本文へ移動

バイヤーインタビュー 2015~2018

バイヤーインタビュー 株式会社オリンピック

デイリー事業部 商品部シニアバイヤー 今井 聡氏

旬と高付加価値で訴求
 漬物は〝伸び代〟のある商材
 
関東で食品スーパーとディスカウント業態を中心に64店舗を展開する株式会社オリンピック(木住野福寿社長、本部=東京都国分寺市)のデイリー事業部商品部シニアバイヤーの今井聡氏に、今年の和日配カテゴリーの動向についてインタビュー。漬物全般の売れ行きや同社の取組み、今後の方針などについて詳しく話を聞いた。
(菰田隆行)
◇    ◇
―今年の漬物の動向は。
「今年3月から10月までの漬物売上は約110%と前年を超えている。キムチ・梅干はもとより浅漬も好調だった。キムチについてはメーカーさんが欠品を起こすほどの売れ行きだった。競合店が安売りを行う中で、メーカーさんと問屋さんの協力を得て他店の動きに流されず、しっかりと商品を揃えられる体制を保っていたので、さらに売上を伸ばすことができた。売れ行きが好調だからといって何を売っても良いわけではなく、NBの陰に隠れて普段は手に取ってもらえないような独自性のあるメーカー品を重点的に展開した。そのお陰でそのキムチメーカーさんと、新規商品の開発を取り組むところまで行けた。梅干については、もともと598円ライン中心の品揃えだったところに、梅干の季節指数が上がる夏場のタイミングで980円ラインの高品質商材を投入し、仕掛けた途端に林修先生のテレビ放映があって一気にブレイクした」
 
―大根商材の季節だ。
「アイテムのレパートリーが少ない大根商材の中で、沢庵以外の大根浅漬などを展開していく。季節ごとの「旬カレンダー」を綿密に組み立て、旬の素材が多く出回る前の〝走り〟の時に完成された商品を揃えることを心がけている。後手に回ると取って付けたような物しか売れなくなるからだ。青果や果物のコーナーでは旬の訴求が整理されているが、漬物コーナーではその印象が薄いのが問題だ。〝素材の旬〟をしっかりと意識して『オリンピックに来れば旬の物がドンと揃っている』と言ってもらえるような品揃えにしたい。これはメーカーさんや問屋さんの協力が必要で、例えば百貨店等に自社の小売り部門を持っているメーカーさんはそれをやれている。旬を打ち出すことはメーカーさんにとっても絶対にメリットがあるはず。むしろそれを〝武器〟にした商品を一緒に作っていきたいという思いがある」
 
―11月17日に国立店がリニューアルオープンした。
「漬物売場は24尺から32尺に広がり、売上は10日間で改装前の1・6倍だった。数量ベースは1・5倍だったので客単価が確実に上がっている。当社がこだわっているのはまず目に付くことで、かつ〝まとまりのある売場〟だ。和日配は包装も素材の色も見た目がバラバラで煩雑なイメージになってしまうので、売るべき商品を決め、そこに重点を置く。上段は1フェイスで、東京地場の高品質商材と京都錦小路の本場ブランドメーカーで訴求している。中段はブロックごとに並べ、下段は単品力の強い物を並べている。この考えがないと1フェイスばかりの寄せ集めになってしまい、まとまりがなくなる。お客さんには分からなくても乳酸発酵の漬物をひとまとめにしたり、素材が被らないことにも気を配る。ごぼう、ちび胡瓜、しゃくし菜、黒にんにくなどが揃っていて、キムチも白菜だけでなくチャンジャやイカキムチなど、それぞれのメーカーさんが自信を持って送り込むメイン商材ばかりなのでほとんど全商品がまんべんなく売れている。これを意識すると漬物は、売上の結果がすぐに出る醍醐味のあるカテゴリーだ。他店スーパーは数が売れるものを揃える視点。当社も売れるNB商材を無視することはできないが、要は同じ素材の商品でも原料と製法にこだわり、安全・安心でおいしいもの。そして価格のイニシアチブが取れ、リーズナブルに提供できることを意識して、意図的に仕掛けたのが国立店の漬物売場だ。売場は広がったが、そのせいで売上が伸びたわけではない。間延びしないよう新しい切り口のものを揃え、かつNBでも特徴の薄い商品は削ることを行った結果だ」
 
