないが、秋田県内のほとんどのスーパーで広く販売されている。新鮮なわかさぎを使用した「わかさぎからあげ」は、醤油の甘辛タレや塩味、カレー味など多彩な味付けで各業者が製造している。これらの工夫を重ねた商品群を総称し、「秋田の佃煮」と呼んでいる。各社では「100年フード」認定を機に、ユニークな特徴のある「秋田の佃煮」を県外へ販売していくことにも力を入れる。
今年、佐藤食品(秋田県潟上市)、千田佐市商店(秋田県潟上市)の2社が地元にカフェをオープン。佃煮をコーヒーとともに楽しむ新たな食文化の提案を行っている。
【2025(令和7)年10月21日第5210号1面】
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<キムチ浅漬特集> キムチ値上げも好調続く 浅漬は簡便性高め閉塞状況打開
漬物市場で売場が拡大しているキムチ。その勢いは衰えることなく、首都圏における売上は今年2月から数字が確定している8月まで、7カ月連続で前年同月比の数字を上回っている。
キムチはコロナ禍で特需が発生したが、それをピークに数字は毎年微減の流れだった。だが、今年2月からV字回復の動きを見せると、現在は5%前後のプラスで推移。コロナ前との比較では20~30%の伸びとなっており、市場規模はいまも拡がっている。
ここ数年の首都圏の売場は、関西や西日本方面のメーカーが製造する商品のシェア率が高まっており、長芋、ニラ、らっきょう、するめなど、白菜や大根、胡瓜といった主力の原料とは異なる素材を使用したキムチがラインナップされることも少なくない。キムチの品揃えで差別化を図る売場が増えている。
数多くある商品の中で選ばれるために価格競争が激しくなっており、各メーカーでは値上げを実施するも単価は想定されたほど上がっていない。原材料や様々な製造コストが上昇する中、利益確保の面では厳しい状況が続いているが、値上げ幅が最小限に留まっていることから買い控えの流れにはなっておらず、好調な売れ行きが続いている。
浅漬は全般的に低調な動きが続いている。おかずではなく、付け合わせや添え物、箸休めの位置付けのため、節約志向が高まる中で買い物のかごから外れることが多くなっており、売場も縮小傾向にある。
各社ではアイテムを集約し、生産効率を高めてコスト削減を図るなどの対応を行っているが、提案不足の懸念もある。浅漬で売上がプラスになっているメーカーは、多くの企業が製造しなくなっているホール物の他、胡瓜やかぶ、瓜など手間がかかったり原料確保が難しい素材を使用したアイテムを持っているところ。それぞれの思惑と戦略が売場で交錯している。
浅漬は季節感や鮮度感を演出できることが魅力だが、賞味期限の短さや液を切るなどの手間がかかることがウイークポイント。各社では粘性のある調味液を使用して賞味期限を長く設定したり、液を切る手間を省いた簡便タイプの商品を展開するなど、閉塞状況からの打開を図ろうとしている。
【2025(令和7)年10月11日第5209号1面】
キムチはコロナ禍で特需が発生したが、それをピークに数字は毎年微減の流れだった。だが、今年2月からV字回復の動きを見せると、現在は5%前後のプラスで推移。コロナ前との比較では20~30%の伸びとなっており、市場規模はいまも拡がっている。
ここ数年の首都圏の売場は、関西や西日本方面のメーカーが製造する商品のシェア率が高まっており、長芋、ニラ、らっきょう、するめなど、白菜や大根、胡瓜といった主力の原料とは異なる素材を使用したキムチがラインナップされることも少なくない。キムチの品揃えで差別化を図る売場が増えている。
数多くある商品の中で選ばれるために価格競争が激しくなっており、各メーカーでは値上げを実施するも単価は想定されたほど上がっていない。原材料や様々な製造コストが上昇する中、利益確保の面では厳しい状況が続いているが、値上げ幅が最小限に留まっていることから買い控えの流れにはなっておらず、好調な売れ行きが続いている。
浅漬は全般的に低調な動きが続いている。おかずではなく、付け合わせや添え物、箸休めの位置付けのため、節約志向が高まる中で買い物のかごから外れることが多くなっており、売場も縮小傾向にある。
各社ではアイテムを集約し、生産効率を高めてコスト削減を図るなどの対応を行っているが、提案不足の懸念もある。浅漬で売上がプラスになっているメーカーは、多くの企業が製造しなくなっているホール物の他、胡瓜やかぶ、瓜など手間がかかったり原料確保が難しい素材を使用したアイテムを持っているところ。それぞれの思惑と戦略が売場で交錯している。
浅漬は季節感や鮮度感を演出できることが魅力だが、賞味期限の短さや液を切るなどの手間がかかることがウイークポイント。各社では粘性のある調味液を使用して賞味期限を長く設定したり、液を切る手間を省いた簡便タイプの商品を展開するなど、閉塞状況からの打開を図ろうとしている。
【2025(令和7)年10月11日第5209号1面】
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<高菜漬特集> 「料理素材」で伸び代
高菜漬は漬物の中でも好調なカテゴリといえる。特に業務用市場での動きは活発で、ラーメンのトッピングはもとより、おにぎりやパスタ、カップ麺や冷凍炒飯といった加工食品に至るまで、その用途は広がり続けている。
大阪・関西万博のアースマートで、ニチレイフーズが提案した粉砕米と食材を混ぜて整形した「再生米」の一品に「高菜炒飯米」が採用されたことは、その人気の高さを象徴している。
全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は「漬物の料理素材化」を提唱しているが、高菜漬はすでにその地位を確立した代表的な先行例と言えるだろう。
市販品に目を向けると、本場九州のスーパーでは多彩な商品が棚を賑わせる。しかし、九州を一歩出るとアイテム数は限られるが、この地域差は裏を返せば全国市場における大きな伸び代と捉えることができる。実際、首都圏や関西の大手スーパーがPB品として高菜漬を取り入れる事例も出てきた。
このように販売面ではさらなる成長が期待されるが、生命線である原料面では大きな課題を抱える。
気候変動の影響で国産原料は作柄が不安定になり、農業がハイリスク産業と見なされ離農が進む悪循環も生まれている。
しかし、メーカー各社も手をこまねいているわけではない。
高菜専用収穫機を開発して農家に貸し出す、収穫期の異なる作物や他産地とのリレー体制を構築する、企業自らが農業生産に乗り出す、といった持続可能な原料調達に向けた対策を積極的に講じている。
今回の特集では、高菜漬メーカー各社の注目商品を紹介するとともに、各社の懸命な取組を取材した。
【2025(令和7)年10月11日第5209号1面】
大阪・関西万博のアースマートで、ニチレイフーズが提案した粉砕米と食材を混ぜて整形した「再生米」の一品に「高菜炒飯米」が採用されたことは、その人気の高さを象徴している。
全日本漬物協同組合連合会(中園雅治会長)は「漬物の料理素材化」を提唱しているが、高菜漬はすでにその地位を確立した代表的な先行例と言えるだろう。
市販品に目を向けると、本場九州のスーパーでは多彩な商品が棚を賑わせる。しかし、九州を一歩出るとアイテム数は限られるが、この地域差は裏を返せば全国市場における大きな伸び代と捉えることができる。実際、首都圏や関西の大手スーパーがPB品として高菜漬を取り入れる事例も出てきた。
このように販売面ではさらなる成長が期待されるが、生命線である原料面では大きな課題を抱える。
気候変動の影響で国産原料は作柄が不安定になり、農業がハイリスク産業と見なされ離農が進む悪循環も生まれている。
しかし、メーカー各社も手をこまねいているわけではない。
高菜専用収穫機を開発して農家に貸し出す、収穫期の異なる作物や他産地とのリレー体制を構築する、企業自らが農業生産に乗り出す、といった持続可能な原料調達に向けた対策を積極的に講じている。
今回の特集では、高菜漬メーカー各社の注目商品を紹介するとともに、各社の懸命な取組を取材した。
【2025(令和7)年10月11日第5209号1面】
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<大阪特集> ポスト万博へ 2026年「大阪大会」
来年の全日本漬物協同組合連合会青年部会全国大会は大阪で開催される。
首都圏に次ぐ一大消費地である大阪(関西)は、漬物の一大産地でもある。その中心を担う大阪府漬物事業協同組合(長谷川豊光理事長)は、会員47社、賛助会員21社と全国有数の規模を誇る。
未来を担う青年部の存在も大きい。20代から40代までがバランス良く在籍し、漬物業界をさらに活性化させようという意欲的な人材が揃う。大阪大会も、彼らの熱意が全国へ伝播していくことが期待される。
大阪の漬物を語る上で欠かせないのが、同組合が「大阪の宝」として守り育ててきた泉州水なす漬だ。今や全国区のブランドとなったが、今年は大きな課題に直面した。シーズン前半の豊作の反動に加え、猛暑の影響で7月下旬から原料の入荷が失速。高まる需要に応えきれず、大きなチャンスロスが発生したのだ。
この経験を糧に、業界は次なる一歩を踏み出す。来年の安定した原料確保はもちろん、長期的な気候変動を見据えた持続可能な生産システムの構築や、水なすに次ぐ新たな大阪名産品の育成を見据えた取組が始まっている。
10月13日には、大阪・関西万博が半年間の熱狂に終止符を打つ。しかし、祭りは終わっても、人々の生活は続く。食卓に彩りと健康を届けるため、漬物業界の挑戦もまた、終わりなく続いていく。今回の特集では、各社の挑戦を取材した。
【2025(令和7)年10月11日第5209号6面】
首都圏に次ぐ一大消費地である大阪(関西)は、漬物の一大産地でもある。その中心を担う大阪府漬物事業協同組合(長谷川豊光理事長)は、会員47社、賛助会員21社と全国有数の規模を誇る。
未来を担う青年部の存在も大きい。20代から40代までがバランス良く在籍し、漬物業界をさらに活性化させようという意欲的な人材が揃う。大阪大会も、彼らの熱意が全国へ伝播していくことが期待される。
大阪の漬物を語る上で欠かせないのが、同組合が「大阪の宝」として守り育ててきた泉州水なす漬だ。今や全国区のブランドとなったが、今年は大きな課題に直面した。シーズン前半の豊作の反動に加え、猛暑の影響で7月下旬から原料の入荷が失速。高まる需要に応えきれず、大きなチャンスロスが発生したのだ。
この経験を糧に、業界は次なる一歩を踏み出す。来年の安定した原料確保はもちろん、長期的な気候変動を見据えた持続可能な生産システムの構築や、水なすに次ぐ新たな大阪名産品の育成を見据えた取組が始まっている。
10月13日には、大阪・関西万博が半年間の熱狂に終止符を打つ。しかし、祭りは終わっても、人々の生活は続く。食卓に彩りと健康を届けるため、漬物業界の挑戦もまた、終わりなく続いていく。今回の特集では、各社の挑戦を取材した。
【2025(令和7)年10月11日第5209号6面】
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<秋冬商材特集> 酒粕に時短・少量化の波 麹は業務用で存在感高まる
酷暑の夏が終わり、朝晩の冷え込みに秋の深まりを感じる季節となった。店頭では野菜や魚の旬も移り変わり、食卓の風景も新たな装いを見せ始める。長期予報によれば、今年は12月の平均気温が平年を下回る見通しで、鍋物が活躍する冬となりそうだ。
寒くなると需要が伸びる酒粕商材は、時短・少量化がトレンドとなっている。溶けやすく少量でも使いやすい練りタイプが各社から相次いで登場している他、より簡便な「かす汁の素」も堅調に推移している。
粕漬や粕汁といった伝統的な用途以外の市場開拓も活発だ。旨みの源であるアミノ酸が豊富なことに着目し、酒粕を用いた惣菜やレトルト食品が開発されている。また、特有の香りを活かしてお菓子作りに利用されたり、「酒粕バター」のように朝食・パン市場を狙った商品が登場するなど、新たな食シーンへの提案が続く。
麹は、素材としての価値が広く認められ、業務用市場で存在感を増している。「塩麹仕込みの唐揚げ」や「発酵あんこのあんバターサンド」などのメニューが定番化しつつある。家庭用においても、テレビ番組などで特集されるたびに売上が大きく伸びるなど、依然として高いポテンシャルを秘めており、酒粕と同様に使い切りタイプの投入など簡便化が図られている。
漬物の素も少量化の波が訪れている。かつて大根の大量消費を目的に需要のあったたくあんの素も、近年はポリ袋で手軽に漬けられる商品が各社から発売されている。
使用する素材の自由度の高さや出来たてのフレッシュ感で既製品の漬物と、発酵や〝漬ける〟という体験の楽しさでドレッシングとの差別化を図るPRが活発化している。
特集では秋冬の注目商品を紹介する。
【2025(令和7)年10月1日第5208号1面】
寒くなると需要が伸びる酒粕商材は、時短・少量化がトレンドとなっている。溶けやすく少量でも使いやすい練りタイプが各社から相次いで登場している他、より簡便な「かす汁の素」も堅調に推移している。
粕漬や粕汁といった伝統的な用途以外の市場開拓も活発だ。旨みの源であるアミノ酸が豊富なことに着目し、酒粕を用いた惣菜やレトルト食品が開発されている。また、特有の香りを活かしてお菓子作りに利用されたり、「酒粕バター」のように朝食・パン市場を狙った商品が登場するなど、新たな食シーンへの提案が続く。
麹は、素材としての価値が広く認められ、業務用市場で存在感を増している。「塩麹仕込みの唐揚げ」や「発酵あんこのあんバターサンド」などのメニューが定番化しつつある。家庭用においても、テレビ番組などで特集されるたびに売上が大きく伸びるなど、依然として高いポテンシャルを秘めており、酒粕と同様に使い切りタイプの投入など簡便化が図られている。
漬物の素も少量化の波が訪れている。かつて大根の大量消費を目的に需要のあったたくあんの素も、近年はポリ袋で手軽に漬けられる商品が各社から発売されている。
使用する素材の自由度の高さや出来たてのフレッシュ感で既製品の漬物と、発酵や〝漬ける〟という体験の楽しさでドレッシングとの差別化を図るPRが活発化している。
特集では秋冬の注目商品を紹介する。
【2025(令和7)年10月1日第5208号1面】
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<べったら漬特集> 「日本橋べったら市」開催へ 秋冬商材としての存在感増す
日本橋の秋を彩る風物詩である「日本橋べったら市」が19日、20日の2日間開催される。
江戸時代から続く「恵比寿講」に合わせて開かれるのがお祭りの特徴。今年は日曜と月曜の組み合わせとなり、週末から平日にかけての2日間、周辺の街はお祭りムード一色となる。
開催時間は両日とも12時~21時。昼から夜までの開催で、昼はゆったりと食べ歩き、また夜は提灯の明かりで幻想的な神社周辺の散策と、時間帯によって全く違う表情が味わえる。
この市の始まりは、江戸時代中期に百姓が飴と麹で漬けた大根を浅漬として売り始めたのが起源といわれている。戦後の一時期中断されていたが、株式会社東京にいたか屋(中川英雄社長、東京都中央区日本橋)が「べったら市保存会」と共に復興、継続開催に尽力し、今日の人気と共に人出を動員するに至った。
コロナ下では中止・縮小を余儀なくされたが、昨年は例年の規模に復活し、人出は10万人以上を記録。露店は約500軒が出店、大方は東京にいたか屋が商品供給している。
べったら漬の出荷金額は約54億円(2024年、本紙調べ)で、約25年前の市場規模は約5億円(本紙推定)であったことから「べったら市」がこれまで果たしてきた販促・PR効果は大きい。
昨今ではその需要の高まりから定番アイテムとしてハーフサイズ商品、さらにはカップ詰めスライスタイプの販売が好調である。
べったら漬は秋冬の代表的な季節商材であると同時に商圏も広がり、全国区の通年商材として存在感を増している。
【2025(令和7)年10月1日第5208号1面】
江戸時代から続く「恵比寿講」に合わせて開かれるのがお祭りの特徴。今年は日曜と月曜の組み合わせとなり、週末から平日にかけての2日間、周辺の街はお祭りムード一色となる。
開催時間は両日とも12時~21時。昼から夜までの開催で、昼はゆったりと食べ歩き、また夜は提灯の明かりで幻想的な神社周辺の散策と、時間帯によって全く違う表情が味わえる。
この市の始まりは、江戸時代中期に百姓が飴と麹で漬けた大根を浅漬として売り始めたのが起源といわれている。戦後の一時期中断されていたが、株式会社東京にいたか屋(中川英雄社長、東京都中央区日本橋)が「べったら市保存会」と共に復興、継続開催に尽力し、今日の人気と共に人出を動員するに至った。
コロナ下では中止・縮小を余儀なくされたが、昨年は例年の規模に復活し、人出は10万人以上を記録。露店は約500軒が出店、大方は東京にいたか屋が商品供給している。
べったら漬の出荷金額は約54億円(2024年、本紙調べ)で、約25年前の市場規模は約5億円(本紙推定)であったことから「べったら市」がこれまで果たしてきた販促・PR効果は大きい。
昨今ではその需要の高まりから定番アイテムとしてハーフサイズ商品、さらにはカップ詰めスライスタイプの販売が好調である。
べったら漬は秋冬の代表的な季節商材であると同時に商圏も広がり、全国区の通年商材として存在感を増している。
【2025(令和7)年10月1日第5208号1面】
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<酢漬特集>紅生姜 米高で需要増加 楽京は復調の兆し
