渋川地区こんにゃく研究会(後藤功也会長)は11月2日、群馬県渋川市の伊香保温泉石段街で開催された「伊香保だんだんマルシェ」において、しらたきの試食会を実施した。
試食会では、袋から開けたしらたきにドレッシング(青じそ、イタリアン、玉ねぎ、和風)や麺つゆ、焼き肉のタレ、黒みつなどをかけて提供、手軽でヘルシーに食べられるサラダやスイーツとしての食べ方を紹介した。
当日は生憎の雨模様となったものの、温泉街を訪れた観光客には“しらたきサラダ”や“しらたきスイーツ”などの味わいが好評だった。
調理不要でそのまま食べられる簡便性や、食物繊維豊富で低糖質低カロリーな健康性への評価も高く、「日常的に継続して食べたい」と話す人もいた。
イベントには渋川市の 髙木勉市長も訪れ、しらたきサラダを試食するなど、こんにゃく研究会のメンバーを激励した。
同研究会では今後も、手軽に食べられるサラダやスイーツなどのメニューの提案により、しらたきの需要拡大を目指していく。
試食会では、袋から開けたしらたきにドレッシング(青じそ、イタリアン、玉ねぎ、和風)や麺つゆ、焼き肉のタレ、黒みつなどをかけて提供、手軽でヘルシーに食べられるサラダやスイーツとしての食べ方を紹介した。
当日は生憎の雨模様となったものの、温泉街を訪れた観光客には“しらたきサラダ”や“しらたきスイーツ”などの味わいが好評だった。
調理不要でそのまま食べられる簡便性や、食物繊維豊富で低糖質低カロリーな健康性への評価も高く、「日常的に継続して食べたい」と話す人もいた。
イベントには渋川市の 髙木勉市長も訪れ、しらたきサラダを試食するなど、こんにゃく研究会のメンバーを激励した。
同研究会では今後も、手軽に食べられるサラダやスイーツなどのメニューの提案により、しらたきの需要拡大を目指していく。
【2024(令和6)年12月1日第5181号9面】
全国こんにゃく協同組合連合会(白井宏一理事長)は9月28日と29日に、日本一のこんにゃく産地である群馬県の高崎市で「第2回全国こんにゃくサミット」を開催した。
会場となった高崎市のホテルグランビュー高崎には、昨年の第1回大会に続き、全国からこんにゃく三団体(蒟蒻製造者、原料業者、生産者)が集結。三団体の代表者である全こん連の白井理事長、全国蒟蒻原料協同組合の岡野則行理事長、群馬県こんにゃく研究会の後藤功也会長の他、農林水産省農産局地域対策官果樹・茶グループ長の羽石洋平氏、一般財団法人日本こんにゃく協会理事長の清水秀樹氏を始めとした来賓を合わせ、総勢145名が出席し、業界の未来を展望する貴重な機会となった。
「全国こんにゃくサミット」は、〝こんにゃく業界の未来予想図”をテーマに、三団体の相互理解と消費・生産拡大、業界発展を目的として開催されるイベント。二回目の開催となった今回は、〝消費者が求めているこんにゃくを届ける〟をサブテーマとして加え、消費者の視点を中心に添えて展開された。
サミット初日は、〝美味しいこんにゃくとは〟をテーマとしたパネルディスカッションや講演会の他、三団体の参加者が業界の現状や課題について幅広いテーマでグループディスカッションを行い、その結果を発表した。また翌29日には産地視察が実施され、25名が参加した。
全こん連青年部の市川英久部長の司会進行の下、白井理事長が開会挨拶。関係各位の出席に御礼を述べた後、「昨年の第1回全国こんにゃくサミットでは、グループディスカッションにおいて、活発な意見がたくさん出され、大いに盛り上がっていると感じた。その中で、一番気になったのが、〝美味しいこんにゃくを作ってほしい”という声が生産者から上がっていたこと。第2回を開催するにあたり、会議で様々なテーマを検討してきたが、〝消費者が求めているこんにゃくを届ける〟というサブテーマを設定し、今回のサミットを開催させて頂くことになった」とその経緯を説明。
「本日は、こんにゃくの試食を用意し、〝おいしいこんにゃくとは〟というテーマのパネルディスカッションも予定している。今回も練り屋、粉屋、生産者の三団体が一致団結して、こんにゃく業界が活発化していくことを目指して開催させて頂く。昨年も申し上げたが、三団体が一堂に会してディスカッションする機会は、これまでになかったこと。第1回目に引き続き、活発な意見交換を行い、明るいこんにゃく業界をつくっていけるよう祈念している」と呼びかけた。
会場となった高崎市のホテルグランビュー高崎には、昨年の第1回大会に続き、全国からこんにゃく三団体(蒟蒻製造者、原料業者、生産者)が集結。三団体の代表者である全こん連の白井理事長、全国蒟蒻原料協同組合の岡野則行理事長、群馬県こんにゃく研究会の後藤功也会長の他、農林水産省農産局地域対策官果樹・茶グループ長の羽石洋平氏、一般財団法人日本こんにゃく協会理事長の清水秀樹氏を始めとした来賓を合わせ、総勢145名が出席し、業界の未来を展望する貴重な機会となった。
「全国こんにゃくサミット」は、〝こんにゃく業界の未来予想図”をテーマに、三団体の相互理解と消費・生産拡大、業界発展を目的として開催されるイベント。二回目の開催となった今回は、〝消費者が求めているこんにゃくを届ける〟をサブテーマとして加え、消費者の視点を中心に添えて展開された。
サミット初日は、〝美味しいこんにゃくとは〟をテーマとしたパネルディスカッションや講演会の他、三団体の参加者が業界の現状や課題について幅広いテーマでグループディスカッションを行い、その結果を発表した。また翌29日には産地視察が実施され、25名が参加した。
全こん連青年部の市川英久部長の司会進行の下、白井理事長が開会挨拶。関係各位の出席に御礼を述べた後、「昨年の第1回全国こんにゃくサミットでは、グループディスカッションにおいて、活発な意見がたくさん出され、大いに盛り上がっていると感じた。その中で、一番気になったのが、〝美味しいこんにゃくを作ってほしい”という声が生産者から上がっていたこと。第2回を開催するにあたり、会議で様々なテーマを検討してきたが、〝消費者が求めているこんにゃくを届ける〟というサブテーマを設定し、今回のサミットを開催させて頂くことになった」とその経緯を説明。
「本日は、こんにゃくの試食を用意し、〝おいしいこんにゃくとは〟というテーマのパネルディスカッションも予定している。今回も練り屋、粉屋、生産者の三団体が一致団結して、こんにゃく業界が活発化していくことを目指して開催させて頂く。昨年も申し上げたが、三団体が一堂に会してディスカッションする機会は、これまでになかったこと。第1回目に引き続き、活発な意見交換を行い、明るいこんにゃく業界をつくっていけるよう祈念している」と呼びかけた。
【2024(令和6)年10月21日第5177号1面】
【1面より続く】
来賓として出席した農林水産省の羽石グループ長は挨拶で、「こんにゃくは我が国独自の食文化として発展し、日本の食文化に無くてはならないもの。おでんなどの伝統的な料理だけでなく、サラダや洋食にも取り入れることができ、家庭の食卓を豊かにしてくれるものだと実感している。近年のこんにゃく製品の消費動向を見ると、食生活の多様化などにより、販売量、販売額共に減少傾向にある。このような中、こんにゃく精粉の在庫量は増加し続けており、令和2年以降、年間需要量を上回る量が積み上がっている。生産現場では令和5年産のこんにゃく芋価格が急落し、再生産価格を下回る価格状況と聞いている」と業界の厳しい状況を指摘。
「産地でのこんにゃく芋生産の継続、そして国産原料を使用したこんにゃく製品の供給を継続して頂くためには、蒟蒻製造者、原料業者、生産者の3者の皆様のご協力の下、適正な需給体制が構築されることが必要であると考えている。是非、今後のこんにゃく業界の発展に向け、本日のサミットにおいて、ご出席された皆様が、新しいアイデアを出し合って頂きたい。農水省としても本日の議論を踏まえ、需要拡大に向け一緒に取り組ませて頂きたいと考えている。サミットを機にこんにゃく業界がますます発展していくことを祈念している」と述べた。
続いて、全国蒟蒻原料協同組合の岡野理事長が挨拶。「新型コロナウイルス感染症がようやく一段落し、社会経済活動が正常化し、円安を生かしたインバウンド需要が回復した一方で、災害や深刻化する人手不足、30年ぶりとなる高水準の賃上げや働き方改革、さらなる原材料及びエネルギー価格の高騰により、我々原料加工業界においては、荒粉や精粉加工に使用する燃料代や電気料などの経費が大幅に増加していても、その上昇分を精粉価格に転嫁できていない状況にある。生玉の販売価格が長期低迷する中、収益に期待が持てないなどの問題が顕在化し、離農や収益の上がる農作物への転作により、生産者のこんにゃく離れはさらに拍車がかかっている。こんにゃく消費が長期にわたり低迷し、卸価格の適正化に対し、巨大な流通業界の厚い壁など多くの課題を抱えているのが現状ではないだろうか。このような問題について、こんにゃく業界として問題意識を共有し、一致団結し、問題の解決に真剣に取り組み、業界三団体が共存共栄を図れるよう産業の構築を目指さなければならない。こんにゃく業界では近年、倒産や廃業が相次いでいるが、産業全体が今までの認識の変革を迫られている。考え方を改めなければ、業界三団体が共倒れになる危機的状況にあるという認識を共有し、本サミット開催を機に、生産から製造、消費に至る食料システム全体で適正価格が維持できる持続可能なこんにゃく産業になることを祈念している」と述べた。
生産者代表であるこんにゃく研究会の後藤会長は「昨年は生産者にとって過去の販売価格下落の時と比べ物にならない、作れば作るほど赤字が増える危機的な状況になってしまった。そのため、今年はこんにゃくの栽培面積を縮小したり、他の作物へ転換したり、中には農業自体を廃業する生産者もいた。私たちも生産費削減の努力をしてきたが、数年来の資材、燃料、労働賃金の上昇の波には勝てない。必要な機械の更新も難しくなった。これ以上のコスト削減はできない状況で、今後の価格低迷が続くようであれば、農地の荒廃、さらなる生産者、生産量の減少、その先には国内産のこんにゃくが普通に食べられなくなることが考えられる。生産を一度止めてしまえば、再開は非常に難しい。原料業界、製造業界ともに同じ状況ではあると思うが、再生産価格を維持できるようお考えいただけると有難い」と生産者の窮状を吐露。
「我々生産者としては、こんにゃく製品の消費拡大はもちろんだが、それ以外の商品開発も望んでいる。新しい用途としての精粉商品の普及やこんにゃく芋を用いた生分解性プラスチックの開発、こんにゃくに含まれるセラミド、マンノースの研究などが今後大きく展開することを期待している。また我々生産者も、消費拡大のための行動を起こしている。群馬県沼田市出身で、料理動画の配信において世界有数のインフルエンサーとして知られるバヤシさんに、こんにゃく料理の動画制作をお願いする運びとなった。料理離れが進む中、効果は未知数だが、世界中に動画が配信され、こんにゃくの良いところが伝わり、消費拡大につながることを願っている。結びに本サミットが業界全体の発展に繋がることを祈念する」と述べた。