―今後の方針は。
「漬物はシュリンクするカテゴリーといわれているが、新しいユーザーを取り込むことを優先した売場ではなく、コアな漬物ファンが『オリンピックに行けばこれがある』というものを揃えたい。漬物は意図をもって仕掛ければ、確実に結果が出る〝伸び代〟のある商材だ。こだわりの商材をメーカーさんと共に開発したいと思うし、『面白いバイヤーがいるな』と思っていただき、良い商品をぜひ提案してきてほしい」
【2018(平成30)年12月10日第4959号8面】
 
株式会社オリンピック https://www.olympic-corp.co.jp/
国立店:東京都国立市北3-39-1 TEL0425-23-5691

「オリンピック国立店」の和日配売場

漬物コーナー(全景)
こだわり商品コーナー
キムチコーナー
浅漬・ふる漬コーナー
沢庵・酢漬コーナー
佃煮コーナー
蒟蒻コーナー
納豆コーナー

バイヤーインタビュー 株式会社平和堂

一般食品事業部日配品課バイヤー 簗脇 裕信氏

伝統食に誇り持って提案
 おつまみ需要や旬伝える売場で
 
株式会社平和堂(平松正嗣社長、本部=滋賀県彦根市)は、近畿・中部地区2府7県に150店舗を展開する総合スーパーチェーン。一定の地域に多くの店舗を集中させるドミナント戦略により、地元滋賀県を中心に根強い支持を誇っている。和日配カテゴリに関しては、おつまみとしての切り口、旬を伝える売場作りなどが功を奏し、今年上期は好調に推移した。
担当する一般食品事業部日配品課の簗脇裕信バイヤーに、好調の秘訣や今後について聞いた。(門馬悠介)
◇ ◇
‐和日配部門の上期の動向について。
「今年(2018年)は和日配全体では昨対比約102%で、猛暑を受け涼味商品が大きく伸びた。漬物は107%と非常に好調が続き、ピーク時に月間150%を記録した梅干し、安定して10%近い伸びを続けたらっきょうをはじめ、浅漬、キムチ、沢庵など総合的に良く売れた。佃煮・煮豆は、トータルでやや100%を割り込んだが、水産系ではPBのちりめん山椒を120%と大きく伸ばすことが出来た。市場に定着した蒸し大豆も安定している。納豆はテレビ放映の影響が大きく2桁の伸び。5%の値上げがありながら数量が10%以上伸びており、煮豆はこの人気に押された部分があるかもしれない。豆腐はほぼ100%。甘酒は毎日飲む大容量のタイプにシフトし、単価が上昇した。猛暑の影響から、逆に揚げ分類、練り製品は厳しい部分があった」
 
‐売場作りについて重視している点。
「お客様がデリカへとシフトする流れの中、以前と同じ商品をそのまま並べるだけでは、昨対を超えるのは難しい。今年は具体的な食シーンを提案する売場を意識し、特にチラシ掲載している〝酒肴の逸品〟に代表される、おつまみ提案を強化した。漬物ではキムチや高菜漬、味噌漬、わさび漬など、佃煮では水産系で珍味に近い商品、他には寄せ豆腐や生食の練り製品などがこれに当たる。また伸長している個食タイプへのシフトも進めた」
 
‐好調の理由は。
「MDをおつまみ・弁当・朝ごはんといった食シーンに変えたことが、お客様から評価されたと考えている。これまでは、均一価格で平台に様々なカテゴリの商品を展開するのが常だったが、結局お客様は目的とするカテゴリの商品しか購入しない場合が多かった。複数のカテゴリを組み合わせて売ることで、相乗効果が生まれ、売上が伸長した。またおつまみ向けの商品とお酒を一緒に積むなど、クロスMDを強化したことも一因だと思う。商品をリピートしてもらうにあたっては、お客様を飽きさせないMDが必要で、今後も一つ一つ探して行きたい」
 
