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「水産加工品、佃煮、珍味、昆布、魚介製品」「団体活動」情報2024

第67回全国水産加工たべもの展表彰式 新商品開発や技術向上でハイレベル

農林水産大臣賞の受賞者。左からかね七の阪本部長、敦賀昆布の森田社長、魚竹蒲鉾店の森山社長、水谷商店の水谷昌平氏
表彰式
懇親会
池上運営会長
【大阪支社】第67回全国水産加工たべもの展(運営事務局:日本昆布協会)の表彰式が3月22日、大阪市内の大阪キャッスルホテルで開催された。今回のたべもの展には、全国から812品もの出品があった。
 表彰式の開会に際し、池上時治郎運営会長は「前回2022年はコロナ禍で、最終審査は着席の形で実施されたが、今回はコロナ前の形式に戻り、制約がなく開催できた。各部門、選りすぐりの品ばかりで、審査中に何度も悩ませられた」と挨拶した。
 次に、審査委員長を務めた塚正泰之氏(近畿大学名誉教授)から審査講評が行われた。塚正委員長は「表示、食感、風味、デザイン等の商品性全般について審査した。新商品開発や技術向上に日々努力していることが伝わってくるハイレベルな出品物ばかりだった」と総括した。
塚正審査委員長
  続いて「今回は前回より、水産物つくだ煮部門については、魚卵製品やウニ・ホタテ製品が多く出品され、小魚や貝類、海苔製品は減少、特に淡水魚製品の減少が目立った。トレー製品が減り、袋物が増えた。加工昆布部門はパンに合う製品や、生昆布製品が出品され、開発意欲の旺盛さを感じた」とコメントした。
 塚正委員長の講評後は、池上運営会長が農林水産大臣賞の各受賞企業の出席者へ賞状を授与し、水産庁長官賞、大阪府知事賞は各部門の代表者が登壇、賞状を受け取った。そして、有限会社魚竹蒲鉾店(水産ねり製品部門 農林水産大臣賞)の森山けい子代表取締役社長が受賞企業を代表してのスピーチで受賞の喜びと、審査員への謝辞を述べ、その後、出席者一同は祝賀会で懇親を深め、第67回たべもの展は締めくくられた。
【2024(令和6)年4月1日第5158号1面】

<東京昆布協会> 3月度例会を開催 三陸わかめの走り高騰

藤田会長
東昆の3月例会
 東京昆布協会(藤田正洋会長)は3月17日、ホテルラングウッド(東京都荒川区)で3月例会を開催した。
 開会後に挨拶した藤田会長は、「三陸わかめの入札が始まったが、全体量が少なく高騰している。岩手が始まれば少し落ち着くかもしれないが、予断を許さない状況だ。もう年度末となるので、決算に向けて色々とよろしくお願いしたい」と語った。
 昆布の産地状況としては横井信幸副会長から、「春の天候が落ち着かないと状況が見えてこないので、現在は見通しが立てられる状況ではない」と報告した。
 一方、わかめについてはわかめの芽を食べる魚の食害が出ていることもあって、量が減っている模様。また、ひじきについても量が少なく、値上がりしそうな気配があるとの報告もあった。
 運送業界の2024年問題については、藤田会長より「運送会社から、10%値上げすることについて承諾書の提出を初めて要求された」との報告もあった。
 その他、小学校での食育授業実施時の日当についても打合せを行った。
【2024(令和6)年4月1日第5158号5面】

西友商店 「小鮎若炊き」農水大臣賞

小鮎若炊き
 西友商店株式会社(阪田嘉仁社長、滋賀県高島市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会で、「小鮎若炊き」が農林水産大臣賞を受賞した。平成6年の第53回全国水産加工たべもの展でも、農林水産大臣賞を受賞した実績を持つ逸品であり、今回も栄冠に輝いた。
 本品は、琵琶湖で獲れる新物の小鮎を浅炊きで風味豊かに仕上げた、春・夏限定の季節商品だ。ほんのりほろ苦い、鮎ならではの苦味を活かし味付けしつつ、山椒のピリリとした辛さがアクセントになる。関西の百貨店、自社オンラインショップ等で購入することができる。
 今回の農林水産大臣賞の受賞を受け阪田社長は「当社で小鮎の若炊きを販売すると、お客さんからは『今年も春が訪れた』と言ってもらえる風物詩的な存在だ。小鮎の佃煮は、頭や骨まで食べることができて、カルシウムを摂取できる。ぜひ若い世代にも食べてほしい。栄誉ある賞をいただき、励みになる」とコメントした。
 また同社は、湖魚の佃煮以外に、うなぎの蒲焼や、うなぎ茶漬の生産・販売にも力を入れている。うなぎ茶漬は、白焼きしたうなぎに山椒を加えてじっくり煮上げた、お茶漬け用の佃煮。うなぎの仕入先には強固なパイプがあり、うなぎの安定確保、味ともに自信を見せる。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