今年の夏は記録的な暑さとなった。関東から九州で最高気温35度以上の猛暑日が続出し、各地で年間猛暑日日数の最多記録を更新。9月8日にさいたま市が43日目、名古屋市が48日目で記録を更新した他、東京は29日目で記録を更新中だ。
初夏から秋口までが最需要期となる酢漬は、さっぱりとした甘酢の清涼感が魅力で、気温の上昇とともに売れ行きが良くなる。特に今年の夏は暑さのため外出機会が減少し、外食が苦戦の様相を呈している。そのような状況下、量販店で食材や食品を購入して自宅で食べる内食と中食の需要が増加した。
米不足や米価格の上昇で漬物は全般的にやや低調となっているが、ご飯の付け合わせや添え物として利用されない唯一の漬物である「紅生姜」は、冷やし中華や焼きそばなど経済的な負担が少なく、家庭で簡単に作ることができる麺類の好調に連動して10%~20%増と大きく伸長している。
紅生姜はお好み焼きやたこ焼きなどの付け合わせとしても利用され、牛丼を除いて米との関連性が薄く、古来より米と結び付きが強い漬物の中でも稀有な存在。麺や惣菜の売場で関連販売も実施されている他、紅生姜の特徴的な生姜の爽やかな風味と酸味が幅広い層に支持され、お菓子のフレーバーとして用いられるケースが増えている。
富士そばでは昨夏、ミルクアイスに刻んだ紅生姜を入れた「紅生姜アイス」を販売して話題を呼んだ他、ドン・キホーテでは「乗せる」から「かける」をコンセプトにした「かける紅生姜」や「紅生姜だれ」が人気となっているなど、これまで予想できなかった素材との組み合わせが実現し、用途と裾野が広がっている。
買い求めやすい中国産製品は45g~50gで98円~108円、高付加価値の国産製品は同量で138円~188円と価格帯の幅があるが、大容量タイプや簡便性の高いカップタイプなど、豊富な品揃えで多様なニーズに対応している。
新生姜は漬物売場だけではなく、惣菜売場での販売も定着して堅調な動きが続いている。春から初夏にかけては今一つだったが、7月以降は伸長している。その中でも液なしのスライスタイプなど、簡便性が高い商品が支持されている。
嗜好性が強い楽京は、物価高による節約志向の高まりや値上げの影響もあって前年割れが続いていたが、暑さがクローズアップされた7月はプラスで推移。涼味のニーズと消費者が価格帯に慣れてきたことなどが追い風となり、復調の兆しが見えてきた。
不作で原料不足が懸念される梅や大根をはじめ、胡瓜や茄子など猛暑の影響を受けている夏野菜も含めて原料確保及び商品の安定供給は業界の大きな課題となっているが、海外産の生姜原料、国内外の楽京原料は大きな問題がなく、安定した売場を作ることができる。
「寿司にはガリ」、「カレーには楽京」といったイメージがあることは大きな強みだが、逆に言えばその時以外に登場する機会はない、ということでもあり、強みが弱みになっていることも考えられる。
従来とは異なる食べ方の提案や料理素材としての活用など、食べる機会を創出することが求められているが、今年は例年以上に残暑が長くなる予報で、需要拡大に結び付けるチャンスがある。
また、ガリや寿司との関連で、巻き寿司の具や昆布巻などで利用される干瓢の業界も原料確保という課題に直面しており、干瓢生産の「今」を取材した。
【2025(令和7)年9月11日第5207号1面】
初夏から秋口までが最需要期となる酢漬は、さっぱりとした甘酢の清涼感が魅力で、気温の上昇とともに売れ行きが良くなる。特に今年の夏は暑さのため外出機会が減少し、外食が苦戦の様相を呈している。そのような状況下、量販店で食材や食品を購入して自宅で食べる内食と中食の需要が増加した。
米不足や米価格の上昇で漬物は全般的にやや低調となっているが、ご飯の付け合わせや添え物として利用されない唯一の漬物である「紅生姜」は、冷やし中華や焼きそばなど経済的な負担が少なく、家庭で簡単に作ることができる麺類の好調に連動して10%~20%増と大きく伸長している。
紅生姜はお好み焼きやたこ焼きなどの付け合わせとしても利用され、牛丼を除いて米との関連性が薄く、古来より米と結び付きが強い漬物の中でも稀有な存在。麺や惣菜の売場で関連販売も実施されている他、紅生姜の特徴的な生姜の爽やかな風味と酸味が幅広い層に支持され、お菓子のフレーバーとして用いられるケースが増えている。
富士そばでは昨夏、ミルクアイスに刻んだ紅生姜を入れた「紅生姜アイス」を販売して話題を呼んだ他、ドン・キホーテでは「乗せる」から「かける」をコンセプトにした「かける紅生姜」や「紅生姜だれ」が人気となっているなど、これまで予想できなかった素材との組み合わせが実現し、用途と裾野が広がっている。
買い求めやすい中国産製品は45g~50gで98円~108円、高付加価値の国産製品は同量で138円~188円と価格帯の幅があるが、大容量タイプや簡便性の高いカップタイプなど、豊富な品揃えで多様なニーズに対応している。
新生姜は漬物売場だけではなく、惣菜売場での販売も定着して堅調な動きが続いている。春から初夏にかけては今一つだったが、7月以降は伸長している。その中でも液なしのスライスタイプなど、簡便性が高い商品が支持されている。
嗜好性が強い楽京は、物価高による節約志向の高まりや値上げの影響もあって前年割れが続いていたが、暑さがクローズアップされた7月はプラスで推移。涼味のニーズと消費者が価格帯に慣れてきたことなどが追い風となり、復調の兆しが見えてきた。
不作で原料不足が懸念される梅や大根をはじめ、胡瓜や茄子など猛暑の影響を受けている夏野菜も含めて原料確保及び商品の安定供給は業界の大きな課題となっているが、海外産の生姜原料、国内外の楽京原料は大きな問題がなく、安定した売場を作ることができる。
「寿司にはガリ」、「カレーには楽京」といったイメージがあることは大きな強みだが、逆に言えばその時以外に登場する機会はない、ということでもあり、強みが弱みになっていることも考えられる。
従来とは異なる食べ方の提案や料理素材としての活用など、食べる機会を創出することが求められているが、今年は例年以上に残暑が長くなる予報で、需要拡大に結び付けるチャンスがある。
また、ガリや寿司との関連で、巻き寿司の具や昆布巻などで利用される干瓢の業界も原料確保という課題に直面しており、干瓢生産の「今」を取材した。
【2025(令和7)年9月11日第5207号1面】
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<鹿児島特集>漬物料理で市場拡大 干し大根不足は工夫で補う
日本の西南端に位置する鹿児島が、日本の漬物業界の未来を映し出す。原料不足や人手不足といった深刻な課題に直面しながらも、知恵と工夫で新たな活路を見出し、地産外商の成功モデルを築き上げている。
全日本漬物協同組合連合会の中園雅治会長は、漬物の消費拡大へ向けた手段として、漬物を料理素材として定着させることを提唱する。事実、鹿児島の特産品も“添え物”に留まらない用途で市場を拡大してきた。
鹿児島が国内最大産地となった高菜は、中華料理などで活用されるようになったことで、すっかり全国区の存在となった。
大阪・関西万博の「アースマート」では、ニチレイフーズが未来の食として再生米(米粉と凍結粉砕した食材を米粒状に再整形したもの)を展示。その一例として「高菜チャーハン米」を挙げていることからも、高菜の人気の高さがうかがえる。
ゆず生産では鹿児島曽於市が九州最大級となった。辛味と爽やかな香りが魅力のゆず胡椒は、かつては鍋物や刺身など和食に添えられることが多かった。しかし、鹿児島産黒毛和牛や黒豚といった地元のスター食材と共にふるさと納税返礼品となったことで全国のファンを獲得。さらにはソースやドレッシングの隠し味として、世界中から熱視線が注がれる。
また鹿児島県漬物商工業協同組合(堂園春樹理事長)は、イベントで郷土料理の鶏飯(けいはん)に高菜や刻み沢庵を添えて提供。伝統の味に新たな彩りを加え、漬物の魅力を再発見させている。
もちろん、課題もある。「干し沢庵」は、原料となる大根の不足から生産調整を余儀なくされている。しかし、各社は逆境に屈せず、主力商品を付加価値の高いスライス商材や、塩押し沢庵に切り替えるなど、柔軟な対応でこの苦境を乗り越えようと奮闘している。
今回の特集では、本紙電子版の取組「セレクトマップ」も紹介する。
(小林悟空)
【2025(令和7)年9月11日第5207号1面】
全日本漬物協同組合連合会の中園雅治会長は、漬物の消費拡大へ向けた手段として、漬物を料理素材として定着させることを提唱する。事実、鹿児島の特産品も“添え物”に留まらない用途で市場を拡大してきた。
鹿児島が国内最大産地となった高菜は、中華料理などで活用されるようになったことで、すっかり全国区の存在となった。
大阪・関西万博の「アースマート」では、ニチレイフーズが未来の食として再生米(米粉と凍結粉砕した食材を米粒状に再整形したもの)を展示。その一例として「高菜チャーハン米」を挙げていることからも、高菜の人気の高さがうかがえる。
ゆず生産では鹿児島曽於市が九州最大級となった。辛味と爽やかな香りが魅力のゆず胡椒は、かつては鍋物や刺身など和食に添えられることが多かった。しかし、鹿児島産黒毛和牛や黒豚といった地元のスター食材と共にふるさと納税返礼品となったことで全国のファンを獲得。さらにはソースやドレッシングの隠し味として、世界中から熱視線が注がれる。
また鹿児島県漬物商工業協同組合(堂園春樹理事長)は、イベントで郷土料理の鶏飯(けいはん)に高菜や刻み沢庵を添えて提供。伝統の味に新たな彩りを加え、漬物の魅力を再発見させている。
もちろん、課題もある。「干し沢庵」は、原料となる大根の不足から生産調整を余儀なくされている。しかし、各社は逆境に屈せず、主力商品を付加価値の高いスライス商材や、塩押し沢庵に切り替えるなど、柔軟な対応でこの苦境を乗り越えようと奮闘している。
今回の特集では、本紙電子版の取組「セレクトマップ」も紹介する。
(小林悟空)
【2025(令和7)年9月11日第5207号1面】
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<中華商材特集> 猛暑で活躍の場広がる メンマやザーサイ人気拡大
近年、中華料理の人気が高まっている。
地域に根差した昔ながらの大衆的な中華料理店”町中華”が、レトロな雰囲気や懐かしい味わいで人気を集めている他、日本人向けにアレンジされていない、本場中国の味が楽しめる中華料理店”ガチ中華”も注目を集めている。
また猛暑が続く中、家庭内では、チャーハンや餃子といった定番メニューの他、麻婆豆腐、担々麺といった辛味や香辛料を活用した食欲を刺激するメニュー、冷やし中華やつけ麺などの涼味麺の登場機会も増加している。
こうした中華料理の付け合せとして近年活躍の場が広がっているのがメンマやザーサイといった漬物類だ。メンマはラーメンの具材として欠かせないアイテムである他、おつまみとしての需要も高い。
ザーサイの人気も拡大している。おつまみや料理素材としてはもちろん、猛暑が続く中で、冷やし麺の具材としての引き合いが強まっている。
また近年の韓流ブームが追い風となり、ナムルやビビンバの人気も右肩上がりだ。ご飯に混ぜるだけで簡単手軽にビビンバが完成するタイムパフォーマンスに優れた商品も登場。記録的な猛暑が続く中、夏場に火を使わずにビビンバが出来上がる商材として支持されている。(藤井大碁)
【2025(令和7)年8月21日第5205号1面】
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<霞ヶ浦特集> 「100年フード」で脚光 シラウオの漁模様に期待
霞ヶ浦北浦では7月21日より恒例のワカサギ・シラウオ漁が解禁となった。近年の不漁の流れを受け、今年もワカサギは不漁となっている。ワカサギに代わり、期待されるのがシラウオだ。シラウオは昨年好漁となり、今年もここまで昨年の同時期をやや上回る漁獲量で推移しており、今後の漁模様に期待が集まる。
霞ヶ浦漁業協同組合では昨年11月に新たなブランド「霞ヶ浦 暁のしらうお」を発表。一定の品質基準を満たしたシラウオを認定する取組で、霞ヶ浦産シラウオのブランド化を図っている。
ワカサギの不漁が続く中、霞ヶ浦北浦の加工業者では、こうした流れを追い風に、シラウオを始めとする限られた霞ヶ浦の水産資源を最大限に生かし、付加価値を付けて販売していくことが求められている。
今年3月には、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁「100年フード」に〝霞ヶ浦北浦の魚介類食文化~佃煮・煮干し・釜揚げ〟が認定された。認定後、各種メディアにより霞ヶ浦北浦の食文化が報道され脚光を浴びている。霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合(小沼和幸組合長)では、のぼり旗やシールなどの制作を検討し、PRに力を注いでいく。
100年フード認定を受け小沼組合長は、「地域で受け継がれてきた食文化を次の100年へつないでいきたい」と話す。(藤井大碁)
霞ヶ浦漁業協同組合では昨年11月に新たなブランド「霞ヶ浦 暁のしらうお」を発表。一定の品質基準を満たしたシラウオを認定する取組で、霞ヶ浦産シラウオのブランド化を図っている。
ワカサギの不漁が続く中、霞ヶ浦北浦の加工業者では、こうした流れを追い風に、シラウオを始めとする限られた霞ヶ浦の水産資源を最大限に生かし、付加価値を付けて販売していくことが求められている。
今年3月には、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁「100年フード」に〝霞ヶ浦北浦の魚介類食文化~佃煮・煮干し・釜揚げ〟が認定された。認定後、各種メディアにより霞ヶ浦北浦の食文化が報道され脚光を浴びている。霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合(小沼和幸組合長)では、のぼり旗やシールなどの制作を検討し、PRに力を注いでいく。
100年フード認定を受け小沼組合長は、「地域で受け継がれてきた食文化を次の100年へつないでいきたい」と話す。(藤井大碁)
【2025(令和7)年8月1日第5203号1面】
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<梅特集> 再び値上げ機運高まる
2年連続の凶作で原料不足
紀州南高梅は史上最低の作柄となった昨年に続き、今年も7割作で凶作となった。
産地では「遅咲きに不作なし」が通説となっており、今年は満開期が平年より約2週間遅かったため、作柄が良いと期待されていたが、満開期の直後に気温が下がり、受粉に不可欠なみつばちが活動できなかった。
そのため、着果率が大幅に低下した。また、4月だけで産地に4回も降雹があり、広範囲で実が傷ついたり落下するなどの被害が発生した。
収穫は5月下旬からスタートしたが、雹害の影響もあり秀品率は大幅に低下。5月26日から出荷がスタートした田辺中央青果株式会社(和歌山県田辺市)の初日の価格(1kg)は高値1296円で、中値588円。同社における今年の南高梅の中値平均価格は589円で昨年の508円を16%上回った。この価格は平年の2倍~3倍に上る。
梅を漬ける際に使用する塩の出荷量はここ30年で2番目に低い6950tで、10年平均(1万600t)の約35%減。漬け込み量は平年の7割程度と見られているが、昨年の4680tと合わせても2年間で約1年分の塩しか使用されていない計算となる。また、梅干しとして使用できる原料の比率は例年以上に低く、原料の安定供給はこれまで以上に大きな課題となる。
産地では収穫・漬け込みが終了し、梅の原料価格は7月下旬から8月上旬に出てくる見通しだが、昨年を超える金額になることは確実で、A級は1万5000円(10kg)も想定される。また、主につぶれ梅や梅肉などに使用される低級の原料価格も押し上がる見込み。
昨年は3割作という史上最低の作柄となったが、持ち越し在庫を活用しながら現在の需要期に商品を供給することができている。だが、夏以降は新物に切り替わり、2025年産の原料だけで来年の秋まで原料をつながなければならないため、今年は昨年以上に厳しい状況となっている。
多くのメーカーは昨年の秋冬の棚割りで大幅な値上げを行った。小売店向け商品の上げ幅は20%~50%となった。秀品率が低かったため、A級原料を使用した商品は特に値上げ幅が大きかった。数量は減少したが、値上げした分、金額はプラスで推移している。
梅干しメーカー各社は当初、2年連続となる値上げに慎重な姿勢を見せていたが、今年の収穫や漬け込み状況を確認した上で「値上げをせざるを得ない」とその姿勢を一変させている。
梅干しの有力メーカー数社は、すでに秋冬の棚割りから値上げを実施すると打診。金額は原料価格が出てから提示する、という昨年と同様の形で案内している。
昨年に続く値上げで「消費者離れ」も懸念されるが、原料不足と原料価格の高騰によって値上げの機運が再び高まっている。来年の新物まで原料をつなぐ必要があるため、値上げは出荷を抑えるという狙いもある。
販売面については猛暑や6月1日から施行された改正労働安全衛生規則で企業による熱中症対策が義務付けられたこともあり、熱中症対策のアイテムとして、梅干しの存在感はますます強まっている。
量販店などの売場では中国産製品のシェアが高まっており、ディスカウント店では中国産製品の割合が多くなっている。売れる環境は整っているが、紀州梅は2年連続の凶作で原料不足となっており、積極的に販売することができない。また、値上げによって販売動向も不透明な状況になる。いずれにしても今年は新物の使い始めが早くなる様相で、来年の需要期に向けても大きな不安材料が残っている。
(千葉友寛)
【2025(令和7)年7月21日第5202号1面】
紀州南高梅は史上最低の作柄となった昨年に続き、今年も7割作で凶作となった。
