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九州うまかモン トピックス2026

<宮崎県漬物協同組合>ヤマエ食品工業を見学 発酵食品同士が技術交流

工場見学をした参加者一同
令和6年竣工の新工場
江夏社長
 【大阪支社】宮崎県漬物協同組合(野﨑偉世理事長)は5月26日に実施した総会に先立ち、研修会としてヤマエ食品工業株式会社(江夏啓人社長、宮崎県都城市)の訪問見学を実施した。
 創業155年の歴史を誇るヤマエ食品工業は、南九州最大級の規模を持つ老舗醸造メーカー。最大の強みは、独自の麹菌を用いたもろみづくりから自社で行える一貫生産体制と、それによる顧客の多様なニーズにきめ細かく応えられる研究開発力だ。
 一行が見学した同社の醤油新工場は、令和6年11月に稼働を開始した。生産効率の向上と衛生面の管理体制が大幅に改善された。
 特に大きな変更点として、従来は醤油の調合後に行っていた火入れ(加熱殺菌・酵素失活)工程を、新工場では生揚げ醤油を一括して火入れした後に調合を行う流れへと刷新した。
工場内を見学
 これにより生産効率が劇的に改善された他、リードタイムの削減にも成功。合理化された最新の生産ラインに対し、同じ発酵食品メーカーとして技術的な質問が相次いだ。
 また、江夏社長は、醤油・味噌業界の現状についてデータを交えて解説した。「人口減少や食嗜好の変化を背景に、国内の生産量や企業数は減少の一途をたどっている。その一方で、業界を挙げて海外輸出への取り組みを強化している」と説明。同社もFSSC22000を取得済みで、輸出へ向けた体制は万全だ。
 同社にとっては国内市場もまだまだ開拓の余地があるとみる。これまで売上構成は南九州エリアの比率が高かったが、今後は都市部への進出をさらに強めていく方針を示した。
 その鍵を握るのが、つゆやタレの分野。「醤油や味噌は地域性が強く、愛着を持ってリピートされる傾向が強いが、つゆやタレは比較的流動的で受け入れられやすい」と江夏社長。
 特に同社のストレートタイプめんつゆ「高千穂峡つゆ」は、近年テレビ番組などのメディア露出が増えたことで売上が急伸。南九州ならではのコクと甘みのある味わいが全国的な人気を集めている。
高千穂峡つゆ
みそ漬まるしょうが
上沖産業「グランプリ」の立役者
 ヤマエ食品工業の製品は、漬物業界においても活用されている。5月10日に開催された漬物グランプリ2026において、グランプリ・農林水産大臣賞を受賞した株式会社上沖産業(上沖和己社長、宮崎県三股町)の「みそ漬まるしょうが」には、ヤマエ食品工業の味噌が使用されている。
 上沖社長は「細かな相談にも親身になって乗ってくれる、最高のパートナー」と同社を高く評価した。
【2026(令和8)年6月21日第5232号4面】

宮崎県漬物協同組合
ヤマエ食品工業

<九州ゆず愛ランド>果汁・加工品輸出急拡大 2年続く不作でひっ迫感

長谷部会長
川津事務局長
太田氏
福田副会長
稲元前会長
ゆず愛ランド総会
 九州のゆず、柑橘類果実の生産農家および加工関連業者の親睦団体「九州ゆず愛ランド」(長谷部知秀会長)は4月2日、宮崎県宮崎市のニューウェルシティ宮崎で第25回定時総会を開催した。
 九州産のゆず生産を巡っては、一昨年が平年の3割から半作程度にとどまる記録的な凶作。昨年も平年を下回る作柄で、2年連続の不作となった。
 一方で需要面では、特に海外輸出用の果汁や加工品の需要が急速に高まっており、要望に応えきれない状況が続いている。高齢化や宅地化により栽培面積の維持拡大には高いハードルが存在しており、産地には期待と焦燥感が入り混じっている。
 川津峰之事務局長(川津食品社長)の司会進行で幕を開けた総会では、冒頭に長谷部知秀会長(つえエーピー専務)が登壇。「この1年間、資材などの値上げが続き、メーカーとして価格転嫁を避けて通れない。原料確保に奔走し、ようやく加工にこぎ着けても今度は人手不足に直面するなど、苦労の絶えない日々であった。こうした場での情報交換と協力体制を築くことで、一丸となってこの難局を乗り越えていきたい」と、会員同士の結束を呼びかけた。
 続く研修会では、ドキュメンタリー映画『甲子園~フィールド・オブ・ドリームス~』が上映された。川津事務局長は「協力して目標に向かう尊さを思い出させてくれる本編を題材に選んだ」と説明。
 上映後の講評で太田信彦氏(旬常務)は「若者がひたむきに努力する姿には胸を打たれるものがある。我々もゆずの発展という夢に向かって日々の企業活動に当たっている。今日という日がその新たな一歩になることを期待している」と語った。その後、福田豊樹副会長(福田農場社長)が閉会を宣言し、総会を終了した。
 その後に開かれた懇親会では、前会長で生産農家の稲元光明氏が乾杯の音頭を取った。稲元氏はメセナ食彩センター(鹿児島県)に勤務していた当時、九州全体のゆず生産を情報交換によって盛り上げたいとの一心で同会を設立したエピソードを披露。参加者の今後の活躍を祈念して杯を挙げた。
 宴の途中には初参加者の紹介も行われ、終始和やかな交流が続いた。最後は若手生産農家の丸田晃輔氏が「これからも皆様に良いゆずをお届けしていく」と決意を表明。力強い中締めの音頭で再会を期し、閉幕した。
【2026(令和8)年5月11日第5229号3面】

