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漬物グランプリ2023 受賞作品

グランプリ・農林水産大臣賞

紀和農園プロダクツ(和歌山県)「紀州南高梅 夢葵 彩の舞」

紀州南高梅 夢葵 彩の舞
宝石のような5色の梅干し
梅干し初のグランプリ「紀州南高梅 夢葵 彩の舞」
 この度の漬物グランプリ2023でグランプリ並びに農林水産大臣賞を、株式会社紀和農園プロダクツ(阪本和繋社長、和歌山市)の「紀州南高梅 夢葵 彩の舞」が受賞した。梅干しがグランプリを獲得するのは初めて。
 本品は全国推奨観光土産品審査会においても農水大臣賞を受賞。贈答用として有名百貨店や航空会社カタログへの採用多数の、こだわりの逸品だ。
 5種類を詰め合わせている。①減塩作業を繰り返し、蜂蜜たっぷりの液で二度漬けした「はちみつ梅」、②はちみつ梅を塩気の利いた桜葉で包んだ絶妙な味わいの「桜葉包み梅」、③北海道産白板昆布で包みしっかりと旨味をきかせた「昆布包み梅」、④国産の紫蘇を使ってじっくり漬けた昔ながらのすっぱい「しそ漬け梅」、⑤しそ漬け梅をさらに紫蘇の葉で包んで爽やかな香りが広がる「赤紫蘇包み梅」。色とりどりの梅干しが整然と並ぶ姿は宝石のように美しい。
 美味しさを支えるのは、同社独自の『二度漬製法』である。塩漬、天日干しした後の梅をたっぷりの調味液に二度漬けすることで梅干本来の肉厚な食感と濃厚な風味を両立させている。一般的な梅干作りと比べて手間もコストもかかるが、品質を追い求める中で生み出された独自の製法だ。
 同社は1995年に創業。梅干を中心とした和歌山産品を使った、五感で楽しめる製品づくりを得意としている。
 47歳で同社を立ち上げた阪本社長は「ベンチャー企業精神を持って他にないものを作ろうとしたから生まれた製法。それがギフト専門メーカーとしての今を作ってくれた」と話す。目指すのは、梅干に関心がなかった人も振り向くような、味も見た目も最上級の商品だ。

紀和農園プロダクツ HP


準グランプリ(農林水産省大臣官房長賞)

秋本食品(神奈川県) 「鎌倉あきもと いちょう巻大根」

鎌倉あきもと いちょう巻大根
 秋本食品株式会社(秋本大典社長、神奈川県綾瀬市)のグループ会社である株式会社鎌倉あきもとでは、「鎌倉あきもと いちょう巻大根」の金賞以上の受賞が決定した。
 「鎌倉あきもと いちょう巻大根」は、同社が得意としている、糖しぼり製法で漬けた大根に、人の手で一つ一つ丁寧に高菜の葉を巻き、上品な漬物に仕上げた。しっかりと絞られた大根の食感と高菜の魅力である独特の香りが互いに引き立てるように合わさり、一切れで二度の味わいを楽しむことができる。
 大根の白さと高菜の緑色のコントラストが食卓で映えるため、土産品として長年「鎌倉あきもと」で好評を博している。「いちょう巻大根」の商品名は、鶴岡八幡宮のシンボルである大銀杏から名付けられた。
 鎌倉あきもと本店(神奈川県鎌倉市)、東京スカイツリーソラマチ店(東京都墨田区)のほか、鎌倉あきもとオンラインショップから購入することができる。
内容量は170gで賞味期限は8日間。販売期間は通年。
白と緑のコントラストが食卓を彩る
 また、同社では漬物グランプリ2018にて「ぶっかけオクラ」がグランプリ(農林水産大臣賞)を受賞。ねばねば野菜として女性に人気野菜のオクラだが、下処理に少し手間がかかる。その手間を解消し、蓋を開けるだけですぐに食べられる漬物に仕上げた。ごま油と生姜の風味が食欲をそそる一品で、簡便性の高さと味が高く評価された。
 同社は旬の素材を生かしながら時代のニーズにも対応し、新商品開発を進めている。「いちょう巻大根」は、味にも見た目にもこだわった高付加価値商品で、今後の動きに大きな期待が寄せられている。
【2023(令和5)年4月21日第5126号8面】