その後、会場では来賓紹介に続いて、日本こんにゃく協会の清水理事長ら5名のパネラーによる「美味しいこんにゃくとは」をテーマとしたパネルディスカッション、株式会社矢野経済研究所主任研究員の大篭麻奈氏による「こんにゃく加工品の輸出実態調査」の結果報告が行われた。
三団体グループディスカッションでは13グループに分かれ出席者が「美味しいこんにゃくを求めて」をテーマに議論。その内容を踏まえて、宇都宮大学農学部・農業経済学科准教授の神代英昭氏が“おいしさ”をテーマに講演した。
会場を移して行われた懇親会では、出席者が現状の課題や今後の目標について、業態の壁を越えて情報交換。翌日には産地視察会が開催され、25名が群馬県沼田市のこんにゃく芋圃場を視察した。
「産地でのこんにゃく芋生産の継続、そして国産原料を使用したこんにゃく製品の供給を継続して頂くためには、蒟蒻製造者、原料業者、生産者の3者の皆様のご協力の下、適正な需給体制が構築されることが必要であると考えている。是非、今後のこんにゃく業界の発展に向け、本日のサミットにおいて、ご出席された皆様が、新しいアイデアを出し合って頂きたい。農水省としても本日の議論を踏まえ、需要拡大に向け一緒に取り組ませて頂きたいと考えている。サミットを機にこんにゃく業界がますます発展していくことを祈念している」と述べた。
続いて、全国蒟蒻原料協同組合の岡野理事長が挨拶。「新型コロナウイルス感染症がようやく一段落し、社会経済活動が正常化し、円安を生かしたインバウンド需要が回復した一方で、災害や深刻化する人手不足、30年ぶりとなる高水準の賃上げや働き方改革、さらなる原材料及びエネルギー価格の高騰により、我々原料加工業界においては、荒粉や精粉加工に使用する燃料代や電気料などの経費が大幅に増加していても、その上昇分を精粉価格に転嫁できていない状況にある。生玉の販売価格が長期低迷する中、収益に期待が持てないなどの問題が顕在化し、離農や収益の上がる農作物への転作により、生産者のこんにゃく離れはさらに拍車がかかっている。こんにゃく消費が長期にわたり低迷し、卸価格の適正化に対し、巨大な流通業界の厚い壁など多くの課題を抱えているのが現状ではないだろうか。このような問題について、こんにゃく業界として問題意識を共有し、一致団結し、問題の解決に真剣に取り組み、業界三団体が共存共栄を図れるよう産業の構築を目指さなければならない。こんにゃく業界では近年、倒産や廃業が相次いでいるが、産業全体が今までの認識の変革を迫られている。考え方を改めなければ、業界三団体が共倒れになる危機的状況にあるという認識を共有し、本サミット開催を機に、生産から製造、消費に至る食料システム全体で適正価格が維持できる持続可能なこんにゃく産業になることを祈念している」と述べた。
生産者代表であるこんにゃく研究会の後藤会長は「昨年は生産者にとって過去の販売価格下落の時と比べ物にならない、作れば作るほど赤字が増える危機的な状況になってしまった。そのため、今年はこんにゃくの栽培面積を縮小したり、他の作物へ転換したり、中には農業自体を廃業する生産者もいた。私たちも生産費削減の努力をしてきたが、数年来の資材、燃料、労働賃金の上昇の波には勝てない。必要な機械の更新も難しくなった。これ以上のコスト削減はできない状況で、今後の価格低迷が続くようであれば、農地の荒廃、さらなる生産者、生産量の減少、その先には国内産のこんにゃくが普通に食べられなくなることが考えられる。生産を一度止めてしまえば、再開は非常に難しい。原料業界、製造業界ともに同じ状況ではあると思うが、再生産価格を維持できるようお考えいただけると有難い」と生産者の窮状を吐露。
「我々生産者としては、こんにゃく製品の消費拡大はもちろんだが、それ以外の商品開発も望んでいる。新しい用途としての精粉商品の普及やこんにゃく芋を用いた生分解性プラスチックの開発、こんにゃくに含まれるセラミド、マンノースの研究などが今後大きく展開することを期待している。また我々生産者も、消費拡大のための行動を起こしている。群馬県沼田市出身で、料理動画の配信において世界有数のインフルエンサーとして知られるバヤシさんに、こんにゃく料理の動画制作をお願いする運びとなった。料理離れが進む中、効果は未知数だが、世界中に動画が配信され、こんにゃくの良いところが伝わり、消費拡大につながることを願っている。結びに本サミットが業界全体の発展に繋がることを祈念する」と述べた。
その後、会場では来賓紹介に続いて、日本こんにゃく協会の清水理事長ら5名のパネラーによる「美味しいこんにゃくとは」をテーマとしたパネルディスカッション、株式会社矢野経済研究所主任研究員の大篭麻奈氏による「こんにゃく加工品の輸出実態調査」の結果報告が行われた。
三団体グループディスカッションでは13グループに分かれ出席者が「美味しいこんにゃくを求めて」をテーマに議論。その内容を踏まえて、宇都宮大学農学部・農業経済学科准教授の神代英昭氏が“おいしさ”をテーマに講演した。
会場を移して行われた懇親会では、出席者が現状の課題や今後の目標について、業態の壁を越えて情報交換。翌日には産地視察会が開催され、25名が群馬県沼田市のこんにゃく芋圃場を視察した。
【2024(令和6)年10月21日第5177号10面】
午後1時30分より行われたパネルディスカッションでは、5名のパネリストが登壇。本紙の藤井大碁記者がコーディネーターを務め、進行した。『美味しいこんにゃくとは』をテーマに、「消費者が求めているこんにゃくとは」、「今後どのようになれば消費が拡大していくのか」など、活発な意見を交わした(一部抜粋、全文は食料新聞電子版に掲載)。
パネリストは、清水秀樹氏(日本こんにゃく協会理事長)、荻野匡司氏(荻野商店代表取締役社長)、諸田智則氏(昭和村森下下宿入沢蒟蒻研究会長)、中村やす子氏(フードコーディネーター)、小金澤定夫氏(全国こんにゃく協同組合連合会専務理事)の5名。
討論に入る前、出席者に提供されたこんにゃく試食品が紹介された。
「生方(うぶかた)農園」(群馬県渋川市)の蒟蒻、パネリスト小金澤氏の小金澤下仁田蒟蒻「コンニャクの一夜漬け」(群馬県下仁田町)、パネリスト中村氏提供のしらたきを使用した台湾スイーツ「愛玉子(おうぎょうち)」の3品。出席者は各々に試食しながら説明を聞いた。
続いて討論に移り、藤井記者より「美味しいこんにゃくとは?」の問い掛けにパネリストが答えた。
清水氏「“美味しい”は幅が広いが、食卓に並べて先になくなるものが美味しいもの、という切り口から考えてはどうか」
荻野氏「私が思うこんにゃくの美味しさは、七割五分から八割が“食感”、一割五分から二割が“味染み”で、あとは硬さ、軟らかさなどそれぞれの個性であると考えている」
諸田氏「農家なので、自分の家で作ったものが一番美味しい。よそのこんにゃくを食べると、硬さや軟らかさ、細かさ、粗さなどが違うので新しい発見がある」
中村氏「カレンダーのレシピを考える時、“良いところを見つけよう”と前向きに取り組んでいる。世界の味に挑戦すれば、レシピが広がってくると思う」
小金澤氏「世界に輸出して返ってくる答えは“臭いがしない”こと。臭いがなくて味染みの良いもの、サラダのように料理の手間をかけない商品を作れば売れる。それが美味しいこんにゃくだと思う」
消費者の意識調査結果を藤井記者が紹介した後、キーワードから深掘りする討論に移った。
藤井「先になくなると美味しいというこんにゃくには、どんな要素が?」
清水氏「こんにゃくの臭いは海外で“フィッシュスメル”といって嫌われる。日本で伝統的に作られているものだけでなく、いろいろな使い方ができる商品を開発する努力が必要だ」
藤井「こんにゃく臭がなくなると風味もなくなるのでは?」
荻野氏「臭いの要素は二つ。一つは海藻粉末、もう一つはこんにゃくの“アク”。当社では臭い成分を取り除いた純度の高い、真っ白い粉を製造しているが、これにこんにゃくの風味はない。こんにゃくのアクも、美味しさの要素の一つだと自信を持って言える」
藤井記者「こんにゃく臭と風味のバランスは?」
小金澤氏「当社の生産量の90%は生芋製品。より美味しくする努力は、毎日の気温、水温、芋を擦った時からの放置時間を全て計測して行っている。また、他社の製品を煮て試食し、評価も実行している」
諸田氏「家で作るこんにゃくは確かに臭いがあるが、それも楽しみの一つ。臭いも一緒に好きと感じる人もいるはず」
荻野氏「臭い成分は水に晒すとかなり抜けるが、現在の機械化された生産ラインでは難しい。作りたてのこんにゃくより、少し置いた方が美味しくなるのも、臭い成分が染み出ていることで証明されている」
藤井記者「流通の壁について」
諸田氏「農家が作っているこんにゃくと、流通されているものの最大の違いは“パック”されているかいないか。硬い・軟らかいの違いは、個々の家庭の好き嫌いが反映されているので一概には言えないが、煮た時、炒めた時に違いが出てくる」
荻野氏「自社で『てのしこんにゃく』という、こだわりの刺身こんにゃくを作っていたが、美味しくても値段が高いものは敬遠されるし、ただ美味しいものだけを作っても流通にのらない難しさはある」
藤井記者「今後求められる商品開発について」
諸田氏「いっぱい粉を使って、いっぱい芋がなくなる商品を、いっぱい売ってもらえるとありがたい」
荻野氏「いっぱい原料を使って出来上がっている究極の商品が、今の板こんとしらたき。こうした議論は30~40年前からやっている。いっぱい使うのではなく、いろいろな食品に少しだけ入れ、ゲル化剤、増粘多糖類として幅広く使ってもらうコンセプトでの商品開発が必要だ。それで一番成功した商品がこんにゃくゼリー。こんにゃくの最大の欠点は、水酸化カルシウムで練らないとだめで、糖分を入れると固まらないこと。そこで現在、糖分を付加し、スイーツに利用できるような商品の開発を行っている」
藤井記者「現状の課題と今後の目標について」
諸田氏「農家は、いいものを作っても、それに見合った価格がとれなければ長続きしない。生産者の仲間は大切にしたいし、こんにゃくを残したくて、生産効率を考えて作っている。このサミットは同じ方向を向いた集まりであってほしいし、前向きな意見を交わしたいと思う」
荻野氏「商品開発は、このような方向でと思い描かなければ、絶対にできない。落ち込んでいる和食にこだわるのではなく、冷凍食品、フリーズドライの市場などで流通できれば、すごいことになる。どちらも、今の技術では難しいので、業界で研究していく必要がある」
