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漬物研究同志会2025

<漬物研究同志会>築地で研修会を実施 宮尾氏の講演や家政大OGと交流

前田副会長
吉川幹事
宮尾名誉会長
小林事務局長
全国の漬物を試食
東京家政大のOG
 漬物研究同志会(近清剛会長)は11月15日、研修会を築地食まちスタジオで開催、18名が出席した。
 小林登事務局長の司会進行で開会し、前田節明副会長が挨拶。前田副会長は現在の天候状況に触れながら「今年は漬物原料が全般的に少なく、厳しい状況が続く。前回の長野研修では、やまへいさん経営の飲食店で野沢菜漬の天ぷらをいただいた。帰ってから高菜漬でも試してみたが、これが実に美味しかった。食生活の変化で漬物の食べ方が変わってきており、料理素材としての利用法も考えていく必要がある」と述べた。
 事業報告では、7月の長野視察研修、9月のベトナム視察研修、吉川絵美子幹事が自社で行っているインターンシップ研修について報告。10月24日に実施された女子会「浅草研修」の模様は動画を観ながら報告した。
 情報交換では前田副会長も挨拶で取り上げた原料状況について、かぶら、だいこん、高菜、浅漬原料、牡蠣など海産物等について出席者から報告が行われた。
 連絡事項として、来年2月24日に東京・丸の内で総会を開催する予定が発表。続いて、ベトナム研修で視察した魚醤工場の様子を撮影した動画を鑑賞した。
 宮尾名誉会長の「腸活」についての講演会では、腸内細菌と発酵食品の関係、作用などについて詳しく解説が行われた。宮尾氏は、乱れた食生活や過労・ストレスによって崩れた腸内バランスを整えるためには「生活習慣の改善とともに生きた細菌そのものを含む食物『プロバイオティクス』(漬物やヨーグルトなど)や、腸に住む細菌のエサとなる食物『プレバイオティクス』(食物繊維やオリゴ糖)などの機能性食品を、積極的に継続して摂取することが大切だ」と説いた。
 家政大OGとの漬物談義では、会員から供出された自慢の漬物製品を5名のOGと一緒に試食。普段はなかなか口にできない全国の漬物を食べられる貴重な機会となり、参加者は素材、味付けなどについての質問や感想を語り合い、漬物談義に花を咲かせた。
 研修会終了後は、「築地寿司清 築地新館」で懇親会を開催し、皆川昭弘氏の乾杯発声で開宴。宴もたけなわのうちに、吉川幹事の挨拶、関口悟氏の中締めでお開きとなった。
 なお当日の全ての設営、運営は小林事務局長が掌った。
【2025(令和7)年12月1日第号2面】