電子版 バイヤー必見イチ押し商品 秋本食品

扶桑守口食品(愛知県) 「発酵×燻製 Smoked Moriguchi」

「発酵×燻製 Smoked Moriguchi」
さくらチップで香り豊かに
 株式会社扶桑守口食品(曾我公彦社長、愛知県丹羽郡扶桑町)では、「発酵×燻製 Smoked Moriguchi」の金賞以上が確定した。
 今年2月に発売した同商品は、愛知県特産の日本一長い大根「守口大根」を酒粕、味醂粕をブレンドした発酵床(粕床)にて約2年漬け込みと漬け替えを繰り返す伝統製法にて守口漬に仕上げたものをさくらチップで燻し、より風味豊かに仕立てた。発酵漬物と燻製の奇跡的なマリアージュが楽しめる。
 ご飯のお供というイメージが強い漬物だが、同商品はワインなどお酒のおつまみに良く合う。
 そのままでも美味しく食べられるが、相性が良いチーズと合わせる食べ方もオススメだ。
 内容量は60gで賞味期限は30日。

扶桑守口食品 HP

地域特産品特別賞

北都(青森県) 青森県産「赤かぶと菊芋漬」

赤かぶと菊芋漬
赤かぶと菊芋の食感が絶妙な甘酢漬
 株式会社北都(工藤信孝社長、青森県青森市)の「赤かぶと菊芋漬」が漬物グランプリ2023にて地域特産品特別賞を受賞した。「赤かぶと菊芋漬」は、青森県内で自社栽培する赤かぶと菊芋を使用した甘酢漬。コリコリとした赤かぶとシャキシャキとした菊芋の食感が絶妙で箸が止まらなくなる。茜色に染まった漬物の外観も美しく、ご飯のおかずやお酒のおつまみにも最適だ。
 菊芋は〝天然のインシュリン〟とも言われ、主成分のイヌリンに血糖値の上昇を穏やかにする効果があるとされており、美味しさと健康性を兼ね備えた漬物製品となっている。 
 同社は建築、飲食、環境衛生、楽器といった様々な事業を展開する企業。飲食部門で運営する居酒屋メニューとして工藤社長の母・りち子さん秘伝の漬物を提供したところ大好評で、常連客から商品化を熱望する声が多かった。その声に応える形で、今年新たに漬物事業をスタート。現在「赤かぶと菊芋漬」と「大根のビール漬」の2品を製造し、同社が運営する「居酒屋旬肴ひでか」の他、青森市魚菜センター内で販売を行っている。
 「漬物グランプリ2023」へエントリーするため、新たに全日本漬物協同組合連合会にも加入、その熱意が実り、見事、地域特産品特別賞受賞となった。
 工藤社長は受賞にあたり「まさかこうした賞を頂けるとは考えていなかったので夢のような思い。表彰式では足が震えるほど感動した。まだグランプリ、準グランプリと上の賞があるので、今後も出品したい」と意気込みを語っている。
 なお今回の受賞作品「赤かぶと菊芋漬」と共に同社が製造する「大根のビール漬」も人気商品。自社栽培する青森県産大根をビールや唐辛子、ザラメなどで漬け上げている。こちらもりち子さんの秘伝のメニューを商品化したもので、大根の歯切れの良さと絶妙な味付けで箸が止まらない味わいに仕上がっている。
 今後は自社栽培のきくらげを使用した漬物の発売も計画しており、漬物グランプリでの受賞を機に漬物部門をさらに拡大していく予定だ。
【2023(令和5)年4月21日第5126号8面】