小金澤氏「当社では、こんにゃくラーメンに技術協力している。乾燥施設に莫大な費用が掛かるのでなかなか進んでいないが、実現すればかなりの数量が動くと思う。他の食品でもオファーがあるので、これからまだまだ広がって行き、農家がこんにゃく栽培で生活していけるようになってほしい」
中村氏「この3団体の皆様の努力や思いを消費者へ伝えるきっかけがあれば良いと思う。また、こんにゃくの健康性をもっとアピールし、ベジタブルファーストの動きに乗せたりすれば、まだまだチャンスがある。ぜひ、黒子から主役になれる努力をしていただきたい」
藤井記者「清水理事長に最後のまとめを」
清水氏「3つの団体に共通するのは、新製品の開発が不可欠ということ。過去からの議論を止めず、目先を変えた商品の開発が、これからもっと必要な時代となってくるだろう」
藤井記者「皆さんのご意見で、こんにゃくの様々な魅力が見えてきた。現代のニーズである健康性、節約志向、手軽さなどに対応できるこんにゃくは、無限の可能性がある食品であると改めて認識できたと思う。このパネルディスカッションが、参加いただいた3団体の共存共栄につながることを祈念する」
パネリストは、清水秀樹氏(日本こんにゃく協会理事長)、荻野匡司氏(荻野商店代表取締役社長)、諸田智則氏(昭和村森下下宿入沢蒟蒻研究会長)、中村やす子氏(フードコーディネーター)、小金澤定夫氏(全国こんにゃく協同組合連合会専務理事)の5名。
討論に入る前、出席者に提供されたこんにゃく試食品が紹介された。
「生方(うぶかた)農園」(群馬県渋川市)の蒟蒻、パネリスト小金澤氏の小金澤下仁田蒟蒻「コンニャクの一夜漬け」(群馬県下仁田町)、パネリスト中村氏提供のしらたきを使用した台湾スイーツ「愛玉子(おうぎょうち)」の3品。出席者は各々に試食しながら説明を聞いた。
続いて討論に移り、藤井記者より「美味しいこんにゃくとは?」の問い掛けにパネリストが答えた。
清水氏「“美味しい”は幅が広いが、食卓に並べて先になくなるものが美味しいもの、という切り口から考えてはどうか」
荻野氏「私が思うこんにゃくの美味しさは、七割五分から八割が“食感”、一割五分から二割が“味染み”で、あとは硬さ、軟らかさなどそれぞれの個性であると考えている」
諸田氏「農家なので、自分の家で作ったものが一番美味しい。よそのこんにゃくを食べると、硬さや軟らかさ、細かさ、粗さなどが違うので新しい発見がある」
中村氏「カレンダーのレシピを考える時、“良いところを見つけよう”と前向きに取り組んでいる。世界の味に挑戦すれば、レシピが広がってくると思う」
小金澤氏「世界に輸出して返ってくる答えは“臭いがしない”こと。臭いがなくて味染みの良いもの、サラダのように料理の手間をかけない商品を作れば売れる。それが美味しいこんにゃくだと思う」
消費者の意識調査結果を藤井記者が紹介した後、キーワードから深掘りする討論に移った。
藤井「先になくなると美味しいというこんにゃくには、どんな要素が?」
清水氏「こんにゃくの臭いは海外で“フィッシュスメル”といって嫌われる。日本で伝統的に作られているものだけでなく、いろいろな使い方ができる商品を開発する努力が必要だ」
藤井「こんにゃく臭がなくなると風味もなくなるのでは?」
荻野氏「臭いの要素は二つ。一つは海藻粉末、もう一つはこんにゃくの“アク”。当社では臭い成分を取り除いた純度の高い、真っ白い粉を製造しているが、これにこんにゃくの風味はない。こんにゃくのアクも、美味しさの要素の一つだと自信を持って言える」
藤井記者「こんにゃく臭と風味のバランスは?」
小金澤氏「当社の生産量の90%は生芋製品。より美味しくする努力は、毎日の気温、水温、芋を擦った時からの放置時間を全て計測して行っている。また、他社の製品を煮て試食し、評価も実行している」
諸田氏「家で作るこんにゃくは確かに臭いがあるが、それも楽しみの一つ。臭いも一緒に好きと感じる人もいるはず」
荻野氏「臭い成分は水に晒すとかなり抜けるが、現在の機械化された生産ラインでは難しい。作りたてのこんにゃくより、少し置いた方が美味しくなるのも、臭い成分が染み出ていることで証明されている」
藤井記者「流通の壁について」
諸田氏「農家が作っているこんにゃくと、流通されているものの最大の違いは“パック”されているかいないか。硬い・軟らかいの違いは、個々の家庭の好き嫌いが反映されているので一概には言えないが、煮た時、炒めた時に違いが出てくる」
荻野氏「自社で『てのしこんにゃく』という、こだわりの刺身こんにゃくを作っていたが、美味しくても値段が高いものは敬遠されるし、ただ美味しいものだけを作っても流通にのらない難しさはある」
藤井記者「今後求められる商品開発について」
諸田氏「いっぱい粉を使って、いっぱい芋がなくなる商品を、いっぱい売ってもらえるとありがたい」
荻野氏「いっぱい原料を使って出来上がっている究極の商品が、今の板こんとしらたき。こうした議論は30~40年前からやっている。いっぱい使うのではなく、いろいろな食品に少しだけ入れ、ゲル化剤、増粘多糖類として幅広く使ってもらうコンセプトでの商品開発が必要だ。それで一番成功した商品がこんにゃくゼリー。こんにゃくの最大の欠点は、水酸化カルシウムで練らないとだめで、糖分を入れると固まらないこと。そこで現在、糖分を付加し、スイーツに利用できるような商品の開発を行っている」
藤井記者「現状の課題と今後の目標について」
諸田氏「農家は、いいものを作っても、それに見合った価格がとれなければ長続きしない。生産者の仲間は大切にしたいし、こんにゃくを残したくて、生産効率を考えて作っている。このサミットは同じ方向を向いた集まりであってほしいし、前向きな意見を交わしたいと思う」
荻野氏「商品開発は、このような方向でと思い描かなければ、絶対にできない。落ち込んでいる和食にこだわるのではなく、冷凍食品、フリーズドライの市場などで流通できれば、すごいことになる。どちらも、今の技術では難しいので、業界で研究していく必要がある」
小金澤氏「当社では、こんにゃくラーメンに技術協力している。乾燥施設に莫大な費用が掛かるのでなかなか進んでいないが、実現すればかなりの数量が動くと思う。他の食品でもオファーがあるので、これからまだまだ広がって行き、農家がこんにゃく栽培で生活していけるようになってほしい」
中村氏「この3団体の皆様の努力や思いを消費者へ伝えるきっかけがあれば良いと思う。また、こんにゃくの健康性をもっとアピールし、ベジタブルファーストの動きに乗せたりすれば、まだまだチャンスがある。ぜひ、黒子から主役になれる努力をしていただきたい」
藤井記者「清水理事長に最後のまとめを」
清水氏「3つの団体に共通するのは、新製品の開発が不可欠ということ。過去からの議論を止めず、目先を変えた商品の開発が、これからもっと必要な時代となってくるだろう」
藤井記者「皆さんのご意見で、こんにゃくの様々な魅力が見えてきた。現代のニーズである健康性、節約志向、手軽さなどに対応できるこんにゃくは、無限の可能性がある食品であると改めて認識できたと思う。このパネルディスカッションが、参加いただいた3団体の共存共栄につながることを祈念する」
【2024(令和6)年10月21日第5177号10面】
株式会社矢野経済研究所主任研究員の大篭麻奈氏が、日本こんにゃく協会が実施した「こんにゃく加工品の輸出実態調査」の結果報告を行った。
こんにゃく加工品の輸出金額は2019年度に5億4300万円だったが、翌年度から急拡大、22年度には17億5900万円と3倍以上に達した。23年度は13億9700万円で反動減が起こったが、潜在的には今後の伸張が期待される。
背景には、世界的に健康志向が高まっていること
がある。特に麺状のしらたきやこんにゃく麺は、パスタやラーメンと置き換えたり、ドレッシングをかけてそのまま食べることが出来たりなど生活に取り入れやすく、グルテンフリーや糖尿病対策にもなることが評価されている。
2023年度の輸出金額における製品形態別の構成比を見ても、「こんにゃく麺」が63・6%と最も多かった。続いて「糸こんにゃく(しらたき含む)」が9・6%、「板こんにゃく」が6・9%で、玉こんにゃく、つきこんにゃく、さしみこんにゃく、粒こんにゃくはいずれも1%前後で僅少となった。
「こんにゃく麺」は他の製品形態よりも製品単価が高いこと、付属のタレのバリエーションで複数商品の展開がしやすいことも金額を押し上げている要因である。
一方、国内こんにゃくメーカーを対象に行ったアンケート調査は138社が回答し、うち「現在輸出している」企業は23社に留まった。輸出先の上位はアメリカ「アメリカ」が52・2%で最も多く、続いて「香港」が39・1%、「シンガポール」が30・4%だった。
大篭氏は、蒟蒻が世界中で受け入れられ始めていることを強調したうえで、課題についても解説。
アジア圏や北米(アメリカ)の日本人が多く居住するエリアなどは、国内メーカー間だけでなく現地製造品や中国産、インドネシア産との価格競争が既に発生している。
一方でヨーロッパ等の蒟蒻に馴染みの薄い地域ほど、こんにゃくをサラダやパスタに利用するため、そのニーズに合えば価格よりも美味しさが評価される傾向にある。
ただしその場合は、日本からの物理的な距離が遠いほか、アジアやアメリカに比べて居住している日本人が少なく、日系スーパーも少ないため、現地ネットワークを構築し、現地スーパー、現地消費者へアプローチする必要があるなど、超えるべき輸出ハードルも多い、と指摘した。
なおこの報告書全文は、日本こんにゃく協会ホームページから閲覧できる。https://www.konnyaku.or.jp/data/
こんにゃく加工品の輸出金額は2019年度に5億4300万円だったが、翌年度から急拡大、22年度には17億5900万円と3倍以上に達した。23年度は13億9700万円で反動減が起こったが、潜在的には今後の伸張が期待される。
背景には、世界的に健康志向が高まっていること
がある。特に麺状のしらたきやこんにゃく麺は、パスタやラーメンと置き換えたり、ドレッシングをかけてそのまま食べることが出来たりなど生活に取り入れやすく、グルテンフリーや糖尿病対策にもなることが評価されている。
2023年度の輸出金額における製品形態別の構成比を見ても、「こんにゃく麺」が63・6%と最も多かった。続いて「糸こんにゃく(しらたき含む)」が9・6%、「板こんにゃく」が6・9%で、玉こんにゃく、つきこんにゃく、さしみこんにゃく、粒こんにゃくはいずれも1%前後で僅少となった。
「こんにゃく麺」は他の製品形態よりも製品単価が高いこと、付属のタレのバリエーションで複数商品の展開がしやすいことも金額を押し上げている要因である。
