表1.「非常に安心」N=91 「問題なし」N=137 差:「非常に安心」の実施率から「問題なし」の実施率を引いた値
表2.「問題なし」N=137 「不安」N=90 差:「問題なし」の実施率から「不安」の実施率を引いた値
調査結果③は、新型コロナウイルス対策への安心感に、どのような内容が影響を及ぼすのか
を示した表。「非常に安心」「問題なし」「不安」と回答されたデータの各設問項目に対する実施率を算出し、表1は「非常に安心」から「問題なし」を引き、表2は「問題なし」から「不安」を引き、その差が大きい上位5 項目を抽出した。
表1から、「消毒液のわかりやすさ」や「接触を避ける工夫」など物を設置して完了する取り組みは、「問題なし」「非常に安心」の双方で実施率が高いことが伺えますが、「スタッフからの感染症対策説明」「スタッフからの消毒液案内」などスタッフからの声掛けが必要な取り組みは、「問題なし」と評価された店舗でも極端に低いことが分かる。「注意喚起の案内・POP」の有無が最も差が大きいことからも、スタッフや店舗からの積極的なアプローチがお客様からの「非常に安心」という評価につながっていると考えられる。
また、表2 から「不安」と評価されてしまった店舗では、「消毒液のわかりやすさ」「接触を避ける工夫」の実施率が30%台と、最低限取り組むべき内容が出来ていないことによりお客様へ不安を与えてしまっていることが分かる。多くの店舗が取り組んでいることを最低限実施し、その上で積極的に取り組みをお客様にアピールすることが、お客様の安心、ひいてはリピート率につながっていくと考えられる。
※別紙に、お客様が安心に感じる取り組みや不安に感じる取り組みのコメントをまとめた。
別紙:
■非常に安心できたと評価いただいた取り組みコメント
・他のお客様とのソーシャルディスタンスが保てるように席と席との間を離してくださいました。また、その旨入店時に説明をしてくださいました。
・スタッフさん全員がきちんとマスクをされていました。また、「感染防止策として定期的に換気をしています」と張り紙がありました。
・お客様同士の接触を避けるため、テイクアウトを積極的に行っているようで、ポスターにも大きく表示してありました。
・入店と同時に即座にスタッフさんがアルコールスプレーを持ってきてくださり手に吹きかけてくれました。すごく自然に出来ていたので習慣化できていると感じました。
・おしぼりの提供をされた時に消毒されているので口を拭いても大丈夫ですという案内があり安心できました。
・店の外に「安全確保のために精一杯対応中」と書かれた掲示があり、店に入るとすぐ手指消毒剤がぶら下げてあるのが目に入り、この店はちゃんと対応しているという印象をもちました。
・別のテーブルでスタッフさんがメニューを1ページずつ消毒しているのが印象的でした。
・入ってすぐのところに消毒液のボトルがあり、スタッフさんからも使って下さいと勧められましたので、安心できました。
・着席した瞬間にマスクを入れる袋を渡してくださったことです。
■不安に感じられた内容コメント
・テーブルの上にもアルコール消毒のような容器が置いてありましたが、説明がなかったので使いづらかったです。一言説明があれば、もっと安心できたと思います。
・壁際の席だったからかもしれませんが、空気がこもっている感じがして、きちんと換気がされているのか心配になりました。
・受付レジに消毒液が置いてあるのみで、トイレのハンドドライヤーも使用できる状態でしたので、あまり感染に関しては気にしておられないのだと感じました。
・入店時に消毒等はなく、若干不安に感じました。トイレに石鹸がなかったことも不安に感じました。
・ホームページではテーブルや床、椅子の消毒や店頭での消毒推奨と書かれていたのですが、実際は目に見える対策がなされている様子が見受けられませんでした。
・ドリンクバーは不特定多数の方が触る場所なので、お客様が増える際には注意書きは必要だと思いました。
・消毒液が入ってすぐにあったものの、消毒するように勧められなかったことと、他にどのように対策しているか分からなかったことです。