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一般社団法人日本食品添加物協会 香田隆之会長インタビュー

<新会長に聞く>一般社団法人日本食品添加物協会 香田隆之会長

科学的根拠に基づいた情報発信
TikTokやXを活用
 一般社団法人日本食品添加物協会の香田隆之会長(味の素株式会社執行役専務)が9月24日、東京都中央区の日本食品添加物協会事務所にて合同インタビューを行った。今年5月の総会で2期4年会長を務めた福士博司氏に代わり、新会長に就任した香田氏は添加物に対するイメージ改善を図るために科学的根拠に基づいた正しい情報の発信を引き続き行っていく考えを示した。 
(千葉友寛)
       ◇
 ー昨年4月から無添加表示のガイドラインが施行された。
 「無添加や添加物不使用といった表示は少なくなってきているが、保存料や甘味料の不使用といった表示は見受けられる。我々としては残念なことだが、正しい情報を伝えていくことが協会の使命。何においてもリスクはゼロではない。もちろん過剰摂取は良くないのだが、無添加と表示すれば添加物に対して不安をあおることになる。協会としてはそのようなメッセージを発信し続けていく」
 ー超加工食品が話題になることもある。
 「超加工食品という表現はネガティブな意味でとらえられている。定義の特定が難しく、添加物が入っていたら何でも超加工食品になる、という認識が広まっているようだが、サイエンス的には間違っている。ある業界の人にはメリットになるのかもしれないが、我々としては科学的な根拠に基づいてけん制していきたいと考えており、最終的には生活者のメリットにつながるように取り組んでいきたい。やはり、基本はサイエンスがベースで、サイエンスに基づいて安全性や体に良い、悪いと判断するべき。ネットやSNSではデマのような情報も散見されるが、我々としてはWHOやFDAへのアプローチなど、できる範疇で対応していきたい」
 ー情報発信の内容は。
 「今でも一生懸命行っている。添加物が好きか嫌いかは別にして、使用が認可されている添加物は安全性が確認されているものであるという情報を発信している。添加物を使用して保存期間が長くなれば食品ロス削減につながり、生活者にとってもメリットになる。添加物に対して体に悪い、というところから入るのは間違っており、健康や環境に害を及ぼすものではない、ということを正しい情報に基づいて言い続けていく必要がある。それが正しく理解されれば、社会や地球環境を良くしていくことにつながると思っている」
 ー情報発信の取組について。
 「協会では若い世代に添加物は身近な存在だということを知っていただくため、2023年からTikTokで10秒~20秒の動画を18本作って配信している。また、今年2月からはXで添加物に関する情報をクイズ形式で配信している。ネガティブな情報はSNS上に数多くあるが、その中に1つでもポジティブな情報を入れられれば、という考えで取り組んでいる」
【2025(令和7)年10月1日第5208号10面】
  
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