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ぬか・漬物の素 商材・企業紹介2024

2月1日号 チヨダ(埼玉県) 

熟成ぬか蔵
「和からし」がフード・セレクショングランプリ
 チヨダ株式会社(抱井麻理社長、埼玉県戸田市)では、ウェットぬか床、味付けぬか、ぬか床のメンテナンス用製品まで幅広くぬか漬け関連アイテムをラインナップしている。
 味付けぬか「熟成ぬか蔵」は水を入れたその日から本格的なぬか漬けが楽しめる商品。野菜の捨て漬けなど、ぬか床を熟成させる手間と時間を省き、忙しい現代人の日常生活に対応する。
 味わいの面では、いりぬかに昆布粉末や椎茸粉末を配合、うま味成分である昆布のグルタミン酸や椎茸のグアニル酸により、塩角のないまろやかな旨みを実現している。
 実際に「熟成ぬか蔵」を使用したユーザーからは味わいの良さを評価する声が多く聞かれ、売場でのリピート率も高い。

もみーな
 ウエットぬか床「もみーな」は製品袋に野菜を入れて揉むだけで、簡単手軽に本格ぬか漬が楽しめる商品。発酵熟成済みのぬかを使用しているため、こちらも捨て漬けの必要がなく、ぬかの「匂い」や、かき混ぜる「手間」など、今までぬか漬けが敬遠される原因となっていた問題を解決した。
 また、からしメーカーとして100年以上の歴史がある同社が、近年力を入れているのが「からし漬け」の提案。夏場は特に需要が高まるシーズンで、胡瓜や茄子などの夏野菜をからし漬けにして楽しむ愛用者は多い。
 
「和からし100g」受賞ロゴ入りパッケージ
 漬け方は簡単。「胡瓜のからし漬け」の場合、水洗いした胡瓜を拭き取り、切らずにそのままポリ袋に入れ、和からし、砂糖、塩をよく混ぜ合わせ、きゅうりにまぶすようにして入れる。袋の上から調味料を胡瓜によくもみ込み、袋の空気を抜き、輪ゴムで密封し、室温で一晩漬ければ、美味しいからし漬けが出来上がる。
 さらに手軽にからし漬けが楽しめるのが同社の「からし漬けの素」。切った野菜にまぶし、60分でからし漬けが手間なくスピード調理できる。国産ゆずや昆布を使用、旨味、風味、辛味のバランスが絶妙で、赤穂の天塩を使用することでまろやかな漬け上がりを実現している。
 
 
からし漬けの素
 「チヨダからし」ブランドの「和からし100g」「和からし30g」は昨年10月、フードアナリストによる食品・食材の審査・認定制度「ジャパン・フード・セレクション」において、最高賞となるグランプリを受賞。からし製品として初めての受賞となった。 
 同社では「和からし100g」で受賞ロゴ入りのパッケージを今春から展開する予定で、「和からし」をさらに幅広い料理に利用してもらえるようPRに力を入れていく。
【2024(令和6)年2月1日第5152号4面】

チヨダ

2月1日号 東海漬物(愛知県)