<漬物研究同志会>女子会「浅草視察研修」 河村屋、鎌倉あきもと訪問

吉川幹事
染谷社長
小林事務局長
河村屋浅草店にて
東京スカイツリーを背に
「鎌倉あきもと 東京ソラマチ店」を訪れた
 漬物研究同志会(近清剛会長)は10月24日、女子会主催のスタディツアー「浅草視察研修会」を開催した。
 スタディツアーには19名が参加、今年4月にリニューアルオープンした株式会社河村屋(埼玉県さいたま市)の浅草店を訪問し、染谷静香社長より同店の取組について説明を受けた。
 また染谷社長案内の下、浅草周辺の梅干し店やキムチ店などを見学、研修会終盤には東京スカイツリータウンにも足を伸ばし、「鎌倉あきもと 東京ソラマチ店」を訪れた。
 一行は浅草雷門前に集合、小林登事務局長、吉川絵美子幹事、染谷社長の挨拶の後、仲見世通りにある梅干し店「梅と星」を見学。その後、浅草寺を参拝し、河村屋浅草店を訪問した。
 一行は1階の販売店舗を見学後、3階のギャラリーにて染谷社長より同社の取組について説明を受けた。
 河村屋では、染谷庄一郎前社長の時代から、自社ブランドの漬物販売の重要性を認識し、直営店の展開に力を入れてきた。2021年に大宮店を改装、静香氏が社長に就任した後も2023年に川越店を改装、そして今回浅草店を改装し4月にリニューアルオープンした。
 染谷社長は浅草店をリニューアルしたきっかけについて、自社ブランドを強くしていきたいという先代の想いと、その想いに共感し次々と新商品開発を手掛けた社員のエピソードを紹介した。
 「父から経営者は、目指している未来を社員に明確に伝えることが大切だということを学んだ。漬物屋として、世の中に伝えていきたいことを表現できる舞台が必要だと思い店舗を改装してきた」と話した。
 浅草の現況について、外国人観光客が増加する中、インバウンド向けの商売が増加し、粋な江戸っ子の遊び場として栄えた浅草の伝統的な側面が失われつつあることを指摘しながら、繁盛店はSNSをうまく活用している店舗が多いことを教示した。
 今後について「漬物屋としてエンターテイメント性を高める以上に、良いものを作ることが大切。本質を理解してもらえるお店にしていきたい」とし、漬物寿司の提供やぬか漬け教室の開催などを通して、発酵を切り口に楽しんでもらえる店舗にしていくことを目標に掲げた。
 その後、2階「お食事処 八重乃香」にて昼食。同店名物の大福神漬を使用したおにぎりや自家製ぬか漬、薬膳たまねぎ漬で味付けした豚角煮などが振舞われた。昼食会では、萩原友美氏の乾杯発声の後、参加者が自己紹介を兼ねて近況を報告。その後、染谷社長を交えて活発な情報交換が行われた。
 昼食後は、佐渡島の工場で製造するバラエティ豊富なキムチを販売する「キムチの家 浅草直売所」を見学。その後、東京スカイツリータウンの「鎌倉あきもと 東京ソラマチ店」を訪問。店内で販売される全国各地の様々な漬物を視察し、解散となった。
 閉会の挨拶で、吉川幹事は「河村屋様の取組が大変勉強になった。本日学んだことを会社に戻り共有するとともに、今後も女子会にご参加いただき知恵を付けていただきたい」と話した。
 最後に、染谷社長が「本日の浅草研修が皆様にとって意義のある時間になったら嬉しい。漬物屋が未来に向けてできることをこれからも模索していきたい」と挨拶した。
 【参加者(順不同、敬称略)】
 吉川絵美子(吉岡屋)、近聡子(三奥屋)、藤原静子、下村亜也子、岡本典子(東京中央漬物)、大場春菜(浜食)、腰塚美帆子(秋本食品)、萩原友美(萩原食品)、染谷静香(河村屋)、宮城恵美子(宮城商店)、松宮由美(山豊)、山田摩耶、平美紀(若菜)、遠山昌子(赤城フーズ)、北尾ゆみ子(京つけもの川久北尾商店)、田中準一郎(ニシヤマ)、小林登(事務局)、報道2社
【2025(令和7)年11月11日第5212号9面】

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<漬物研究同志会> ベトナム視察研修会を実施 魚醤などの食文化学ぶ