一方、国内こんにゃくメーカーを対象に行ったアンケート調査は138社が回答し、うち「現在輸出している」企業は23社に留まった。輸出先の上位はアメリカ「アメリカ」が52・2%で最も多く、続いて「香港」が39・1%、「シンガポール」が30・4%だった。
大篭氏は、蒟蒻が世界中で受け入れられ始めていることを強調したうえで、課題についても解説。
アジア圏や北米(アメリカ)の日本人が多く居住するエリアなどは、国内メーカー間だけでなく現地製造品や中国産、インドネシア産との価格競争が既に発生している。
一方でヨーロッパ等の蒟蒻に馴染みの薄い地域ほど、こんにゃくをサラダやパスタに利用するため、そのニーズに合えば価格よりも美味しさが評価される傾向にある。
ただしその場合は、日本からの物理的な距離が遠いほか、アジアやアメリカに比べて居住している日本人が少なく、日系スーパーも少ないため、現地ネットワークを構築し、現地スーパー、現地消費者へアプローチする必要があるなど、超えるべき輸出ハードルも多い、と指摘した。
なおこの報告書全文は、日本こんにゃく協会ホームページから閲覧できる。https://www.konnyaku.or.jp/data/
【2024(令和6)年10月21日第5177号10面】
午後3時25分より、参加者を13のグループに分けたグループミーティングが実施された。生産者、原料業者、蒟蒻製造者が垣根を超えて1時間30分ほど喧々諤々の議論を交わした。「美味しい蒟蒻を求めて」をメインテーマに据えながら、蒟蒻の良い売り方・見せ方、価格競争が収まらない原因、農業の収益性向上、新市場の開拓など様々な話題にも発展した。
ミーティング終了後、司会より指名された3グループが発表。その内容が後の懇親会や二次会でさらなる議論を呼ぶ展開となり、三業態間の相互理解という目的に大きく貢献する時間となった。
【グループ②・瀬間研士氏(瀬間商店)】
三業態それぞれに悩み、苦労があると知ることができる時間になった。共通しているのが、単価を上げたいこと。それをするためには美味しい蒟蒻を、もっとたくさん売る必要がある。
美味しい蒟蒻とは何かという問いに対しては、ニオイが無い蒟蒻が受け入れられやすい環境であるのは間違いない。食感や見た目、カット形態などによる使いやすさを追求していくことが必要という意見が出た。
【グループ⑫・兵藤武志氏(北毛久呂保)】
食習慣や用途によって美味しい蒟蒻の定義は変わる。東北で蒟蒻消費量が多いのは芋煮会の文化があるからだと思う。他の地域でもそのようなイベントを仕掛けていき、人の味覚を今の蒟蒻に慣れてもらうようにしていく方向性も考えるべきではないか。
用途について言えば、今後は冷凍食品の市場が拡大していくと予想されるので、それに適した蒟蒻を開発する必要がある。
【グループ⑭・高水一人氏(高水食品)】
ニオイが強すぎるのは問題だが、本来どんな蒟蒻にもそれぞれの良さがある。美味しい蒟蒻の結論は出せない。それぞれの強みを突き詰めていけば良い。
皆の問題意識として一番強いのが消費を増やすこと。美味しい蒟蒻を作っても最初の一口がなければ気づいてもらえない。小さな広報をコツコツ積み上げて行くのが我々に合っていると思う。
【ミーティング中のその他の話題】
<美味しい蒟蒻とは>
▼無味無臭で、食感だけを与えてくれる蒟蒻が良い蒟蒻、というのは一つの正解。料理人は理想の味を思い描いているため、その実現を邪魔しない食材として喜ばれる。
▼蒟蒻自体が持つ芋の風味も楽しんでほしい。無味無臭な製品と選択できる売場が健全な売場。
▼蒟蒻の風味も慣れれば美味しく感じるようになると言っても、苦手意識を持っているのにわざわざ二度三度と買う人はいない。どう慣れてもらうか、最初の一手が大事。
▼蒟蒻全体のイメージを下げないためにも品質は守らなければいけない。練りメーカーの倒産が続いているが、私見では品質を下げて安売りに走った企業から倒産していく。消費者にとって価格は重要な要素だが、美味しいことが全ての前提だ。
<市販について>
▼下茹で不要、カット済みといった調理の手間を減らす工夫は重要になっていく。ダイエットなどポジティブなイメージはあるし、他の食材と比べて高いものではない。買う習慣をつけてもらえれば勝機はある。
▼土産では価格よりも包材のデザインが売行きを左右している。蒟蒻に求められていることは何かを考えていく必要がある。
▼ゼリー風やパスタ風に加えて、スナック菓子風製品や、ホエイたんぱく質を練り込んだ麺製品など様々な製品が登場してきている。蒟蒻は加工度が高い分、自由度も高い。発想次第で何でもできる。
<業務用について>
▼国内の蒟蒻市場はコンシューマー向けが圧倒的に大きい。人口減、家庭での調理頻度が急落していることを考えれば市場規模縮小は確実。外食、惣菜、冷凍食品、介護施設などの市場開拓が必須である。
▼蒟蒻粉を結着剤のような機能性素材としての開拓を目指している。
<価格設定>
▼蒟蒻は30年前より製品価格が下がっている。価格競争を続けてきたことで利益率が下がり、原料価格も抑えることになっている。談合はダメだが、値上げを皆で推進するべきでは。
<農業>
▼蒟蒻芋の収益性は他の作物より低いのが実情。相場が低すぎる。しかし群馬の風土や、輪作の時期を考えると他の作物への転換は容易ではなく、蒟蒻で利益を挙げられるようになるのがベスト。
ミーティング終了後、司会より指名された3グループが発表。その内容が後の懇親会や二次会でさらなる議論を呼ぶ展開となり、三業態間の相互理解という目的に大きく貢献する時間となった。
【グループ②・瀬間研士氏(瀬間商店)】
三業態それぞれに悩み、苦労があると知ることができる時間になった。共通しているのが、単価を上げたいこと。それをするためには美味しい蒟蒻を、もっとたくさん売る必要がある。
美味しい蒟蒻とは何かという問いに対しては、ニオイが無い蒟蒻が受け入れられやすい環境であるのは間違いない。食感や見た目、カット形態などによる使いやすさを追求していくことが必要という意見が出た。
【グループ⑫・兵藤武志氏(北毛久呂保)】
食習慣や用途によって美味しい蒟蒻の定義は変わる。東北で蒟蒻消費量が多いのは芋煮会の文化があるからだと思う。他の地域でもそのようなイベントを仕掛けていき、人の味覚を今の蒟蒻に慣れてもらうようにしていく方向性も考えるべきではないか。
用途について言えば、今後は冷凍食品の市場が拡大していくと予想されるので、それに適した蒟蒻を開発する必要がある。
【グループ⑭・高水一人氏(高水食品)】
ニオイが強すぎるのは問題だが、本来どんな蒟蒻にもそれぞれの良さがある。美味しい蒟蒻の結論は出せない。それぞれの強みを突き詰めていけば良い。
皆の問題意識として一番強いのが消費を増やすこと。美味しい蒟蒻を作っても最初の一口がなければ気づいてもらえない。小さな広報をコツコツ積み上げて行くのが我々に合っていると思う。
【ミーティング中のその他の話題】
<美味しい蒟蒻とは>
▼無味無臭で、食感だけを与えてくれる蒟蒻が良い蒟蒻、というのは一つの正解。料理人は理想の味を思い描いているため、その実現を邪魔しない食材として喜ばれる。
▼蒟蒻自体が持つ芋の風味も楽しんでほしい。無味無臭な製品と選択できる売場が健全な売場。
▼蒟蒻の風味も慣れれば美味しく感じるようになると言っても、苦手意識を持っているのにわざわざ二度三度と買う人はいない。どう慣れてもらうか、最初の一手が大事。
▼蒟蒻全体のイメージを下げないためにも品質は守らなければいけない。練りメーカーの倒産が続いているが、私見では品質を下げて安売りに走った企業から倒産していく。消費者にとって価格は重要な要素だが、美味しいことが全ての前提だ。
<市販について>
▼下茹で不要、カット済みといった調理の手間を減らす工夫は重要になっていく。ダイエットなどポジティブなイメージはあるし、他の食材と比べて高いものではない。買う習慣をつけてもらえれば勝機はある。
▼土産では価格よりも包材のデザインが売行きを左右している。蒟蒻に求められていることは何かを考えていく必要がある。
▼ゼリー風やパスタ風に加えて、スナック菓子風製品や、ホエイたんぱく質を練り込んだ麺製品など様々な製品が登場してきている。蒟蒻は加工度が高い分、自由度も高い。発想次第で何でもできる。
<業務用について>
▼国内の蒟蒻市場はコンシューマー向けが圧倒的に大きい。人口減、家庭での調理頻度が急落していることを考えれば市場規模縮小は確実。外食、惣菜、冷凍食品、介護施設などの市場開拓が必須である。
▼蒟蒻粉を結着剤のような機能性素材としての開拓を目指している。
<価格設定>
▼蒟蒻は30年前より製品価格が下がっている。価格競争を続けてきたことで利益率が下がり、原料価格も抑えることになっている。談合はダメだが、値上げを皆で推進するべきでは。
<農業>
▼蒟蒻芋の収益性は他の作物より低いのが実情。相場が低すぎる。しかし群馬の風土や、輪作の時期を考えると他の作物への転換は容易ではなく、蒟蒻で利益を挙げられるようになるのがベスト。
【2024(令和6)年10月21日第5177号11面】
<記念講演> 「おいしさ」について考える 必要な4つの要素とは
午後5時から行われた記念講演では、宇都宮大学農学部准教授の神代英昭氏が「おいしさについて考える」の演題で講演した。
“美味しい”とは、それまでの経験や状況などいくつかの要素が絡み、主観的な感情である。それを解明するために、神代准教授は「五感で判断する味の基本要素を客観化することが必要」と説いた。
しかし、それをどこまで解明できるかが問題とし、「人間は脳で食べている」などの著者である食品化学者、伏木亨氏の言葉を引用した。
美味しいと感じるのには、4つの要素があると説明。①一つ目は、動物的に感じる美味しさ。生理的な空腹や渇きで、不足しているものを摂れば美味しいと感じることだ。
②二つ目は、人間特有の文化的な感覚の美味しさ。子どもの頃から食べ慣れているものの味や匂いなどで、これは人によって千差万別である。
③三つ目は、学習によるもの。例えば高いワインを初めて飲んだ時、それが高級だという情報を得ていれば、それをすでに脳が感じているのだ。あらゆる食品の見た目やCM、SNS、人の噂などの情報で美味しいと感じるのである。昔の人々はこれを命がけでトライ&エラーして確認していたが、現代はその情報をショートカットできており、情報が最大限の調味料といえる。
④四つ目は、やみつきの美味しさ。飲んだ後のラーメンなど、クセになる味は分かっていても止められないもので、肥満や病気を呼び込むこともある。しかし、このクセになる味で唯一、『出汁(だし)』の味だけは、脂肪や砂糖などとは違って不健康さはない。