‐具体的な売れ筋商品。
「漬物では、当社自体キムチの構成比が業界平均と比べ低く、ここ数年強化を進めてきた。そのためキムチは非常に伸びており、ピックルスコーポレーションのご飯がススムキムチ、おつまみ系でカップ入りのピリ辛ッごま白菜が売れ筋だ。PBであるE‐WA!のキムチも徐々にお客様が付いて来ている。単品商材の売れ筋は季節毎に大きく異なるが、夏場は地元メーカーのヤマヨのピリ辛胡瓜茄子や絹かわなす、上期全般ではオギハラ食品の明太子高菜が好調だった。東海漬物のぷち!浅漬シリーズも若い方を中心に好評だ。佃煮はPBのちりめん山椒が伸びている。3年続けて不漁となったいかなごのシュリンクを補うため始めたが、予想を上回る好評ぶりだ。納豆は商品全般が非常に好調。個食惣菜では、フジッコのおかず畑シリーズが伸びており〝簡便惣菜〟の分類を立てての売場作りが成果を挙げている」
 
‐漬物の位置づけは。
「漬物は他のカテゴリと比べ、買い上げ点数を増やしやすい特徴がある。ご飯のお供・おつまみなど食べるシーンを上手く組み合わせて提案出来れば、一度の買い物で1パックのみではなく、例えば白菜の浅漬とキムチを一度に購入する消費者もいる。また和日配の中で最も旬を伝えやすい分類で、季節を意識した提案が可能だ。原菜確保が非常に大変な中でご協力をいただき、おつまみ的な切り口・旬を見せるという2点を強化出来たことが、結果に繋がった」
 
‐その他、漬物に関する具体的な取り組み。
「つい先日、PBで減塩タイプの白菜漬を新発売した。塩分を通常品から30%カットし減塩しながらも美味しいという商品だ。健康かつ今まで販売して来たものと遜色ない美味しさ、という部分にこだわった。モニター評価で好評を得ているので今後に期待したい。他にも乳酸発酵を謳う商品を、キムチを中心に増やしている。滋賀県産野菜を使った漬物では、日野菜や下田なすの漬物を継続的に販売している。現在豆腐のPBで滋賀県産大豆を使用しているが、漬物や水産加工品に関して、原菜確保も含めた、地産池消の取り組みを進めて行きたい。韓国ではキムチだけで6000億円の市場があることを考えれば、まだまだ伝統食品の伸び代は大きいはず」
 
‐和日配の今後と課題。
「個食や健康といった新しいトレンドを追いながらも、〝長年の伝統を引き継ぐ〟ことを大切にしたい。伝統食に誇りを持ちながら、若い方にも食べてもらえるような形を考える必要がある。食べるきっかけ自体が減って来ている中では、新商品開発よりも既存商品の新しい切り口を考えることが重要だ。そうした提案をメーカーの方からもいただきたい。個人的には、和日配の将来には味噌汁が重要だと考えている。味噌汁は色々なものを繋ぐ存在で、もし食卓から無くなれば、和日配の多くのカテゴリが減少すると思う。ほかにも、現在取り組むおつまみをはじめ様々な切り口を探しながら、ひとつひとつ地道に取り組んで行きたい」
【2018(平成30)年10月1日第4951号1面】
 