産地では「遅咲きに不作なし」が通説となっており、今年は満開期が平年より約2週間遅かったため、作柄が良いと期待されていたが、満開期の直後に気温が下がり、受粉に不可欠なみつばちが活動できなかった。
そのため、着果率が大幅に低下した。また、4月だけで産地に4回も降雹があり、広範囲で実が傷ついたり落下するなどの被害が発生した。
収穫は5月下旬からスタートしたが、雹害の影響もあり秀品率は大幅に低下。5月26日から出荷がスタートした田辺中央青果株式会社(和歌山県田辺市)の初日の価格(1kg)は高値1296円で、中値588円。同社における今年の南高梅の中値平均価格は589円で昨年の508円を16%上回った。この価格は平年の2倍~3倍に上る。
梅を漬ける際に使用する塩の出荷量はここ30年で2番目に低い6950tで、10年平均(1万600t)の約35%減。漬け込み量は平年の7割程度と見られているが、昨年の4680tと合わせても2年間で約1年分の塩しか使用されていない計算となる。また、梅干しとして使用できる原料の比率は例年以上に低く、原料の安定供給はこれまで以上に大きな課題となる。
産地では収穫・漬け込みが終了し、梅の原料価格は7月下旬から8月上旬に出てくる見通しだが、昨年を超える金額になることは確実で、A級は1万5000円(10kg)も想定される。また、主につぶれ梅や梅肉などに使用される低級の原料価格も押し上がる見込み。
昨年は3割作という史上最低の作柄となったが、持ち越し在庫を活用しながら現在の需要期に商品を供給することができている。だが、夏以降は新物に切り替わり、2025年産の原料だけで来年の秋まで原料をつながなければならないため、今年は昨年以上に厳しい状況となっている。
多くのメーカーは昨年の秋冬の棚割りで大幅な値上げを行った。小売店向け商品の上げ幅は20%~50%となった。秀品率が低かったため、A級原料を使用した商品は特に値上げ幅が大きかった。数量は減少したが、値上げした分、金額はプラスで推移している。
梅干しメーカー各社は当初、2年連続となる値上げに慎重な姿勢を見せていたが、今年の収穫や漬け込み状況を確認した上で「値上げをせざるを得ない」とその姿勢を一変させている。
梅干しの有力メーカー数社は、すでに秋冬の棚割りから値上げを実施すると打診。金額は原料価格が出てから提示する、という昨年と同様の形で案内している。
昨年に続く値上げで「消費者離れ」も懸念されるが、原料不足と原料価格の高騰によって値上げの機運が再び高まっている。来年の新物まで原料をつなぐ必要があるため、値上げは出荷を抑えるという狙いもある。
販売面については猛暑や6月1日から施行された改正労働安全衛生規則で企業による熱中症対策が義務付けられたこともあり、熱中症対策のアイテムとして、梅干しの存在感はますます強まっている。
量販店などの売場では中国産製品のシェアが高まっており、ディスカウント店では中国産製品の割合が多くなっている。売れる環境は整っているが、紀州梅は2年連続の凶作で原料不足となっており、積極的に販売することができない。また、値上げによって販売動向も不透明な状況になる。いずれにしても今年は新物の使い始めが早くなる様相で、来年の需要期に向けても大きな不安材料が残っている。
(千葉友寛)
【2025(令和7)年7月21日第5202号1面】
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<塩特集> 今こそ「塩の価値」共有
ロシアによるウクライナ侵攻や不安定な中東情勢など地政学リスクの高まりを受け、塩の重要性へ改めて注目が集まっている。
塩は人間の生命維持に不可欠であり、食料の加工や保存にも欠かせない物資だ。特に、食料の確保が最優先となる災害時や有事の際には、国民生活を維持する上で塩の安定供給が不可欠であり、塩は”食料安全保障の要”と言える。
昨年来、「令和の米騒動」が世間を騒がせているが、様々な食品のベースとなるだけでなく、幅広い産業で使用される塩が不足する事態となれば、米の不足以上に社会全体が混乱することが予想される。
塩業界ではこうした状況に陥らないよう、安定供給に向けた様々な取組を推進している。2020年には国内の塩産業に関わる主要5団体により、業界を取り巻く共通課題を調査研究し主体的で有効な施策を業界内外に提言していくことを目的として、全国塩業懇話会を設立。また昨年4月には、イオン交換膜製塩4社により、一般社団法人日本塩協会が設立され、業界課題を共有し、その対策について議論を深めている。
塩業界の課題となっているのが、燃料費、物流費、人件費、原材料費といった様々なコストの上昇。塩メーカー各社は、これまで徹底したコスト削減を続けてきたが、もはや企業努力で吸収することはできず、近年、段階的な価格改定を行っている。
巨大な塩製造施設を維持、運営していくためには多大なコストがかかるだけでなく、近年の資材コスト高騰により老朽化した設備の修理や更新にもこれまでとは比べものにならないほど莫大な費用がかかるのが現状だ。
さらに塩製造施設は広大な土地と清浄な海水が必要であることから辺境の地に位置していることが多く、人手の確保が難しくなっている。これに対し、各業界団体では連携して、外国人労働者の受け入れに向けた取組を進めているが、持続可能な事業運営のためには、安定的な人材確保と人的資源への投資が不可欠となっている。
給料を意味する”サラリー(salary)”の語源は、塩に由来するとされる。かつて、塩がいかに貴重で価値のあるものだったかを物語るエピソードである。地政学リスクが高まっている今だからこそ、生活や生命に密着する「塩の価値」を社会全体で共有し、持続可能な塩産業を構築していく必要がある。(藤井大碁)
塩は人間の生命維持に不可欠であり、食料の加工や保存にも欠かせない物資だ。特に、食料の確保が最優先となる災害時や有事の際には、国民生活を維持する上で塩の安定供給が不可欠であり、塩は”食料安全保障の要”と言える。
昨年来、「令和の米騒動」が世間を騒がせているが、様々な食品のベースとなるだけでなく、幅広い産業で使用される塩が不足する事態となれば、米の不足以上に社会全体が混乱することが予想される。
塩業界ではこうした状況に陥らないよう、安定供給に向けた様々な取組を推進している。2020年には国内の塩産業に関わる主要5団体により、業界を取り巻く共通課題を調査研究し主体的で有効な施策を業界内外に提言していくことを目的として、全国塩業懇話会を設立。また昨年4月には、イオン交換膜製塩4社により、一般社団法人日本塩協会が設立され、業界課題を共有し、その対策について議論を深めている。
塩業界の課題となっているのが、燃料費、物流費、人件費、原材料費といった様々なコストの上昇。塩メーカー各社は、これまで徹底したコスト削減を続けてきたが、もはや企業努力で吸収することはできず、近年、段階的な価格改定を行っている。
巨大な塩製造施設を維持、運営していくためには多大なコストがかかるだけでなく、近年の資材コスト高騰により老朽化した設備の修理や更新にもこれまでとは比べものにならないほど莫大な費用がかかるのが現状だ。
さらに塩製造施設は広大な土地と清浄な海水が必要であることから辺境の地に位置していることが多く、人手の確保が難しくなっている。これに対し、各業界団体では連携して、外国人労働者の受け入れに向けた取組を進めているが、持続可能な事業運営のためには、安定的な人材確保と人的資源への投資が不可欠となっている。
給料を意味する”サラリー(salary)”の語源は、塩に由来するとされる。かつて、塩がいかに貴重で価値のあるものだったかを物語るエピソードである。地政学リスクが高まっている今だからこそ、生活や生命に密着する「塩の価値」を社会全体で共有し、持続可能な塩産業を構築していく必要がある。(藤井大碁)
【2025(令和7)年7月21日第5202号1面】
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<長野特集> 食べ方広がる野沢菜 ご飯のお供〝なめ茸〟に新展開
長野県の特産品「野沢菜」の食べ方が広がっている。定番の浅漬や発酵熟成させたべっこう色の本漬の他、味噌漬や燻製、ふりかけなど様々な商品が人気を集めている。
油炒めやおやきの具材といった惣菜向けの需要も年々高まっており、各メーカーでは多彩な新商品を投入している。
6月に開催された秋本食品「全国漬物・惣菜展示見本市」の『おにぎりグランプリ』においては、刻んだ野沢菜漬を唐辛子やニンニクが香る味わいに調味した信濃食品(飯田市)の「野沢菜チャーハンの素」が最高賞となるグランプリを受賞。野沢菜漬のおにぎり具材としてのポテンシャルの高さを証明した。
高菜漬がラーメンやチャーハンの具材として浸透しているように、野沢菜漬の惣菜向け需要も今後ますます拡大していくことが期待される。
野沢菜の課題となっているのが原料不足。生産者減少や温暖化の影響により近年不安定な状況が続いている。こうした状況の中、高齢農家から野沢菜栽培のノウハウを受け継ぎ、自社栽培をスタートする企業も出てきている。将来的に原料確保へのハードルはさらに高まることが予想されており、メーカー各社ではその対応が求められている。
野沢菜漬は、その美味しさゆえに、地域特産品から全国の食卓へ消費が拡大した「特産漬物の雄」と言える漬物。その魅力を改めて商品に織り込み、〝価格”から〝価値〟へ訴求点を転換していくことが必要になっている。
同じく長野の特産品「なめ茸」にも新たな展開が見られる。コロナ禍の巣ごもり需要を経て、ご飯のお供として確固たる地位を確立。野沢菜と同様に近年、様々な味付けの商品が登場。梅やふき味噌、海苔佃煮と合わせた商品の他、信州伝統野菜「ぼたんこしょう」を使用した商品など幅広いラインナップが揃う。
特集ではその他にも、信州の夏の風物詩〝丸茄子からし漬”や南信州〝竜峡小梅〟など様々な長野県の特産品を紹介する。(藤井大碁)
【2025(令和7)年7月11日第5201号1面】
油炒めやおやきの具材といった惣菜向けの需要も年々高まっており、各メーカーでは多彩な新商品を投入している。
6月に開催された秋本食品「全国漬物・惣菜展示見本市」の『おにぎりグランプリ』においては、刻んだ野沢菜漬を唐辛子やニンニクが香る味わいに調味した信濃食品(飯田市)の「野沢菜チャーハンの素」が最高賞となるグランプリを受賞。野沢菜漬のおにぎり具材としてのポテンシャルの高さを証明した。
高菜漬がラーメンやチャーハンの具材として浸透しているように、野沢菜漬の惣菜向け需要も今後ますます拡大していくことが期待される。
野沢菜の課題となっているのが原料不足。生産者減少や温暖化の影響により近年不安定な状況が続いている。こうした状況の中、高齢農家から野沢菜栽培のノウハウを受け継ぎ、自社栽培をスタートする企業も出てきている。将来的に原料確保へのハードルはさらに高まることが予想されており、メーカー各社ではその対応が求められている。
野沢菜漬は、その美味しさゆえに、地域特産品から全国の食卓へ消費が拡大した「特産漬物の雄」と言える漬物。その魅力を改めて商品に織り込み、〝価格”から〝価値〟へ訴求点を転換していくことが必要になっている。
同じく長野の特産品「なめ茸」にも新たな展開が見られる。コロナ禍の巣ごもり需要を経て、ご飯のお供として確固たる地位を確立。野沢菜と同様に近年、様々な味付けの商品が登場。梅やふき味噌、海苔佃煮と合わせた商品の他、信州伝統野菜「ぼたんこしょう」を使用した商品など幅広いラインナップが揃う。
特集ではその他にも、信州の夏の風物詩〝丸茄子からし漬”や南信州〝竜峡小梅〟など様々な長野県の特産品を紹介する。(藤井大碁)
【2025(令和7)年7月11日第5201号1面】
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<新潟特集>新たな販路開拓へ 米の需給混乱で高まる存在感
「令和の米騒動」と呼ばれる米の需給混乱で新潟の存在感が増している。
2024年産の新潟県の米生産量(収穫量)は、54万3500tで日本一の米どころとして知られる。
米作りに適した条件として「平らな土地」、「豊かな水」、「昼夜の寒暖差」の3つが挙げられ、いずれの条件も満たす新潟県産の「コシヒカリ」は、日本のトップブランド品種として広く認知されている。
新潟県は昨年11月、2025年の県産主食用米の目標生産量を56万2400tにすると公表。品薄となる事態が生じたことから、24年産の生産実績である54万3500tから約1万9000t上回る生産目標を設定した。国による生産調整廃止後、県が生産目標の目安を提示するようになった2018年以降で最大となった。
新潟県は日本の食料供給基地として、食料安全保障の確保に貢献していくため、新潟米の年間を通じた安定供給が可能となるよう、適正な在庫量等を見直し、県生産目標を設定した。
漬物と米の相性は言うまでもなく、ともに日本の食文化に欠かせない存在として継承されてきた。米の消費が減少すれば漬物の需要もそれに比例するため、米の需給混乱の早期収束は漬物業界にとっても追い風となる。
豊かな農水産物を原料とし、地域性を生かした沢庵漬、山海漬、味噌漬は米との相性が良く、全国でも高く評価されている。
また、新潟県漬物工業協同組合(佐久間大輔理事長)では、新たな可能性を求めてフリーズドライ漬物の開発を進めるなど、従来とは異なる販路の開拓を目指している。大きな期待と関心を寄せられる新潟の企業を特集した。(千葉友寛)
2024年産の新潟県の米生産量(収穫量)は、54万3500tで日本一の米どころとして知られる。
米作りに適した条件として「平らな土地」、「豊かな水」、「昼夜の寒暖差」の3つが挙げられ、いずれの条件も満たす新潟県産の「コシヒカリ」は、日本のトップブランド品種として広く認知されている。
新潟県は昨年11月、2025年の県産主食用米の目標生産量を56万2400tにすると公表。品薄となる事態が生じたことから、24年産の生産実績である54万3500tから約1万9000t上回る生産目標を設定した。国による生産調整廃止後、県が生産目標の目安を提示するようになった2018年以降で最大となった。
新潟県は日本の食料供給基地として、食料安全保障の確保に貢献していくため、新潟米の年間を通じた安定供給が可能となるよう、適正な在庫量等を見直し、県生産目標を設定した。
漬物と米の相性は言うまでもなく、ともに日本の食文化に欠かせない存在として継承されてきた。米の消費が減少すれば漬物の需要もそれに比例するため、米の需給混乱の早期収束は漬物業界にとっても追い風となる。
豊かな農水産物を原料とし、地域性を生かした沢庵漬、山海漬、味噌漬は米との相性が良く、全国でも高く評価されている。
また、新潟県漬物工業協同組合(佐久間大輔理事長)では、新たな可能性を求めてフリーズドライ漬物の開発を進めるなど、従来とは異なる販路の開拓を目指している。大きな期待と関心を寄せられる新潟の企業を特集した。(千葉友寛)
【2025(令和7)年7月11日第5201号1面】
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<宮崎特集>干し大根が危機的不足 今こそ商品開発で価値向上を
沢庵や高菜漬、らっきょうなど全国に知られる漬物ブランドを有する宮崎県。 その基盤となっているのが温暖な気候、豊かな大地、きれいな空気や澄んだ水と恵まれた自然が生み出す原料野菜である。現在は、その優れた素材を安定的に確保するための農業振興策、より付加価値を高めた商品の開発が盛んに行われている。
7月現在はらっきょうの収穫が盛んに行われており、今年の作柄は平年作と見られる。年明けから春先までの低温で小粒傾向が心配されていたが、その後気温が上がり順調に生育している。
県南部の都城から鹿児島北部にかけての地域は霧島山系の豊かな水、肥沃な火山灰土により、玉締まりが良く、歯ごたえがあり、香りの良いらっきょうが育まれる。
鳥取や鹿児島県南薩地域など砂丘地で育てるらっきょうとは一線を画す、唯一無二の国産らっきょうとして揺るぎない地位を確立している。POSデータにおいても、国産らっきょうの売上上位は宮崎県産が占めている。
沢庵は、販売面においては一本物からカット済タイプへ主力を移しながら好調を保ってきた。コストパフォーマンスと簡便性に優れ、食卓を彩ってくれる存在として、コロナ禍以降右肩上がりに売上を伸ばしてきたメーカーもあるほどだ。
ところが今年になり、深刻な原料不足によりその好調にストップがかかりそうだ。大根は昨年の秋から異常な高温と雨不足によって生育が進まず小ぶりとなり、平年の50%ほどの凶作となった。
生のまま塩漬けする塩押したくあん(生漬たくあんとも)については、春作を拡大させたことである程度は補えているのだが、問題は大根を天日でやぐら干しにする干したくあんだ。
干し作業は寒風が吹く年末から2月上旬までにしか行うことができない。次の原料が出てくるまで最短でもあと半年は、不足感が続く原料で乗り越えなければならない。各社とも、規格変更を含めた価格改定や、一本物の休売を余儀なくされている。
同じアブラナ科の高菜も、同様に昨年秋からの干ばつの影響で7割作ほどに留まった。販売面では、ラーメン店を始めとした中外食向けが好調なだけに、原料不足でチャンスロスが起こっている。
こうした不作は今年だけのものではなく、今後継続していくものとの危機感がある。温暖化による気候変動で従来の栽培方法が通用しなくなりつつある今、農業はますますリスクのある産業という認識が強まり、生産農家は減少している。特に大根は重量野菜であるため他作物への転換を希望する生産者も多い。
漬物メーカーはこうした危機的状況に対し、これまでは生産者が担っていた原料の選別作業を不要とする、収穫機の貸出をする、他県・他作物生産者と連携し、収穫部隊の産地間リレーを行う、など大根生産にかかる負担を抑える取組や、買取価格の引き上げ、端材活用によるアップサイクルの推進など様々な策を講じている。