これらをこんにゃくに当てはめてみると、①体に必要なものとして、健康性成分の研究や分析が必要であるだろう。
②文化的な要素としては、現代の若年層はこんにゃくを食べ慣れていないため、いろいろなものがあることを働きかけることで、古いものをかえって新鮮に感じてもらえるかもしれない。
③情報の有効性では、とにかく食べてもらわなければ美味しさは分からない。もっと美味しさをアピールし、食べてもらえるイメージ作りが必要である。
④本能的に美味しいと感じてもらうには、砂糖や脂肪、出汁などとの組み合わせで商品を開発することも必要だろう。
最後に神代准教授は、「健康的な食材、サスティナビリティな食材、スマート調理ができる食材など、理由を付加することで食べてもらうことも可能になってくる。答えが一つではなく、美味しいものの基準が複数あることで可能性が広がり、こんにゃく三団体が協力できる環境もできてくるだろう」とまとめ、講演を終了した。
“美味しい”とは、それまでの経験や状況などいくつかの要素が絡み、主観的な感情である。それを解明するために、神代准教授は「五感で判断する味の基本要素を客観化することが必要」と説いた。
しかし、それをどこまで解明できるかが問題とし、「人間は脳で食べている」などの著者である食品化学者、伏木亨氏の言葉を引用した。
美味しいと感じるのには、4つの要素があると説明。①一つ目は、動物的に感じる美味しさ。生理的な空腹や渇きで、不足しているものを摂れば美味しいと感じることだ。
②二つ目は、人間特有の文化的な感覚の美味しさ。子どもの頃から食べ慣れているものの味や匂いなどで、これは人によって千差万別である。
③三つ目は、学習によるもの。例えば高いワインを初めて飲んだ時、それが高級だという情報を得ていれば、それをすでに脳が感じているのだ。あらゆる食品の見た目やCM、SNS、人の噂などの情報で美味しいと感じるのである。昔の人々はこれを命がけでトライ&エラーして確認していたが、現代はその情報をショートカットできており、情報が最大限の調味料といえる。
④四つ目は、やみつきの美味しさ。飲んだ後のラーメンなど、クセになる味は分かっていても止められないもので、肥満や病気を呼び込むこともある。しかし、このクセになる味で唯一、『出汁(だし)』の味だけは、脂肪や砂糖などとは違って不健康さはない。
これらをこんにゃくに当てはめてみると、①体に必要なものとして、健康性成分の研究や分析が必要であるだろう。
②文化的な要素としては、現代の若年層はこんにゃくを食べ慣れていないため、いろいろなものがあることを働きかけることで、古いものをかえって新鮮に感じてもらえるかもしれない。
③情報の有効性では、とにかく食べてもらわなければ美味しさは分からない。もっと美味しさをアピールし、食べてもらえるイメージ作りが必要である。
④本能的に美味しいと感じてもらうには、砂糖や脂肪、出汁などとの組み合わせで商品を開発することも必要だろう。
最後に神代准教授は、「健康的な食材、サスティナビリティな食材、スマート調理ができる食材など、理由を付加することで食べてもらうことも可能になってくる。答えが一つではなく、美味しいものの基準が複数あることで可能性が広がり、こんにゃく三団体が協力できる環境もできてくるだろう」とまとめ、講演を終了した。
【2024(令和6)年10月21日第5177号11面】
定刻午後6時より、同ホテル2階「HARUNA」で懇親会が開催された。
全国こんにゃく協同組合連合会木原智司専務理事の司会進行で開会。日本こんにゃく協会の清水秀樹理事長が挨拶に立った。
清水理事長は、毎年5月29日(こんにゃくの日)に合わせて開催される自民党“こんにゃく対策議員懇談会”でのエピソードを紹介した上で、「こんにゃく業界は原料業者と製造業者とのお付き合いはあるが、製造業者は生産者をこれまで全く知らずに取引し業界が成り立っていた。もう少しお互いのことを知った方が良いのではないかと思っていたところ、昨年から全国こんにゃくサミットがスタートした。皆様がどのような人と取引していのか知るのは大変有意義なことだと考えている。これからも是非、サミットの開催を続けて頂きたい」と挨拶した。
続いて全こん連前理事長の市川豊行氏が乾杯発声で登壇し、「商品を売り込むためには物語が必要だと言われる。こんにゃくを愛して、食べてもらうためには、農家の皆様、原料商の皆様、製造業の我々がそれぞれ主役になって、こんにゃく物語を作っていくことが大切だ。こんにゃくを多くの人に、また世界の人に食べてもらえるよう切磋琢磨し、来年も白井理事長の下、第3回こんにゃくサミットが開催できるよう頑張っていこう」と呼びかけ、高らかに杯を挙げた。
宴もたけなわの中、全こん連の粉川隆市副理事長が中締めとして登壇し、「昨年のグループディスカッションは三団体の出席者が手探りで意見を交わしていたが、今年はざっくばらんにかなり具体的に色々な話が出ていた。来年はどのような大会になるか、今から楽しみにしている」と話し、万歳三唱の音頭を取った。 最後に、全こん連の白井理事長が、「第3回全国こんにゃくサミットに参加したい人」と呼びかけ、大勢の出席者が賛同、第3回の開催を宣言した。
白井理事長は「皆様のおかげでつつがなく第1回、第2回を開催することができ感謝している。皆様はこんにゃくで生業を立てている。日本の伝統食であるこんにゃくを今後も大切にするという想いを胸に、生産者の皆様、原料商の皆様、製造業者の皆様これからも頑張りましょう」と力強く呼びかけ、懇親会を結んだ。
全国こんにゃく協同組合連合会木原智司専務理事の司会進行で開会。日本こんにゃく協会の清水秀樹理事長が挨拶に立った。
清水理事長は、毎年5月29日(こんにゃくの日)に合わせて開催される自民党“こんにゃく対策議員懇談会”でのエピソードを紹介した上で、「こんにゃく業界は原料業者と製造業者とのお付き合いはあるが、製造業者は生産者をこれまで全く知らずに取引し業界が成り立っていた。もう少しお互いのことを知った方が良いのではないかと思っていたところ、昨年から全国こんにゃくサミットがスタートした。皆様がどのような人と取引していのか知るのは大変有意義なことだと考えている。これからも是非、サミットの開催を続けて頂きたい」と挨拶した。
続いて全こん連前理事長の市川豊行氏が乾杯発声で登壇し、「商品を売り込むためには物語が必要だと言われる。こんにゃくを愛して、食べてもらうためには、農家の皆様、原料商の皆様、製造業の我々がそれぞれ主役になって、こんにゃく物語を作っていくことが大切だ。こんにゃくを多くの人に、また世界の人に食べてもらえるよう切磋琢磨し、来年も白井理事長の下、第3回こんにゃくサミットが開催できるよう頑張っていこう」と呼びかけ、高らかに杯を挙げた。
宴もたけなわの中、全こん連の粉川隆市副理事長が中締めとして登壇し、「昨年のグループディスカッションは三団体の出席者が手探りで意見を交わしていたが、今年はざっくばらんにかなり具体的に色々な話が出ていた。来年はどのような大会になるか、今から楽しみにしている」と話し、万歳三唱の音頭を取った。 最後に、全こん連の白井理事長が、「第3回全国こんにゃくサミットに参加したい人」と呼びかけ、大勢の出席者が賛同、第3回の開催を宣言した。
白井理事長は「皆様のおかげでつつがなく第1回、第2回を開催することができ感謝している。皆様はこんにゃくで生業を立てている。日本の伝統食であるこんにゃくを今後も大切にするという想いを胸に、生産者の皆様、原料商の皆様、製造業者の皆様これからも頑張りましょう」と力強く呼びかけ、懇親会を結んだ。
【2024(令和6)年10月21日第5177号11面】
29日には産地視察会が開催され、25名が群馬県北部のこんにゃく芋圃場を視察した。
視察会は、原料業者である株式会社ウエハラ代表取締役の上原啓司氏、株式会社小井蒟蒻代表取締役の小井佳広氏がアテンド役を務めた。
一行はホテルグランビュー高崎を朝8時30分に出発し、沼田市白沢町と昭和村の圃場を見学した。
昨年の第1回こんにゃくサミット産地視察会においても同じエリアを訪れており、参加者は昨年と今年の状況を比較しながら圃場を回った。
昨年と比較して目立ったのがこんにゃく芋圃場の減少。経費高騰と生芋価格の下落により「作れば作るほど赤字が増える」という危機的な状況の中、こんにゃく芋より、収入増が期待できるとうもろこしやさつまいもなど他の作物への転作が進んでいる。昨年、こんにゃく芋畑であった場所が、他の野菜畑や空き地になっているところが多く見られた。
群馬県内の作付面積はピークから4割減、この1年だけでも7%減少している。特に生産効率の悪い小規模な圃場が減少し、生産効率の良い大規模圃場への集約が進んでいる。
また、昨年と比較して病気の広がりも目立った。夏の猛暑に加え、今年はゲリラ豪雨が多かったことにより、例年より病気が広がりやすい環境となった。生産者がコスト削減のため、土壌消毒の回数を減らしていることも影響していると見られる。
一行は昭和村の「道の駅 あぐりーむ昭和」を視察後に高崎駅に移動、解散となった。
視察会は、原料業者である株式会社ウエハラ代表取締役の上原啓司氏、株式会社小井蒟蒻代表取締役の小井佳広氏がアテンド役を務めた。
一行はホテルグランビュー高崎を朝8時30分に出発し、沼田市白沢町と昭和村の圃場を見学した。
昨年の第1回こんにゃくサミット産地視察会においても同じエリアを訪れており、参加者は昨年と今年の状況を比較しながら圃場を回った。
昨年と比較して目立ったのがこんにゃく芋圃場の減少。経費高騰と生芋価格の下落により「作れば作るほど赤字が増える」という危機的な状況の中、こんにゃく芋より、収入増が期待できるとうもろこしやさつまいもなど他の作物への転作が進んでいる。昨年、こんにゃく芋畑であった場所が、他の野菜畑や空き地になっているところが多く見られた。
群馬県内の作付面積はピークから4割減、この1年だけでも7%減少している。特に生産効率の悪い小規模な圃場が減少し、生産効率の良い大規模圃場への集約が進んでいる。
また、昨年と比較して病気の広がりも目立った。夏の猛暑に加え、今年はゲリラ豪雨が多かったことにより、例年より病気が広がりやすい環境となった。生産者がコスト削減のため、土壌消毒の回数を減らしていることも影響していると見られる。
一行は昭和村の「道の駅 あぐりーむ昭和」を視察後に高崎駅に移動、解散となった。
【2024(令和6)年10月21日第5177号11面】
<記者の目> 日本の蒟蒻文化守れ
日本伝統の蒟蒻文化が危機に立たされている。蒟蒻の原料価格の下落、経費高騰のダブルパンチで蒟蒻農家は転作が相次ぎ、日本全体の生産量の9割以上を占める群馬県の蒟蒻芋の作付面積はこの一年だけで7%減少した。