魚醤の製造設備を見学
多くの種類が並ぶ魚醤の売場
魚醤の発酵設備
ベトナム視察研修の参加者
 漬物研究同志会(近清剛会長、宮尾茂雄名誉会長)は9月12日~16日、2000年、2013年に続き3度目の訪問となるベトナム視察研修会を実施。14名が参加した。
 参加者は12日、成田・関西・福岡の各空港を出発し、ホーチミン空港で集合。視察研修会をスタートした。今回の研修はベトナムの食文化と歴史を学ぶことをテーマに、ファンティエット、ホーチミン、フエ、ホイアン、ダナンの5都市を訪問し、魚醤(ニョクマム)の製造工場視察や世界遺産のグエン朝王宮(フエ王宮)見学を行う充実の内容となった。
 13日に訪問したファンティエットは、同志会として初の訪問となる地で、ホーチミンから北東に約200㎞の場所にあるビントゥアン省の省都。市内にはリゾート地として開発されたビーチもある海岸沿いの都市で、魚醤生産量国内1位の地として知られる。
 カタクチイワシやアジを塩で漬けて発酵させて作る魚醤は、ベトナム料理の味の決め手となる発酵調味料で、旨味と塩味が強く、独特の風味が特徴。ベトナムでは炒め物やスープ、漬けダレ、ドレッシングなど、あらゆる料理に使用される食卓に欠かせない万能調味料で、100種類以上あるとも言われている。
 市内の一角には魚醤の工場が集中しており、魚醤を名産品としてブランド化している。市内にある魚醤博物館を訪れた一行は、魚醤の歴史、製造工程・設備について映像と実際の設備を見て見識を深めた。
 その後、製造会社3社を訪問。訪問先では製造工程の説明を受けるとともに2社で工場見学を行った。「Fisaco Co.Ltd」と「Golden Fish Co.Ltd」は、魚醤生産量が国内で1位、2位の会社。工場では伝統的な発酵設備での製造及び熟成の工程を見学。
 小型の発酵槽と大型の発酵槽に分けて、2段階で発酵と熟成を行う工程も備えており、品質第一を掲げる2社の特徴的な製造を見て学んだ。
 ファンティエットでは水産加工品会社「HAI NAM Co.Ltd」に表敬訪問し、情報交換を行いながら交流を深めた。同社は創業当時より日本からの技術指導を受け入れており、現在では生産量の60%が日本向けに輸出されている。その後、バスでホーチミンに移動してこの日のスケジュールを終えた。
 14日は、同志会としては25年ぶりの訪問となるベトナム中部のフエに移動。この地は19~20世紀まで栄え、ベトナム最後の統一王朝とされるグエン朝王宮(フエ王宮)があった場所で、世界遺産フエの建造物群の王宮とティエンムー寺を見学し、歴史に触れた。
 フエ見学の後は、同じく古都ホイアンに滞在し、ランタン巡りの他、古い町並みや夜市を楽しんだ。ホイアンではトラケ野菜村を訪れ、伝統的な農業を実践してオーガニック野菜の栽培をしている現場を視察した。
 ベトナム訪問は12年ぶりだったが、主要都市のホーチミン、ダナンでは都市開発が進んでおり、目覚ましい発展を遂げていた。その反面、道路で津波のように押し寄せるバイクの流れは変わることなく、依然として変わらずエネルギッシュに行動する姿も見ることができた。
 今回の研修会は3泊5日で5都市を訪問するタイトなスケジュールになったが、参加者からは「実り多き研修会になった」と好意的な感想が多くあり、ダナン空港から帰国の途につき研修会を終えた。
 【参加者(敬称略)】
 皆川昭弘、吉川絵美子、塩川正徳、小暮始、関口悟、腰塚美帆子、柴垣勝巳、田中準一郎、前田節明、水溜政典、鶴泰博、鶴邦子、小林登
【2025(令和)年10月11日第5209号7面】