株式会社平和堂 http://www.heiwado.jp/

バイヤーインタビュー 株式会社オリンピック

デイリー事業部商品部バイヤー 今井 聡氏

「旬と目新しさで価値を訴求 地域の産品にも注目」

関東で食品スーパーとディスカウント業態を中心に66店舗を展開する株式会社オリンピック(金澤良樹社長、本部=東京都国分寺)デイリー事業部商品部バイヤーの今井聡氏にインタビュー。和日配の仕入れに携わって10年以上の経験を持つ同氏に漬物の売れ行きや同社の取組み、地域産品の可能性などについて話を聞いた。(千葉友寛)
◇    ◇
―昨年の漬物の売れ行きと御社の取組みについて。
「昨年の3月から12月までで、前年比102%と良い数字となった。1月は野菜高の影響もあり、浅漬、キムチともに108%と好調な動きとなっている。それらの要因の一つとして、当社では単価を上げる取り組みをしている。売場で旬や目新しさを大事にして、季節や素材といった価値をお客様に提案している。定番商品で欠かせない白菜の刻みや姿物なども扱っているが、そういった商品は差別化を図るのが難しく、どうしても価格競争になってしまう。それよりも、旬や独自性を出せる商品に力を入れ、他店と競合しない棚を作れれば販売価格も影響を受けにくい。大手のNB商品は品揃えとして必要だが、どこの店舗にもある商品は価格だけの競争になる。それよりも、短期間でも販売できる季節商材やローカルブランドでも独自性を打ち出せる商品を販売した方が利益を出すことができる。PB商品ではないが、お客様により良い商品をリーズナブルに提供したい、という思いをメーカーと小売が一体となって取り組み商品を販売したいと考えている。小売業界もシュリンクしていく中で、他店との違いを作れるか、ということが重要で、お客様もそこに価値を感じていただいていると思う」
―ニーズの変化について。
「個食ニーズが増えている、と言われるが、ニーズはカテゴリーによって異なる。デイリーの漬物売場としてのニーズは少ないが、食べ切りや即食を求められるデリカテッセンの売場では個食タイプの需要はある。デイリーの漬物売場に求められるのは漬物本来の味や品質、伝統食品として位置付けで、デイリーのバイヤーとしてはここにこだわっている。豆腐は個食で適量のものが人気で、佃煮は変わり種の商品に限って個食タイプが売れる。定番商品で小さいタイプは売れない。まだまだデフレから脱却しきれていないことが大きな要因で、消費動向に大きく影響している」
―売れている商品は。
 「やまうの2色タイプの製品は良い製品だと思う。人気がある商品同士のマッチングは消費者受けが良く、割高感を感じさせずに簡便性もある。和日配では少ないタイプで、攻めの商品だと思う。2色タイプが売れると単体の売れ行きが落ちる事になるが、全体的には増えていく流れになり、売場の勢力図が変わる可能性もある。人気が高い商品同士のマッチングは、洋日配では多くの商品で採用されている。例えばヨーグルトの2種類タイプは外れがない2フレーバーの組み合わせ。4種類タイプは外れがない3フレーバープラス変わったフレーバーが1種類あった場合、3種類で外れがなければ冒険になったとしてもお客様は購入されると思う。和日配でもそのような商品が出てきてほしいと思っている」
―地域産品の可能性は。
「独自性や目新しさという点では地域の産品にも注目している。昔からの成功例で言えば赤かぶは魅力が詰まった商品。産地性があり、彩りも豊かで味も良い。そして、単価も高い。まさに付加価値の集合体で、完成された商品だと言える。当社では旬と地域性を大事にしており、今の時期だと宮崎の干し沢庵、秋はキムチ専用品種で産地限定の白菜を使用したキムチを販売する。棚の下段のフリースペースは店の特徴を出せるところなので、バイヤーの腕の見せ所でもある。完成された商品の価格は重要ではなく、高くても食べて美味しければリピートしていただける。長く引っ張っても素材の美味しさを生かすことができないので、旬が過ぎたらスパッと止めて、その時期に旬の商品に入れ替える。これを1年通して続けてお客様には常に旬と目新しさを提供している。値段は関係なく、付加価値があって当社の独自性を出せる商品という意味でも地域の産品は面白い素材。是非、色々な提案をしてほしい」
【2018(平成30)年2月12日第4922号4面】

株式会社オリンピック https://www.olympic-corp.co.jp/

この人に聞く 株式会社成城石井 商品本部 商品部

グロサリー課課長代理 坪井 元氏

成城石井 坪井 元氏

「甘さをつけた梅干」が売れ筋
 ご飯以外の食シーンの確立を
 株式会社成城石井の商品本部商品部グロサリー課課長代理・坪井元氏にインタビュー。今夏の梅干製品の売れ行きや売れ筋商品の価格帯、最近のニーズやトレンドについて話を聞いた。
(聞き手・千葉友寛)
◇    ◇
 ――今夏の梅干製品の売れ行きについて。また、どのような商品が売れていますか。
 「既存店前年比は横ばい。売れ筋は塩分値が低く、蜂蜜などで甘さをつけた梅干が売れているが、夏場の時期は白干やしそ漬けの需要もあり、実績は高い」
 ――売れ筋商品の価格帯は。
 「1000円~1500円」
 ――若い世代にはちみつ味、うすしお味などが支持されているようですが、味や規格など、最近のニーズ、トレンドについて。また、ここ数年の需要の増減に変化は。
 「蜂蜜などで甘さをつけた塩分値の低い商品の売上ボリュームが大きいです。需要の増減に関しては大きく増えてはいないが、減ってもいません」