「作れば作るほど赤字になる」状況の中、生産者は効率化の努力を重ねてきたが、もはや限界。サミット冒頭の挨拶で生産者代表は「現在の状況が続けば将来的に国産蒟蒻が食べられなくなる日が来る」と警鐘を鳴らした。
蒟蒻の消費拡大を目的に昨年に続き開催された第2回全国こんにゃくサミット。今回は美味しさをテーマに、様々な意見が交わされた。
多くの出席者が口にしていたのが、無味だからこその蒟蒻の可能性だ。無味であるために、蒟蒻はどんな味わいにもカメレオンのように姿を変えることができる。すなわち、それは時代のニーズが大きく変化しても、対応できるということに等しい。
漫画『美味しんぼ』57巻「コンニャク文化」の中で主人公・山岡士郎は蒟蒻についてこう述べている。「コンニャクは特徴的な美味しさがあるわけではない。だがそれは無味の美味というか、一見空だが、その空は充実した空だ。これこそ日本人の美的感覚に合致したものだ。だからこそ世界中で日本人だけがコンニャクを愛好するんだ」。
日本人は古来より、侘び寂びの美意識により無であることに価値を見出してきた。その日本人の精神が宿った食材こそか蒟蒻なのだ。この日本独自の食文化を守るため、今何ができるのか。残された時間はそう多くない。(藤井大碁)
「作れば作るほど赤字になる」状況の中、生産者は効率化の努力を重ねてきたが、もはや限界。サミット冒頭の挨拶で生産者代表は「現在の状況が続けば将来的に国産蒟蒻が食べられなくなる日が来る」と警鐘を鳴らした。
蒟蒻の消費拡大を目的に昨年に続き開催された第2回全国こんにゃくサミット。今回は美味しさをテーマに、様々な意見が交わされた。
多くの出席者が口にしていたのが、無味だからこその蒟蒻の可能性だ。無味であるために、蒟蒻はどんな味わいにもカメレオンのように姿を変えることができる。すなわち、それは時代のニーズが大きく変化しても、対応できるということに等しい。
漫画『美味しんぼ』57巻「コンニャク文化」の中で主人公・山岡士郎は蒟蒻についてこう述べている。「コンニャクは特徴的な美味しさがあるわけではない。だがそれは無味の美味というか、一見空だが、その空は充実した空だ。これこそ日本人の美的感覚に合致したものだ。だからこそ世界中で日本人だけがコンニャクを愛好するんだ」。
日本人は古来より、侘び寂びの美意識により無であることに価値を見出してきた。その日本人の精神が宿った食材こそか蒟蒻なのだ。この日本独自の食文化を守るため、今何ができるのか。残された時間はそう多くない。(藤井大碁)
【2024(令和6)年10月21日第5177号10面】
長野県こんにゃく組合(細萱聖理事長)は19日、恒例の「秋のこんにゃく祭り」を児童福祉施設「三帰寮」(長野市)で開催した。
今回で14回目となるこの催しは、組合員5社(有限会社寺田屋、株式会社上州屋、有限会社小林蒟蒻店、有限会社荻原、株式会社細萱食品)のこんにゃく、しらたき製品1000個と、こんにゃく料理カレンダー50部を寄贈。こんにゃく広報大使「こんにゃ君」も会場に駆けつけ、子どもたちから大歓迎を受けた。
14時から行われた寄贈式は、三帰寮の野中宣彦寮長の司会で開会。挨拶に立った細萱理事長は、「今年で14回目を迎えたこんにゃく祭りだが、毎回子どもたちが喜んでくれて私たちも嬉しく思う。子どもたちに『こんにゃくは好き?』と聞くと『好き』と言ってくれる。だが、お母さんたちの話では『調理が面倒』という言葉が返って来て、消費が伸びていないのが課題だ。しかし、それらの課題解決や現状打破のために、私たちも食べ方提案のやり方などを議論しながら頑張っているところ。どうか是非、こんにゃくを食べて応援して頂きたい」と語った。
細萱理事長より一般財団法人長野県児童福祉施設連盟の川瀬勝敏会長へ寄贈品の目録が手渡された。
続いて川瀬会長よりお礼の言葉が述べられ、「色や形の違う1000個ものこんにゃくが並ぶと壮観。当連盟は21施設、約400名が入所しているが、その子どもたちの目と口に温かいものを届けていただき、大変ありがたく思う。これから寒い季節になるので、各グループホームでおでんや肉じゃがなど、どんな料理にして食べるか考え、寒い冬を乗り切って行きたい。子どもたちの未来のために、地域での広報活動にも努めている。これからもどうか支援をお願いしたい」と、謝意を表した。
続いて、出席したこんにゃく組合員が挨拶した。小林蒟蒻店の小林文人社長は「これからはおでんやすき焼きの需要期になるので、いろいろな料理で食べてほしい」、上州屋の中野健一社長は「当社は『今夜食うこんにゃく』のCMを流している。これからの季節にピッタリなので、たくさん食べてほしい」、寺田屋の足立輝治社長は「この活動が14年続いてくれてありがたい。県産の芋を使ったしらたきは自慢の品なので、美味しく食べてほしい」とそれぞれこんにゃくの良さをアピールした。
最後は出席者、こんにゃ君を囲んだ子どもたちと記念撮影し、寄贈式は終了した。
【2024(令和6)年10月21日第5177号13面】
今回で14回目となるこの催しは、組合員5社(有限会社寺田屋、株式会社上州屋、有限会社小林蒟蒻店、有限会社荻原、株式会社細萱食品)のこんにゃく、しらたき製品1000個と、こんにゃく料理カレンダー50部を寄贈。こんにゃく広報大使「こんにゃ君」も会場に駆けつけ、子どもたちから大歓迎を受けた。
14時から行われた寄贈式は、三帰寮の野中宣彦寮長の司会で開会。挨拶に立った細萱理事長は、「今年で14回目を迎えたこんにゃく祭りだが、毎回子どもたちが喜んでくれて私たちも嬉しく思う。子どもたちに『こんにゃくは好き?』と聞くと『好き』と言ってくれる。だが、お母さんたちの話では『調理が面倒』という言葉が返って来て、消費が伸びていないのが課題だ。しかし、それらの課題解決や現状打破のために、私たちも食べ方提案のやり方などを議論しながら頑張っているところ。どうか是非、こんにゃくを食べて応援して頂きたい」と語った。
細萱理事長より一般財団法人長野県児童福祉施設連盟の川瀬勝敏会長へ寄贈品の目録が手渡された。
続いて川瀬会長よりお礼の言葉が述べられ、「色や形の違う1000個ものこんにゃくが並ぶと壮観。当連盟は21施設、約400名が入所しているが、その子どもたちの目と口に温かいものを届けていただき、大変ありがたく思う。これから寒い季節になるので、各グループホームでおでんや肉じゃがなど、どんな料理にして食べるか考え、寒い冬を乗り切って行きたい。子どもたちの未来のために、地域での広報活動にも努めている。これからもどうか支援をお願いしたい」と、謝意を表した。
続いて、出席したこんにゃく組合員が挨拶した。小林蒟蒻店の小林文人社長は「これからはおでんやすき焼きの需要期になるので、いろいろな料理で食べてほしい」、上州屋の中野健一社長は「当社は『今夜食うこんにゃく』のCMを流している。これからの季節にピッタリなので、たくさん食べてほしい」、寺田屋の足立輝治社長は「この活動が14年続いてくれてありがたい。県産の芋を使ったしらたきは自慢の品なので、美味しく食べてほしい」とそれぞれこんにゃくの良さをアピールした。
最後は出席者、こんにゃ君を囲んだ子どもたちと記念撮影し、寄贈式は終了した。
【2024(令和6)年10月21日第5177号13面】
全国こんにゃく協同組合連合会(白井宏一理事長)は9月28日と29日に、日本一のこんにゃく産地である群馬県の高崎市で「第2回全国こんにゃくサミット」を開催した。
会場となった高崎市のホテルグランビュー高崎には、昨年の第1回大会に続き、全国からこんにゃく三団体(蒟蒻製造者、原料業者、生産者)が集結。農林水産省農産局地域対策官果樹・茶グループ長の羽石洋平氏、一般財団法人日本こんにゃく協会理事長の清水秀樹氏を始めとした来賓を合わせ、総勢145名が出席し、業界の未来を展望する貴重な機会となった。
当日は三団体の代表者である全国こんにゃく協同組合連合会の白井理事長、全国蒟蒻原料協同組合の岡野則行理事長、群馬県こんにゃく研究会の後藤功也会長が業界発展を祈念して挨拶。会場では「美味しいこんにゃくとは」をテーマとしたパネルディスカッションやグループディスカッションが行われ、出席者全員が参加し、こんにゃく消費拡大のための意見を交わした。
また、株式会社矢野経済研究所主任研究員の大篭麻奈氏が、日本こんにゃく協会が実施した「こんにゃく加工品の輸出実態調査」の結果報告を行った他、宇都宮大学農学部・農業経済学科准教授の神代英昭氏が〝美味しさ〟をテーマに講演した。【詳細別号】
【2024(令和6)年10月1日第5175号1面】
会場となった高崎市のホテルグランビュー高崎には、昨年の第1回大会に続き、全国からこんにゃく三団体(蒟蒻製造者、原料業者、生産者)が集結。農林水産省農産局地域対策官果樹・茶グループ長の羽石洋平氏、一般財団法人日本こんにゃく協会理事長の清水秀樹氏を始めとした来賓を合わせ、総勢145名が出席し、業界の未来を展望する貴重な機会となった。
当日は三団体の代表者である全国こんにゃく協同組合連合会の白井理事長、全国蒟蒻原料協同組合の岡野則行理事長、群馬県こんにゃく研究会の後藤功也会長が業界発展を祈念して挨拶。会場では「美味しいこんにゃくとは」をテーマとしたパネルディスカッションやグループディスカッションが行われ、出席者全員が参加し、こんにゃく消費拡大のための意見を交わした。
また、株式会社矢野経済研究所主任研究員の大篭麻奈氏が、日本こんにゃく協会が実施した「こんにゃく加工品の輸出実態調査」の結果報告を行った他、宇都宮大学農学部・農業経済学科准教授の神代英昭氏が〝美味しさ〟をテーマに講演した。【詳細別号】
【2024(令和6)年10月1日第5175号1面】
<全こん連> 第2回全国こんにゃくサミット 9月28~29日に群馬県高崎市で
全国こんにゃく協同組合連合会(白井宏一理事長)は9月28日と29日に、群馬県高崎市で「第2回全国こんにゃくサミット」を開催する。
「全国こんにゃくサミット」は、”こんにゃく業界の未来予想図”をテーマに、三団体(生産者、製粉業者、製造業者)の相互理解と消費・生産拡大、業界発展を目的として開催されるイベント。二回目の開催となる今回は、”消費者が求めているこんにゃくを届ける”をサブテーマとして加え、消費者の視点を中心に添え展開する。
サミットでは、”美味しいこんにゃくとは”をテーマとしたパネルディスカッションや講演会の他、三団体の参加者が業界の現状や課題について幅広いテーマでグループディスカッションを行い、その結果を発表する。また翌日には産地視察も実施される。
【開催概要】
<サミット会議>
日時:9月28日午後1時(開催時刻)、場所:ホテルグランビュー高崎
<懇親会>
日時:午後6時開宴、場所:ホテルグランビュー高崎
<生産地見学の案内>