熟ぬか床
W発酵調味料配合「熟ぬか床」
 東海漬物株式会社(永井英朗社長、愛知県豊橋市)は、漬物の素カテゴリーにおいて、手軽に美味しいぬか漬けができる「熟ぬか床」を今年も2月より春夏の野菜向けに提案。また、同商品を使用して子供から大人まで幅広い年代を対象とした「ぬか漬教室」や「ぬか漬講座」を継続的に開催するなど、ぬか床市場の裾野を広げている。
 同商品は製法特許取得の「W発酵調味料」を配合した風味豊かなぬか床。「W発酵調味料」は、同社の漬物機能研究所が多数の乳酸菌の中から選び抜いた2種類の乳酸菌と一種の酵母を増殖させた調味料で、発酵によって醸し出された豊かな風味が楽しめる。
 原料の米ぬかは、食品基準を満たした玄米から得られる国産米の米ぬかを厳選して使用。国内の工場で製造している。原料の米ぬかを丁寧にふるいにかけて異物を取り除き、米ぬかと塩・水・とうがらしを混ぜ、「W発酵調味料」を配合して袋詰め。袋詰め後、加熱殺菌し、「熟ぬか床」が完成する。
 別売りの「補充用ぬか床」は、異物を取り除いた工程の後、米ぬかを加熱殺菌し、米ぬかと塩のみを混ぜ合わせた。同商品を使用すればぬか床の水分量や風味の調整が簡単にできる。
 冷蔵庫の隙間に入るコンパクトな袋タイプで、ぬか漬けをおいしく漬けられるぬか床の作り方を解説した「取扱説明書」入りで失敗なし。洗練したデザインで売場を演出する。内容量は1・2㎏で賞味期間は360日。
【2024(令和6)年2月1日第5152号4面】
 
東海漬物 HP

2月1日号 国城産業(東京都)

ぬか漬け体験
国内唯一〝いりぬか専業メーカー”
 いりぬかと漬物用塩の元祖として知られる国城産業株式会社(山﨑理香子社長、東京都板橋区)では今年、会社設立から60周年を迎える。国内唯一のいりぬか専業メーカーとして、創業以来いりぬか一筋を守り抜いてきた同社では、今後もぬか漬け文化伝承のため、高品質のいりぬか製品を作り続けていく。
 発売から50周年を迎える同社のロングセラー商品が、水を加えるだけで簡単にぬか床ができあがる「ニューぬか漬の素 ぜいたく三昧」。
 48時間以内に精米された米ぬかだけを使用した、こだわりの味付けが人気の秘訣で、乳酸発酵による自然な酸味と後味の良さも特長。繰り返し食べても飽きることがなく、「同製品でなければダメ」というリピーターが数多く存在する。
 これまでは初夏から秋口にかけてのぬか漬けシーズンの売上が突出していたが、コロナ禍を経て年間を通してぬか漬けを楽しむユーザーが増加。同商品も年間を通し安定的に売れるようになってきている。
 また体験型ぬか床キット「ぬか漬け体験」も人気を集めている。
ニューぬか漬の素 ぜいたく三昧
 「ぬか漬け体験」は、食塩、各種のダシが配合済みなので水を入れ塩もみした野菜を漬け込むだけで本格的なぬか漬けが完成する商品。他社製品が発酵済みのぬかを使用している中、同社ではあえて発酵前のいりぬかを使用。ぬか床の発酵過程を体験してもらうことを重視した。
 これまでは、ぬか漬けビギナーが通販で買い求めるケースや、小学校で食育の教材として使用されることが多かったが、コロナ禍をの巣ごもり需要を経て、家庭内で食育を兼ねて親子揃って楽しめるアイテムとして需要が拡大している。
 最近では、スーパーマーケットの他、ホームセンターにも売場が広がり、ワンシーズンだけぬか漬けを楽しみたいというユーザーからも支持を集めている。
【2024(令和6)年2月1日第5152号4面】

国城産業

2月1日号 樽の味(和歌山県)