宮崎県漬物協同組合(野﨑偉世理事長)は、今月23日に県農政との勉強会の場を設け、農業就労者の確保や育成、農地拡大に向けた具体的な施策を要請していく方針だ。
また、原料不足の中でも、商品開発の手は止まっていない。むしろ、貴重な宮崎産原料の価値をより高めて売ろうと、ユニークな商品が続々と登場してきている。特集ではこれらメーカーの注目製品を紹介する。
生のまま塩漬けする塩押したくあん(生漬たくあんとも)については、春作を拡大させたことである程度は補えているのだが、問題は大根を天日でやぐら干しにする干したくあんだ。
干し作業は寒風が吹く年末から2月上旬までにしか行うことができない。次の原料が出てくるまで最短でもあと半年は、不足感が続く原料で乗り越えなければならない。各社とも、規格変更を含めた価格改定や、一本物の休売を余儀なくされている。
同じアブラナ科の高菜も、同様に昨年秋からの干ばつの影響で7割作ほどに留まった。販売面では、ラーメン店を始めとした中外食向けが好調なだけに、原料不足でチャンスロスが起こっている。
こうした不作は今年だけのものではなく、今後継続していくものとの危機感がある。温暖化による気候変動で従来の栽培方法が通用しなくなりつつある今、農業はますますリスクのある産業という認識が強まり、生産農家は減少している。特に大根は重量野菜であるため他作物への転換を希望する生産者も多い。
漬物メーカーはこうした危機的状況に対し、これまでは生産者が担っていた原料の選別作業を不要とする、収穫機の貸出をする、他県・他作物生産者と連携し、収穫部隊の産地間リレーを行う、など大根生産にかかる負担を抑える取組や、買取価格の引き上げ、端材活用によるアップサイクルの推進など様々な策を講じている。
宮崎県漬物協同組合(野﨑偉世理事長)は、今月23日に県農政との勉強会の場を設け、農業就労者の確保や育成、農地拡大に向けた具体的な施策を要請していく方針だ。
また、原料不足の中でも、商品開発の手は止まっていない。むしろ、貴重な宮崎産原料の価値をより高めて売ろうと、ユニークな商品が続々と登場してきている。特集ではこれらメーカーの注目製品を紹介する。
(大阪支社・小林悟空)
【2025(令和7)年7月11日第5201号1面】
【2025(令和7)年7月11日第5201号1面】
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<滋賀特集>近江の魅力発信
滋賀県では、漬物原料、佃煮原料の安定的な確保が課題となっている。下田なすの出荷は、早い猛暑の到来で、今年6月末には平年を上回る収穫となり、その浅漬は平年より2週間早い7月中旬から市場に出回る。一方で続く夏の猛暑で、下田なすのシーズンは例年より早く終わる見通しとなっている。他には、近江に受け継がれる伝統野菜の生産者の高齢化が進んでいることも、漬物メーカーにとっては乗り越えなければならない壁である。
佃煮原料の鮎は、漁獲量が過去最低となることが見込まれている。近年は秋に降雨量が少なく残暑厳しい気候が続いていることで、天然河川の水温が高くなりアユの遡上が少なくなっていること、また遡上できたアユも水温の高さの影響で産卵に繋がっていないことが要因として考えられている。
そのような中でも、滋賀県漬物協同組合は3月に開催されたびわ湖マラソンでランナーに日野菜漬を提供したり、滋賀県水産加工業協同組合は全調食の「佃煮の日」に賛同する形で昨年はいさざやわかさぎを消費者へPR配布し、それぞれ伝統食の継承に貢献している。(大阪支社・高澤尚揮)
佃煮原料の鮎は、漁獲量が過去最低となることが見込まれている。近年は秋に降雨量が少なく残暑厳しい気候が続いていることで、天然河川の水温が高くなりアユの遡上が少なくなっていること、また遡上できたアユも水温の高さの影響で産卵に繋がっていないことが要因として考えられている。
そのような中でも、滋賀県漬物協同組合は3月に開催されたびわ湖マラソンでランナーに日野菜漬を提供したり、滋賀県水産加工業協同組合は全調食の「佃煮の日」に賛同する形で昨年はいさざやわかさぎを消費者へPR配布し、それぞれ伝統食の継承に貢献している。(大阪支社・高澤尚揮)
【2025(令和7)年7月11日第5201号10面】
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<わさび関連特集>「暑い夏」に高まる需要 国内外でのわさび人気に広がり
日本伝統の香辛料「わさび」の人気が国内外で広がっている。
増加する外国人観光客向けの需要の他、国内においても夏場の猛暑が続く中、清涼感を演出できるアイテムとして、わさび製品への注目が高まっている。
一方で、わさび原料は温暖化による生産量の減少や海外需要の高まりなどから需要が供給を上回る状況が続いており、価格が高止まりしている。
わさびメーカー各社では原料高騰に伴い付加価値製品の開発に力を注ぐ。これまで以上に品質を高めたわさびチューブやわさびドレッシングが登場、消費の二極化が顕著になる中、価値訴求型の製品として注目が集まっている。
6月に開催された秋本食品「第45回全国漬物・惣菜展示見本市」の「おにぎりグランプリ」では、田丸屋本店の「田丸屋のわさびめし」が3位に入賞。ご飯のお供やおにぎり具材として、わさび製品のポテンシャルの高さを印象付けた。
ご飯のお供として定番のわさび漬の他にも、わさびふりかけやわさびのり、わさびきくらげなど様々なラインナップが登場しており、猛暑が予想される今年の夏の食卓にも爽やかな味わいのわさび製品が活躍しそうだ。
【2025(令和7)年7月1日第5200号1面】
増加する外国人観光客向けの需要の他、国内においても夏場の猛暑が続く中、清涼感を演出できるアイテムとして、わさび製品への注目が高まっている。
一方で、わさび原料は温暖化による生産量の減少や海外需要の高まりなどから需要が供給を上回る状況が続いており、価格が高止まりしている。
わさびメーカー各社では原料高騰に伴い付加価値製品の開発に力を注ぐ。これまで以上に品質を高めたわさびチューブやわさびドレッシングが登場、消費の二極化が顕著になる中、価値訴求型の製品として注目が集まっている。
6月に開催された秋本食品「第45回全国漬物・惣菜展示見本市」の「おにぎりグランプリ」では、田丸屋本店の「田丸屋のわさびめし」が3位に入賞。ご飯のお供やおにぎり具材として、わさび製品のポテンシャルの高さを印象付けた。
ご飯のお供として定番のわさび漬の他にも、わさびふりかけやわさびのり、わさびきくらげなど様々なラインナップが登場しており、猛暑が予想される今年の夏の食卓にも爽やかな味わいのわさび製品が活躍しそうだ。
【2025(令和7)年7月1日第5200号1面】
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「うまみ県あいち」発信 和食の歴史作った発酵食文化
愛知県が発酵食文化のPRに本格的に取組み始めている。県が主導となり立ち上げた「愛知『発酵食文化』振興協議会」は今年2月よりキャッチコピーとして「うまみ県あいち」を掲げ、ポータルサイトも開設。
愛知の発酵食品は和食の歴史に大きな役割を果たしてきた。漬物の発祥地とされておりあま市の萱津神社には全国で唯一、漬物の神様が祀られている。江戸前寿司が流行したきっかけを作ったのは、愛知の酢であったといわれる。
ポータルサイトでは、このような発酵食品の歴史を伝えるとともに、それらを使った料理が楽しめる店舗や、見学スポットを紹介している。
各業界団体もこの動きを後押しする。公益社団法人愛知県漬物協会(曽我公彦会長)は協議会の構成メンバーとして参加。漬物関連の「発酵食スポット」は25箇所が登録されている。
今回の特集では、愛知の発酵食文化の今を担う各社の取り組みを紹介する。
【2025(令和7)年6月21日第5199号1面】
愛知の発酵食品は和食の歴史に大きな役割を果たしてきた。漬物の発祥地とされておりあま市の萱津神社には全国で唯一、漬物の神様が祀られている。江戸前寿司が流行したきっかけを作ったのは、愛知の酢であったといわれる。
ポータルサイトでは、このような発酵食品の歴史を伝えるとともに、それらを使った料理が楽しめる店舗や、見学スポットを紹介している。
各業界団体もこの動きを後押しする。公益社団法人愛知県漬物協会(曽我公彦会長)は協議会の構成メンバーとして参加。漬物関連の「発酵食スポット」は25箇所が登録されている。
今回の特集では、愛知の発酵食文化の今を担う各社の取り組みを紹介する。
【2025(令和7)年6月21日第5199号1面】
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<酢漬特集>紅生姜にスポットライト 米騒動で存在感際立つ
漬物の中でも稀有な存在である紅生姜がスポットライトを浴びている。
令和の米騒動と呼ばれる米の需給混乱は、備蓄米の放出により割安な米が店頭に並び始め、混乱が収まることが期待されている。だが、まだまだ一般消費者が全て購入できるようにはなっておらず、この混乱はもうしばらく続く見通しだ。
食品市場では米不足、米価格の高騰によって、米以外の主食で価格が安定している焼きそばなど麺類の需要が増加。それに関連して一部では紅生姜の5月の売上が前年同月比120~130%に上ったメーカーもある。紅生姜は焼きそばや冷やし中華の他、お好み焼きやたこ焼きなどの粉もんメニューの付け合わせとして定番となっており、活躍の場が広がっている。
漬物は古くからご飯の添え物や付け合わせとして食されてきた。だが、紅生姜は牛丼などを除き、ご飯以外の付け合わせという漬物の中でも他にはない特性があり、キムチを除く一般的な漬物の需要が減少傾向にある中、米騒動によって存在感がより際立つ形となった。今後は麺との関連販売がさらに拡大する可能性もある。
業務用でも追い風が吹いている。現在開催中の大阪・関西万博に合わせ、「大阪グルメフェア」が関西を中心に展開されている。お好み焼きやたこ焼きは大阪の名物として知られ、この波が量販店をはじめ、外食や飲食店に広がっていく可能性もあり、粉もんメニューに欠かせない紅生姜の動きがさらに活発になる可能性もある。
新生姜やガリなどを含めた生姜全般の動きは、年明けは苦戦していたものの、4月からは前年並みで推移。嗜好性が強い楽京は物価高騰の影響もあり、やや落ちついた動きとなっている。酢漬は気温が上昇する5月~9月が売れる時期となるため、暑くなることが予想されているこれからのシーズンに向けて期待が高まっている。
令和の米騒動と呼ばれる米の需給混乱は、備蓄米の放出により割安な米が店頭に並び始め、混乱が収まることが期待されている。だが、まだまだ一般消費者が全て購入できるようにはなっておらず、この混乱はもうしばらく続く見通しだ。
食品市場では米不足、米価格の高騰によって、米以外の主食で価格が安定している焼きそばなど麺類の需要が増加。それに関連して一部では紅生姜の5月の売上が前年同月比120~130%に上ったメーカーもある。紅生姜は焼きそばや冷やし中華の他、お好み焼きやたこ焼きなどの粉もんメニューの付け合わせとして定番となっており、活躍の場が広がっている。
漬物は古くからご飯の添え物や付け合わせとして食されてきた。だが、紅生姜は牛丼などを除き、ご飯以外の付け合わせという漬物の中でも他にはない特性があり、キムチを除く一般的な漬物の需要が減少傾向にある中、米騒動によって存在感がより際立つ形となった。今後は麺との関連販売がさらに拡大する可能性もある。
業務用でも追い風が吹いている。現在開催中の大阪・関西万博に合わせ、「大阪グルメフェア」が関西を中心に展開されている。お好み焼きやたこ焼きは大阪の名物として知られ、この波が量販店をはじめ、外食や飲食店に広がっていく可能性もあり、粉もんメニューに欠かせない紅生姜の動きがさらに活発になる可能性もある。
新生姜やガリなどを含めた生姜全般の動きは、年明けは苦戦していたものの、4月からは前年並みで推移。嗜好性が強い楽京は物価高騰の影響もあり、やや落ちついた動きとなっている。酢漬は気温が上昇する5月~9月が売れる時期となるため、暑くなることが予想されているこれからのシーズンに向けて期待が高まっている。
【2025(令和7)年6月11日号第5198号1面】
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<山陰特集>万博で県の魅力をPR 特産品に光が当たるチャンス
山陰の鳥取県、島根県は今夏、大阪・関西万博の会場において県の魅力や強みをアピールする。
鳥取県は7月1日、万博会場で、漫画がテーマのイベントを開催する。
水木しげるさんがテーマの朗読劇、青山剛昌さんの「名探偵コナン」アニメ主題歌でおなじみの倉木麻衣さんのライブも実施され、漫画・アニメツーリズムでの観光客開拓を狙っている。
同県では、漫画やアニメのキャラクターとコラボしたらっきょう漬や、カレー等が、お土産で子どもたちから人気となっている。
島根県は、8月27~31日に万博会場で「ご縁も、美肌も、しまねから」をテーマに出雲大社の歴史や文化、伝統芸能である石見神楽の公演を行う。
島根では、勾玉状の津田かぶ、縁結びの象徴であるしじみが名産で、「ご縁の国しまね」らしい食材を有する。
万博会場では、両県の魅力が国内外にPRされ、その特産品に光が当たることが今夏強く期待されている。
(大阪支社・小林悟空、高澤尚揮)
鳥取県は7月1日、万博会場で、漫画がテーマのイベントを開催する。
水木しげるさんがテーマの朗読劇、青山剛昌さんの「名探偵コナン」アニメ主題歌でおなじみの倉木麻衣さんのライブも実施され、漫画・アニメツーリズムでの観光客開拓を狙っている。
同県では、漫画やアニメのキャラクターとコラボしたらっきょう漬や、カレー等が、お土産で子どもたちから人気となっている。
島根県は、8月27~31日に万博会場で「ご縁も、美肌も、しまねから」をテーマに出雲大社の歴史や文化、伝統芸能である石見神楽の公演を行う。
島根では、勾玉状の津田かぶ、縁結びの象徴であるしじみが名産で、「ご縁の国しまね」らしい食材を有する。
万博会場では、両県の魅力が国内外にPRされ、その特産品に光が当たることが今夏強く期待されている。
(大阪支社・小林悟空、高澤尚揮)
【2025(令和7)年6月11日号第5198号9面】
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<関連資材機器特集>「FOOMA2025」開催 6月10日~13日東京ビッグサイトで
一般社団法人日本食品機械工業会(大川原行雄会長)は、2025年6月10日~13日までの4日間、東京ビッグサイト東展示棟全館において世界最大級の食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」を開催する。
48回目となる今年はテーマを“Touch FOOMA, Taste the Future”と掲げ、出展社数は過去最多の1007社(5月21日現在)に達し、開催史上最大の規模となった。
30社が出展するスタートアップゾーンでは12社が初出展。
出展社の半数以上の18社がAI・IT・IoT関連のスタートアップ技術での出展となる。
今年の特別セミナーでは、食産業のグローバル化と共創の加速をテーマとしたフードテックセッションや、災害食に関する農林水産省セミナーの他、新たに省人化ハンドリングシステムの未来について語る「FOOMA自動化検討プロジェクト」を実施する。
【2025(令和7)年6月1日第5197号5面】
48回目となる今年はテーマを“Touch FOOMA, Taste the Future”と掲げ、出展社数は過去最多の1007社(5月21日現在)に達し、開催史上最大の規模となった。
30社が出展するスタートアップゾーンでは12社が初出展。
出展社の半数以上の18社がAI・IT・IoT関連のスタートアップ技術での出展となる。
今年の特別セミナーでは、食産業のグローバル化と共創の加速をテーマとしたフードテックセッションや、災害食に関する農林水産省セミナーの他、新たに省人化ハンドリングシステムの未来について語る「FOOMA自動化検討プロジェクト」を実施する。
【2025(令和7)年6月1日第5197号5面】
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<徳島特集> 漬物で「豊作貧乏」防げ
白瓜の生産で数十年にわたって日本一、野沢菜や壬生菜といった「つけ菜」や、菜の花が2位、蓮根や人参が3位と野菜産地である徳島県。これからの時期、漬物原料では白瓜、胡瓜、茄子といった野菜の栽培が盛んで、適度な雨と気温で順調な生育状況だ。
県内漬物メーカーはこれらを用いて奈良漬や小茄子漬を自ら製造しているかたわら、半加工品として全国の漬物・惣菜メーカーへ供給し全国の食品産業を支える。
課題は農業人口の減少だ。異常気象リスクの増大、各種コストの上昇が離農を引き起こしている。加えて、昨年夏以降に高騰していた生鮮野菜の価格も今は大暴落した。「豊作貧乏」という言葉があるように、農業を生業とすることへの不安はますます増している。
こうした状況下で存在意義を示すことができるのが漬物メーカーだ。可能な限りの野菜を買い取り、塩漬や冷凍によって長期保管するというのは、保存食として生まれた漬物の原点というべき姿だ。
海外産食材が円安により相対的に価格上昇している今、国産野菜は優位性が増してきている。徳島産素材の価値向上を目指す、各社の取組を取材した。(大阪支社・小林悟空)
【2025(令和7)年6月1日第5197号8面】
県内漬物メーカーはこれらを用いて奈良漬や小茄子漬を自ら製造しているかたわら、半加工品として全国の漬物・惣菜メーカーへ供給し全国の食品産業を支える。
