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漬物研究同志会2024

<漬物研究同志会>「川越視察研修会」開催 河村屋川越店で“漬物寿司”

河村屋川越店で(前列右が染谷社長)
漬物寿司が楽しめる「春プレート」
松本醤油店にて
川越パターテで(前列右から三人目が金児社長)
 漬物研究同志会(近清剛会長)は4月12日、女子会主催のスタディツアー「川越視察研修会」を開催した。
 スタディツアーには、東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄氏をはじめ15名が参加。近年、蔵造りの町並みが人気を集めている埼玉県の川越にて、河村屋川越店や新進グループの川越パターテ、松本醤油商店などを視察した。
 一行はJR川越駅に集合。小林登事務局長から当日のスケジュールなどについて説明が行われた後、河村屋川越店の松岡由起店長が川越の歴史や近年のトレンドを紹介しながら川越市内を案内。氷川神社や菓子屋横丁といった観光スポットを回った。
 その後、河村屋川越店にて、河村屋の染谷静香社長の出迎えを受け、昼食として「漬物寿司」を楽しんだ。同店は昨年8月にリニューアルを行い、店舗内に飲食スペースを設置。明るくモダンな店内では、旬の食材を使用した漬物寿司を提供、地ビールや地酒と共に楽しめると若い世代からも好評を博している。 
 漬物寿司のネタは、漬物にチーズや薬膳を組み合わせることで、食材のマリアージュを意識。当日のメニュー「春プレート」は、春キャベツや筍など旬の食材を使用した漬物に、ゴーダチーズや燻製オリーブオイルなどの洋風食材を合わせた漬物寿司の他、薬膳バーニャカウダやかき揚げを盛り合わせた色鮮やかな一皿。華やかな外観とその美味しさに一行から感嘆の声が漏れた。
 染谷社長は同社の取組について説明。現在、マーケティング、ブランディング、PRの3点に力を入れており、優秀な人材の採用やDX化を推進していること。また今後は浅草店のリニューアルを行い、増加するインバウントへ対応していくことなどを目標として語った。
 続いて、一行は川越で約250年続く蔵元である松本醤油店を訪問。松本公夫社長の説明を聞きながら醤油蔵を見学した。
 さらに、川越パターテでは、パターテ・ジャパンの金児裕子社長の出迎えを受け、川越名物のさつまいものジェラートやニョッキなどの人気メニューに舌鼓を打った。
 JR川越駅に戻り、川越視察研修会は終了。吉川絵美子幹事の挨拶により、散会となった。
【参加者(順不同・敬称略)】
 宮尾茂雄(東京家政大学大学院)、吉川絵美子(吉岡屋)、藤原静子、渡辺真里子(東京中央漬物)、染谷静香、松岡由起(河村屋)、萩原友美(萩原食品)、宮城恵美子(宮城商店)、山田摩耶(若菜)、遠山昌子(赤城フーズ)、腰塚美帆子(秋本食品)、星由夏(酒井甚四郎商店)、小林登(事務局)
【2024(令和6)年5月1日第5161号2面】

<漬物研究同志会> 第44回総会を実施 インターンシップ生の実習報告も

近会長
宮尾名誉会長
小林事務局長
関口社長
 漬物研究同志会(近清剛会長)は5日、東京都千代田区のAP東京丸の内にて、第44回総会及び東京家政大学管理栄養学科学生による株式会社吉岡屋でのインターンシップ実習報告、同大学大学院客員教授で一般社団法人全国漬物検査協会会長でもある宮尾茂雄名誉会長による講演会が開催された。
 第1部の総会は、小林登事務局長が司会を務めて近会長が開会の挨拶を行い、「本日も色々な勉強をさせていただきたいと思っている。全国の皆さんと集まれる機会はあまりないので、事業の規模も関係なく親交を深めていただきたい」と語った。
星氏
 令和5年度事業報告及び収支報告、令和5年度監査報告、令和6年度事業計画は原案通り承認、可決。事業計画では7月に視察研修会、11月に東京家政大学卒業生OGとの漬物談義を予定。また、コロナで中止していた海外視察研修会も検討していることが報告された。女子会スタディツアーは4月12日に、株式会社河村屋川越店で実施する。
 新会員紹介では昨年9月に入会した株式会社酒井甚四郎商店広報の星由夏氏と今年1月に入会した関口漬物食品株式会社の関口悟社長がそれぞれ自己紹介を含めて挨拶を行った。
修了証を授与された飯塚さん(中央)を祝福する近会長(左)と吉川幹事
漬物研究同志会の総会
 第2部の活動報告では、吉岡屋でインターンシップ実習を行った東京家政大学管理栄養学科の飯塚日菜乃さんが内容を報告。漬物が好きでよく食べていることや吉岡屋の漬物を使ったアレンジレシピ実習に興味を持ち、インターンシップに参加した。
 実習内容は漬物の効果・歴史、アレンジレシピ開発・試作・試食、SNSの投稿、漬物の販売など。アレンジレシピでは、漬物に苦手意識を持った子供をターゲットにした「ちくわごぼうの肉巻き」とお酒好きの大人にオススメの「奈良漬マリネ」を考案。ポイントを捉えたPOPも作成した。
 昨年8月から9月にかけて計7回のインターンシップ実習を通して学んだことについては飯塚さんは、「漬物は乳酸菌を豊富に摂取でき、美肌や腸活、肥満防止にも貢献できる。ただ美味しいというだけでなく、体へのメリットが多いということが分かった。1日1回は取り入れることを心がけている」と理解を深めたことを明かし、「若い人にも漬物の魅力を知ってもらい、効果やアレンジ方法を発信できたらいい」とまとめた。最後に吉岡屋の社長でもある吉川絵美子幹事より修了証が授与された。
 続いて令和5年秋の叙勲・褒章で前田食品工業有限会社の前田節明会長が黄綬褒章を受章したことが報告され、前田会長は「天皇陛下に手が届くところで私の話を聞いていただいたことは宝物」と皇居で天皇陛下に拝謁した時のエピソードを披露し、謝意を示した。
 講演会は宮尾名誉会長が「香辛料」の演題で講演。本題に入る前に年代別1人1日当たり漬物消費量、1人1年当たりの漬物購入額の推移、人口減少と産業の衰退、世界で人気の高い日本食について解説。漬物需要の促進として、「和食文化をPRする場合は米食を増やすことで伝統的な食文化のプラスになる。また、塩との関係についても漬物に含まれる塩分量は他の食品と比べても高くはない。それよりも野菜に含まれるカリウムが大事なので、そのPRが必要。塩分(ナトリウム)と野菜等(カリウム)の摂取バランスを表すナトカリ比の概念を普及させることが重要だ」と指摘した。
 香辛料のテーマでは、分類や基本作用、加工食品における位置付けなどについて、「香辛料の主な作用として矯臭や賦香、辛味、着色がある。その他、防腐、抗菌、抗酸化作用もある。漬物と香辛料は遠い位置にいるかもしれないが、若い人に受けるものが生まれる可能性もあるので本日の資料を取っておいて、活用していただきたい」と話し、各スパイスの特徴を説明した。
【2024(令和6)年3月11日第5156号5面】
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