西友商店

奥村佃煮 「鮒寿し×つやこブルー」水産庁長官賞

鮒寿し×つやこブルー
びわ湖本もろこオイル漬
 株式会社奥村佃煮(奥村吉男社長、滋賀県近江八幡市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会で「鮒寿し×つやこブルー」が水産庁長官賞、「本もろこオイル漬」が滋賀県学校給食会理事長賞を受賞した。
 「鮒寿し×つやこブルー」は、オスのニゴロブナのお腹に滋賀県竜王町にある古株牧場のブルーチーズ「つやこブルー」を詰めて1年間熟成発酵させたオリジナリティあふれる鮒寿し。ブルーチーズと鮒寿しの「W発酵」を楽しむことができ、他にない豊穣な風味と味わいで、人気が高まっている。
 一般的に鮒寿しは子持ちの二ゴロブナのメスが重宝され、オスは獲れても廃棄されることが少なくない。奥村社長はこのオスをどうにか活用できないかと幼少期からおぼろげに問題意識を持っていた。同社に入社してから本格的に鮒寿しと向き合ううち、ニゴロブナのオスのお腹にチーズを入れるアイデアが2016年に浮かんだ。
 2018年からクラウドファンディングの返礼品で、古株牧場のナチュラルチーズ「つやこフロマージュ」と「モッツァレラチーズ」の2品を使用の鮒寿しを提供し、2019年から一般販売を開始した。同シリーズの続きとして、また東京オリンピックの開催を見込み「鮒寿し×つやこブルー」が完成した経緯を持つ。
 滋賀県学校給食会理事長賞受賞の「本もろこオイル漬」は、湖魚の本もろこを香り高い綿実油(めんじつゆ)に漬け、上品でありながら、ほんのりカレー風味の一品。「外で琵琶湖を眺めながら」をコンセプトに、キャンプ、グランピング、バーベキューの際に食べて欲しいと、奥村社長は語る。
 「新しい商品の開発の際は、常に海外の方のニーズをどうすればつかめるか考えている。食品の海外輸出を検討しても多くの規制があり、輸出事業者の心理的ハードルが高い。食品事業者が少しでも勝機をつかめるよう、行政にはさらに寄り添ってほしい」と話す。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

奥村佃煮

山喜食品 「氷魚葉山椒煮」滋賀県知事賞

氷魚葉山椒煮
 山喜食品有限会社(木原崇雄社長、滋賀県大津市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会で同社ロングセラー商品「氷魚葉山椒煮」が、滋賀県知事賞を受賞した。
 滋賀では、鮎の稚魚・氷魚の水揚げが冬の風物詩である。同社ではシーズン中、水揚げされた氷魚を新鮮な状態で仕入れ、すぐに炊き上げる。
 火加減や味付けは、その日の氷魚の鮮度や状態に合わせて調整し、素材の味わいが楽しめる浅炊きに仕上げる。
 山椒は、爽やかな香りとアクセントのある辛味を持つ葉山椒(滋賀県大津市産)を使用する。実山椒と異なり、葉山椒は辛味が控えめで佃煮には使いやすい。本商品は、自社直営店で販売する他、量販店、道の駅、ホテル等に供給している。
 木原社長は「県内でも若い人を中心に、鮎の稚魚を氷魚と呼ぶことを、また氷魚の佃煮があることを知らない人が増えているので、まずは食べて欲しい。この4年ほど、滋賀県水産加工業協同組合の青年部長も務め、湖魚のPRにも努めている。若年層に湖魚の魅力を伝えたい」と語った。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