課題は農業人口の減少だ。異常気象リスクの増大、各種コストの上昇が離農を引き起こしている。加えて、昨年夏以降に高騰していた生鮮野菜の価格も今は大暴落した。「豊作貧乏」という言葉があるように、農業を生業とすることへの不安はますます増している。
こうした状況下で存在意義を示すことができるのが漬物メーカーだ。可能な限りの野菜を買い取り、塩漬や冷凍によって長期保管するというのは、保存食として生まれた漬物の原点というべき姿だ。
海外産食材が円安により相対的に価格上昇している今、国産野菜は優位性が増してきている。徳島産素材の価値向上を目指す、各社の取組を取材した。(大阪支社・小林悟空)
【2025(令和7)年6月1日第5197号8面】
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<深谷特集> 関東の漬物一大産地 道の駅リニューアルで売上増
埼玉県深谷市は多くの漬物メーカーが点在する〝関東の漬物処〟として知られる。
深谷市を代表する観光スポットである「道の駅おかべ」(深谷市岡)では、3月に漬物売場をリニューアルした。売場棚をこれまでより低くすることで商品を手に取りやすくするとともに、フロアの照明を増やし明るい売場に一新。およそ4メートルの高さを誇る深谷ねぎのオブジェも新たに設置することで印象的で買い物がしやすい売場に生まれ変わった。リニューアル後の漬物売場の売上は同フロアで販売する日本酒の売上も含めて2割程アップしており、リニューアル成果が出ている。
「道の駅おかべ」では、昨年販売を開始した「深谷ネギソフト」が、SNSなどで話題となりヒット。3月より地元産のブロッコリーを使用したジェラートも新発売し、人気を集めている。6月7日、8日には朝採りのとうもろこしを販売する毎年恒例の人気イベント「岡部とうもろこし祭り」の開催が控えており、今年も多くの来場者で賑わうことが予想される。
深谷市の一大産業として知られるのが漬物だ。現在でも、岡部地区を中心に多くの漬物業者が事業を展開。生産者の減少や異常気象により漬物原料の手当てが難しくなる中、深谷市は関東の原料拠点としても存在感を発揮している。
9日に開催された深谷地区漬物協会の総会では新たに鶴田敬輔氏(鶴田忠博商店社長)が新会長に就任。「次世代に漬物文化をつないでいくためにも、魅力を感じてもらえる会社や組合、業界にしていかなければならない」と意気込みを示した。
深谷市の漬物、豆腐、蒟蒻メーカーなどの取組を取材した。(藤井大碁)
【2025(令和7)年5月21日第5196号1面】
深谷市を代表する観光スポットである「道の駅おかべ」(深谷市岡)では、3月に漬物売場をリニューアルした。売場棚をこれまでより低くすることで商品を手に取りやすくするとともに、フロアの照明を増やし明るい売場に一新。およそ4メートルの高さを誇る深谷ねぎのオブジェも新たに設置することで印象的で買い物がしやすい売場に生まれ変わった。リニューアル後の漬物売場の売上は同フロアで販売する日本酒の売上も含めて2割程アップしており、リニューアル成果が出ている。
「道の駅おかべ」では、昨年販売を開始した「深谷ネギソフト」が、SNSなどで話題となりヒット。3月より地元産のブロッコリーを使用したジェラートも新発売し、人気を集めている。6月7日、8日には朝採りのとうもろこしを販売する毎年恒例の人気イベント「岡部とうもろこし祭り」の開催が控えており、今年も多くの来場者で賑わうことが予想される。
深谷市の一大産業として知られるのが漬物だ。現在でも、岡部地区を中心に多くの漬物業者が事業を展開。生産者の減少や異常気象により漬物原料の手当てが難しくなる中、深谷市は関東の原料拠点としても存在感を発揮している。
9日に開催された深谷地区漬物協会の総会では新たに鶴田敬輔氏(鶴田忠博商店社長)が新会長に就任。「次世代に漬物文化をつないでいくためにも、魅力を感じてもらえる会社や組合、業界にしていかなければならない」と意気込みを示した。
深谷市の漬物、豆腐、蒟蒻メーカーなどの取組を取材した。(藤井大碁)
【2025(令和7)年5月21日第5196号1面】
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<キムチ浅漬特集> キムチは市場規模が拡大 浅漬に新たな付加価値を
物価の上昇に加え、米不足及び米価格の高騰は漬物にとって大きな逆風となっている。そのような中でも安定した動きを見せ、漬物売場をけん引しているのがキムチだ。
猛暑となった昨夏以降、あらゆる野菜が生育不良となり、漬物もほぼ全ての原料が不足する事態に陥った。キムチや浅漬の主力原料となる白菜もしかりで、大手メーカーでも出荷調整や欠品を余儀なくされた。冬場が旬となる白菜を原料とする商品は例年、増量セールや特売など積極的な販促を行っていたが、今年は製造を抑えることが優先され、売上を作ることができなかった。
それでも、売れ行きは昨年11月から前年同月比でプラスに転じるなど盛り返し、コロナ前の2019年比では、2月は125%、3月は135%と6年前の市場規模を大きく上回る数字となっている。
値上げ以降、苦戦が続く韓国輸入キムチの状況を見ると、高単価商品は厳しい状況が続いているが、内容量が200g前後で買い求めやすく、ブランド力のある国産商品が支持されている。
収益性の改善を図るため、各社では4月から値上げを行っているが、発酵食品であることや植物性乳酸菌を摂取できること、料理素材としても利用できることなど、一品あれば色々な活躍ができる汎用性の高さが改めて支持されている。
春先まで原料面で苦労したが、5月以降は好天が続いて原料状況が落ち着いてきたこともあり、6月以降は増量セール等の販促が広い範囲で実施される見込み。積極的な売り込みで売場の活性化が期待される。
浅漬は全般的に低調な動きが続いている。節約志向が高まる状況下において、消費者が量販店で買い物をする際の買い上げ点数は減少傾向にある。主菜は必要だが、副菜は買い物かごから外れる対象になりやすく、前年割れが続く数字がそれを物語っている。
だが、ダウントレンドと言われる中でも簡便性の高いカップの刻みや食べ切りサイズのプチタイプ、お得感のある大容量商品など、支持される商品形態もあり、提案次第で可能性があるカテゴリーであることも示されている。
各社ではおかずになる惣菜風漬物や発酵をキーワードにした商品の開発、農林水産省が推進している「野菜を食べようプロジェクト」に呼応した商品の展開など、創意工夫を凝らしながら新たな付加価値を創り出そうとしている。
昨秋から春先まで我慢の時間が長く続いたが、キムチや浅漬をはじめとする漬物の原料は以前よりも安定してきており、攻勢に転じる環境が整いつつある。各社の動向を取材した。
【2025(令和7)年5月21日第5196号1面】
猛暑となった昨夏以降、あらゆる野菜が生育不良となり、漬物もほぼ全ての原料が不足する事態に陥った。キムチや浅漬の主力原料となる白菜もしかりで、大手メーカーでも出荷調整や欠品を余儀なくされた。冬場が旬となる白菜を原料とする商品は例年、増量セールや特売など積極的な販促を行っていたが、今年は製造を抑えることが優先され、売上を作ることができなかった。
それでも、売れ行きは昨年11月から前年同月比でプラスに転じるなど盛り返し、コロナ前の2019年比では、2月は125%、3月は135%と6年前の市場規模を大きく上回る数字となっている。
値上げ以降、苦戦が続く韓国輸入キムチの状況を見ると、高単価商品は厳しい状況が続いているが、内容量が200g前後で買い求めやすく、ブランド力のある国産商品が支持されている。
収益性の改善を図るため、各社では4月から値上げを行っているが、発酵食品であることや植物性乳酸菌を摂取できること、料理素材としても利用できることなど、一品あれば色々な活躍ができる汎用性の高さが改めて支持されている。
春先まで原料面で苦労したが、5月以降は好天が続いて原料状況が落ち着いてきたこともあり、6月以降は増量セール等の販促が広い範囲で実施される見込み。積極的な売り込みで売場の活性化が期待される。
浅漬は全般的に低調な動きが続いている。節約志向が高まる状況下において、消費者が量販店で買い物をする際の買い上げ点数は減少傾向にある。主菜は必要だが、副菜は買い物かごから外れる対象になりやすく、前年割れが続く数字がそれを物語っている。
だが、ダウントレンドと言われる中でも簡便性の高いカップの刻みや食べ切りサイズのプチタイプ、お得感のある大容量商品など、支持される商品形態もあり、提案次第で可能性があるカテゴリーであることも示されている。
各社ではおかずになる惣菜風漬物や発酵をキーワードにした商品の開発、農林水産省が推進している「野菜を食べようプロジェクト」に呼応した商品の展開など、創意工夫を凝らしながら新たな付加価値を創り出そうとしている。
昨秋から春先まで我慢の時間が長く続いたが、キムチや浅漬をはじめとする漬物の原料は以前よりも安定してきており、攻勢に転じる環境が整いつつある。各社の動向を取材した。
【2025(令和7)年5月21日第5196号1面】
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茄子特集 初夏から需要期到来 在来種多く地域の食文化に
旬のシーズンが到来し、初夏から秋口までアイテム数が増加する茄子。胡瓜とともに夏野菜の代表格で、売場で季節感を演出するとともに、鮮度感があり艶々とした「茄子紺」が食卓に彩りを与える。
茄子漬は気温の上昇とともに売れ行きが好調となる。販売数が増加するのは5月~10月だが、特に初夏から秋口にかけて最需要期となる。まさに夏の顔とも言える存在だ。
2023年、2024年の夏は2年連続で観測史上1位の記録的な猛暑となった。今年は過去2年には及ばないものの、ラニーニャ現象によって気温は平年より高く、猛暑となることが予想されている。茄子は水分が多く、カリウムの利尿作用によって尿と共に熱が排出されて体温を下げる効果があるということが広く浸透しており、夏の暑さは追い風となる。
茄子の品種は世界で1000種類ほどあるとされ、日本だけでも170種類以上の品種があると言われている。茄子は日本で奈良時代から食されるなど歴史が長く、「泉州水なす」、「賀茂なす」、「民田なす」などに代表される地方在来種が多く存在する。これらの地方在来種は、地域文化と密接な関わりがあり、それぞれに適した食べ方が考えられ、受け継がれてきた。その一つが漬物だ。
茄子を素材とする漬物は、浅漬、ぬか漬、粕漬、味噌漬、しば漬、辛子漬などがあり、それぞれの地域で親しまれ、食文化として継承されている。
商品の形態はこれまで姿物が主流だったが、カップのスライスタイプが好調に推移するなど、切る手間がない簡便性が高い商品が支持されるなど、新しい動きが見られるようになってきた。地域の食文化を支えてきた全国の茄子漬を取材した。
茄子漬は気温の上昇とともに売れ行きが好調となる。販売数が増加するのは5月~10月だが、特に初夏から秋口にかけて最需要期となる。まさに夏の顔とも言える存在だ。
2023年、2024年の夏は2年連続で観測史上1位の記録的な猛暑となった。今年は過去2年には及ばないものの、ラニーニャ現象によって気温は平年より高く、猛暑となることが予想されている。茄子は水分が多く、カリウムの利尿作用によって尿と共に熱が排出されて体温を下げる効果があるということが広く浸透しており、夏の暑さは追い風となる。
茄子の品種は世界で1000種類ほどあるとされ、日本だけでも170種類以上の品種があると言われている。茄子は日本で奈良時代から食されるなど歴史が長く、「泉州水なす」、「賀茂なす」、「民田なす」などに代表される地方在来種が多く存在する。これらの地方在来種は、地域文化と密接な関わりがあり、それぞれに適した食べ方が考えられ、受け継がれてきた。その一つが漬物だ。
茄子を素材とする漬物は、浅漬、ぬか漬、粕漬、味噌漬、しば漬、辛子漬などがあり、それぞれの地域で親しまれ、食文化として継承されている。
商品の形態はこれまで姿物が主流だったが、カップのスライスタイプが好調に推移するなど、切る手間がない簡便性が高い商品が支持されるなど、新しい動きが見られるようになってきた。地域の食文化を支えてきた全国の茄子漬を取材した。
【2025(令和7)年5月11日号第5195号1面】
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漬物の素・夏の甘酒特集 自宅で漬物を漬ける好機 野菜価格安定が追い風に
今こそ自宅で「ぬか漬け」を作ろう。
季節は春から初夏を迎えようとしており、気温も少しずつ高くなってきている。この時期は胡瓜や茄子を代表する夏野菜のシーズンとなり、ぬか床や漬物の素が青果コーナーで関連販売される他、日配コーナーにも展開されるなど、漬物の素製品の売場が拡大して盛り上がりを見せる。
コロナ禍では自宅でできる手軽さと健康効果が注目されてぬか床の需要が大幅に増加。だが、コロナ収束後は自宅にいる時間が減少したことでぬか床の動きも落ち着いてきた。さらに、昨夏から続く野菜高の影響が大きく、自宅で漬物を作るよりも製品を買った方が安い、という稀有な現象も見られ、漬物の素製品の売れ行きが苦戦する要因となった。
だが、4月中旬頃から野菜の価格が比較的安定していることは追い風だ。昨年の同時期や平年比で見ると若干高い状況だが、2倍以上で推移した昨秋から春先までの価格と比べると安価となっており、1本80円~100円で販売されていた胡瓜の価格も50円前後まで下がってきている。夏野菜が出始めるこれからのタイミングは、自宅で漬物を漬けるチャンスとなる。
近年、発酵食品への注目度や関心度は高まっている。コロナが収束したことで以前よりは健康への意識が薄くなりつつあるが、コロナ禍でぬか漬けユーザーが大幅に増加したことは、ポテンシャルや市場性の高さを示している。5月8日は「ぬか漬けの日」。今年も春夏の需要期を控え、漬物の素売場の活性化に期待が高まる。
季節は春から初夏を迎えようとしており、気温も少しずつ高くなってきている。この時期は胡瓜や茄子を代表する夏野菜のシーズンとなり、ぬか床や漬物の素が青果コーナーで関連販売される他、日配コーナーにも展開されるなど、漬物の素製品の売場が拡大して盛り上がりを見せる。
コロナ禍では自宅でできる手軽さと健康効果が注目されてぬか床の需要が大幅に増加。だが、コロナ収束後は自宅にいる時間が減少したことでぬか床の動きも落ち着いてきた。さらに、昨夏から続く野菜高の影響が大きく、自宅で漬物を作るよりも製品を買った方が安い、という稀有な現象も見られ、漬物の素製品の売れ行きが苦戦する要因となった。
だが、4月中旬頃から野菜の価格が比較的安定していることは追い風だ。昨年の同時期や平年比で見ると若干高い状況だが、2倍以上で推移した昨秋から春先までの価格と比べると安価となっており、1本80円~100円で販売されていた胡瓜の価格も50円前後まで下がってきている。夏野菜が出始めるこれからのタイミングは、自宅で漬物を漬けるチャンスとなる。
近年、発酵食品への注目度や関心度は高まっている。コロナが収束したことで以前よりは健康への意識が薄くなりつつあるが、コロナ禍でぬか漬けユーザーが大幅に増加したことは、ポテンシャルや市場性の高さを示している。5月8日は「ぬか漬けの日」。今年も春夏の需要期を控え、漬物の素売場の活性化に期待が高まる。
【2025(令和7)年5月1日号第5194号1面】
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泉州水なす特集 値上げしても市場拡大 ビールに合う「大阪の宝」
今年も泉州水なす漬のシーズンが始まった。今年は3月に寒い日が続きスタートはやや出遅れたが、5月の大型連休や母の日のギフトシーズンには十分な原料が出てくる見込みだ。
大阪府漬物事業協同組合(長谷川豊光理事長)は、今なお拡大を続ける泉州水なす漬を「大阪の宝」と呼んでいる。
今回特集に当たり取材したメーカーの全てが、昨年の水なす漬販売個数を伸ばしていた。地元関西でも微増を続けていることに加え、関西以外での採用も進んでいる。値上げを実施しているにも関わらず数量を伸ばした、食品としては数少ない例と言えるだろう。
水なすはアクが少なく、ジューシーな果肉には甘みがあるのが特徴。ぬか漬と調味浅漬が主力で、各社とも素材の良さを活かすため、あえてあっさりとした味付けとしているものが多い。
その甘みとほど良い塩気の絶妙なバランスは、ビールや日本酒との相性が良く、市販向け、居酒屋向けとバランス良く拡大してきた。
この甘くみずみずしい水なすを作るには泉州地域の風土が最適で、天候の影響を受けやすく、泉州地域以外の土壌では品質が保てない繊細な素材であることは、販売拡大の障壁でもある。しかしそれゆえに、希少性が保たれ、品質重視の姿勢が保たれてきた面もあるだろう。
4月13日からは大阪・関西万博が開幕し、大阪の食文化はますます知名度を高めていくことが期待されるところだ。
大阪府漬物事業協同組合(長谷川豊光理事長)は、今なお拡大を続ける泉州水なす漬を「大阪の宝」と呼んでいる。
今回特集に当たり取材したメーカーの全てが、昨年の水なす漬販売個数を伸ばしていた。地元関西でも微増を続けていることに加え、関西以外での採用も進んでいる。値上げを実施しているにも関わらず数量を伸ばした、食品としては数少ない例と言えるだろう。
水なすはアクが少なく、ジューシーな果肉には甘みがあるのが特徴。ぬか漬と調味浅漬が主力で、各社とも素材の良さを活かすため、あえてあっさりとした味付けとしているものが多い。
その甘みとほど良い塩気の絶妙なバランスは、ビールや日本酒との相性が良く、市販向け、居酒屋向けとバランス良く拡大してきた。