<漬物研究同志会> 長野視察研修を開催 やまへい工場見学など実施

やまへい本社前での記念撮影
塩川社長
 漬物研究同志会(近清剛会長)は4~5日、長野視察研修会を開催、各地から25名(うち報道2名)が参加した。
 初日は、同会会員企業である株式会社やまへい(小諸市)を訪れ、塩川正徳社長より野沢菜漬のルーツや同社の取組について説明を聴講。漬込まれた野沢菜の製造工程で日数の浅いもの、熟成途中のもの、最終製品等の試食も行った。
 その後、塩川社長自らの案内で同社の工場をつぶさに見学。昼食は、同社経営の飲食店「お食事処やまへい小諸店」で、信州の食を堪能した。
 午後からは、クラフトビールを製造する株式会ヤッホーブルーイング(井手直行社長、北佐久郡御代田町)の工場を見学。研修会場及び宿泊の「グランドエクシブ軽井沢」(北佐久郡軽井沢町)に移動後は、宮尾茂雄名誉会長が「発酵漬物と野沢菜漬」の演題で講演を行った。
 2日目はマンズワイン小諸ワイナリー(小諸市)の工場を見学し、2日間の充実した研修旅行を終えた。
前田副会長
宮尾名誉会長
吉川幹事
皆川会長
山本社長
小林事務局長
洗浄工程を見学
野沢菜漬のルーツ学ぶ 信州食文化を満喫した研修に
 漬物研究同志会の長野研修は4日、JR北陸新幹線・佐久平駅に集合し、チャーターバスでやまへい本社工場に移動。塩川社長も同乗し、移動途中も野沢菜漬の現状や同社の取組などを説明した。
 やまへい到着後は自車で直接訪れた参加者も含め、塩川社長より長野県の漬物ヒストリーや、野沢菜漬生産のルーツについて説明を受けた。
 同社が確立した野沢菜漬の製造工程による味の違いを知るため、①天日塩15%の塩水で漬け込み24~72時間チラー冷却したもの②微酸性電解水の専用洗浄機で高圧洗浄したもの③熟成後の完成品‐の3種類の野沢菜漬を試食した。
 同社の改革の取組としては、首都圏物流の共配化やコンテナから段ボール梱包への変更、段ボール発注のシステム化などに取り組み、コスト削減と効率化で成果を上げている。
 スタッフ面では30名弱の外国人技能実習生を受け入れ、漬物製造管理士2級3名、3級2名を擁している。
 野沢菜栽培においては、同社の得意なシーズンに最大限栽培し、必要量以上に収穫したものは備蓄するという「備蓄・熟成型」の方法を用いている。熟成用の樽、冷凍庫のキャパシティは同社製造量の1カ月分に相当する規模である。
折よく入荷した野沢菜
 試験的栽培法として、収穫までの土づくり、施肥、播種、消毒、管理は農家が行い、収穫については同社や収穫グループが行うという「ハイブリッド型」栽培を実施。農家の高齢化で最も困難な収穫を分離し、リスク低減を図っている。
 また、同社が現在注力しているのが発酵食材の製造。長野県工業技術センターより、野沢菜の乳酸菌300種の中から2種の乳酸菌供給を受けている。宮尾茂雄名誉会長の指導を受けながら、「木曽すんき」と同様の無塩乳酸発酵技術の研究を同センター技師と共同で実施。この技術は長野県と共同出願し、特許の許諾を受けている。
 その他、研究機関や大学教授と共同で、野菜などの食材を乳酸発酵させて加工食品に利用する研究も進めている。
 説明を受けた後は、塩川社長自らの案内で同社工場内を見学。折よく入荷していた生の野沢菜や原料の漬込み、冷蔵・冷凍庫、洗浄工程、最後は乳酸発酵の研究室などをつぶさに見て回った。
 やまへい本社前で記念撮影した一行は、バスで同社が経営する飲食店「お食事処やまへい小諸店」に移動。同店自慢の信州食材をふんだんに使った料理に舌鼓を打った。中でも「野沢菜漬の天ぷら」や「鯉の甘煮」など珍しい料理も提供され、一行は信州の食を堪能した。
ヤッホーブルーイングのスタッフと
ヤッホーブルーイング見学
 クラフトビールの奥深さ知る
 やまへい本社工場見学を終えた一行は、クラフトビールを製造する株式会ヤッホーブルーイング(井手直行社長、北佐久郡御代田町)の工場を訪問した。
 世界には、150種類以上のビールがあるにも関わらず、日本で飲まれているのはほぼ1種類というのはあまり知られていない。
 同社はその画一的な日本のビール市場にバラエティを届けたいという思いから、1997年に軽井沢で創業。「ビールに味を! 人生に幸せを!」をモットーに、様々なクラフトビールを世に送り出している。