<新社長に聞く>佐藤漬物工業株式会社 代表取締役社長 佐藤 仁氏

原料確保し順調な出発
組織強化と自社ブランド育成

 佐藤漬物工業株式会社(宮崎県小林市)は、昨年12月に佐藤仁氏が新社長に就任した。たくあんや高菜漬の製造最盛期という多忙な中での門出となったが、原料の安定確保を果たし着実な一歩を踏み出した。佐藤社長は、伝統技術の継承や若手が輝く組織作り、農家への還元と経営安定の両立、さらには自社ブランド強化による「受け身からの脱却」を掲げる。
(大阪支社・小林悟空)
◇   ◇
ーーたくあん、高菜漬製造最盛期の社長就任だった。
 「まずは会社を大きく変えることよりも、目の前の製造を乗り切ることに全力を注いだ。その甲斐あって、生漬たくあん、高菜漬原料については計画通りに確保することができた。ここ数年は原料不足で注文に応えきれない状況も続いていたため、しっかりと製品をお届けできる環境が整いほっとしている」
ーー改めて御社の強みを。
 「技術力が当社の強みであると意識するようになった。その基礎となるのは、原料選別の目利き、重石の乗せ方、そして塩加減といった基本の徹底。全スタッフがプロ意識を持ち、作業中の小さな違和感も見逃さずに報告し合える体制を大切にしている。得意先の要望に対して挑戦しようというフットワークの軽さも、中小企業としては非常に大切な要素だと感じている」
ーー改善点は。
 「技術を持ったベテランは揃っているが、それをどう継承していくかが急務。若手を採用し、彼らが長くここで働きたいと思ってくれるような良い組織作りをすること、もっと会社の魅力を外に発信していくことは必要」
ーー社長に就任して意識の変化は。
 「以前は『少しでも生産農家さんに利益を残したい』という思いが先走る部分もあった。しかし社長という立場では、会社を存続させるためよりシビアな経営判断が求められる。諸物価上昇や天候不順などの環境下で、農家さんへの還元と経営の安定のバランス感覚は、研ぎ澄まさなければならないと痛感している」
ーー今後の商品戦略は。
 「これまで当社は“受け身”の姿勢が強かった。例えば、着色料・保存料不使用の商品は主にプライベートブランド(PB)として納入しているが、得意先からも自社ブランドでも展開すべきだと背中を押していただいている。自らの手でその価値を伝え、売っていく体制を強化することで安定した会社経営や認知度向上に繋げていきたい」
【2026(令和8)年4月11日第5226号5面】

佐藤漬物工業
https://satotukemono.com/

<九州漬物協会>6月19日に別府で総会 原料会議や懇親会を企画

三浦理事長(右)と伊藤前理事長
ディスカッションの様子(2025年鹿児島開催)
 九州漬物協会(大久保次郎会長)の令和8年度通常総会(九州大会)は、大分県別府市で開催予定となっている。
 大分県漬物工業協同組合(三浦好徳理事長)が企画運営する。6月19日開催予定で、会場は別府タワーを予定している。
 九州大会は毎年、たくあんや高菜の原料会議を行うほか、講演会や会員同士のディスカッションなど充実した内容で開催されている。九州は原料産地立脚の漬物メーカーが多いことから、貴重な情報源として多くの参加者を集めている。
 今回は「漬物王子」として緑のスーツに胡瓜の被り物という姿で、別府で知らない者はいない三浦理事長の活躍も注目ポイントだ。今回は「肩ひじを張らない企画」を用意するとのことだ。
【2026(令和8)年1月1日第5217号11面】

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