この甘くみずみずしい水なすを作るには泉州地域の風土が最適で、天候の影響を受けやすく、泉州地域以外の土壌では品質が保てない繊細な素材であることは、販売拡大の障壁でもある。しかしそれゆえに、希少性が保たれ、品質重視の姿勢が保たれてきた面もあるだろう。
4月13日からは大阪・関西万博が開幕し、大阪の食文化はますます知名度を高めていくことが期待されるところだ。
【2025(令和7)年4月21日号第5195号1面】
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<調理食品特集> 二極化対応で需要底上げ 佃煮×漬物のコラボ商品増加
佃煮・煮豆を始めとする調理食品業界では、製造コストや物流費の上昇、不漁や不作による原料不足などの影響を受け、厳しい経営環境が続く。
足元では、物価上昇や米価格の高騰により消費者の節約志向が高まる中、値上げの影響もあり佃煮や煮豆の売れ行きはやや鈍化している。
昆布佃煮では、昆布の漁獲量減少が続く中、大手メーカーが3月より家庭用で約11%の値上げを実施。他のカテゴリー同様に、佃煮・煮豆売場でも全体的に価格帯が上昇している。売場では複数購入することで割引を実施するなど、値ごろ感の演出に力が注がれている。
佃煮は近年のおにぎりブームの中、その具材としての価値が見直されている。増加するおにぎり専門店やコンビニのおにぎりはインバウンド向けにも需要が高まっている。また節約のため、ランチを外食から手作りのお弁当やおにぎりに切り替える流れもあり、佃煮や煮豆にとっては追い風となっている。
高質店においては付加価値の高い佃煮が人気を集めている。金ごまいわしやさば節昆布の他、国産生山椒を使用したちりめん山椒、産地限定の昆布佃煮などが高価格帯に関わらず根強い支持を集めている。
こうした流れを見ると、節約とプチ贅沢を使い分ける消費の二極化へうまく対応していくことが佃煮・煮豆の需要をさらに底上げしていくものと考えられる。
現在、調理食品メーカーが直面しているのが深刻な原料不足だ。瀬戸内の春の風物詩として知られるイカナゴは近年不漁が続き、今年も大阪湾は昨年に続いて禁漁、播磨灘でも3日間で終漁となり、競りの初日は過去最高値となった。こうした状況を受け、イカナゴの代用としてシラスを用いた「しらすのくぎ煮」を新発売し好評を得ている佃煮メーカーもある。
〝手に入る原料で炊く〟ことは原料難の時代において重大テーマになっており、これまでの常識に囚われない柔軟性が必要とされている。
原料が限られる中で、佃煮と漬物のコラボ商品も増加している。最近では、昆布佃煮にいぶりがっこ刻みを加えた「いぶりがっこ昆布」やちりめん佃煮にらっきょう刻みを加えた「らっきょうちりめん」の他、「ちりめん山椒入りキムチ」も登場。つぼ漬けと昆布佃煮を組み合わせたヒット商品「つぼ漬こんぶ」のように、佃煮に漬物の風味や食感が加わることで味わいを押し上げている。
佃煮・煮豆は日本が誇る伝統的な食文化でもある。今年3月には、霞ヶ浦、秋田の佃煮文化が、地域で世代を越えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁の「100年フード」に認定された。
移り行く時代の中、変えるべきもの、変えないものを的確に線引きし、時代ニーズに対応していくことが、伝統的な食文化の継承につながる。(藤井大碁)
足元では、物価上昇や米価格の高騰により消費者の節約志向が高まる中、値上げの影響もあり佃煮や煮豆の売れ行きはやや鈍化している。
昆布佃煮では、昆布の漁獲量減少が続く中、大手メーカーが3月より家庭用で約11%の値上げを実施。他のカテゴリー同様に、佃煮・煮豆売場でも全体的に価格帯が上昇している。売場では複数購入することで割引を実施するなど、値ごろ感の演出に力が注がれている。
佃煮は近年のおにぎりブームの中、その具材としての価値が見直されている。増加するおにぎり専門店やコンビニのおにぎりはインバウンド向けにも需要が高まっている。また節約のため、ランチを外食から手作りのお弁当やおにぎりに切り替える流れもあり、佃煮や煮豆にとっては追い風となっている。
高質店においては付加価値の高い佃煮が人気を集めている。金ごまいわしやさば節昆布の他、国産生山椒を使用したちりめん山椒、産地限定の昆布佃煮などが高価格帯に関わらず根強い支持を集めている。
こうした流れを見ると、節約とプチ贅沢を使い分ける消費の二極化へうまく対応していくことが佃煮・煮豆の需要をさらに底上げしていくものと考えられる。
現在、調理食品メーカーが直面しているのが深刻な原料不足だ。瀬戸内の春の風物詩として知られるイカナゴは近年不漁が続き、今年も大阪湾は昨年に続いて禁漁、播磨灘でも3日間で終漁となり、競りの初日は過去最高値となった。こうした状況を受け、イカナゴの代用としてシラスを用いた「しらすのくぎ煮」を新発売し好評を得ている佃煮メーカーもある。
〝手に入る原料で炊く〟ことは原料難の時代において重大テーマになっており、これまでの常識に囚われない柔軟性が必要とされている。
原料が限られる中で、佃煮と漬物のコラボ商品も増加している。最近では、昆布佃煮にいぶりがっこ刻みを加えた「いぶりがっこ昆布」やちりめん佃煮にらっきょう刻みを加えた「らっきょうちりめん」の他、「ちりめん山椒入りキムチ」も登場。つぼ漬けと昆布佃煮を組み合わせたヒット商品「つぼ漬こんぶ」のように、佃煮に漬物の風味や食感が加わることで味わいを押し上げている。
佃煮・煮豆は日本が誇る伝統的な食文化でもある。今年3月には、霞ヶ浦、秋田の佃煮文化が、地域で世代を越えて受け継がれてきた食文化を継承していくための取組である文化庁の「100年フード」に認定された。
移り行く時代の中、変えるべきもの、変えないものを的確に線引きし、時代ニーズに対応していくことが、伝統的な食文化の継承につながる。(藤井大碁)
【2025(令和7)年4月21日第5193号8面】
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<高菜特集>中外食拡大が追い風に 7割作以下で値上げ必至
「高菜漬」の強みは料理に使いやすい汎用性にある。ウコン塩に漬け込み乳酸発酵させることで醸し出される旨味は中華やエスニック、イタリアン料理と幅広い料理に合わせることができる。
3月15日放映の『ジョブチューン』では「オーマイ 和パスタ好きのための 高菜」が一流料理人から満場一致で〝合格〟を獲得。全国展開の外食チェーンや大手冷凍食品メーカーらがこぞって高菜漬入りチャーハンやパスタを発売している。
昨年の訪日外国人数が過去最高を記録したのも追い風だ。「外国人旅行客は漬物を買わない」というのが定説だが、高菜漬の場合は外食で利用されているため、食産業全体の活性化が高菜漬けにも影響している。
市販においても、メーカー各社はWebやSNSで積極的にレシピ提案し、その魅力の発信に努めている。
消費が拡大する一方で、課題となるのが原料面だ。
国内では農家の高齢化による高菜原料の減少が数年前から続いている上、天候不順も重なっている。今春の収穫量は、7割作を下回る凶作に終わりそうだ。
一足先にピークを迎えた南九州(鹿児島、宮崎)が7割作。年明け以降の気温が低く、雨量が少なかったため高菜が小ぶりとなった。三池高菜発祥の地である福岡県みやま市周辺も同様で、通常なら3月中頃には収穫が始まっているところ、今年は4月8日頃からようやく本格化した。
このように原料確保が課題となっている中で、今年秋には価格改定や規格変更が急務になってくる。
中国産原料についても、為替や輸送費、現地人件費の上昇など複合的な要因から国産原料に近い水準の単価となっている。しかし国産原料だけで需要を満たすことは不可能である。業務用はもちろん、市販においても中国産の活用は必須だ。
またメーカー各社は生産者の負担を軽減することで栽培量を増やす試みを続けている。旭食品工業(福岡県みやま市)は自走式の収穫機を、オギハラ食品(福岡県大牟田市)と鹿児島県漬物商工業協同組合はそれぞれ手押し式の収穫機を開発、公開している。栽培地の特徴や広さに合わせて3機種から選択できる、理想的な環境が整った。
今回の特集では、高菜漬メーカー各社の商品や、今後の方針を取材した。
【2025(令和7)年4月11日第5192号1面】
国内では農家の高齢化による高菜原料の減少が数年前から続いている上、天候不順も重なっている。今春の収穫量は、7割作を下回る凶作に終わりそうだ。
一足先にピークを迎えた南九州(鹿児島、宮崎)が7割作。年明け以降の気温が低く、雨量が少なかったため高菜が小ぶりとなった。三池高菜発祥の地である福岡県みやま市周辺も同様で、通常なら3月中頃には収穫が始まっているところ、今年は4月8日頃からようやく本格化した。
このように原料確保が課題となっている中で、今年秋には価格改定や規格変更が急務になってくる。
中国産原料についても、為替や輸送費、現地人件費の上昇など複合的な要因から国産原料に近い水準の単価となっている。しかし国産原料だけで需要を満たすことは不可能である。業務用はもちろん、市販においても中国産の活用は必須だ。
またメーカー各社は生産者の負担を軽減することで栽培量を増やす試みを続けている。旭食品工業(福岡県みやま市)は自走式の収穫機を、オギハラ食品(福岡県大牟田市)と鹿児島県漬物商工業協同組合はそれぞれ手押し式の収穫機を開発、公開している。栽培地の特徴や広さに合わせて3機種から選択できる、理想的な環境が整った。
今回の特集では、高菜漬メーカー各社の商品や、今後の方針を取材した。
【2025(令和7)年4月11日第5192号1面】
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<栃木特集>国内外から熱視線 「酢漬」生産量は日本一
栃木県が国内外から熱視線を注がれている。
県内有数の観光地、日光市を去年1年間に訪れた観光客は1019万1861人と前年を2・7%上回り、5年ぶりに1000万人台に回復した。昨年は「日光の社寺」が世界遺産登録25周年だったことから、節目に合わせたイベントや円安を背景とした外国人の増加が影響した。
宿泊客は前の年を5・8%上回る294万895人で、このうち外国人の宿泊客は16万1338人と前年より33・4%増えて、現在の集計方法となった2006年以降で最も多くなった。
栃木県は東京からのアクセスが良く、海外からも訪れやすい場所で、日光や那須などの観光地は海外でも知られている。その中でも徳川家康が祀られている日光東照宮は、日本の伝統的建造物や日本の文化、歴史に興味を持つ欧米人やアジア人から特に人気が高い。
インバウンド需要の増加によって県内の食関連産業への期待が高まる。外国人が選ぶ日本食ランキングで圧倒的な人気を集めているのが寿司。栃木県は主役を引き立たせる名脇役として欠かせないガリや紅生姜など、外食向けの商品を製造している企業が点在。また、市販用から業務用までをカバーする楽京の生産量も多く、都道府県単位で見ると日本一の酢漬生産量を誇る。
経済産業省の経済構造実態調査によると、2022年の都道県別漬物出荷金額で栃木県は全国3位で、1事業所当たりの額は6位と全国トップクラス。都道府県別魅力度ランキング(2024年)では39位と下位に甘んじているが、北関東ではトップに位置している。個性を生かしながら魅力ある商品を提供する県内企業を特集した。
(千葉友寛)
県内有数の観光地、日光市を去年1年間に訪れた観光客は1019万1861人と前年を2・7%上回り、5年ぶりに1000万人台に回復した。昨年は「日光の社寺」が世界遺産登録25周年だったことから、節目に合わせたイベントや円安を背景とした外国人の増加が影響した。
宿泊客は前の年を5・8%上回る294万895人で、このうち外国人の宿泊客は16万1338人と前年より33・4%増えて、現在の集計方法となった2006年以降で最も多くなった。
栃木県は東京からのアクセスが良く、海外からも訪れやすい場所で、日光や那須などの観光地は海外でも知られている。その中でも徳川家康が祀られている日光東照宮は、日本の伝統的建造物や日本の文化、歴史に興味を持つ欧米人やアジア人から特に人気が高い。
インバウンド需要の増加によって県内の食関連産業への期待が高まる。外国人が選ぶ日本食ランキングで圧倒的な人気を集めているのが寿司。栃木県は主役を引き立たせる名脇役として欠かせないガリや紅生姜など、外食向けの商品を製造している企業が点在。また、市販用から業務用までをカバーする楽京の生産量も多く、都道府県単位で見ると日本一の酢漬生産量を誇る。
経済産業省の経済構造実態調査によると、2022年の都道県別漬物出荷金額で栃木県は全国3位で、1事業所当たりの額は6位と全国トップクラス。都道府県別魅力度ランキング(2024年)では39位と下位に甘んじているが、北関東ではトップに位置している。個性を生かしながら魅力ある商品を提供する県内企業を特集した。
(千葉友寛)
【2025(令和7)年4月11日第5192号1面】
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<群馬こんにゃく特集>「しらたきサラダ」を食卓へ 手軽さと健康性にニーズ
こんにゃく芋生産量で全国の90%以上を占め、日本一のこんにゃく産地である群馬県。県内のこんにゃくメーカーでは、伝統的なこんにゃく、しらたきの製造を行うとともに、新たな商品開発に力を入れている。
こんにゃくの食シーンと言えば、おでんや煮物が一般的だが、新商品の顔ぶれは様々。プラントベースのハンバーグやビーフジャーキーのようなおつまみなど、時代のニーズに合った商品を提案し、人気を集めている。
また、こんにゃくやしらたきを作る際の原料となる、こんにゃく粉も著しい進化を遂げている。近年話題を集めているのが、こんにゃくの特性を生かした新しいこんにゃく粉「マジックマンナン」。凝固剤不要で、水や各種溶媒を加えて練るだけで固まり、加熱調理しても溶けないため、こんにゃく以外の様々な食品に活躍の場が広がっている。
こんにゃく業界が現在、直面しているのが原料価格の低迷。食生活の変化などにより、こんにゃく需要が減少し、原料となるこんにゃく芋の価格が下落している。一方、物価上昇により、肥料や燃料などのコストは上昇し続けており、こんにゃく生産者の経営を圧迫。厳しい経営状況から生産者の減少が続いている。
こうした状況の中、こんにゃく消費拡大へ向けた取組が広がっている。
全国こんにゃく協同組合連合会(白井宏一理事長)では、2023年から「全国こんにゃくサミット」を開催。全国からこんにゃく三団体(こんにゃく製造者、原料業者、生産者)が集結し、需要拡大に向けた意見交換を行っている。
また生産者団体である群馬県こんにゃく研究会(後藤功也会長)においては、こんにゃく消費拡大の一手として、「しらたきサラダ大作戦」を展開。手軽さと健康性を持ち合わせ、夏場も美味しく食べられるメニューとして「しらたきサラダ」を考案し、食卓に浸透させることを目指している。
「しらたきサラダ」は、しらたきを開封してザルで水洗いし、キッチンバサミで食べやすい長さにカット、青じそやごまなどお好みのドレッシングをかけるだけで完成するメニュー。一日に必要な食物繊維に対して日本人の平均摂取量は不足しており、同研究会では、しらたきを日常の健康維持に役立つ食材として、今後も継続的にPRしていく。(藤井大碁)
こんにゃくの食シーンと言えば、おでんや煮物が一般的だが、新商品の顔ぶれは様々。プラントベースのハンバーグやビーフジャーキーのようなおつまみなど、時代のニーズに合った商品を提案し、人気を集めている。
また、こんにゃくやしらたきを作る際の原料となる、こんにゃく粉も著しい進化を遂げている。近年話題を集めているのが、こんにゃくの特性を生かした新しいこんにゃく粉「マジックマンナン」。凝固剤不要で、水や各種溶媒を加えて練るだけで固まり、加熱調理しても溶けないため、こんにゃく以外の様々な食品に活躍の場が広がっている。
こんにゃく業界が現在、直面しているのが原料価格の低迷。食生活の変化などにより、こんにゃく需要が減少し、原料となるこんにゃく芋の価格が下落している。一方、物価上昇により、肥料や燃料などのコストは上昇し続けており、こんにゃく生産者の経営を圧迫。厳しい経営状況から生産者の減少が続いている。
こうした状況の中、こんにゃく消費拡大へ向けた取組が広がっている。
全国こんにゃく協同組合連合会(白井宏一理事長)では、2023年から「全国こんにゃくサミット」を開催。全国からこんにゃく三団体(こんにゃく製造者、原料業者、生産者)が集結し、需要拡大に向けた意見交換を行っている。
また生産者団体である群馬県こんにゃく研究会(後藤功也会長)においては、こんにゃく消費拡大の一手として、「しらたきサラダ大作戦」を展開。手軽さと健康性を持ち合わせ、夏場も美味しく食べられるメニューとして「しらたきサラダ」を考案し、食卓に浸透させることを目指している。
「しらたきサラダ」は、しらたきを開封してザルで水洗いし、キッチンバサミで食べやすい長さにカット、青じそやごまなどお好みのドレッシングをかけるだけで完成するメニュー。一日に必要な食物繊維に対して日本人の平均摂取量は不足しており、同研究会では、しらたきを日常の健康維持に役立つ食材として、今後も継続的にPRしていく。(藤井大碁)
【2025(令和7)年4月1日第5191号1面】
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<塩特集>25年度内に値上がり 輸入原料塩5~8円/㎏上昇
塩は調味料としてはもちろん、防腐作用や脱水作用など様々な効果を持ち、あらゆる食品の根幹をなしている。そんなライフラインともいえる存在の塩に、再び価格改定の波が訪れようとしている。
一般社団法人日本塩協会(野田毅代表理事会長)に加盟するイオン交換膜製塩の国産塩メーカーは2022年、23年に石炭価格が約4倍に暴騰したことを背景に、二度にわたる価格改定という異例の決断を下した。市販で大きなシェアを占める輸入天日塩を原料とする特殊製法塩メーカーも原料塩や天然ガス、重油の価格上昇により23年に価格改定を実施した。