日時:9月29日午前8時30分 1階ホテル玄関集合、場所:群馬県県内産地農場等 JR高崎駅解散
「全国こんにゃくサミット」は、”こんにゃく業界の未来予想図”をテーマに、三団体(生産者、製粉業者、製造業者)の相互理解と消費・生産拡大、業界発展を目的として開催されるイベント。二回目の開催となる今回は、”消費者が求めているこんにゃくを届ける”をサブテーマとして加え、消費者の視点を中心に添え展開する。
サミットでは、”美味しいこんにゃくとは”をテーマとしたパネルディスカッションや講演会の他、三団体の参加者が業界の現状や課題について幅広いテーマでグループディスカッションを行い、その結果を発表する。また翌日には産地視察も実施される。
【開催概要】
<サミット会議>
日時:9月28日午後1時(開催時刻)、場所:ホテルグランビュー高崎
<懇親会>
日時:午後6時開宴、場所:ホテルグランビュー高崎
<生産地見学の案内>
日時:9月29日午前8時30分 1階ホテル玄関集合、場所:群馬県県内産地農場等 JR高崎駅解散
【2024(令和6)年8月21日第5171号1面】
<全国こんにゃく協同組合連合会>白井宏一理事長 暑中ご挨拶文
「第2回こんにゃくサミット」開催
暑中お見舞い申し上げます。平素より弊会の運営につきまして格別のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
全国こんにゃく協同組合連合会では、今年9月28日~29日に、日本一のこんにゃく産地である群馬県高崎市にて「第2回全国こんにゃくサミット」を開催します。
昨年、「こんにゃく業界の未来予想図」をテーマに開催された「第1回全国こんにゃくサミット」は、生産者、製粉業者、製造業者の三業態170名が一堂に会し、蒟蒻の消費拡大へ向けたディスカッションや講演会などを実施しました。ディスカッションでは、三業態の参加者が忌憚のない意見交換を行い、未来に通ずるこんにゃく産業の発展の礎を築く場になったのではないかと考えています。
今秋開催される「第2回全国こんにゃくサミット」では、”おいしいこんにゃくとは”という新たなサブテーマを設定し、パネルディスカッションなどを実施する予定です。
今よりもっとたくさんこんにゃくを食べてもらい消費拡大につなげるためには、おいしいこんにゃく作りが不可欠です。では一体、おいしいこんにゃくとは何なのか。消費者の好みによって、それは固かったり、柔らかかったり様々だと思いますが、もう一度原点に立ち返り、おいしいこんにゃくとは何かを参加者全員で意見を交わし合い、考える場にしていきたいと思います。
三業態がウインウインにならなければ、今後のこんにゃく業界の発展はありません。「全国こんにゃくサミット」の開催を軸に、こんにゃくの消費拡大に引き続き取り組んで参ります。こんにゃくは、食生活の多様化や家庭での調理機会の減少、少子高齢化の進展等により、近年、販売量の減少が続いているものの、コロナ禍の巣ごもり需要を経て、そのおいしさや健康性が改めて認知されるようになっていることも事実です。
今後は蒟蒻を素材として提供するだけでなく、手軽さが求められる現在の消費者ニーズに合わせて、すぐに食べられる即食性の高い商品の開発を行っていくことも需要創出の鍵になると考えています。
また夏場は、刺身こんにゃくやところてんに底堅い需要がありますが、メーン商材であるこんにゃくが本格的に売れ始めるのは9月中旬以降の少し涼しくなってきた頃からで、夏場の需要創出のため、こんにゃくの新しい食べ方提案にも力を注いで参ります。
最後になりますが、皆様の益々のご発展とご多幸を祈念いたしまして、暑中のご挨拶とさせて頂きます。
全国こんにゃく協同組合連合会では、今年9月28日~29日に、日本一のこんにゃく産地である群馬県高崎市にて「第2回全国こんにゃくサミット」を開催します。
昨年、「こんにゃく業界の未来予想図」をテーマに開催された「第1回全国こんにゃくサミット」は、生産者、製粉業者、製造業者の三業態170名が一堂に会し、蒟蒻の消費拡大へ向けたディスカッションや講演会などを実施しました。ディスカッションでは、三業態の参加者が忌憚のない意見交換を行い、未来に通ずるこんにゃく産業の発展の礎を築く場になったのではないかと考えています。
今秋開催される「第2回全国こんにゃくサミット」では、”おいしいこんにゃくとは”という新たなサブテーマを設定し、パネルディスカッションなどを実施する予定です。
今よりもっとたくさんこんにゃくを食べてもらい消費拡大につなげるためには、おいしいこんにゃく作りが不可欠です。では一体、おいしいこんにゃくとは何なのか。消費者の好みによって、それは固かったり、柔らかかったり様々だと思いますが、もう一度原点に立ち返り、おいしいこんにゃくとは何かを参加者全員で意見を交わし合い、考える場にしていきたいと思います。
三業態がウインウインにならなければ、今後のこんにゃく業界の発展はありません。「全国こんにゃくサミット」の開催を軸に、こんにゃくの消費拡大に引き続き取り組んで参ります。こんにゃくは、食生活の多様化や家庭での調理機会の減少、少子高齢化の進展等により、近年、販売量の減少が続いているものの、コロナ禍の巣ごもり需要を経て、そのおいしさや健康性が改めて認知されるようになっていることも事実です。
今後は蒟蒻を素材として提供するだけでなく、手軽さが求められる現在の消費者ニーズに合わせて、すぐに食べられる即食性の高い商品の開発を行っていくことも需要創出の鍵になると考えています。
また夏場は、刺身こんにゃくやところてんに底堅い需要がありますが、メーン商材であるこんにゃくが本格的に売れ始めるのは9月中旬以降の少し涼しくなってきた頃からで、夏場の需要創出のため、こんにゃくの新しい食べ方提案にも力を注いで参ります。
最後になりますが、皆様の益々のご発展とご多幸を祈念いたしまして、暑中のご挨拶とさせて頂きます。
【2024(令和6)年8月1日第5169号10面】
<長野県こんにゃく組合> 総会を松本市で開催 児童養護施設へ蒟蒻寄贈
長野県こんにゃく組合(細萱聖理事長)は6月14日、長野県松本市の割烹仙岳にて総会を開催した。
開会挨拶で、細萱理事長は「先日、東京で開催された“FOOMA JAPAN”を訪れたが多くの来場者で賑わっており、コロナ前の状況に戻りつつあると感じた。日本では少子高齢化や食品ロス、物流2024年問題など様々な課題がある中、労働賃金の見直しが本格化している一方で、物価上昇はそれを上回っていると感じる消費者も多く、景気の先行きに不安が拭えていないのが実情だ。本日参加されている皆様においても、様々な経営努力とアイデアを持って事業を行われていると思う。長野県こんにゃく組合員5社が、生き残り、発展していけるよう、組合の活動にも協力をお願いしたい」と述べた。
議事では、①今期活動計画、②全国こんにゃく協同組合連合会事業、③会計報告といった3つの議題について、審議が行われた。
開会挨拶で、細萱理事長は「先日、東京で開催された“FOOMA JAPAN”を訪れたが多くの来場者で賑わっており、コロナ前の状況に戻りつつあると感じた。日本では少子高齢化や食品ロス、物流2024年問題など様々な課題がある中、労働賃金の見直しが本格化している一方で、物価上昇はそれを上回っていると感じる消費者も多く、景気の先行きに不安が拭えていないのが実情だ。本日参加されている皆様においても、様々な経営努力とアイデアを持って事業を行われていると思う。長野県こんにゃく組合員5社が、生き残り、発展していけるよう、組合の活動にも協力をお願いしたい」と述べた。
議事では、①今期活動計画、②全国こんにゃく協同組合連合会事業、③会計報告といった3つの議題について、審議が行われた。
今期活動計画については、毎年恒例となっている秋のこんにゃく祭りのイベントとして、長野市の児童養護施設「三帰寮」へ組合員5社のこんにゃく製品を今年も寄贈する予定が示された。例年9月下旬に実施しているが、今年は「第2回全国こんにゃくサミット」が9月28日、29日で開催されるため、今年は10月上旬に実施を予定している。
新年総会については、1月18日、19日を候補日として、今後調整していく。全こん連事業では、昨年開催された「第1回全国こんにゃくサミット」の開催報告に続いて、「第2回全国こんにゃくサミット」の開催について説明が行われ、細萱理事長が「今年は昨年以上のサミットにしたいということで全こん連で協議を行っているので、是非ご出席頂きたい」と参加を呼びかけた。
会計報告では、会計の荻原加奈子氏より報告があり、満場一致で承認され、総会は終了となった。
【2024(令和6)年7月21日第5168号17面】
新年総会については、1月18日、19日を候補日として、今後調整していく。全こん連事業では、昨年開催された「第1回全国こんにゃくサミット」の開催報告に続いて、「第2回全国こんにゃくサミット」の開催について説明が行われ、細萱理事長が「今年は昨年以上のサミットにしたいということで全こん連で協議を行っているので、是非ご出席頂きたい」と参加を呼びかけた。
会計報告では、会計の荻原加奈子氏より報告があり、満場一致で承認され、総会は終了となった。
【2024(令和6)年7月21日第5168号17面】
全国こんにゃく協同組合連合会(白井宏一理事長)は5月23日、東京都豊島区のホテルメトロポリタン池袋にて第68期通常総会を開催した。
開会挨拶で白井宏一理事長は組合事業への協力に謝意を示した上で、「おかげ様で昨年9月に第1回全国こんにゃくサミットを開催することができた。こんにゃく業界の未来予想図と題して、生産者、製粉業者、製造業者の三業態が一堂に会してこんにゃくの未来について話し合う貴重な場となった。三業態がウインウインにならなければ、今後のこんにゃく業界の発展はない。今年9月には第2回こんにゃくサミットを開催する予定となっており、消費拡大に向けて引き続き取り組んでいきたい」と話した。
続いて農林水産省農産局果樹・茶グループ地域作物第2班課長補佐の三村真梨子氏が来賓挨拶、一般財団法人日本こんにゃく協会の清水秀樹理事長の祝辞を同事務局長の飯田健雄氏が代読、全国蒟蒻原料協同組合理事長の岡野則行氏が祝辞を述べた。
京都府蒟蒻工業協同組合の矢野政幸氏が議長に就き執り行われた議事では、令和5年度事業報告書及び決算関係書類承認の件、令和6年度事業計画及び収支予算承認の件、令和6年度経費の賦課及び徴収方法決定の件、役員改選の件といった9つの議案について各議案が上程され、全て原案通り承認された。
前期は9月2日、3日に群馬県高崎市において、業界初のイベントである「第1回全国こんにゃくサミット」を開催。生産者、製粉業者、製造業者の三業態170名が一堂に会し、蒟蒻の消費拡大へ向けたディスカッションなどを実施。業界発展のため、三業態が一致団結して踏み出す記念すべき一歩となった。