 創業者は星野リゾート代表の星野佳路氏。主要子会社に銀河高原ビールなどがあり、クラフトビールメーカーとしては業界最大手、ビール業界全体でも大手5社に次ぐ第6位を占める。
 同社スタッフの阿部翔太氏、高村美由紀氏、小川拓也氏、花崎稜氏の自己紹介に続き、ビールの原材料や製造工程、世界にある150ものビールの種類とその違いなど、モニターを使った説明を受けた。
 その後は実際にビール製造工場現場を見学。製造途中のビールの試飲も行いながら仕込み、発酵、熟成、充填工程等を見て回った。
 見学後は、同社のビール「山之上ニューイ」「軽井沢ビール クラフトザウルス Pale Ale」「インドの青鬼」を飲み比べ。工程や原料の違いで生まれる細かな味の違いを感じながら、その奥深さに触れた。
上西会長(左)と初参加の睦子さん
宮尾名誉会長が講演 9月にベトナム研修を予定
 ビール工場見学後は、研修会場及び宿泊の「グランドエクシブ軽井沢」に移動。小林登事務局長の司会進行で前田節明副会長が挨拶に立った。
 前田副会長は遠路よりの参加者に謝意を表し「やまへい様のお食事処で驚いたのは、お蕎麦と一緒に野沢菜の天ぷらを食べたこと。高菜漬も最近ずいぶん変わってきたが、漬物はこれから惣菜の材料という方向に進んでいくだろうと感じた」と語った。
 次に参加者の紹介で、今回初参加となるやまじょう上西宗市会長の令夫人・睦子さんが自己紹介。事業報告では、9月にベトナム視察研修を予定しており、見学するニョクマム(魚醤)製造工場との調整を行っていると報告された。
 次に、4月に行われた女子会スタディツアーのまとめ動画を上映。女子会の吉川絵美子幹事より説明があり、静岡県の田丸屋本店(望月啓行社長、静岡市)を訪問し、わさび畑や工場見学を行った様子を動画で振り返った。連絡事項として、宮尾茂雄名誉会長の新刊著書「漬物風物誌」の告知も行われた。
宮尾名誉会長の講演会
 続いて、宮尾名誉会長が「発酵漬物と野沢菜漬」の演題で講演。まず発酵と腐敗は国、地域、風土、食文化で変化し、発酵するための微生物には麹菌、乳酸菌、酵母などがあることを説明した。
 乳酸菌にはいくつもの健康維持機能があり、世界中で発酵食品が食されていること、欧米ではピクルスのイベントが開かれるほど好まれていることを説明。
 国内の発酵漬物としてはすぐき漬、しば漬、赤かぶ漬、糠漬、高菜漬、野沢菜漬、広島菜漬、すんきなどがあり、乳酸発酵に影響を及ぼす要因や、植物由来の乳酸菌の特性、食物繊維の健康機能などを解説した。
 「すんき」は長野県で作られている無塩乳酸発酵漬物で、その製造工程や原料のカブの種類、主に料理素材として使われていることを説明。発酵漬物から分離した乳酸菌の種類と健康機能性等について解説した。
 長野県には、野沢菜の他に稲核菜(いねこきな)、羽広菜(はびろな)、源助かぶ菜の三大菜漬があると紹介。野沢菜漬のルーツや、含まれる乳酸、GABA、グルタミン酸の量などを示した。
 最後に、やまへいでも研究している乳製品乳酸菌を用いた発酵キャベツについて解説し、講演を終えた。
「酸菜」や味噌の試食サンプル
〔懇親会〕地ビール堪能 「酸菜」も試食
 講演会後に開かれた懇親会は、東京中央漬物の皆川昭弘会長の乾杯発声で開宴。塩川社長の手配で、ヤッホーブルーイング社製のクラフトビールが提供され、風味や味の違う地ビールを飲み比べて、その味を堪能した。
 宴の途中、WORLD通商(岡山県)の劉暁邦社長が、中国から輸入している乳酸発酵白菜「酸菜」や味噌の試食サンプルを提供。
 劉社長は「酸菜は45日間熟成させた漬物。中国で若者を中心に人気が出てきており、炒め物、煮込み、火鍋料理に使われている」と紹介。宮尾名誉会長も興味を示し、劉社長から詳しく説明を受けていた。
 宴もたけなわのうちに山豊の山本千曲社長が中締めの挨拶に立ち、一本締めでお開きとなった。
 なお、翌5日は「マンズワイン 小諸ワイナリー」(小諸市)の工場見学を実施し、「お食事処やまへい小諸店」で昼食をとった後、JR北陸新幹線佐久平駅で解散となった。
【2025(令和7)年7月11日第5201号1、2面】