今回既に、輸入塩を用いる日本食塩製造株式会社(福家顕一社長)と、膜製塩のダイヤソルト株式会社(熊野直敏社長)が価格改定の実施を発表している。その他メーカーも大半が25年度内の実施を検討している。
背景には複数の理由が存在する。今年1月には商社が原料塩(オーストラリア、メキシコ)の5~8円/㎏の値上げを実施、特殊製法塩メーカーに重くのしかかる。燃料価格は2023年以降は落ち着いたものの、円安により高値安定となっており、物流費、人件費、包装資材など各種コストは今後も継続的な上昇が見込まれる。
塩は必需品である一方で、消費量増加を望むことは難しい。利益を確保するには価格改定が必須だろう。特集では塩業界各社の方針に迫る。
一般社団法人日本塩協会(野田毅代表理事会長)に加盟するイオン交換膜製塩の国産塩メーカーは2022年、23年に石炭価格が約4倍に暴騰したことを背景に、二度にわたる価格改定という異例の決断を下した。市販で大きなシェアを占める輸入天日塩を原料とする特殊製法塩メーカーも原料塩や天然ガス、重油の価格上昇により23年に価格改定を実施した。
今回既に、輸入塩を用いる日本食塩製造株式会社(福家顕一社長)と、膜製塩のダイヤソルト株式会社(熊野直敏社長)が価格改定の実施を発表している。その他メーカーも大半が25年度内の実施を検討している。
背景には複数の理由が存在する。今年1月には商社が原料塩(オーストラリア、メキシコ)の5~8円/㎏の値上げを実施、特殊製法塩メーカーに重くのしかかる。燃料価格は2023年以降は落ち着いたものの、円安により高値安定となっており、物流費、人件費、包装資材など各種コストは今後も継続的な上昇が見込まれる。
塩は必需品である一方で、消費量増加を望むことは難しい。利益を確保するには価格改定が必須だろう。特集では塩業界各社の方針に迫る。
【2025(令和7)年3月21日第5190号1面】
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<梅特集> 「万博漬け」を国内外へ発信
遅咲きに不作なし‐。紀州梅産地で通説となっている言葉。今年はまさに近年稀に見る遅咲きとなっており、豊作の年になることが期待されている。昨年は3割作という史上最低の作柄を経験しただけに、産地では良い作柄になることが祈念されている。
3月5日にJA紀南が発表した開花状況によると、主力の南高の開花始めは2月27日、満開期は3月2日となり、過去10年で最も遅い開花始め、満開期となった。開花始めは昨年より38日遅く、平年より21日遅い。満開期は昨年より31日遅く、平年より16日遅い。昨年は暖冬の影響で開花始め及び満開が平年より15日~17日早くなったことで、歴史的な凶作の年となった。それだけに今年の作柄に期待する思いは日増しに高まっている。
一抹の不安もある。主要な梅林では3月1日、2日が満開期となったが、その後は寒気の影響で気温が上がらず、降雨や風が強い日が続いた。そのため、ミツバチが満開期から約1週間飛ばず、授粉が順調に行われたのか不安視する声も上がっている。そもそも開花が例年より遅いことを不安要素とする声もあり、着果状況が判明する4月中旬までは作柄の見通しを判断することはできない。
確かなことは原料不足と原料高が大きな問題となっており、各社は厳しい環境に置かれている、ということだ。昨年、塩漬された量に一昨年前からの持ち越し在庫を足しても1年分販売する量には到底届かない。在庫量は各社によって異なり、大半の企業は今年の新物が使用できる秋口まで原料をつなげられるか、という不安を抱えている。
昨年の秋冬の棚替えでは大幅な値上げが広範囲で実施された。上げ幅は原料の等級や企業によって差があるものの、10%~30%と過去に例がない上げ幅となった。当然、数量は減少したが、金額は値上げ分がカバーする形で大幅な落ち込みにはなっていない。春夏の棚割りでは秋冬の上げ幅が大きかったことから大半の企業で値上げが見送られたが、一部上げ幅が小さかったところは再び値上げを実施する。
中国産は円安の影響で利益の確保が難しい状況となっているが、国産とのダブル値上げによって売れ行きが落ちる可能性があるため、春夏のタイミングでも値上げが見送られた。
供給不安を抱える国産の梅を中国産に切り替える売場が増えている。価格訴求型の商品を展開するディスカウント店では、国産と中国産の比率が同じか中国産の割合が多くなっている。一般のスーパーでは、金額が維持できることからこれまでと同様に国産の割合の方が多く、異なる戦略の下、売場が展開されている。
食のタイムカプセル
梅に世界中の視線が注がれる。4月13日から開催される2025年大阪・関西万博では、食の未来をより良くするために、世界に共有したい日本発の食の知恵の一つとして「梅干し」が選ばれた。自然の恵みと人の知恵だけで長期保存できる日本古来から伝わるフードテックとして「万博漬け」が6月に行われる。
これは実際に紀州梅を塩漬し、食のタイムカプセルとして25年後の2050年まで保管して食べる、というもの。放送作家・脚本家の小山薫堂氏がプロデュースするパビリオン『EARTH MART』の展示に紀州梅の会(梅干部会)が協力し、紀州田辺梅干協同組合と紀州みなべ梅干協同組合を合わせた青年部組織「若梅会」が協力する。食の未来を創造する日本の伝統食品として、「梅干し」の魅力が国内外に広く発信される。
今夏もラニーニャ現象の影響で暑くなることが予想され、梅干しは需要の増加が予想される。今年は良い作柄になり、新たな需要が生まれることが期待されている。
【2025(令和7)年3月21日第5190号1面】
3月5日にJA紀南が発表した開花状況によると、主力の南高の開花始めは2月27日、満開期は3月2日となり、過去10年で最も遅い開花始め、満開期となった。開花始めは昨年より38日遅く、平年より21日遅い。満開期は昨年より31日遅く、平年より16日遅い。昨年は暖冬の影響で開花始め及び満開が平年より15日~17日早くなったことで、歴史的な凶作の年となった。それだけに今年の作柄に期待する思いは日増しに高まっている。
一抹の不安もある。主要な梅林では3月1日、2日が満開期となったが、その後は寒気の影響で気温が上がらず、降雨や風が強い日が続いた。そのため、ミツバチが満開期から約1週間飛ばず、授粉が順調に行われたのか不安視する声も上がっている。そもそも開花が例年より遅いことを不安要素とする声もあり、着果状況が判明する4月中旬までは作柄の見通しを判断することはできない。
確かなことは原料不足と原料高が大きな問題となっており、各社は厳しい環境に置かれている、ということだ。昨年、塩漬された量に一昨年前からの持ち越し在庫を足しても1年分販売する量には到底届かない。在庫量は各社によって異なり、大半の企業は今年の新物が使用できる秋口まで原料をつなげられるか、という不安を抱えている。
昨年の秋冬の棚替えでは大幅な値上げが広範囲で実施された。上げ幅は原料の等級や企業によって差があるものの、10%~30%と過去に例がない上げ幅となった。当然、数量は減少したが、金額は値上げ分がカバーする形で大幅な落ち込みにはなっていない。春夏の棚割りでは秋冬の上げ幅が大きかったことから大半の企業で値上げが見送られたが、一部上げ幅が小さかったところは再び値上げを実施する。
中国産は円安の影響で利益の確保が難しい状況となっているが、国産とのダブル値上げによって売れ行きが落ちる可能性があるため、春夏のタイミングでも値上げが見送られた。
供給不安を抱える国産の梅を中国産に切り替える売場が増えている。価格訴求型の商品を展開するディスカウント店では、国産と中国産の比率が同じか中国産の割合が多くなっている。一般のスーパーでは、金額が維持できることからこれまでと同様に国産の割合の方が多く、異なる戦略の下、売場が展開されている。
食のタイムカプセル
梅に世界中の視線が注がれる。4月13日から開催される2025年大阪・関西万博では、食の未来をより良くするために、世界に共有したい日本発の食の知恵の一つとして「梅干し」が選ばれた。自然の恵みと人の知恵だけで長期保存できる日本古来から伝わるフードテックとして「万博漬け」が6月に行われる。
これは実際に紀州梅を塩漬し、食のタイムカプセルとして25年後の2050年まで保管して食べる、というもの。放送作家・脚本家の小山薫堂氏がプロデュースするパビリオン『EARTH MART』の展示に紀州梅の会(梅干部会)が協力し、紀州田辺梅干協同組合と紀州みなべ梅干協同組合を合わせた青年部組織「若梅会」が協力する。食の未来を創造する日本の伝統食品として、「梅干し」の魅力が国内外に広く発信される。
今夏もラニーニャ現象の影響で暑くなることが予想され、梅干しは需要の増加が予想される。今年は良い作柄になり、新たな需要が生まれることが期待されている。
【2025(令和7)年3月21日第5190号1面】
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<群馬特集> 移住希望地全国1位に SNSでカリカリ梅が注目
群馬県は2024年の移住希望地の都道府県ランキングで、初の首位となった。ランキングは、全国の自治体と連携して地方移住を支援する認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表。同センターの窓口を訪れた相談者などへアンケート調査を行い、1万9021人から回答を得た。
首都圏へのアクセスの良さや恵まれた自然環境、災害の少なさなどが人気の理由。地方移住を考え始めたライト層や子育て世代、アクティブな50代など幅広い層からの支持を得た。
群馬県は、経済産業省「経済構造実態調査」において県別漬物出荷金額(2022年)が2021年に続き全国2位、県内では豊富な農作物を生かした漬物製造が盛んに行われている。
梅の生産量においても群馬県は全国2位。箕郷、榛名といった梅産地では、梅の花が3月中旬から下旬に満開を迎える見通しとなっており、関係者は今年の豊作に期待を込める。
県内の梅メーカー5社(村岡食品工業、大利根漬、コマックス、赤城フーズ、梅吉)で組織する「うめのわ」の取組も活性化している。2月19日には東京都港区の外務省飯倉公館にて開催された外務大臣及び群馬県知事共催「グローバルな展開を目指す群馬県の魅力(食、自然、文化、産業等)を発信するレセプション」にブースを出展。駐日外交団、駐日外国商工会議所、企業関係者、群馬県関係国会議員ら約180名が参加する中、群馬の特産品として梅の魅力を紹介した。
「うめのわ」では昨年、11月10日(いい音の日)を「カリカリ梅の日」に制定するなど積極的なPR活動を展開している。足元では、SNSでインフルエンサーがカリカリ梅の食べ比べ動画を投稿したことを機に、若い世代からのカリカリ梅への注目度が上昇、需要が大幅に増加している。
(藤井大碁)
【2025(令和7)年3月11日第5189号1面】
首都圏へのアクセスの良さや恵まれた自然環境、災害の少なさなどが人気の理由。地方移住を考え始めたライト層や子育て世代、アクティブな50代など幅広い層からの支持を得た。
群馬県は、経済産業省「経済構造実態調査」において県別漬物出荷金額(2022年)が2021年に続き全国2位、県内では豊富な農作物を生かした漬物製造が盛んに行われている。
梅の生産量においても群馬県は全国2位。箕郷、榛名といった梅産地では、梅の花が3月中旬から下旬に満開を迎える見通しとなっており、関係者は今年の豊作に期待を込める。
県内の梅メーカー5社(村岡食品工業、大利根漬、コマックス、赤城フーズ、梅吉)で組織する「うめのわ」の取組も活性化している。2月19日には東京都港区の外務省飯倉公館にて開催された外務大臣及び群馬県知事共催「グローバルな展開を目指す群馬県の魅力(食、自然、文化、産業等)を発信するレセプション」にブースを出展。駐日外交団、駐日外国商工会議所、企業関係者、群馬県関係国会議員ら約180名が参加する中、群馬の特産品として梅の魅力を紹介した。
「うめのわ」では昨年、11月10日(いい音の日)を「カリカリ梅の日」に制定するなど積極的なPR活動を展開している。足元では、SNSでインフルエンサーがカリカリ梅の食べ比べ動画を投稿したことを機に、若い世代からのカリカリ梅への注目度が上昇、需要が大幅に増加している。
(藤井大碁)
【2025(令和7)年3月11日第5189号1面】
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<東京特集> 伝統食の顔ぶれ華やか 世界一魅力的な大都市に
東京への外国人観光客が増加している。1月20日に発表された2024年4~6月に東京を訪れた外国人旅行者数は、前年同期比31%増の683万人となり、同時期として過去最多を記録した。
昨年10月には、米旅行雑誌で東京が3年振りに「世界で最も魅力的な大都市」に選出され、東京は世界的な観光地としての地位を確立している。
東京の魅力の一つとして挙げられるのが多様性。最新のトレンドを発信する渋谷、歴史と伝統を醸し出す浅草、電器店が立ち並ぶ秋葉原など、個性ある街が集まり東京という都市を形成している。築地場外市場には東京の食を求めて連日大勢の外国人観光客が訪れている。
ミシュラン星付き店の数が世界トップを誇る〝美食の街〟として知られる東京だが、伝統食品の顔ぶれも華やかだ。江戸時代の宝田恵比寿神社例祭にまで起源を遡るべったら漬、江戸の佃島が発祥とされる江戸前佃煮、江戸時代から親しまれてきた江戸甘味噌、江戸東京野菜である練馬大根を用いた練馬沢庵など、伝統技術を生かした製法で現代にまで変わらない価値を伝える産品が揃っている。
毎年10月19日、20日には、東京の秋の風物詩である「べったら市」が開催され、昨年も開催を心待ちにしていた大勢の来場者で賑わいを見せた。
特集内では、注目を集める〝東京ブランド〟の品々を紹介する。
(藤井大碁)
昨年10月には、米旅行雑誌で東京が3年振りに「世界で最も魅力的な大都市」に選出され、東京は世界的な観光地としての地位を確立している。
東京の魅力の一つとして挙げられるのが多様性。最新のトレンドを発信する渋谷、歴史と伝統を醸し出す浅草、電器店が立ち並ぶ秋葉原など、個性ある街が集まり東京という都市を形成している。築地場外市場には東京の食を求めて連日大勢の外国人観光客が訪れている。
ミシュラン星付き店の数が世界トップを誇る〝美食の街〟として知られる東京だが、伝統食品の顔ぶれも華やかだ。江戸時代の宝田恵比寿神社例祭にまで起源を遡るべったら漬、江戸の佃島が発祥とされる江戸前佃煮、江戸時代から親しまれてきた江戸甘味噌、江戸東京野菜である練馬大根を用いた練馬沢庵など、伝統技術を生かした製法で現代にまで変わらない価値を伝える産品が揃っている。
毎年10月19日、20日には、東京の秋の風物詩である「べったら市」が開催され、昨年も開催を心待ちにしていた大勢の来場者で賑わいを見せた。
特集内では、注目を集める〝東京ブランド〟の品々を紹介する。
(藤井大碁)
【2025(令和7)年3月1日第5188号1面】
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<静岡特集> 日本一の健康長寿県 豊富な食材や和食が寄与
昨年12月に令和4年データに基づく都道府県別健康寿命が厚生労働省から公表され、静岡県は令和4年の健康寿命が、男性73・75歳、女性76・68歳で、男女ともに全国1位となった。
令和元年に行われた前回調査の男女ともに全国5位から、ジャンプアップする形で、日本一の健康長寿県の称号を手にした。
健康長寿の理由としては、地場の食材が豊富で食生活が豊かなこと、全国一のお茶の産地であり、日ごろからお茶をたくさん飲んでいること、元気に働いている高齢者が多いこと、温暖な気候からくる穏やかな県民性などが挙げられる。
特に地場食材の豊富さは静岡県の大きな特長となっており、日本一の標高を誇る霊峰富士や日本一深い駿河湾など多様な風土を持つ静岡県は“食材の王国”として知られる。
現在も、伊豆、三島、静岡のわさび、焼津のまぐろやかつお、浜松のうなぎや海苔など、様々な食材が揃っており、豊かな食生活が健康長寿に寄与している。 また総務省家計調査(令和3年~令和5年平均)では、静岡市が米の購入金額で全国1位となっており、日常的に和食を食べることが健康な身体づくりに大きく関わっていることが推測できる。
県内の和食メーカーでは、静岡県特産のわさびやお茶製品を始め、うなぎ佃煮、まぐろ角煮、ラー油きくらげといった佃煮製品の展開も活発化している。
(藤井大碁)
【2025(令和7)年2月11日第5186号1面】
令和元年に行われた前回調査の男女ともに全国5位から、ジャンプアップする形で、日本一の健康長寿県の称号を手にした。
健康長寿の理由としては、地場の食材が豊富で食生活が豊かなこと、全国一のお茶の産地であり、日ごろからお茶をたくさん飲んでいること、元気に働いている高齢者が多いこと、温暖な気候からくる穏やかな県民性などが挙げられる。
特に地場食材の豊富さは静岡県の大きな特長となっており、日本一の標高を誇る霊峰富士や日本一深い駿河湾など多様な風土を持つ静岡県は“食材の王国”として知られる。
現在も、伊豆、三島、静岡のわさび、焼津のまぐろやかつお、浜松のうなぎや海苔など、様々な食材が揃っており、豊かな食生活が健康長寿に寄与している。 また総務省家計調査(令和3年~令和5年平均)では、静岡市が米の購入金額で全国1位となっており、日常的に和食を食べることが健康な身体づくりに大きく関わっていることが推測できる。
県内の和食メーカーでは、静岡県特産のわさびやお茶製品を始め、うなぎ佃煮、まぐろ角煮、ラー油きくらげといった佃煮製品の展開も活発化している。