今期は「第2回こんにゃくサミット」を9月28日、29日に高崎市で開催する予定。昨年同様「こんにゃく業界の未来予想図」をメーンテーマに、「おいしいこんにゃくとは」という新たなサブテーマを設定し、パネルディスカッションなどを実施、三業態一丸となってこんにゃくの消費拡大に向け取り組んでいく。
役員改選では白井理事長の再選が決議された。就任挨拶では、専務理事以上の新役員が登壇し抱負を述べ、「こんにゃくサミット」の開催を軸に、消費拡大へ力を入れていく意気込みを示した。
懇親会は白井理事長の開会挨拶に続き、市川豊行前理事長の乾杯発声にて開宴。宴たけなわの中、粉川隆市副理事長の中締めで閉会となった。
【新役員】
理事長:白井宏一、副理事長:平野隆、粉川隆市、専務理事:木原智司、小金澤定夫、高水一人、理事:月田裕和、田村明人、佐合智尚、矢野政幸、塚田義弘、市川英久、柳澤知文、監事:猪貝克浩、植野隆三※敬称略
開会挨拶で白井宏一理事長は組合事業への協力に謝意を示した上で、「おかげ様で昨年9月に第1回全国こんにゃくサミットを開催することができた。こんにゃく業界の未来予想図と題して、生産者、製粉業者、製造業者の三業態が一堂に会してこんにゃくの未来について話し合う貴重な場となった。三業態がウインウインにならなければ、今後のこんにゃく業界の発展はない。今年9月には第2回こんにゃくサミットを開催する予定となっており、消費拡大に向けて引き続き取り組んでいきたい」と話した。
続いて農林水産省農産局果樹・茶グループ地域作物第2班課長補佐の三村真梨子氏が来賓挨拶、一般財団法人日本こんにゃく協会の清水秀樹理事長の祝辞を同事務局長の飯田健雄氏が代読、全国蒟蒻原料協同組合理事長の岡野則行氏が祝辞を述べた。
京都府蒟蒻工業協同組合の矢野政幸氏が議長に就き執り行われた議事では、令和5年度事業報告書及び決算関係書類承認の件、令和6年度事業計画及び収支予算承認の件、令和6年度経費の賦課及び徴収方法決定の件、役員改選の件といった9つの議案について各議案が上程され、全て原案通り承認された。
前期は9月2日、3日に群馬県高崎市において、業界初のイベントである「第1回全国こんにゃくサミット」を開催。生産者、製粉業者、製造業者の三業態170名が一堂に会し、蒟蒻の消費拡大へ向けたディスカッションなどを実施。業界発展のため、三業態が一致団結して踏み出す記念すべき一歩となった。
今期は「第2回こんにゃくサミット」を9月28日、29日に高崎市で開催する予定。昨年同様「こんにゃく業界の未来予想図」をメーンテーマに、「おいしいこんにゃくとは」という新たなサブテーマを設定し、パネルディスカッションなどを実施、三業態一丸となってこんにゃくの消費拡大に向け取り組んでいく。
役員改選では白井理事長の再選が決議された。就任挨拶では、専務理事以上の新役員が登壇し抱負を述べ、「こんにゃくサミット」の開催を軸に、消費拡大へ力を入れていく意気込みを示した。
懇親会は白井理事長の開会挨拶に続き、市川豊行前理事長の乾杯発声にて開宴。宴たけなわの中、粉川隆市副理事長の中締めで閉会となった。
【新役員】
理事長:白井宏一、副理事長:平野隆、粉川隆市、専務理事:木原智司、小金澤定夫、高水一人、理事:月田裕和、田村明人、佐合智尚、矢野政幸、塚田義弘、市川英久、柳澤知文、監事:猪貝克浩、植野隆三※敬称略
【2024(令和6)年6月1日第5164号6面】
群馬こんにゃく特集 国内外で注目の存在
健康性と手軽さにニーズ
こんにゃく芋生産量で全国の90%以上を占める群馬県。県内のこんにゃく関連メーカーでは、伝統的なこんにゃく、しらたきの製造を行うとともに、新たな商品開発に力を入れている。
こんにゃくの食シーンと言えば、おでんや煮物が一般的だが、新商品の顔ぶれは、プラントベースのハンバーグ、こんにゃく麺、くずきりなど様々で、時代のニーズに沿った商品が開発され、人気を呼んでいる。
また、こんにゃくやしらたきを作る際の原料となる、こんにゃく粉も著しい進化を遂げている。近年話題を集めているのが、こんにゃくの特性を生かした新しいこんにゃく粉「マジックマンナン」。凝固剤不要で、水や各種溶媒を加えて練るだけで固まり、加熱調理しても溶けないため、こんにゃく以外の様々な食品に活躍の場が広がっている。
こんにゃくは日本の伝統食品でありながら、海外においてはサステナブルで健康性の高い最先端フードの一つとして受け入れられている。群馬県のこんにゃく加工品輸出額は、この10年間で5倍に拡大。世界的な日本食ブームやヴィーガン・ベジタリアン人口の増加を背景に、さらなる輸出額の伸長が見込まれる。
国内市場においても、即食性の高い商品開発が進み、手軽さと健康性を兼ね備えた食品としてこんにゃくは注目の存在だ。生産者減少や異常気象により原料確保が困難を極める中、こんにゃくは国産原料で国内需要が100%まかなえる食品でもある。不透明な国際情勢が続く中、食料安全保障の観点からも、こんにゃくへの期待は高まっている。(藤井大碁)
こんにゃくの食シーンと言えば、おでんや煮物が一般的だが、新商品の顔ぶれは、プラントベースのハンバーグ、こんにゃく麺、くずきりなど様々で、時代のニーズに沿った商品が開発され、人気を呼んでいる。
また、こんにゃくやしらたきを作る際の原料となる、こんにゃく粉も著しい進化を遂げている。近年話題を集めているのが、こんにゃくの特性を生かした新しいこんにゃく粉「マジックマンナン」。凝固剤不要で、水や各種溶媒を加えて練るだけで固まり、加熱調理しても溶けないため、こんにゃく以外の様々な食品に活躍の場が広がっている。
こんにゃくは日本の伝統食品でありながら、海外においてはサステナブルで健康性の高い最先端フードの一つとして受け入れられている。群馬県のこんにゃく加工品輸出額は、この10年間で5倍に拡大。世界的な日本食ブームやヴィーガン・ベジタリアン人口の増加を背景に、さらなる輸出額の伸長が見込まれる。
国内市場においても、即食性の高い商品開発が進み、手軽さと健康性を兼ね備えた食品としてこんにゃくは注目の存在だ。生産者減少や異常気象により原料確保が困難を極める中、こんにゃくは国産原料で国内需要が100%まかなえる食品でもある。不透明な国際情勢が続く中、食料安全保障の観点からも、こんにゃくへの期待は高まっている。(藤井大碁)
【2024(令和6)年4月1日第5158号1面】
<こんにゃく健康効果>
肥満防止や便秘解消など幅広く
こんにゃくは、ヒトの消化酵素で消化されない食物繊維のグルコマンナンが多量の水分を取り込んで凝固した水分97%の食品なので、カロリーがほとんどなく食物繊維が豊富なことから、昔から知られている整腸作用、便秘解消だけでなく、現代人の悩みである肥満や生活習慣病の予防・改善などメタボリックシンドロームに役立つことが明らかになっている。
メタボに悩む人は美味しい料理は食べたいけれど糖質や脂質が気になる。料理にこんにゃくを取り込めば同じ分量の料理を食べても、こんにゃく分だけ糖質や脂質が減ってダイエットになる。食べる量を減らさず罪悪感なく食べられるこんにゃくは救世主のような食材だ。
無味無臭で形も自在な固形食品なので様々な料理に取り入れることが出来る。料理に使うことでかさを増し、品数を増やし、独特の食感が料理にアクセントを加えるが、料理の栄養バランスが保たれ食べた分だけカロリーオフになる理想的なダイエット食品。また血糖値を上げるブドウ糖を含んでおらず、かつ、低カロリーで食べ応えがあることから、糖尿病のリスクファクターである過食によるカロリーの摂り過ぎや肥満を未然に防ぐ効果もある。
さらに、こんにゃくは、グルコマンナンが水分を多量に取り込んで凝固した不溶性食物繊維で、小腸で消化されず固形物のまま大腸に達し、カサを増してやんわりと大腸を刺激して、排便反射を高め、便秘を解消し、おなかをすっきりさせる。食物繊維が腸内細菌のエサとなって短鎖脂肪酸に分解され、腸内環境が弱酸性に整えられて有用菌が優勢になり腐敗菌による有害物質の生成を抑制、排便を促す腸のぜん動運動も活発になって大腸内環境の健全性が保たれる。
その他、こんにゃくには、牛乳の半分のカルシウムが含まれており、かつ、胃の中で溶出し吸収されやすいと言われている。カロリーの摂取量が増えることを心配せずに、サツマイモ並みの食物繊維と牛乳の半分ものカルシウムが補給できる食品だ。
【2024(令和6)年4月1日第5158号3面】
一般財団法人日本こんにゃく協会ホームページより
https://www.konnyaku.or.jp/health/
こんにゃくは、ヒトの消化酵素で消化されない食物繊維のグルコマンナンが多量の水分を取り込んで凝固した水分97%の食品なので、カロリーがほとんどなく食物繊維が豊富なことから、昔から知られている整腸作用、便秘解消だけでなく、現代人の悩みである肥満や生活習慣病の予防・改善などメタボリックシンドロームに役立つことが明らかになっている。
メタボに悩む人は美味しい料理は食べたいけれど糖質や脂質が気になる。料理にこんにゃくを取り込めば同じ分量の料理を食べても、こんにゃく分だけ糖質や脂質が減ってダイエットになる。食べる量を減らさず罪悪感なく食べられるこんにゃくは救世主のような食材だ。
無味無臭で形も自在な固形食品なので様々な料理に取り入れることが出来る。料理に使うことでかさを増し、品数を増やし、独特の食感が料理にアクセントを加えるが、料理の栄養バランスが保たれ食べた分だけカロリーオフになる理想的なダイエット食品。また血糖値を上げるブドウ糖を含んでおらず、かつ、低カロリーで食べ応えがあることから、糖尿病のリスクファクターである過食によるカロリーの摂り過ぎや肥満を未然に防ぐ効果もある。
さらに、こんにゃくは、グルコマンナンが水分を多量に取り込んで凝固した不溶性食物繊維で、小腸で消化されず固形物のまま大腸に達し、カサを増してやんわりと大腸を刺激して、排便反射を高め、便秘を解消し、おなかをすっきりさせる。食物繊維が腸内細菌のエサとなって短鎖脂肪酸に分解され、腸内環境が弱酸性に整えられて有用菌が優勢になり腐敗菌による有害物質の生成を抑制、排便を促す腸のぜん動運動も活発になって大腸内環境の健全性が保たれる。
その他、こんにゃくには、牛乳の半分のカルシウムが含まれており、かつ、胃の中で溶出し吸収されやすいと言われている。カロリーの摂取量が増えることを心配せずに、サツマイモ並みの食物繊維と牛乳の半分ものカルシウムが補給できる食品だ。
【2024(令和6)年4月1日第5158号3面】
一般財団法人日本こんにゃく協会ホームページより
https://www.konnyaku.or.jp/health/