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兵庫県立農水技術総合センター イカナゴ「依然少ない」 釘煮継承へしらす活用も

 兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センターは7日、播磨灘北東部(鹿ノ瀬)で実施したイカナゴの親魚調査の結果を発表した。
 親魚の密度は昨年に比べわずかに改善したものの、平年値を大きく下回る状況が続いており、同センターは「依然として低い水準にある」としている。
 調査は昨年12月2日から今年1月6日にかけて行われた。網を引いて海底の親魚を採集する「文鎮漕ぎ」による調査の結果、1回あたりの採集尾数(親魚密度)は11・5尾となり、過去最低レベルだった昨年の7・2尾を上回った。年齢構成は1歳魚が89・1%を占め、2歳魚以上は10・9%にとどまった。
 資源量の目安となる「産卵量指数」(1986年=1・00)は0・15で、昨年の0・10からは微増した。しかし、1986年から2023年の平年値である2・96と比較すると約20分の1という極めて低い数値であり、不漁が深刻化した2017年漁期以降の低迷傾向から脱却できていない。
 産卵の盛期については、昨年よりやや遅い12月26日から1月6日の間だったと推定される。
 同センターは今後、1月19日から21日にかけて紀伊水道、大阪湾、播磨灘で稚仔の分布調査を実施。その結果を踏まえ、2月中旬頃に今春のイカナゴシンコ(稚魚)漁の漁況予報を公表する予定だ。
 なお播磨灘海域のシンコ漁は昨年が3日間、一昨年は1日のみで終漁、大阪湾では2年続けて自主休漁とし、資源量回復に努めている。
 兵庫県の漁獲量は平成28年までは1万トンを上回っていたが、その翌年に1001トンと急減して以降低水準で推移し、昨年は63トン(速報値)だった。
 「イカナゴのくぎ煮」は関西、特に兵庫県の春の風物詩として家庭で作られるものであり、3月になるとスーパーでは生のイカナゴが山のように積まれていたが、ここ数年はなりを潜め、いまや高級品となりつつある。
 またこの深刻な原料不足の状況下でも佃煮メーカーは「瀬戸内海産」の表記を外し、他地域産や海外産を活用したり、代替品として「しらす」を用いたりと、工夫を凝らして、くぎ煮文化の継承に努めている。
【2026(令和8)年1月11日第5218号7面】

兵庫県立農林水産技術総合センター水産技術センター
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