おばあちゃんの味 熟成ぬか床スタンドパック
 
浅漬け革命
キムチ革命
奇跡の米粉ラーメン
アレルゲン不使用「浅漬け革命」
 有限会社樽の味(細田幸治社長、和歌山県御坊市)は食品添加物を使わない商品作りを守り抜いている。
 昨年8月には液体タイプの浅漬の素「浅漬け革命」をアレルゲン不使用にリニューアルした。その鍵となったのが小麦や大豆不使用の「そら豆醤油」。一般的な醤油と遜色ない旨味と香りがあり、アレルゲン不使用でも従来より美味しく進化した。
 「浅漬け革命」の特徴は、和歌山県の名産である南高梅から抽出される「梅酢」と、白菜漬けの漬け汁を入れている点。これにより野菜を短時間漬けるだけで、旨味のある漬物らしい味わいを作れるようになっている。
 商品はペットボトル入、常温保管で賞味期限は一年のため保管しやすい。液体タイプなので最短1時間で漬かるため食事前に準備してもすぐに食べられる手軽さだ。
  漬物の素ではこの他にも、干し沢庵のぬかを詰めた「漬けもん屋のぬか床」、「おばあちゃんの味 熟成ぬか床スタンドパック」が人気商品。キムチ漬を手軽に作れる、粉末タイプの「キムチ革命」も徐々に導入先を増やしている商品だ。
 また近年は食品添加物だけでなくアレルギー成分も使わない商品開発に力を入れている。これまでにも、甘酒と豆乳を活用してつくられた「牛乳も小麦も使わないのにとってもおいしいホワイトソース」や、麹の力と魚介出汁をふんだんに利用してつくられた28目アレルギーフリーの「鍋つゆ」などを開発してきた。
 そして昨年12月に新発売したのが「奇跡の米粉ラーメン」だ。麺には米粉、スープのベースは「そら豆醤油」を採用しており小麦、大豆は不使用。また鹿肉から出汁を取ることで、牛、豚、鶏を使わずにラーメンらしいこってり感を生み出すことに成功した。
 鹿は害獣として捕獲され、その鹿肉の一部はジビエとして食されるものの、約90%は廃棄されているのが現状。同社はラーメン出汁として鹿肉を活用することで、資源の有効活用にも貢献しようと意気込んでいる。
【2024(令和6)年2月1日第5152号4面】

樽の味

2月1日号 コーセーフーズ(岐阜県)

ラップdeカンタンぬかチューブ
こうじや里村 洋風ぬか漬の素
ちょっと贅沢なぬか床
 「ぬかチューブ」強化中
 株式会社コーセーフーズ(里村俊介社長、岐阜県揖斐郡)は、2020年に発売して以来大きな話題を呼んだ「ラップdeカンタンぬかチューブ」のさらなる定着を図っている。
 「ぬかチューブ」はラップに絞って塗りひろげ、野菜や肉・魚を包み込むだけでぬか漬が完成する。ぬか漬初心者でも食べやすいよう、リンゴ酢を加えたフルーティな味わいが特徴。
 かき混ぜなどの管理が一切不要で、手を汚さずに漬けられる簡単さと、発酵食品を取り入れ免疫力を高めたいというニーズを捉え、多数の量販店・ドラックストアで導入された。その好評ぶりがマスメディアにも度々取り上げられ、さらに売上を延ばす循環を生んできた。
 ぬか床の管理は難しいという先入観は根強いため、同商品が誕生したことでぬか漬に初挑戦して美味しさを知る人は確実に増えている。
 また昨年から青果売場専用商品として「こうじや里村 洋風ぬか漬の素」も発売している。ぬかにハーブ(バジル)とスパイス(黒胡椒)、さらにブドウ酢を加えた。爽やかな香りが野菜の美味しさを引き立てる。
これまでぬか漬に関心を持たなかった人々にもアピールするため新しい売り場、新しい味での挑戦を続けている。
 チューブ入り商品はこの他、「おうちdeかんたんキムチ用チューブ」「和えても漬けても麹チューブ」を発売中だ。スタンドパック入りのぬか漬けの素では、プレミアム志向な商品として「ちょっと贅沢なぬか床」を発売した。ぬか床用に選定した乳酸菌と酵母、玄米麹を使用し、水の替わりに旨味を豊富に含む「だし」で仕込んでいる。濃厚な旨みと、本格的な発酵感があり「これこそ本来のぬか漬」と言われるような味を目指している。
 高級スーパーや百貨店、セレクトショップ、通販などの販路開拓を目指していく。
塩こんきゅうりの素
 浅漬の素では「塩こんきゅうりの素」が年間売上100万個を突破する人気商品だ。乾燥昆布と昆布エキスを使用した、さっぱりとした味わいの浅漬ができあがる。
 同社はインターネット上での発信にも力を入れている。自社ではレシピサイトの「漬けるドットコム」や「簡単&時短with発酵レシピ」を運営し料理動画や、発酵食品に関する知識を公開している。またSNSではインフルエンサーとのコラボレーションも取り組み、成果を上げている。
【2024(令和6)年2月1日第5152号5面】

