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自由民主党 漬物振興議員連盟

<漬物議連総会> 漬物と塩分の正確な情報提供を

中園会長
森山会長
武井事務局長
森山会長(左)へ要望書を渡す中園会長
 自由民主党漬物振興議員連盟(森山ひろし※会長)は18日、東京都千代田区の衆議院第二議員会館にて第6回総会を開催。議連に所属する9名の国会議員を始め、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、法務省の担当者、全日本漬物協同組合連合会から中園雅治会長、菅野行雄副会長、関口悟副会長、望月啓行副会長、林野雅史副会長ら11名が出席した。
(※ひろしは、示す偏に点のない裕)
 総会は武井俊輔事務局長が司会を務めて進行し、開会の挨拶に立った森山会長は能登半島地震の状況や今後の方針を述べた上で、「今回の総会では昨年から続く議題の議論を深めるとともに、外国人の新制度『育成就労』など新たな議題もある。業界の皆様のお話を聞かせていただき、先生方からもご意見をいただきたい」と活発な議論が行われることを期待した。
 中園会長は漬物議連の活動支援に感謝の意を示し、農家の減少及び高齢化に伴う原料確保の課題など、漬物業界を取り巻く環境について説明を行い、「業界の大きな課題として取り上げているのが漬物文化の継承、漬物を料理の素材として活用した消費拡大、漬物は塩分が高いという誤った認識を改めてもらうことの3点。これらの諸課題について一つ一つ丁寧に議論を重ねて解決の糸口を探っていきたいと考えている。引き続き議員の皆様、行政の皆様方のご理解とご支援をいただきたい」と要望を伝えた。
 中園会長より森山会長に漬物の振興に関する要望書が手渡された後、次の6議題について各担当省庁が進捗状況や取組の内容を報告した。
自民党漬物議連の第6回総会
 【1漬物の塩分に対する正確な情報の提供について】(厚生労働省)
 総ナトリウム摂取量のうち自宅調理からの摂取が最も多く、男性52・3%、女性57・1%だが、その割合は高年層に比べて若年層で低い。総ナトリウム摂取量に対して寄与率が一番高いのは調味料類で男性が61・7%、女性が62・9%。漬物(女性)は9番目で3・1%。
 【2学校教育現場における食育活動について】(文部科学省)
 食育基本法に基づき政府全体の方針としても策定されている「食育推進基本計画」においても学校給食において地場産物等の活用を推進することとされており、文科省としても地場産物等の使用を促す事業を実施するとともに都道府県の指導主事等を対象とする会議の場などを通じ、地場産物等を活用した学校給食や食育の好事例の発信を行うなど、取組を促している。
 【3営業許可申請に伴う保健所の対応について】(厚生労働省)
 営業許可制度にかかる小規模・零細営業者等への配慮については、従前から漬物製造業等を営んでいた者に対する3年間の猶予期間(令和6年5月末までに営業許可を取得)。都道府県等に対し、小規模零細営業者の事業継続に配慮するよう依頼している。
 【4生産現場における国内原料対策について】(農林水産省)
 野菜産地における集出荷・貯蔵・加工施設等の整備に対する支援の他、漬物野菜産地と漬物製造業者が連携し、製造業者が拠点事業者となる場合、加工・貯蔵施設の整備等に対する支援を受けることが可能。漬物原料野菜の生産者が実需者との直接取引による作付拡大に取り組む場合、作柄安定技術の導入等に対する支援を受けることが可能。
出席した全漬連の役員
 【5漬物製造業に対する助成について】(農林水産省)
 納品期限(3分の1ルール)の緩和等の見直しは食品ロス削減や物流効率化の観点から必要。農水省では毎年10月の食品ロス削減月間において納品期限緩和に取り組む企業を募集・公表するとともに、昨年10月には消費者団体を含む関係者が課題や解決策を共有・発信する情報連絡会を立ち上げるなど、サプライチェーン全体での取組を推進している。
 【6外国人の新制度「育成就労」について】(法務省)
 技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議で議論された見直しに当たっての基本的な考え方として、外国人の人権保護など3つの視点、技能実習制度を人材確保と人材育成を目的とする新たな制度とするなど実態に即した見直しとする4つの方向性について説明が行われた。

 その後の質疑応答では、議員より輸出の現状や今後の可能性、パンなどに合う商品の開発やレシピ作成、海外で開催される展示会でのPR、小規模事業者への支援などについて意見や質問が出された。
 最後に森山会長は、「農業基本法の見直しを行っている中で、一番大事なことは農畜産物が再生産できる価格で購入していただきたいということ。業界の方には漬物の価格を上げていただき、農家から購入する原料の価格を再生産できるものにしていただきたい。安ければ良い、というのが主流の考え方だったが、これではやっていけなくなる」と業界に要望。また、「本日は新しい食べ方に関する話もあったが、昔は高菜でご飯を巻いたおにぎりを目にしたが、現在はあまり見かけなくなった。あのようなものが出てくれば人気が出てくると思うし、どのように漬物の需要を広げていくのかということを真剣に考える必要がある」と輸出も視野に入れた需要の拡大について言及し、終了となった。
【2024(令和6)年1月21日第5151号1面】

第6回総会を1月18日に開催

 自由民主党漬物振興議員連盟(森山ひろし<しめす偏に谷>会長)は、1月18日に総会を開催する。平成29年、漬物振興に尽力する国会議員が中心となって平成29年に設立された漬物議連は、毎年総会を開催して漬物業界を取り巻く情勢を把握し、対応策を検討している。この度、第6回総会が開催されることになり、国会議員、関係省庁関係者等が出席する予定。また、漬物業界としても多数の出席が呼びかけられている。
 日時:1月18日11時~
 場所:衆議院第2議員会館 地下1階 第6会議室
【2024(令和6)年1月1日第5149号1面】
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