香味小夜子ブランド創設30周年記念式典
2014年に創業100周年を迎えた丸越はこれまで、1968年にフランチャイズ方式での多店舗展開開始、1988年に香味小夜子ブランド創設、2013年に新感覚彩果漬ブランド「ピクレッドサラダ」「ベジリエ」創設、2017年に浅漬初のJSH減塩食品アワード認定と、業界に先駆けた数多くの取り組みを実施して来た。ブランド創設から30年が経過し、雇用や生産を取り巻く環境の変化、流通再編など大きな転換の時を迎える業界にあって、今後は次の30年、またその先に向けたさらなるブランド構築を図る方針だ。(門馬悠介)
香味小夜子ブランドを創設した1988年は、多くの海外有名ブランドが話題となる、非常に景気が良い時代だった。そうした中、現在の野田幸男名誉会長が漬物業界にもブランド商品を、と創設したのが香味小夜子ブランドで、瞬く間に愛される存在になった。小夜子というネーミングは、飲みに行くことが多かった時代、締めのお茶漬けのお供になるようにと、小さい夜の子と名づけられた。我々現役社員としては次の30年に向けて頑張って参りたい。皆様には厳しい目でご指導をお願い致します。(事業戦略説明は本紙にて)
当日は晴天にも恵まれ、式典は正午より開始。過去に放映された香味小夜子ブランドテレビCMの紹介などを経て、来賓挨拶は10年以上にわたり同社のパートナーを務める、KAKU・サテライト・クッキングの加来良子代表、乾杯発声は株式会社扶桑守口食品の曽我公彦社長が務めた。このほか会場では香味小夜子の商品を使ったアレンジレシピが用意され、参加者はその場ならではの味に舌鼓を打った。
また常務取締役営業本部長の野田豊嗣氏は御開きの挨拶にて、今後のブランド展開について言及。「食の多様化によりお客様のニーズが変わって行く中でも、老若男女問わず健康志向は根強い。漬物の主原料である野菜の摂取は、健康維持のため強迫観念のように捉えている方も少なくない。全国130を超える専門店を持っていることや商品開発力といった私どもの強みを生かし、お客様のニーズに応えた〝美味しい野菜を食卓に〟上げられるような食品を提案して行きたい」とした。
第64回 全国水産加工たべもの展・表彰式
なお塚正泰之審査委員長が発表した審査講評は次の通り(抜粋)。
【水産ねり製品】珍味や惣菜的な製品が多く、昔ながらのかまぼこ特有の弾力を売りにする製品が少なく感じられた。しかしこうした目新しい商品が出てくることは出品者の意欲の現れであると感じられた。
【水産物つくだ煮】保存料を加えず薄味に仕上げるために要冷蔵とした製品が増えた。また審査員からはつくだ煮を単独で食べさせるよりも他の素材と混ぜて食べるなど食べさせ方を工夫してはどうか、などの意見もあった。
第14回山形県漬物展示品評会
「蔵王クリームチーズ粕漬」が農林水産大臣賞
地域ブランド力を高める
山形県漬物協同組合(近清剛理事長)は2018(平成30)年2月16日から4日間に渡り、「第14回山形県漬物展示品評会~山形県漬物祭り~」(本間光廣実行委員長)を開催。17日に山形市の山形グランドホテルで表彰式並びにレセプションが行われた。
総出品数は169品で、東京家政大学の宮尾茂雄教授を審査委員長とする8名の審査委員は16日に山形市の山形県工業技術センターで審査会を実施。1次と2次に分けて厳正な審査を行った。その結果、株式会社本長(本間光太郎社長、山形県鶴岡市)の「蔵王クリームチーズ粕漬」が農林水産大臣賞を受賞した。