コーセーフーズ

2月1日号 秋本食品(神奈川県)

漬物屋のぬかどこ
漬物屋のぬかどこ 
 秋本食品株式会社(秋本大典社長、神奈川県綾瀬市)は、通年商品として「漬物屋のぬかどこ」を展開。簡単に美味しいぬか漬を作ることができるアイテムとして支持されている。
 同商品は家庭で手軽においしくスピーディーに、好きな野菜を漬けて食べられるぬか床。ぬか漬初心者やワンシーズン使いの人にも手に取りやすい商品設計で、商品形態は冷蔵庫で立たせられるジップロック付のスタンドパックを使用。そのまま野菜を袋に入れることで漬けられる。
 裏面には使用方法、お手入れ方法を見やすく記載。その他、困ったときの対処法や野菜の下準備方法、漬け時間の目安を同社HP(https://www.akimoto.co.jp/product/nukadoko/)に掲載している。
 国産米ぬか使用で、ビフィズス菌を配合。使い勝手だけではなく、味の面でもクセのない味に仕上げている。内容量は1㎏で賞味期限は120日間。
【2024(令和6)年2月1日第5152号5面】

秋本食品

2月1日号 長﨑産業(石川県)

業務筋へ煎りぬかを提供
煎りぬかOEMに専念
 長﨑産業株式会社(長崎成任衛社長、石川県金沢市)は、北陸3県を中心に全国のコメ、ぬかを取り扱う。
ぬかの取扱高では有数の規模を誇り、米油・漬物用からきのこ床向けまで広く扱っている。
 漬物用のぬかについては、これまで自社ブランド「煎ぬか」の製造を休止し、フレコンと15kgのみのOEM製造に絞っていく。
 しかしこれはぬか事業の縮小は意味せず、むしろ委託製造に集中することで、品質向上や生産効率の更なる向上を図る狙いがある。長崎社長は「今後は選択と集中が商売の命運を分ける」と狙いを語る。
 白山市の製造工場にはそのために特化した設備を導入するとともに、品目を絞ることで複雑だった製造ラインを直線的に組み換えることに成功。生産効率を大きく改善した。
 自社ブランドでの販売を休止することについて、長崎社長は「OEM製造の強化を徹底することにより、ぬか製造業の土台を支え、ぬか漬文化の維持に貢献したい。当社の製品と委託製品がバッティングすることもなくなり、営業面でもスムーズになる」と取組に自信を見せた。 
 ぬか原料の確保力が強みの一つであり、米処である北陸産を中心に、コメ、玄米、米ぬかと幅広く扱うことで築いたパイプを活かし原料確保に努めている。
 コメに関しては主食用だけでなく米粉用や加工用、中米・くず米も扱っている。適正価格での取引を大切にすることで、仕入先・仕向先双方からの信頼を得ている。
 なお1月1日に発生した能登半島地震では会社や社員への被害は免れた。長崎社長は「取引先や身近なところに被害があり計画の見直しに迫られた。被害地域への支援にも取り組みたい」と話している。
【2024(令和6)年2月1日第5152号5面】

長﨑産業

2月1日号 高橋商店(香川県) 