<漬物研究同志会> 女子会スタディツアー 田丸屋本店でわさび学ぶ

吉川幹事
望月社長
小林事務局長
俵峰のわさび田で
わさび栽培発祥の地の石碑の前で
 漬物研究同志会(近清剛会長)は11日、女子会主催のスタディツアー「静岡視察研修会」を開催した。
 スタディツアーには、東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄氏をはじめ16名が参加。株式会社田丸屋本店(静岡県静岡市)の望月啓行社長の案内の下、わさび田の視察や田丸屋本店の工場見学を行った。
 一行はJR静岡駅に集合し、望月社長の出迎えを受けた。吉川絵美子幹事、小林登事務局長の挨拶の後、専用バスで静岡市葵区俵峰にある田丸屋本店のわさび田へ向かった。
 わさび田では、生産者の出雲清教氏により、わさび栽培について説明を受けた。静岡の水わさびは、わさび田を階段上に形成する伝統的な畳石式栽培に特徴があり、2018年には世界農業遺産に認定されている。
 俵峰のわさび田では最高品種である真妻種などを栽培。透き通った湧き水に恵まれ、一年中わさび栽培が行われており、収穫されたわさびは鮮度の良い状態のまま田丸屋本店に送られ、様々なわさび製品に加工されている。
 続いて、わさび栽培発祥の地として知られる静岡市葵区有東木にある「うつろぎ」にて昼食。すりおろしたわさびをご飯に乗せて食べる〝さびめし〟などわさびを用いた様々な料理を堪能した。昼食時には、わさび生産者の望月佑真氏が産地の状況について説明。わさびは海外からの人気が上昇しており、史上最高値を年々更新している。
 昼食後はわさび産地から静岡市駿河区の田丸屋本店静岡工場へ移動。同社生産部生産部長の海野好規氏、R&D部品質課長の増田英樹氏らの説明を受けながら、わさび漬やチューブわさびなどの製造工程を見学した。
 同社ではわさびの鮮度と繊細な味わいを保つため、手作業と最先端の自動システムをバランスよく取り入れた独自の生産システムを構築。2021年にはFSSC22000認証を取得し、海外輸出にも力を入れている。
 一行はわさび原料の裁断や充填ラインを熱心に視察。熟成前と熟成後の酒粕の食べ比べを行うなど、わさび漬完成までの工程を学んだ。
 続いて、増田課長よりわさびの歴史や機能性などについてレクチャーを受けた後、わさびアレンジレシピの試食会が行われた。試食会では同社が発売している「わさビーズ」を使用した「タコとわさびのカルパッチョ」など約20種類のアレンジレシピが披露され、その美味しさと美しさに感嘆の声が上がった。
 最後に望月社長が参加者の質問に答えながら同社の取組について説明。あえて食シーンを限定することでヒットにつなげる商品開発手法やインバウンドにおける欧米人とアジア人の消費行動の違いなどについて語った。
 JR静岡駅に戻り、静岡視察研修会は終了。吉川幹事が「わさびの事を学び、好奇心が刺激された一日になった。望月社長の多大なるご尽力とご厚意に感謝したい」と挨拶し、散会となった。
 【参加者】宮尾茂雄(東京家政大学大学院)、吉川絵美子、樋口紀子、近聡子、沼尻寛輝(三奥屋)、大場春菜(浜食)、腰塚美帆子(秋本食品)、萩原友美(萩原食品)、松宮由美(山豊)、染谷静香(河村屋)、星由夏(酒井甚四郎商店)、田中準一郎(ニシヤマ)、小林登(事務局)、報道2社(順不同、敬称略)
【2025(令和7)年4月21日第5193号7面】