山喜食品

鮎家 「あゆの柚子味噌煮」組合長賞

あゆの柚子味噌煮
 株式会社鮎家(齋藤利成社長、滋賀県大津市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会にて「あゆの柚子味噌煮」が、滋賀県水産加工業協同組合組合長賞を受賞した。
 本品は最初に、湖魚のあゆを焼かずにそのまま、滋賀県産の番茶で2時間煮て、番茶成分であるタンニンで魚特有の臭みを消し、骨をやわらかくする工程をほどこしている。
 柚子味噌の味噌は、田舎みそ、赤みそに加え、少量の西京みそを使用しており、甘めの味つけ。柚子は、皮ごとジャムにしたものを使い、同社であゆ炊き35年の橋本悟氏が、柚子ジャム作りから行う。最後は柚子酢を掛けて、さっぱりと仕上げる。
 橋本氏は「一般的には、鮎を番茶で煮る前に一度焼くが、鮎家では鮮度の高い鮎をそのままお茶炊きするのがこだわり」と話す。
 廣瀬晴信取締役本部長は「取引のある百貨店と県内の小売店で取り扱っていただいている。あゆと柚子味噌の組み合わせはめずらしいと購入され、ファンがついている。本受賞は嬉しい」とコメントした。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

鮎家
https://www.ayuya.net/

第67回全国水産加工たべもの展 812品から受賞作決定

池上専務理事
塚正審査委員長
審査する日本昆布協会の吹田理事長と大調食の廣川理事長(奥)
 【大阪支社】第67回全国水産加工たべもの展の最終審査が2月21日、大阪市内の大阪キャッスルホテルにて開催された。
 応募総数は812品と全国から自慢の水産加工品が集い、厳正な審査の下、各賞作品が決定された。
 最高位の農林水産大臣賞を受賞したのは4品。水産ねり製品部門から「大阪産大根人参こんにゃく天」(魚万商店、奈良県)、水産物つくだ煮部門から「なつれさくらます昆布巻き」(かね七、富山県)、加工昆布から「現代の名工竹紙昆布」(敦賀昆布、福井県)、節類から「海苔いわし」(水谷商店、静岡県)が受賞した。
 今回の応募数は水産ねり製品が118品、水産物つくだ煮が283品、加工昆布が249品、節類が162品の合計812品。この中から一次審査・二次審査・最終審査を突破した52品が栄冠に輝いた。
 最終審査の審査委員は、学識経験者や一次生産者、行政関係者らの他、たべもの展の運営を務めた大阪府調理食品協同組合、日本昆布協会、大蒲水産加工業協同組合、大阪鰹節類商工業協同組合の代表者らが務めた。
 審査委員長には近畿大学農学部名誉教授の塚正泰之氏が就き、食味の良さは勿論のこと、外観や地域性、健康性、市場性など多様な角度から審査を行った。
 審査は日本昆布協会の池上時治郎専務理事による司会進行の下進められ、運営代表としても挨拶に立ち「各社が日々試行錯誤して、商品開発に努められてきたことが伝わってくる商品ばかりだ。たべもの展が業界の励みになることを願っている」と話した。
 塚正審査委員長は「たべもの展は長い歴史を持つ審査会で、各社最高の技術を投じた作品で応募されている。それに応えられるよう、あらゆる角度から審査を行う」と語った。
 表彰式は3月22日、大阪キャッスルホテルでの開催を予定している。
 なお祝賀会も同日の表彰式後に行われる。
(大阪支社 高澤尚揮)
【2024(令和6)年3月1日第5155号2面】