梅干売場。撮影店舗=「成城石井 東京ドームラクーア店」※写真は取材時のもの
梅干売場。撮影店舗=「成城石井 東京ドームラクーア店」※写真は取材時のもの
 ――塩分5、6%の低塩梅干のアイテム数が増加しているようですが、低塩化のニーズは高まっていると感じていますか。また、塩分10%以上の製品の売れ行きはいかがですか。
 「低塩化のニーズは高まっていますが、塩分値の高い商品のニーズもしっかりとあります」
 ――見た目や味で差別化が難しいと言われる梅干製品ですが、御社の梅干売場のこだわりや、商品を選定するにあたって重要視されているポイントは。
 「成城石井の商品選定で大切にしているのは『おいしさ』『品質』『手に取りやすい価格』の3つのバランスです。いくらおいしくて品質が高くても、価格が高すぎてはお客様に手に取っていただけないので、常にその最適なバランスを意識しています。梅干において具体的に挙げると、梅の規格、サイズ、味、品種、産地、価格設定などです」
 ――現在の消費者ニーズを含め、梅干メーカーに「こういった商品を作ってほしい、こういう提案をしてほしい」などのメッセージがあればお願いします。
 「食のニーズが多様化しているので、今までのような『ごはんのお供』以外での摂取するシーンの確立。和のスーパーフードとしての位置づけなど。あとは世界に向けたアピールが必要だと思います」
【2015(平成27)年9月28日第4818号1面】
 
株式会社成城石井 http://www.seijoishii.co.jp/
 
 

株式会社ライフコーポレーション

首都圏食品日配部首都圏加工食品課チーフバイヤー・齋藤宏紀氏

「漬物の素特集」
 簡便タイプの売上逆転 冷蔵庫で漬ける人が増加
 首都圏と近畿圏において食品スーパー「ライフ」を展開する株式会社ライフコーポレーションの首都圏食品日配部首都圏加工食品課チーフバイヤー齋藤宏紀氏に漬物の素の動きや傾向について聞いた。
(藤井大碁)
◇    ◇
 ――漬物の素専用コーナーを展開されています
 首都圏のライフ全店(107店舗)で4月8日より実施しており、6月いっぱいまでの展開を予定しています。春野菜が出回る時期を意識して10年以上前から始めた取り組みで野菜との関連販売が狙いです。
 ――品揃えとターゲット層について
 煎りぬか、冷蔵庫ですぐ漬けられる簡便タイプのぬか漬け製品、液状や粉末状の漬物の素など約15種類を揃えています。今年は簡便タイプのぬか漬け製品の取り扱いを増やしました。また、粉末のうどんスープの素も実験的に展開しています。売場のターゲット層は高めですが、昨年からお酢で漬けるピクルスをニューファミリー層向けに提案するなど新たな取り組みも行っています。
 ――全体的な動きは
 昨年の上半期はNHK朝ドラの影響で前年比107%くらいまで伸びました。現在は前年比98%ほどに落ち着いていますが一昨年比では上回っています。簡便タイプのぬか漬け製品や液体・粉末タイプの浅漬けの素が伸びています。塩こんぶも3年前から取り扱いをスタートし、好調です。
 ――近年のトレンド
 ぬか漬けにおいては、煎りぬか製品と簡便タイプの売上が以前の7対3から現在は4対6くらいまで逆転してきました。時代の流れの中、ぬか床で漬ける人は減り冷蔵庫で漬ける人が増えてきています。また、お酢で漬けるピクルスも手軽さやジャーサラダのブームなども伴って人気が出始めています。
 ――今後について
 簡便性を重視する傾向は引き続き強まっていくことが予想されます。お客様のニーズを確実に捉えた品揃えを目指し、野菜を美味しく食べる方法の一つとして漬物の素を提案していきたいと思っています。
(2015(平成27)年5月11日第4802号1面)
 
株式会社ライフコーポレーション http://www.lifecorp.jp/
 
株式会社食料新聞社
〒111-0053
東京都台東区浅草橋5-9-4 MSビル2F

TEL.03-5835-4919(ショクイク)
FAX.03-5835-4921
・食料新聞の発行
・広報、宣伝サービス
・書籍の出版
TOPへ戻る