(藤井大碁)
【2025(令和7)年2月11日第5186号1面】
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<漬物の素特集>農作物高騰で苦戦続く 野菜を美味しく健康的に食べる
野菜を自分で漬けて美味しく健康的に食べることができる「漬物の素」が苦戦している。
一番の要因は野菜価格の高騰。昨年の夏以降、猛暑と残暑の他、干ばつや局地的な集中豪雨など、全国的に多くの農作物が天候の影響を受けて生育不良や収量低下となっており、その状況は当面続く見通しとなっている。
家庭漬で使用される機会が多い胡瓜も高値が続いており、首都圏では一本70円前後で販売されている。農林水産省が1月20日に発表した食品価格動向調査(調査対象8品目)によると、キャベツは1㎏506円で平年比309%、白菜は1㎏369円で同256%と、ピーク時よりはやや下がってきているものの、平年と比べると2倍以上の価格を付けるものもある。
漬物の素の売れ行きは、「野菜の価格」が大きく影響するため、野菜の価格上昇が続く昨今は「漬物の素」の出番も減少傾向にあり、新たに「ぬか床」を利用してぬか漬をスタートする人も増えていない。
ここ1、2年は価格改定が進んでいる。ぬか床の主原料となる米ぬかの価格がここ10年でじわじわと上がっていることに加え、あらゆる製造コストが上昇しており、漬物の素メーカーでは昨年から今年にかけて値上げを実施。だが、大幅な価格改定は消費者離れにつながる可能性もあり、金額としては5~10%程度に留まっている。
漬物の素の代表格である「ぬか床」は、手軽に野菜を漬けて食べられることが魅力で、コロナ禍では植物性乳酸菌が豊富に摂取できて免疫力のアップにつながる健康機能性が話題となり、需要が大幅に増加した。
コロナが5類に移行したことで「ぬか床」の動きも落ち着いたが、自宅でできる趣味として現在も一定数以上のユーザーが存在し、タレントが自慢のぬか床や利用方法をSNSなどで紹介するケースも増えている。
「漬物の素」を利用すれば余った野菜を捨てずに食べることができ、食品ロス削減にもつながる。現在、販売されている商品は熟成済みでチャック開封式が主流のため、すぐに使用することができ、少人数世帯向けの商品も展開されている。暖かくなって野菜の生育が回復する春以降の動きが期待される。
一番の要因は野菜価格の高騰。昨年の夏以降、猛暑と残暑の他、干ばつや局地的な集中豪雨など、全国的に多くの農作物が天候の影響を受けて生育不良や収量低下となっており、その状況は当面続く見通しとなっている。
家庭漬で使用される機会が多い胡瓜も高値が続いており、首都圏では一本70円前後で販売されている。農林水産省が1月20日に発表した食品価格動向調査(調査対象8品目)によると、キャベツは1㎏506円で平年比309%、白菜は1㎏369円で同256%と、ピーク時よりはやや下がってきているものの、平年と比べると2倍以上の価格を付けるものもある。
漬物の素の売れ行きは、「野菜の価格」が大きく影響するため、野菜の価格上昇が続く昨今は「漬物の素」の出番も減少傾向にあり、新たに「ぬか床」を利用してぬか漬をスタートする人も増えていない。
ここ1、2年は価格改定が進んでいる。ぬか床の主原料となる米ぬかの価格がここ10年でじわじわと上がっていることに加え、あらゆる製造コストが上昇しており、漬物の素メーカーでは昨年から今年にかけて値上げを実施。だが、大幅な価格改定は消費者離れにつながる可能性もあり、金額としては5~10%程度に留まっている。
漬物の素の代表格である「ぬか床」は、手軽に野菜を漬けて食べられることが魅力で、コロナ禍では植物性乳酸菌が豊富に摂取できて免疫力のアップにつながる健康機能性が話題となり、需要が大幅に増加した。
コロナが5類に移行したことで「ぬか床」の動きも落ち着いたが、自宅でできる趣味として現在も一定数以上のユーザーが存在し、タレントが自慢のぬか床や利用方法をSNSなどで紹介するケースも増えている。
「漬物の素」を利用すれば余った野菜を捨てずに食べることができ、食品ロス削減にもつながる。現在、販売されている商品は熟成済みでチャック開封式が主流のため、すぐに使用することができ、少人数世帯向けの商品も展開されている。暖かくなって野菜の生育が回復する春以降の動きが期待される。
【2025(令和7)年2月11日第5186号1面】
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<小豆島特集>瀬戸内に浮かぶ食の宝庫
瀬戸内海に浮かぶ、小豆島。面積約153㎢、人口約2万9000人のこの小さな島は、醤油やそれを利用した佃煮、そうめんやオリーブと、魅力ある食の宝庫のような場所だ。
醤油造りが始まったのは約400年前、大阪城築城の採石奉行が紀州湯浅の醤油を持ち込んだことに遡る。温暖な気候と海運がしやすい小豆島に根付き、「醤の郷」と呼ばれるほどに成長した。今では稀少な木桶仕込みも、小豆島では盛んに行われている。
この醤油を背景に第二次世界大戦後の頃から、佃煮製造が開始された。瀬戸内の小魚や海苔を使った佃煮が続々と開発され、島の一大産業へと発展した。
島の南東部は歩けばいつでも醤油や出汁の香りが漂っているほど、醤油・佃煮メーカーが密集しており、歴史ある建物の数々は観光資源にもなっている。
今回のSMTSでは佃煮メーカーが数多く出展する。各社とも、それぞれの強みを活かした個性的な商品を披露する。
一方、共通して見られたテーマもある。一つが食品ロス削減だ。昆布の切れ端や、しじみの煮汁など、かつては廃棄していた素材を有効活用しようという意識は高まっている。
もう一点が、付加価値の追求。小豆島の強みである豊かな素材を活かしたものや、目新しさを感じさせるコンセプトの商品が増えている。佃煮の主要ユーザーが高齢化している中で、若年層に手に取ってもらおうと工夫が凝らされた商品が勢揃いしている。
(大阪支社 小林悟空)
醤油造りが始まったのは約400年前、大阪城築城の採石奉行が紀州湯浅の醤油を持ち込んだことに遡る。温暖な気候と海運がしやすい小豆島に根付き、「醤の郷」と呼ばれるほどに成長した。今では稀少な木桶仕込みも、小豆島では盛んに行われている。
この醤油を背景に第二次世界大戦後の頃から、佃煮製造が開始された。瀬戸内の小魚や海苔を使った佃煮が続々と開発され、島の一大産業へと発展した。
島の南東部は歩けばいつでも醤油や出汁の香りが漂っているほど、醤油・佃煮メーカーが密集しており、歴史ある建物の数々は観光資源にもなっている。
今回のSMTSでは佃煮メーカーが数多く出展する。各社とも、それぞれの強みを活かした個性的な商品を披露する。
一方、共通して見られたテーマもある。一つが食品ロス削減だ。昆布の切れ端や、しじみの煮汁など、かつては廃棄していた素材を有効活用しようという意識は高まっている。
もう一点が、付加価値の追求。小豆島の強みである豊かな素材を活かしたものや、目新しさを感じさせるコンセプトの商品が増えている。佃煮の主要ユーザーが高齢化している中で、若年層に手に取ってもらおうと工夫が凝らされた商品が勢揃いしている。
(大阪支社 小林悟空)
【2025(令和7)年2月11日第5186号2面】
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<春を呼ぶ商材特集>需要が増加する「桜花漬」
春を想起させる桜の花を塩漬にした「桜花漬」。春向け商品の素材として幅広く利用され、季節の売場に欠かせない存在となっている「桜花漬」は、年明けから春にかけて出荷がピークとなり、現在は最需要期を迎えている。
和菓子やパンなどの食品だけではなく、飲料や香料、化粧品に使用する素材としても活用され、需要が広がっている。また、「桜」は外国人にとって日本を象徴する存在で、桜関連商品は外国人観光客から高い人気を誇る。観光客数がコロナ前の水準に戻りつつある箱根ではお土産に「桜花漬」を購入する外国人観光客が増えている。
あればあるだけ売れるほど需要が増加している「桜花漬」だが、原料の供給面に大きな問題を抱え、チャンスロスが発生している。いずれの産地でも生産者の減少と高齢化が深刻な状況となっており、各メーカーでは原料確保に注力しているが、新規で収穫を始める生産者は皆無に等しく、収穫量の減少に歯止めがかからない状況だ。
原料の買い取り価格を上げても量が集まらず、作柄に関わらず収穫量を維持することも困難な状況だ。今年は4月13日から大阪・関西万博が開催されることもあり、これまで以上のインバウンド需要が期待されるが、「桜花漬」は以前よりも希少な存在となっており、来年以降に使用する原料を確保する施策が最重要課題となる。
また、白身魚の身をほぐして煎りあげ薄紅色に色付けした「桜でんぶ」も春を想起させる商材。ちらし寿司や巻き寿司の具材として欠かせない一品であり、恵方巻の定番具材としてもお馴染だ。
節分の恵方巻はコロナ禍を経て、家族揃って楽しめるイベントとしてさらにその人気が高まっており、今年も「桜でんぶ」の需要の高まりが期待される。
和菓子やパンなどの食品だけではなく、飲料や香料、化粧品に使用する素材としても活用され、需要が広がっている。また、「桜」は外国人にとって日本を象徴する存在で、桜関連商品は外国人観光客から高い人気を誇る。観光客数がコロナ前の水準に戻りつつある箱根ではお土産に「桜花漬」を購入する外国人観光客が増えている。
あればあるだけ売れるほど需要が増加している「桜花漬」だが、原料の供給面に大きな問題を抱え、チャンスロスが発生している。いずれの産地でも生産者の減少と高齢化が深刻な状況となっており、各メーカーでは原料確保に注力しているが、新規で収穫を始める生産者は皆無に等しく、収穫量の減少に歯止めがかからない状況だ。
原料の買い取り価格を上げても量が集まらず、作柄に関わらず収穫量を維持することも困難な状況だ。今年は4月13日から大阪・関西万博が開催されることもあり、これまで以上のインバウンド需要が期待されるが、「桜花漬」は以前よりも希少な存在となっており、来年以降に使用する原料を確保する施策が最重要課題となる。
また、白身魚の身をほぐして煎りあげ薄紅色に色付けした「桜でんぶ」も春を想起させる商材。ちらし寿司や巻き寿司の具材として欠かせない一品であり、恵方巻の定番具材としてもお馴染だ。
節分の恵方巻はコロナ禍を経て、家族揃って楽しめるイベントとしてさらにその人気が高まっており、今年も「桜でんぶ」の需要の高まりが期待される。
【2025(令和7)年1月21日第5185号1面】
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<節分いわし特集>広がる「節分いわし」 「鬼滅の刃」で今年も注目
節分に食べる物といえば「豆」や「恵方巻」が一般的だが、節分に「いわし」を食べる“節分いわし”の風習も根強く残っている。主に関西方面では、この季節、節分に向けていわし製品の需要が伸びるが、関東方面でも少しずつ広がりをみせている。
古来より、鬼の嫌いなものは「鰯(いわし)の頭」の匂いと「痛い柊(ひいらぎ)のトゲ」とされ、いわしの頭を焼いて柊の枝に刺し、厄除けのため家の戸口に置いて鬼の侵入を防ぐという「柊鰯(ひいらぎいわし」の風習があり、それに因んでいわしを食べるようになったといわれる。
近年、節分イベントを後押ししているのが、アニメ『鬼滅の刃』のブーム。物語のテーマである“鬼退治”は、節分のキーワードと一致し、関連アイテムが続々発売されるなど節分商戦の盛り上がりに一役買っている。
今年は、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」の三部作が全国の映画館で公開されることがすでに告知され、昨年2月公開の映画「鬼滅の刃 絆の奇跡、そして柱稽古へ」、昨年5月から放送されたテレビ「鬼滅の刃 柱稽古編」に続き、話題となっている。愛知県の佃煮メーカーでは、いわし製品を製造するメーカーが数多く存在し、「いわし甘露煮」「いわし生姜煮」「明太いわし」「梅いわし」「金ごまいわし」「いわし味噌煮」など、各社によるこだわりのラインナップを展開している。
【2025(令和7)年1月11日第5184号13面】
【2025(令和7)年1月11日第5184号13面】
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<霞ヶ浦特集>シラウオ新ブランド誕生 鯉製品が初の農水大臣賞に
シラウオの漁獲量全国トップクラスを誇る茨城県から、新たなブランド「霞ヶ浦 暁のしらうお」が誕生した。生産・販売を行う霞ヶ浦漁業協同組合が昨年11月6日に大井川和彦茨城県知事を表敬訪問し、ブランド品とロゴマークのお披露目を行った。
ブランド基準を満たしたシラウオは、美しい透明感やぷりぷりとした食感を持っており、市場流通している他のシラウオとは一線を画す。ブランド名は、昔も今も変わらない漁の情景に、「夜明けの太陽=新しいブランドの幕開け」をイメージして名づけられた。
霞ヶ浦北浦では、昨年もワカサギの漁獲量が減少するなど不漁が続いており、霞ヶ浦産のシラウオを佃煮や煮干しに加工する事業者にとっても、シラウオのブランド化は追い風だ。
昨年11月に開催された令和6年度茨城県水産製品品評会の霞ヶ浦北浦部門では、コモリ食品の「霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮」が農林水産大臣賞を受賞。出羽屋「金ごまおかわり君」、はしもと「霞ヶ浦産白魚佃煮」の2品が水産庁長官賞を受賞した。
近年、ワカサギが不漁となる中、各事業者が工夫を凝らして高品質な製品を出品。その中から、鯉製品が同品評会で初めて農水大臣賞を受賞した。(藤井大碁)
【2025(令和7)年1月11日第5184号14、15面】
ブランド基準を満たしたシラウオは、美しい透明感やぷりぷりとした食感を持っており、市場流通している他のシラウオとは一線を画す。ブランド名は、昔も今も変わらない漁の情景に、「夜明けの太陽=新しいブランドの幕開け」をイメージして名づけられた。
霞ヶ浦北浦では、昨年もワカサギの漁獲量が減少するなど不漁が続いており、霞ヶ浦産のシラウオを佃煮や煮干しに加工する事業者にとっても、シラウオのブランド化は追い風だ。
昨年11月に開催された令和6年度茨城県水産製品品評会の霞ヶ浦北浦部門では、コモリ食品の「霞ヶ浦産『超特大』鯉のうま煮」が農林水産大臣賞を受賞。出羽屋「金ごまおかわり君」、はしもと「霞ヶ浦産白魚佃煮」の2品が水産庁長官賞を受賞した。
近年、ワカサギが不漁となる中、各事業者が工夫を凝らして高品質な製品を出品。その中から、鯉製品が同品評会で初めて農水大臣賞を受賞した。(藤井大碁)
【2025(令和7)年1月11日第5184号14、15面】
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<長野特集>野沢菜の希少価値高まる 付加価値つけた商品開発テーマ
昨年10月に開催された令和6年度長野県園芸特産振興展の第68回漬物品評会には、本漬物の部101点、浅漬物の部104点の計205点が出品され、新進漬物(木島平村)の「大根みそ漬」と山田醸造(岡谷市)の「野沢菜漬コンブ味」が農林水産大臣賞に輝いた。
長野県の特産品である野沢菜漬では、浅漬や本漬など伝統的な製品の他、野沢菜をエスニック風味に仕上げた製品が入賞を果たすなど、出品作品にも時代と共に変化の兆しが見られる。
野沢菜は生産者の減少や異常気象により原料確保が年々難しくなっている。昨秋も、猛暑や長雨の影響により野沢菜の収穫量が大幅に減少し、メーカー各社は出荷調整を余儀なくされた。異常気象が常態化する中、原料調達のハードルは高まっており、各社は自社栽培をスタートするなど、その対応に追われている。
一方で野沢菜漬の需要は堅調だ。近年は、刻みタイプの浅漬製品が伸長している他、本漬製品の認知度が高まり、県外にも売場が広がっている。希少な原料となりつつある野沢菜を、どのような付加価値をつけて販売していくかも今後の大きなテーマで、燻製やチップス、野沢菜の種を使用したマスタードなど様々な商品が登場している。
東京銀座の長野県アンテナショップ「銀座NAGANO」は昨年10月にリニューアルオープン。より利便性の高い店舗へ生まれ変わった。野沢菜漬を始めとした長野県の特産品の発信地としてますます期待が高まっている。(藤井大碁)
【2025(令和7)年1月11日第5184号16~18面】
長野県の特産品である野沢菜漬では、浅漬や本漬など伝統的な製品の他、野沢菜をエスニック風味に仕上げた製品が入賞を果たすなど、出品作品にも時代と共に変化の兆しが見られる。
野沢菜は生産者の減少や異常気象により原料確保が年々難しくなっている。昨秋も、猛暑や長雨の影響により野沢菜の収穫量が大幅に減少し、メーカー各社は出荷調整を余儀なくされた。異常気象が常態化する中、原料調達のハードルは高まっており、各社は自社栽培をスタートするなど、その対応に追われている。
一方で野沢菜漬の需要は堅調だ。近年は、刻みタイプの浅漬製品が伸長している他、本漬製品の認知度が高まり、県外にも売場が広がっている。希少な原料となりつつある野沢菜を、どのような付加価値をつけて販売していくかも今後の大きなテーマで、燻製やチップス、野沢菜の種を使用したマスタードなど様々な商品が登場している。
東京銀座の長野県アンテナショップ「銀座NAGANO」は昨年10月にリニューアルオープン。より利便性の高い店舗へ生まれ変わった。野沢菜漬を始めとした長野県の特産品の発信地としてますます期待が高まっている。(藤井大碁)
【2025(令和7)年1月11日第5184号16~18面】
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