滋賀県水産品品評会 西友商店が農水大臣賞

小鮎若炊き(西友商店)
鮒寿し×つやこブルー(奥村佃煮)
奥村組合長
青年部はPR販売会を運営
 【大阪支社】滋賀県水産加工業協同組合(奥村龍男組合長)が主催する、第39回滋賀県水産物加工品品評会が2月16日、滋賀県草津市の近鉄百貨店草津店で開催された。
 出品された中から、農林水産大臣賞に西友商店の「小鮎若炊き」、水産庁長官賞に奥村佃煮の「鮒寿し×つやこブルー」、滋賀県知事賞に山喜食品の「氷魚葉山椒煮」、県議長賞に松田魚伊商店「うなぎ山椒煮」がそれぞれ選出された。
 古源の「えび飴煮」はびわこビジターズビューロー会長賞、魚重産業の「鮎甘露煮」は滋賀県食品産業協議会会長賞、中弥の「天然本もろこ甘露煮」は滋賀県漁業協同組合連合会会長賞を受賞した。
 主催者を代表して奥村龍男組合長は「今回も品質、加工技術ともに選りすぐりの製品が審査された。近年、伝統性にとらわれない、若年層の関心を引く製品が開発・販売されており、佃煮や鮒寿し文化の継承を期待している」と挨拶した。
 審査委員長の澤田宣雄氏(滋賀漁協連合会専務理事)は「もろこ、鮎など湖魚の原料不足は年々深刻だ。さらに、消費者の佃煮・煮豆、鮒寿し離れも進んでいる。原料調達と消費拡大の両方に努めて欲しい」とコメントした。
青年部でPR販売会を運営
 農林水産大臣賞を受賞した西友商店の長澤淳執行役員(代理出席)は、「受賞製品は、琵琶湖で獲れた小鮎を浅炊き風に炊き上げ、山椒を入れて風味豊かに仕上げている。歴史のある本品評会で栄誉を授かり大変光栄だ。当社一同励みになる」と謝辞を述べた。
 水産庁長官賞を受賞した奥村佃煮の奥村龍男取締役会長は「一般的な鮒寿しは卵を持つメスを用いるが、本商品はオスを使用し、卵の代わりにお腹にブルーチーズを詰めている。鮒寿しとブルーチーズのダブル醗酵を楽しめ、洋酒との相性も抜群だ」と自慢の逸品であることを語った。
 なお、主催者の滋賀県水産加工業協同組合の青年部は、品評会に併せ、2月16日~18日の3日間、同百貨店1階のイベントスペースで販売会を実施。組合企業の鮒寿し、エビ豆などの一般消費者へのPRに励んだ。初日の午前中に夫婦で1万円分の商品を購入する人もいた。
【2024(令和6)年3月1日第5155号2面】

籠長本店 「AI搭載」異物除去装置導入

AI検査ボックスの稼働開始
コンベアへの取付け完了
 田作原料のカタクチイワシ
田作のさらなる品質向上目指す
【大阪支社】有限会社籠長本店(籠谷茂社長、兵庫県姫路市)は1月31日、AI搭載の異物除去装置「OKIKAE(オキカエ)検査ボックス」(以下、検査ボックス)をたつの工場へ導入し、運用を開始した。田作佃煮のメーカーとして、AI搭載の異物除去装置の導入は全国初となる。
 同社は近年特に、田作の製造へ力を入れ、原料であるカタクチイワシの調達にも自信を持つ。だが、海の産物であるカタクチイワシの異物除去作業は、自社工場で手作業のみで行い、精度向上と作業効率化を模索していた。
 昨年、籠谷社長、籠谷流星主任は、株式会社ASTINA社(儀間匠社長、東京都墨田区)製の本検査ボックスの存在をメディアで知り、ASTINA社に問い合わせたところ、籠谷社長らの次の希望条件と一致した。
 ①精度の高いAI搭載であること②ちりめんじゃこ等、カタクチイワシより小さな水産物での異物除去実績があること③数多くの水産系企業で導入実績があること。
 これらの条件を満たし、ASTINA社の杉山周二営業部長とミーティングを重ね、導入への気持ちがさらに前向きになった。
 検査ボックスは内蔵AIに、あらかじめ原料を学習させる必要があり、籠谷社長らは除去したい異物として次の7項目を選定し、原料と異物の現物、それらの特性・性質の情報提供など、内蔵AIの学習に参画した。
 検査ボックスは全項目をクリアすることができたため、導入が決定された。
 【籠長本店カスタマイズ「異物7項目」】
 ①プラスチック片②木片③ペンキ片④石⑤海藻⑥漁網⑦フグ。
 従来、食品関連企業で使用されている異物除去機は主に「色彩選別機」であるものの、同色の異物を除去できないという課題があった。しかし、検査ボックスでは、同色異物も除去可能で、カタクチイワシと同色であるフグの除去も容易だ。
 検査ボックスの設置は、コンベアに差し込むだけと簡単。ベルトコンベアから流れてきたカタクチイワシを付属のカメラで上から撮影し、搭載AIが推論を行って異物とみなしたものはエアジェットで除去される。除去された異物は、ボックスに収められ、後で確認することができる。
 ASTINA社は、AIスタートアップで、独自のディープラーニング技術は高精度。一般的に困難と言われるランダム模様や不定形にも対応する。また、AIのアップデートをすることで、付着や異形の複雑で困難な異物をより除去できるようになる。
 籠長本店の籠谷社長、籠谷流星主任は「田作の伝統的な味は守りつつも、どうすればお客様のためにより安全・安心な商品を届けられるか考えてきた。
 今回検査ボックスを導入し、商品品質向上の手ごたえを早くも実感できている。『田作に関することは籠長に聞いてみよう』と、最初に思い浮かぶメーカーになりたい」と語った。
【2024(令和6)年2月21日第5154号4面】

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