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ぬか・漬物の素インタビュー2024

ぬか・漬物の素インタビュー2024

有限会社樽の味 企画営業部 部長 細田幸平氏

アレルギーフリーに注力
発酵の力で満足感ある味を
 有限会社樽の味(細田幸治社長、和歌山県御坊市島)は「時代遅れの漬物屋」をキャッチコピーに、全商品において旨味調味料や保存料は使わない昔ながらの製法を守り、ぬか床や甘酒などの発酵食品を作っている。ここ数年はその技術を活かし、アレルギー成分不使用の商品も続々と開発している。細田幸平企画営業部部長は、発酵の力によって通常食にも負けない美味しさを生み出していると明かす。
(大阪支社・小林悟空)
◇    ◇
 ーアレルギーフリーに挑戦したきっかけは。
 「食品アレルギーに悩んでいる方たちの話を聞いて、私たちにできることはないかと商品開発が始まった。食品アレルギーは最悪の場合、命に関わるものであり、日々不安な思いをされている。家族や友人と同じものを食べられず本当に辛い思いをしているのはもちろんのこと、その味や香りは好きなのに食べられないという方が多い。日本国民の食品アレルギー疾患・罹患率は20年前と比べ2倍ほどに増えており、この課題に取り組む意義は大いにあると思っている」
 ー商品開発の苦労は。
 「特定原材料はどれもよく使われる食材で、一般的な調味料にも含まれており、これらを排除した状態での商品開発のハードルは高い。しかし当社は以前から添加物を使わないという方針の下で味作りをしていたので、スムーズに取り組むことができた。当社ならではの特徴が、米糀を活用していること。米糀は発酵によって強い旨味や甘みがあるため食材を制限している中でも非常に満足感ある味わいを作り出せた。糀は『糀の甘酒』造りのため和歌山県産米を自社で発酵させている。その経験が生きた」
 ーこの度「そら豆醤油」使用の2品を発売した。
 「昨年8月に『浅漬け革命』をリニューアル発売、12月に『奇跡の米粉ラーメン』を新発売した。『そら豆醤油』は当社と同じく全国ぬかづけのもと工業会に所属している株式会社高橋商店(香川県)様が開発されたもの。醤油の味は再現できずにいたので、最後の1ピースが埋まった。『浅漬け革命』は従来よりも美味しいと評価いただける味になった」
 ー反響は。
 「ずっと憧れていたものを食べられた、家族で同じものを食べられるようになった、と喜びの声を寄せていただいている。市販だけでなくホテルなど業務用でも引き合いがある。市場としてもこれから拡大していくと思っている」
 ー今後の挑戦は。
 「当社は平成11年に、当時すでに希少となっていたすっぱい沢庵を作りたいとの思いから父(社長)が創業した。以来、自然の恵みである発酵の力を借りて作る昔ながらの味を追求してきた。今後はそれを発展させて、人の笑顔と健康を作っていけるよう、漬物以外にもどんどん挑戦していきたい」
【2024(令和6)年2月1日第5152号4面】

樽の味
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