岡本食品株式会社(西澤道夫社長、広島県福山市)は1951年創業の冷凍たこ焼き専門メーカー。
原料となるタコは海外から直接買い付けを行っている。生地はネギや紅生姜はあえて入れず、タコとキャベツのみのシンプルなたこ焼が同社のこだわりだ。だしを利かせているためそのままでも、ソースやマヨネーズをかけても美味しく、アレンジのしがいもある。焼成後、素早く冷凍することで生地そのものの味が凝縮するのも美味しさの秘密。
冷凍のまま、ラップをかけずに電子レンジ調理するだけで本格的なたこ焼きが手軽に素早く、失敗無く楽しめる。油で揚げれば外はカリッと、中はとろりとした揚げたこ焼きが出来上がる。
市販のほか、レストランやカラオケ店など業務用での引き合いも多い。
これまでは底が平たい釣鐘型の冷凍たこ焼きに特化して製造していたが、この度の第二工場稼働により丸形の冷凍たこ焼きも製造できるようになった。
2026年5月に第二工場稼働 海外開拓し10年で売上10倍へ
【大阪支社】備後漬物株式会社(佐藤豊太郎社長、広島県福山市)のグループ企業で、冷凍たこ焼き製造を手がける岡本食品株式会社(西澤道夫社長、福山市)の第二工場が5月に、福山市で竣工した。
新工場の稼働により、同社の生産能力は最大で従来の約150%に増強される。これを契機に国内外での売上拡大を加速させ、今後さらなる投資を進めることで、現在約11億円の売上高を2034年には100億円へと引き上げる高い目標を掲げる。
岡本食品は2024年に備後漬物グループ入りした。備後漬物グループは、2025年9月期で156億円だった連結売上高を、2030年には300億円へと拡大させる方針を打ち出しており、多角化経営を推進している。佐藤社長は「岡本食品がその牽引役になってくれる。同じ日本食として、漬物とのシナジーにも期待したい」と語る。
本社工場では、底が平らな釣鐘型を主軸に製造してきたが、第二工場では新たに「丸型」の量産体制を整えた。釣鐘型に比べ、丸型はきれいな形を保つために製造工程が複雑であるものの「たこ焼きは丸いもの」というイメージに応えられるようになる。
冷凍食品市場には大手競合も多いが、西澤社長は自社の強みを「たこ焼きに特化しているからこそ、非常に効率的な生産ラインを組める。徹底的な自動生産ラインと、独自配合のレシピにより、安定した美味しさと優れたコストパフォーマンスを両立している」と自信をのぞかせる。
現在は国内向けとして家庭用のほか、業務用ではレストラン、カラオケ店などへ幅広く展開。「手軽でおいしく、食を通じて幸せを届ける」をモットーに供給を続ける。
海外売上4割目標に
今後は世界的な日本食ブームを背景に、海外市場の開拓へ本格的に舵を切る。海外でも家庭用、業務用ともに展開する。技術が必要な鉄板調理に対し、レンジアップだけで本格的な味が提供できる冷凍品は、日本食レストランや屋台のファストフードとしての需要が見込まれる。
当面はアジア圏に注力する。特にベトナムは同社にとってタコ原料の主要な輸入元であると同時に、グループ内でも多くのベトナム人人材が活躍している。こうした現地への知見や人脈を活かし、近いうちに現地販売拠点を設置する計画。将来的には海外生産拠点の設立も視野に入れ、売上高の3~4割が海外となる計画を描く。
輸出に向け、本社工場で取得済みのFSSC22000を第二工場でも取得するほか、イスラム圏への市場拡大を見据えハラル認証の取得も予定している。
5月22日に行われた竣工式では、神事の後に工場見学が行われ、多くの関係者が新工場の門出を祝った。
式典の中で西澤社長は今後の経営目標を発表するとともに「地元企業との連携や雇用の創出を通じて、地域の発展に少しでも貢献したい。また、社員が誇りを持って働ける職場づくりにも全力で取り組む」と力強く決意を表明した。
【2026(令和8)年6月11日第5231号3面、電子版掲載に当たり一部加筆】
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