ヤマモの育てるぬか漬パック
食育に「育てるぬか床」
 株式会社高橋商店(大野英作社長、香川県小豆郡小豆島町)は1852年創業、醤油やぬか漬けの素を製造している。
 「ヤマモの育てるぬか床パック」スタンドパック入りの味付け済みぬか床で、水と具材(野菜い)を入れるだけでぬか床作りを始められる。市場にはより簡便な発酵済みタイプのぬか床も増えているが、本商品は日を追うごとに発酵が進んでいくのを体感できる。手間がかかることを価値へと転換している。
そら豆醤油
 大豆・小麦を使わず、そら豆と食塩で作った「そら豆醤油」も注目の商品。アレルギー表示対象27品目の原材料を使っていない。
 濃口醤油と変わらないうま味成分を含んでおり(全窒素1.65程度)、濃口醤油として違和感なくかけ、醤油、煮物に使用できる。また、濃口醤油に無いまろやかな味わいを持っている。
 【2024(令和6)年2月1日第5152号5面】

高橋商店


2月1日号 伊勢惣(東京都)

仕上りぬかみそ
発酵ぬかみそ 漬けるだけ!
みやここうじ四角型200g
 乳酸菌が生きている「仕上りぬかみそ」
  株式会社伊勢惣(足立功社長、東京都板橋区)は、全国に幅広く流通する乾燥こうじ「みやここうじ」の製造元として知られている。
 また、自然発酵技術を生かし「熟成ぬか床」を昭和60年代に発売。現在のぬか床ブームの火付け役となった。その後も時代のニーズに合った新商品開発を積極的に行っている。
 新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が増加し、家庭で楽しみながらできる商品としてぬか床の利用者が急増。同社のぬか床製品の売れ行きも大幅に伸長した。
 巣ごもり需要は落ち着いたが、ぬか漬の優れた健康機能性や手軽にできることが支持され、一定数以上のユーザーがぬか床の利用を継続。すぐに漬けることができる同社の「熟成済みぬか床」は堅調な動きを見せている。
 同社のぬか床の特徴は、乳酸菌と酵母が生きている製品であること。生きている乳酸菌と酵母の活動によって栄養が野菜に染み込むとともに発酵を促す。
 植物性乳酸菌が豊富に摂れる他、漬けて水分が抜けた分だけビタミンや食物繊維、カルシウム、カリウムなどの栄養素が凝縮され、栄養成分たっぷりの「ぬか漬」を手軽に摂取することができる。
 まさに、乳酸菌と酵母が生きているからこそなせる〝業〟。乳酸菌と酵母が生きているとガスが発生するため、同社ではチャック開封タイプの包材等を採用し、袋が膨らまないようにしている。乳酸菌と酵母が生きているといないとでは野菜の漬かり方と味が大きく変わってくる。同社の「ぬか床」と他社製品の違いはここにある。
 主力商品の「仕上りぬかみそ」(1㎏、1・2㎏)は、パックがそのまま漬け容器になり、チャック開封タイプのため匂いが外に漏れないよう設計。手軽に本格的なぬか漬ができるアイテムとして定番となっている。
 その他、タル詰め(2・3㎏、熟成済ねりぬか1・8㎏+補充用味付椎茸ぬか500g)、つかっ樽(2㎏、熟成済ねりぬか1・5㎏+補充用味付椎茸ぬか500g)、ぬか漬け達人(1㎏)など、豊富なぬか床製品をラインナップしている。
 食品ロス削減にもつながる『余った野菜、ぬか漬けにしてみませんか?』をコンセプトにした「発酵ぬかみそ 漬けるだけ!」は、世帯人数の減少や個食化のニーズにマッチし、ぬか床初心者にもオススメの一品だ。
 内容量は350gとぬか床最小タイプで、9~10回の使い切りタイプ。冷蔵庫保管で場所を取らず、野菜を漬けるだけで誰でも簡単に美味しいぬか漬を作ることができる。ぬか床を始めたい、ぬか床を使ってみたいという初心者やライトユーザーにぴったりの商品で、ぬか漬を少しだけ食べたい人(高齢世帯、単独世帯、少数世帯)にもオススメのアイテムだ。
 同商品は大手量販店でも定番として販売されている他、青果物を扱うドラッグストアやCVSにも納入。売場は青果、日配、ドライと多様で、健康機能性や食品ロス削減の観点からも認知が広がり、着実に裾野を広げている。賞味期限は180日で保存方法は常温。
 最もブランド力のある麹製品として認知されている「みやここうじ」も安定した動きを見せている。2012年の塩麹ブーム、2016年の甘酒ブーム、2018年のこうじ水ブーム…。数年に一度の周期で麹を利用して作られたものが注目を浴びて大ヒット。ここ1、2年では「発酵あんこ」や「豆乳甘酒」などが話題になっている。
 同商品の規格は200gタイプに加え、500gパックや業務用1㎏もラインナップしている。
 【2024(令和6)年2月1日第5152号8面】

