株式会社愛須食品(和歌山県日高郡みなべ町)は、通販や地元の産直店などを通じてこだわりの梅干しを販売している。現在は、2024年元日に社長就任した愛須悠一朗社長のもとで梅を用いた新製品開発に意欲的に取り組んでいる。
昨年発売した「塩こうじ梅」は、これまでにない味付けと健康的なイメージが人々の心をつかみ、通販や催事で好評を博している。ハナマルキ(長野県)の塩こうじを使用、試作段階から協力を得て完成した。梅の酸味や香りは残しつつ、まろやかな味、後をひくコク味を実現した。
昨年発売した「塩こうじ梅」は、これまでにない味付けと健康的なイメージが人々の心をつかみ、通販や催事で好評を博している。ハナマルキ(長野県)の塩こうじを使用、試作段階から協力を得て完成した。梅の酸味や香りは残しつつ、まろやかな味、後をひくコク味を実現した。
また、近日発売を予定しているのが、ぬか床から着想を得た「うめとこ」だ。塩分約20%の、紀州産南高梅の白干し梅に、北海道産てんさい糖を加えることで塩カドを抑えつつ、梅干しの原点とも言える白干し梅のすっぱさ、紀州南高梅が持つ香りを引き出している。
胡瓜なら5分程で浅漬風に、大根やにんじんなど硬い野菜でも数時間程度で漬かる。梅肉はぬぐわずにそのまま食べれば梅肉和えのようになり、より強烈に梅の風味が感じられる。
数回使っているうちに野菜の水分が出てくるため、残った梅肉は和え物や炒め物に使えば、無駄なく楽しめる。愛須社長は「ご飯のお供という立ち位置だけにこだわっていては、梅の利用者を増やすのは難しい時代。サラダのドレッシングや、市販の漬物に代わる新たな選択肢になれば」と開発の狙いを語る。
梅干しを製造する際の副産物である梅酢のアップサイクルにも力を入れる。梅と塩のみでできた「梅酢の明酢(しろ)」と、それに赤しそエキスが加わった「梅酢の明酢(あか)」を2年前に発売した。
いずれも塩分約18%で、薄口醤油と同程度なため、料理に使ったり、刺身に付けたりと醤油と同じような感覚で使える。和食との相性が良いのはもちろん、梅の酸味と香りが口をさっぱりとさせてくれるので、揚げ物などにも好相性だ。
胡瓜なら5分程で浅漬風に、大根やにんじんなど硬い野菜でも数時間程度で漬かる。梅肉はぬぐわずにそのまま食べれば梅肉和えのようになり、より強烈に梅の風味が感じられる。
数回使っているうちに野菜の水分が出てくるため、残った梅肉は和え物や炒め物に使えば、無駄なく楽しめる。愛須社長は「ご飯のお供という立ち位置だけにこだわっていては、梅の利用者を増やすのは難しい時代。サラダのドレッシングや、市販の漬物に代わる新たな選択肢になれば」と開発の狙いを語る。
梅干しを製造する際の副産物である梅酢のアップサイクルにも力を入れる。梅と塩のみでできた「梅酢の明酢(しろ)」と、それに赤しそエキスが加わった「梅酢の明酢(あか)」を2年前に発売した。
いずれも塩分約18%で、薄口醤油と同程度なため、料理に使ったり、刺身に付けたりと醤油と同じような感覚で使える。和食との相性が良いのはもちろん、梅の酸味と香りが口をさっぱりとさせてくれるので、揚げ物などにも好相性だ。
〝刺さる〟商品開発
愛須社長は1980年生まれの45歳。立命館大学卒業後、輸入商社で19年間勤務しマネージャー職を務めた後、3年前に家業の愛須食品に入社。昨年の元日に3代目社長に就任した。
「いずれは愛須食品に戻るつもりだったが、やるなら全力で、と商社の仕事に打ち込んだ。その経験や人脈は大きな財産になったと思う」と振り返る。「塩こうじ梅」もハナマルキとの縁から生まれた商品だ。
入社からの3年間で、続々と新商品開発に取り組んできた。「当社は通販主体であり、だからこそ自由な商品開発ができる。通販ではページ上で様々な情報を届けられるので、万人受けする商品よりも、一部の方に刺さる明確なこだわりを持った商品が求められる」と分析する。
SNSの運用にも力を注ぐ。Xでは、農作物としての梅の姿を伝えたり、知名度向上を図るためのキャンペーンを企画したりと、フォロワーは3年間で4500人に達し、通販にも好影響をもたらしつつある。
梅干し業界の若手で結成する「若梅会」にも所属している。「高齢化や気候変動で産地存続は安泰ではなくなっている。販売面も、昔のようにご飯のお供用途だけで維持するのは難しい。小規模な会社だが、梅の新しい食シーンを開拓し、梅産地の未来を守っていきたい」と思いを語った。
愛須社長は1980年生まれの45歳。立命館大学卒業後、輸入商社で19年間勤務しマネージャー職を務めた後、3年前に家業の愛須食品に入社。昨年の元日に3代目社長に就任した。
「いずれは愛須食品に戻るつもりだったが、やるなら全力で、と商社の仕事に打ち込んだ。その経験や人脈は大きな財産になったと思う」と振り返る。「塩こうじ梅」もハナマルキとの縁から生まれた商品だ。
入社からの3年間で、続々と新商品開発に取り組んできた。「当社は通販主体であり、だからこそ自由な商品開発ができる。通販ではページ上で様々な情報を届けられるので、万人受けする商品よりも、一部の方に刺さる明確なこだわりを持った商品が求められる」と分析する。
SNSの運用にも力を注ぐ。Xでは、農作物としての梅の姿を伝えたり、知名度向上を図るためのキャンペーンを企画したりと、フォロワーは3年間で4500人に達し、通販にも好影響をもたらしつつある。
梅干し業界の若手で結成する「若梅会」にも所属している。「高齢化や気候変動で産地存続は安泰ではなくなっている。販売面も、昔のようにご飯のお供用途だけで維持するのは難しい。小規模な会社だが、梅の新しい食シーンを開拓し、梅産地の未来を守っていきたい」と思いを語った。
【2025(令和7)年7月21日第5202号3面】




























