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こんにゃく インタビュー2026

4月1日号 群馬こんにゃく特集

群馬県こんにゃく研究会副会長 利根沼田コンニャク研究会会長 こんにゃく生産農家 関 康浩氏

70年ぶりの記録的な不作
自治体と連携し消費拡大活動
 農林水産省の発表では令和7年度産こんにゃく芋の収穫量は3万8500t(前年比25%減少)となり、昭和29年以来となる約70年ぶりの記録的な不作となった。不作により原料価格が上昇する中、“しらたきサラダ”のレシピ提案など群馬県こんにゃく研究会が昨年よりスタートした消費拡大活動は一定の成果を上げ、自治体との連携も活発化している。群馬県こんにゃく研究会副会長で利根沼田コンニャク研究会会長の関康浩氏は、業界発展のためには原料不足ではなく需要拡大により原料価格が上昇していく必要があることを指摘、消費拡大活動にさらに力を注いでいく方向性を示した。(藤井大碁)
―昨年は記録的な不作に見舞われた。
 「群馬県の調査では、作況指数が過去最低の『70』を記録した。私個人の収穫量を見ても前年比4割減という状況であり、過去にない大凶作となった。現在、生芋の価格は昨年10月の取引開始時と比べて約2倍に跳ね上がっている。しかし、収穫量そのものが少ないため、必ずしも農家の収入が大きく増えたわけではない。特に私のように、取引前半で在庫を出し切ってしまった農家は、後半の価格上昇の恩恵を受けられず、例年以上に厳しい経営環境に置かれている」
―凶作となった要因は。
 「記録的な猛暑と干ばつが主な要因だ。最も雨を必要とする初夏の時期に、まとまった雨が降らなかった。芽は出たものの、地表の温度が高すぎて芽が枯れる症状も多発した。秋口になりようやくまとまった雨が降ったものの、既に手遅れだった。さらに、9月の突風被害により種芋まで傷んでしまい、今後の栽培にまで影響を及ぼす状況に陥った」
―原料価格の急騰は、加工メーカーにも大きな影響を与えている。
 「生芋価格の上昇に伴いこんにゃく粉の価格も前年比2~3倍と急騰しており、こんにゃくメーカーにとって非常に重い負担となっている。製品価格に早急に転嫁できなければ、経営が立ち行かなくなり、結果として倒産や廃業が増えてしまう可能性がある。一方、農家の立場で見れば、昨年までは生芋価格が安すぎて離農が相次いでいた。相場の上昇に伴い、産地では農家の生産意欲が回復しつつあるが、資材や燃料費等の高騰もあり、農家の経営も限界に差し掛かっている。今回の原料価格上昇は収穫量の減少が要因となっているが、業界全体が持続可能な形になるためには、需要拡大によって原料価格が上昇していくことが必要だ。だからこそ、これまで以上に消費拡大活動に力を注いでいきたい」
―今後の生産見通しについて。
 「種芋の不足により、今年、来年の収穫量も不透明な状況だ。生子、種芋ともに不作で、私のところでは例年より3~4割少ない状況である。種芋が足りないため、本来出荷するはずの芋の中から小さいものを選別して種に回しているが、小粒なものが多くなり、秋の取れ高に不安が残る。天候によって作柄は大きく左右するため、収穫量の予測は難しいが、原料の不足感が長期化する可能性がある」
―原料状況が厳しい一方、群馬県こんにゃく研究会が昨年からスタートした消費拡大活動は一定の成果を上げている。
 「“しらたきサラダ”のレシピ提案などをマスコミが頻繁に取り上げてくれたことにより、業界一丸となって需要拡大に努めていこうという気運が生まれている。SNSでの発信も強力で、インフルエンサーのバヤシさんや、こぴさんによる動画配信は計数百万以上の再生回数を記録し、大きな反響を呼んでいる」
―行政との連携も深まっている。
 「各自治体からも力強い後押しをいただいている。群馬県では、10月1日の“食物せんいの日”に合わせて県内の学校給食でしらたきが提供された。その他、県内の飲食店がこんにゃくを使用したメニューを提供する“こんにゃくグルメ大作戦”も盛り上がっている。また下仁田町においては、“こんにゃく食べよう健康増進条例”が制定され、消費喚起が行われている他、昭和村では“大地からの贈り物をたくさん食べよう推進条例”に基づき積極的に消費拡大施策を実施している。最近ではこんにゃく農家自らがこんにゃくやしらたきを購入して食べるようにもなった。県内での消費は確実に増えていると感じる」
―最後に。
 「群馬県は今年度から“こんにゃく消費県民運動”を展開しており、新年度予算にも継続して計上されている。私たち群馬県こんにゃく研究会としても、しらたきサラダの試食会や料理コンテストなどの実施を通して、継続的にこんにゃくやしらたきの魅力を伝えていく。生産者、精粉業者、メーカーの“三業態”がしっかりと手を携え、将来にわたって安心して栽培を続けられる環境を作っていくことが大切で、そのために、さらなる需要創出に全力を尽くしていきたい」
【2026(令和8)年 4月1日第5225号1面】
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