田丸屋本店HP

わさび製品の製造工程を見学
約20種類のアレンジレシピが披露された

<漬物研究同志会> 総会で事業計画承認 漬物に対するイメージに変化

前田副会長
宮尾名誉会長
吉川幹事
田中社長
漬物研究同志会の講演会
吉川幹事とインターンシップ実習生
小林事務局長
 漬物研究同志会(近清剛会長)は2月25日、東京都千代田区のAP東京丸の内にて、第45回総会及び東京家政大学学生による株式会社吉岡屋でのインターンシップ活動報告、同大学大学院客員教授で一般社団法人全国漬物検査協会会長でもある宮尾茂雄名誉会長による講演会が開催された。
 第1部の総会は事務局長の小林登氏が司会を務めて前田節明副会長が開会の挨拶を行い、「九州は大雪で大変なことになっていて、2月上旬は4日間、雪が溶けなかった。春先に漬け込む高菜漬への影響を心配している。漬物の原料産地は衰退してきており、今から農業法人を始めても人手不足や畑などの問題もある。本日は宮尾先生に技術的なお話をしていただきながら、原料をどのように確保していけばよいのか、ということについて皆さんと意見交換させていただきたい」と述べた。
 1月に入会した新会員の株式会社ニシヤマの田中準一郎社長の自己紹介に続き、小林氏が総会の議事を進行。令和6年度事業報告及び収支報告、令和6年度監査報告、令和7年度事業計画は原案通り承認、可決。事業計画では7月4日・5日に長野視察研修会(株式会社やまへい工場見学、他)、9月に海外視察研修会(訪問候補先:ベトナム)、11月に東京家政大学卒論生OGとの漬物談義を予定。また、女子会スタディーツアーは4月11日に株式会社田丸屋本店で実施予定で、10月にも予定している。
 第2部の活動報告では、吉岡屋でインターンシップ実習を行った東京家政大学の管理栄養学科1年生の家光春菜さん、同2年生の建石愛佳さん、栄養学科2年生の高石夏樹さんが活動内容を報告。実習内容は①オリエンテーション、漬物の基礎知識②店舗・市場見学、漬物試食、チラシの作成ミニ講座③漬物POP作成④漬物アレンジレシピ試作⑤漬物アレンジレシピPOP作成、店舗販売実習準備⑥店舗販売実習、ゲストスピーカーの話⑦SNSでの情報発信、店頭用小POP作成など、延べ7日間に分けて実施された。
 インターンシップを通して学んだことや成長したことについて家光さんは、「漬物の手軽さと健康性。漬物は塩分がたくさん含まれているというイメージだったが、野菜に含まれるカリウムを摂取することでナトリウムが体外に排出されるため、あまり気を付ける必要がなく栄養面で優れていることを学んだ。また、食物繊維が多く整腸作用や発がん性物質を排出する効果があることを知ることができた。私は漬物をもっと食べようと思うと同時に、漬物のことをあまり知らない人にも伝えていきたいと思った」。
 建石さんは「自分から行動できるようになり、物事を前向きに捉えられるようになった。ネガティブに自分から行動することを避けるよりもポジティブに物事を考えて挑戦することの大切を学んだ」。
 高石さんは「インターンシップに参加する前まで、漬物は塩分が多く食べ過ぎには注意が必要だと思っていた。しかし、漬物講座を通して漬物は袋から出してすぐに食べられるため、生野菜よりも多くの食物繊維を効率良く手軽に摂取することができることを知った。漬物に対する認識が誤っていたことに気が付くことができたとともに、誤った認識が広まっていることはとてももったいないことだと感じた。食物繊維は生活習慣病予防などに効果があるため、食物繊維を豊富に含む漬物を若い世代にも積極的に食べてもらいたいと感じた」とそれぞれに漬物に対する印象が変わり、好感を持ったことなどを報告。最後に吉川絵美子幹事より3人に修了証が授与された。
 休憩を挟み、宮尾名誉会長が「魚醤油」の演題で講演。演題に先立ち、昨年12月に発売した同名誉会長の著書『毎日の食卓に欠かせない「漬物の力」はなぜスゴイ?』」を出版した背景や内容について解説。「漬物は塩分が高い、ということが固定概念として浸透している。これは誤りだということを外部に発信する方法はないか、と考えて本を書くことにした。漬物企業で働いている人の中にも漬物は高塩で健康に良くない、という認識の人がいると思う。その認識を変えて自分たちが作っている商品について自信を持てる業界にしていきたい」と強調した。
 講演では魚醤油と大豆醤油の違い、魚醤油の歴史や国内外における種類、原料、風味の違いや特徴などについて説明を行った。
【2025(令和7)年3月11日第5189号2面】

<吉岡屋> 春のインターン実習 学生2名が漬物レシピ試作

吉川社長㊥とインターン生
 株式会社吉岡屋(吉川絵美子社長、東京都中央区)では漬物研究同志会女子会の取組としてスタートした東京家政大学学生を対象とした2024年度春のインターン実習を実施。2月13日~2月28日の日程で、全7回のプログラムが行われた。
 今回の実習には栄養学部管理栄養学科2年生の金本凪咲さんと松本彩さんの2名が参加。市場見学や漬物アレンジレシピ作成、POP制作、SNSでの情報発信、店舗における接客など様々なプログラムが実施された。 
 2月20日には、築地総本店にて漬物アレンジレシピの試作会が行われた。インターン生は、手軽に作れることを最大のテーマとして漬物アレンジレシピを考案し、実際に調理した。
 奈良漬を使用したチーズトーストやクリームチーズサンドの他、べったら漬を使用したうどんや韓国風おにぎり、大根とザーサイのマヨネーズ和え、菜の花ポテトサラダなど今回もインターン生の柔軟なアイデアにより魅力的なアレンジレシピが生み出された。
 金本さんは「これまで漬物は塩分が多いイメージがあったが、野菜の栄養素がしっかりとれて健康に良いことが分かった。漬物を使用して手軽に様々な料理ができることも知り、漬物をより身近に感じる機会となった」。松本さんは「豊洲では賑やかな市場の雰囲気や普段見ることができない流通の現場を見学することができ勉強になった。レシピ試作では漬物が洋風料理との相性も良いことが分かり、様々な料理が手軽に作れることを学んだ」とそれぞれ感想を語った。
 吉川社長は今回のインターン研修について、「漬物の基礎知識から漬物販売まで、漬物の良さをアピールすることをテーマに実習を行っている。漬物に親しみ、学生が食生活に漬物を取り入れるきっかけとなることを願っている。また、学生同士のディスカッションや発言の機会も多く設け、自主性を育むことにも注力している。このインターンシップを経て学生がより成長していくことを期待している」と述べた。
【2025(令和7)年3月1日第5188号6面】
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