伊勢惣 

2月1日号 つけもと(奈良県)

おいしいぬか床
「加熱水蒸気焙煎」の米ぬか
 つけもと株式会社(松井義明社長、奈良県北葛城郡河合町)は家庭用漬物の素の総合メーカー。米ぬかを過熱水蒸気で焙煎する技術が注目されている。ぬか床だけでなく、菓子や飲料に同社のいりぬかを利用しようと、業務筋から引き合いが増えている。
 生の米ぬかは油分やタンパク質が多いため酸化による品質劣化が早く、雑菌も繁殖しやすい素材である。加熱していりぬかとして扱うのが一般的だが、粉体であるため均一な加熱が難しい。
おいしいぬか床 粉末
 同社はこの米ぬかの焙煎を、沸騰させたお湯から発生する蒸気をさらに高温度に加熱(170℃以上)した過熱水蒸気で行う。過熱水蒸気はガス状で存在して非常に高い伝熱性を持ち、物体を乾燥させる特性を持つ。過熱水蒸気で満たした装置内はほとんど無酸素状態になるため、米ぬかを瞬時に、均一に、酸化させることなく焙煎することが可能となる。こうして出来た高品質ないりぬかを、最小でメッシュサイズ60M(約0・25㎜以下)から用途に応じたサイズで提供している。
 飲料やお菓子に使うメリットは香ばしい香りと健康的なイメージだ。玄米の栄養豊富な表皮部分を集めたのが米ぬかである。
 

とろける米ぬかパウダー
 自社商品としては、きな粉のように使える「とろける米ぬか」を発売している。
 勿論、ぬか床においても過熱水蒸気焙煎は品質向上に貢献している。長期間漬けるぬか漬において雑菌の繁殖は大敵である。
 量販店では、スタンドパックタイプのぬか床が好評であり、中でも「おいしいぬか床」は、発売から2018年に発売して以来、瞬く間に同社のスタンドバック売上トップに躍り出た注目商品となっている(今年で創業92年)。
 かき混ぜを敢えて行わず、パン酵母を用いて低温でじっくりと〝リラックス発酵〟させて作っている。松井社長は「気温が低いと雑菌が繁殖しづらく、発酵はゆっくり進むので味に深みが出る。日本酒や味噌でも、『寒仕込み』が良いとされてきた」と話す。
だし漬の素
 隠し味にレモン酢と米麹も配合したことで、すっきりした酸味とまろやかな旨みを持つ、他のぬか床とは一線を画す味わいが特徴のぬか床となっている。パッケージデザインもおしゃれで、若年層からの反応も良く、ぬか漬ブームの拡大に一役買っている。足しぬかに便利な粉末タイプもある。
 またクラフト袋入りの「だし漬の素」は、農産物直売所や通販で人気の商品。昆布だしを利かせた醤油風味のやさしい旨味はどんな野菜とも相性が良く、ご飯が進む漬物が出来上がる。
 この好評ぶりを受けて、量販店向け商品も開発中だ。
【2024(令和6)年2月1日第5152号8面】

つけもと

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