続いて株式会社三奥屋(近清剛社長、山形県東置賜郡高畠町)の「山形おみづけわさび」が農林水産省食料産業局長賞、株式会社渡辺近七商店(渡辺勉社長、山形市大字常明寺)の「さくらんぼ漬」が東北農政局長賞をそれぞれ受賞。その他、山形県知事賞、山形県議会議長賞、全日本漬物協同組合連合会会長賞、東北漬物協会会長賞、山形県中小企業団体中央会会長賞、山形県食品産業協会会長賞、株式会社食料新聞社社長賞、山形県漬物協同組合理事長賞の各受賞者も発表された。
4年に一度の開催で『漬物オリンピック』とも呼ばれる展示品評会は県内漬物業者が県産漬物の品質の向上と流通、消費拡大を意図し、同県漬物業振興発展に寄与することを目指すべく組合員が総力を挙げて開催している。
17日から3日間に渡って山形市の大沼デパートで各賞受賞品の即売会が開催されて好評を博した他、16日の審査会と即売会会場で「やまがたの発酵漬物コーナー」が設置されて試食会が実施されるなど、若い世代に向けた新しい漬物の開発・提案、地域ブランド力の向上といった、金メダル以上に価値のある〝収穫〟が多い品評会となった。
【2018(平成30)年2月26日第4924号1、2~4面】
山形県漬物協同組合 http://www.tsukemono-japan.org/yamagata/kumiai/index.htm
第64回全国水産加工たべもの展
当日の審査は、前回を上回る応募総数1040品(水産物つくだ煮350品、加工昆布335品、節類194品、水産ねり製品161品)から一次審査・二次審査を突破した81品を対象に実施。審査委員長には近畿大学農学部教授の塚正泰之氏が就き、厳正な審査を行った。なお、表彰式は3月23日に行われる予定となっている。
漬物Gなど積極的参加を
関口悟専務理事の司会の下、はじめに籠島理事長による開会の挨拶が行われた。籠島会長は「全漬連は野﨑新会長の下新体制が発足し、近前会長からの引き継ぎ事項でもある賦課金の計算方式見直しもコンセンサスが取れ、来年度からの導入に目途がついたことが大きな収穫だ。自民党漬物振興議連も設立され、外国人技能実習評価制度もまずは3年間の実習期間の早期導入を進めていくべきという声が上がった」とし「各都府県の皆様のサポートご支援、ご理解、ご協力をお願いしたい」と挨拶した。また、全漬連が主催するようになってからの漬物グランプリが盛り上がりを見せる一方で東京地区からの参加が少ないことを指摘し、他の各事業も合わせて積極性を持ち結束すべきことを呼びかけた。
来賓祝辞には東京都立食品技術センターの宮森清勝所長が「食品技術センターは、伝統食品の漬物の付加価値化について乳酸菌の付与など独自の漬物開発を進め結果が出てきた」と挨拶。その他、食品技術センターでは改修工事も終わり、機器の貸し出しも増設されたことが報告された。新商品開発に対する助成も引き続き行っていくという。
続いて全日本漬物協同組合連合会の藤川研四郎専務理事も来賓祝辞を行い、事業運営報告では「賦課金の施策は一昨年からWGを組織し具体策がまとまってきた。自民党漬物振興議連では望月義夫元環境大臣が会長となり期待を集めている」とし「各企業のHACCP実行可能性に応えることができる手引書を年度内にまとめていきたい」と話した。また、漬物技能評価試験の実施時期や方法も検討し直されており、今年8月から9月上旬の実施案が出されている。
来賓紹介、祝電発表の後には宇都宮大学の前田安彦名誉教授が声高々に乾杯発声を行い、組合員は新年最初の懇親会に移った。途中、来賓として自民党・菅原一秀衆議院議員が登壇し挨拶を述べた。閉会にあたっては泰地武常任顧問が「原料も年明けから困難な状況が続いているが、元気を出してこの1年間を頑張っていきたい」と中締めを行い、閉会の辞を高見健二副理事長が述べて新年賀詞交歓会は盛会裏に終了した。