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ぬか・漬物の素インタビュー2024

「ものづくり県」愛知特集 クローズアップ

株式会社宏昌食糧研究所 代表取締役 堀川敬生氏

「文化」伝える漬物の素
西尾特産の抹茶製品も好評
 株式会社宏昌食糧研究所(堀川社長、愛知県西尾市)は、ぬか床をはじめとした漬物の素を製造販売している。
 看板商品のひとつがぬか漬けの素「百年床」だ。三河地域特産品であり、甘みと香りの強い白醤油もろみ(絞り粕)を加えているのが最大の特徴であり、他にはない独自の風味と旨味が楽しめるぬか漬の素となっている。
 水を混ぜてその日から野菜を漬け始められる。一般的にはぬか床は乳酸菌を増やすための「捨て漬」をする必要があるが、本品は発酵食品である白醤油もろみの力で初日から美味しく漬け上がる。
 また本品は30年以上前に発売したロングセラー商品だが、今年3月より真空パックにリニューアル、賞味期間を18カ月とした。栄養豊富なぬか床は、菌の増加や酸化のリスクが高い食材である。真空パックにより安全で美味しさが長持ちするようになり、海外出荷も視野に入るようになった。

 ぬか漬の素 百年床
 他にも、辛さの中からかつおが香る和風キムチの「即席サランキムチの素」や、三河特産品である味醂の粕を用いた「熟成味付けみりん粕(2㎏)」など、独自性の高い製品を揃えている。
 同社の創業は1944年。貧しかった日本の食糧事情を改善するため、家庭で味噌や醤油を仕込むための食用菌を販売する会社として創業。大学などと共同で研究をしていたことから、研究所という社名になった。
 戦後は農協婦人部とともに味噌や漬物作りの指導を積極的に行い、1960年に漬物の素を開発。主力商品となっていった。
 堀川社長は「ドレッシングは、いつでも同じ味の美味しさを再現できるもの。一方、漬物作りでは作り手の技術と時間、発酵が絡んでくる。毎回違った表情を見せてくれるのが面白いところ。当社は製品だけでなく、その精神性や文化まで伝えることが使命だと考えている」と熱意を込めて語る。

 西尾特産の抹茶製品も好評
 「自分で食材を選んで、漬け具合を考えて手作りするのに勝る喜びはない。胡瓜や人参などの定番の野菜以外にも、茗荷のような一癖ある素材や、果物を漬けても良い」と手作りならではの自由さも魅力の一つだと話した。
 漬物の素の他には、西尾市の特産品である抹茶を使ったアイスの素やホットケーキミックスが順調だ。2016年に海外の催事に出店した際、スイーツ市場の活況を目の当たりにしたことから、帰国後すぐに抹茶製品の開発に着手、翌年に発売まで至った。
 「ゼロから始めたスイーツ作りが転機になった。愛知や西尾にはまだ魅力を知られていない良いものがたくさんある。来年で60歳になるが、当社の力で何かができないかを考えているとワクワクする」と堀川社長。現在も新事業に向けて準備を進めている。
【2024(令和6)年6月21日第5166号9面】

宏昌食糧研究所

ぬか・漬物の素インタビュー2024

有限会社樽の味 企画営業部 部長 細田幸平氏

アレルギーフリーに注力
発酵の力で満足感ある味を
 有限会社樽の味(細田幸治社長、和歌山県御坊市島)は「時代遅れの漬物屋」をキャッチコピーに、全商品において旨味調味料や保存料は使わない昔ながらの製法を守り、ぬか床や甘酒などの発酵食品を作っている。ここ数年はその技術を活かし、アレルギー成分不使用の商品も続々と開発している。細田幸平企画営業部部長は、発酵の力によって通常食にも負けない美味しさを生み出していると明かす。
(大阪支社・小林悟空)
◇    ◇
 ーアレルギーフリーに挑戦したきっかけは。
 「食品アレルギーに悩んでいる方たちの話を聞いて、私たちにできることはないかと商品開発が始まった。食品アレルギーは最悪の場合、命に関わるものであり、日々不安な思いをされている。家族や友人と同じものを食べられず本当に辛い思いをしているのはもちろんのこと、その味や香りは好きなのに食べられないという方が多い。日本国民の食品アレルギー疾患・罹患率は20年前と比べ2倍ほどに増えており、この課題に取り組む意義は大いにあると思っている」
 ー商品開発の苦労は。
 「特定原材料はどれもよく使われる食材で、一般的な調味料にも含まれており、これらを排除した状態での商品開発のハードルは高い。しかし当社は以前から添加物を使わないという方針の下で味作りをしていたので、スムーズに取り組むことができた。当社ならではの特徴が、米糀を活用していること。米糀は発酵によって強い旨味や甘みがあるため食材を制限している中でも非常に満足感ある味わいを作り出せた。糀は『糀の甘酒』造りのため和歌山県産米を自社で発酵させている。その経験が生きた」
 ーこの度「そら豆醤油」使用の2品を発売した。
 「昨年8月に『浅漬け革命』をリニューアル発売、12月に『奇跡の米粉ラーメン』を新発売した。『そら豆醤油』は当社と同じく全国ぬかづけのもと工業会に所属している株式会社高橋商店(香川県)様が開発されたもの。醤油の味は再現できずにいたので、最後の1ピースが埋まった。『浅漬け革命』は従来よりも美味しいと評価いただける味になった」
 ー反響は。
 「ずっと憧れていたものを食べられた、家族で同じものを食べられるようになった、と喜びの声を寄せていただいている。市販だけでなくホテルなど業務用でも引き合いがある。市場としてもこれから拡大していくと思っている」
 ー今後の挑戦は。
 「当社は平成11年に、当時すでに希少となっていたすっぱい沢庵を作りたいとの思いから父(社長)が創業した。以来、自然の恵みである発酵の力を借りて作る昔ながらの味を追求してきた。今後はそれを発展させて、人の笑顔と健康を作っていけるよう、漬物以外にもどんどん挑戦していきたい」
【2024(令和6)年2月1日第5152号4面】

樽の味
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