北都(漬物部門) HP


漬物グランプリ2023 金賞
本漬部門

菅野漬物食品(福島県) 伊達な仙台味噌漬胡瓜

伊達な仙台味噌漬胡瓜
ご飯との相性は抜群
 株式会社菅野漬物食品(菅野行雄社長、福島県南相馬市鹿島区)は、昭和15年創業の老舗総合漬物メーカー。「タマゴヤ」と「香の蔵」のブランドで全国に名を馳せる。その商品は県内及び仙台駅に構える直売店や全国各地の量販店にて厚い支持を誇る。
 同社では新発売した刻みタイプの「伊達な仙台味噌漬胡瓜」の金賞以上の受賞が確定した。
 同商品は国産の常盤胡瓜の旨味とコクを引き出すために時間をかけて漬け込んだ。しっかりと乳酸発酵させた胡瓜を、コクが豊かな仙台味噌で丹念に漬け込んだ。
 仙台味噌に青唐辛子と赤唐辛子をブレンドし、絶妙な辛味とした特製味噌床で胡瓜を漬け込んだ。パリパリとした食感で旨味のある胡瓜とピリ辛でコクのある味噌が融合し、クセになる味を生み出している。ご飯のお供はもちろん、おにぎりやお茶漬けなどにオススメ。肉や魚料理とも相性が良く、付け合わせとしても利用できる。
 また、仙台味噌を使用しているので、東北フェアや名産コーナーに最適なアイテムとなっている。内容量は70gで賞味期間は150日(常温)。
【2023(令和5)年4月21日第5126号9面】

菅野漬物食品 HP
https://www.tamagoya.jp/

三幸(新潟県) 郷土料理の極み「数の子山海漬」

数の子山海漬
 山の幸・野の幸・海の幸で食品を製造する株式会社三幸(佐藤克成社長、新潟県北蒲原郡聖籠町位守町)では、“郷土料理の極み”として同社が本気で作った「数の子山海漬」が金賞以上の受賞となった。
 社名にちなみ野の幸・海の幸の美味しさを詰め込んだ「数の子山海漬」は、食感の良い本チャン数の子を加えたプレミアムな山海漬として提案。
「山海漬」は多くの企業が製造しているが、素材、製法、味にこだわった高級感のある逸品に仕上げている。
 新潟銘酒「雪中梅」の酒粕100%を、雪を利用した天然の冷蔵庫「雪室」で1カ月以上熟成させることで、まろやかな味わいに仕上げている。
野の幸・海の幸が融合した至福の味
一般的な電気冷蔵庫と比べ、温度の変化が少なく、約5度に保たれた「雪室」で低温熟成した酒粕を石臼ですり上げることで、ざらつきのないなめらかな食感に仕上げている。
 大根ときゅうりは酒粕と和えた後もパリッとした食感を保っており、アクセントになっている。芳醇な清酒粕の風味と野菜の甘みと食感、ピリッとした辛味が特長で、野の幸・海の幸が融合したことで生まれる至福の味を楽しむことができる。内容量は230gで賞味期限は20日。
【2023(令和5)年4月21日第5126号8面】

三幸 HP
http://www.kk-sanko.com/

すが野(栃木県) 「ちょこっとおつまみ いかごぼう」

ちょこっとおつまみ いかごぼう
 株式会社すが野(菅野弘社長、栃木県下都賀郡壬生町)は、国産楽京漬のトップメーカーとして知られている。同社では昨年9月に発売した「ちょこっとおつまみ いかごぼう」が高評価を獲得し、金賞以上の受賞が決まった。
 「ちょこっとおつまみ いかごぼう」は、栃木における新たな名産漬物の開発をテーマに、隣県である福島の「いかにんじん」をヒントにしながら開発を進めた。
 北関東はごぼうの生産が盛んで、2021年の生産量は茨城が2位、群馬が5位、栃木が9位と上位に位置し、同社では名産であるごぼうを活用してこだわりの漬物を製造。その味と品質は以前から高く評価されている。
 「ちょこっとおつまみ いかごぼう」は、シャキシャキとした国産ごぼうの食感と、おつまみとして定番となっているイカの旨味と風味が楽しめる一品。甘辛醤油味がご飯はもちろん、家飲みのおつまみにぴったりだ。
 いかは一度お湯で戻して食感をふっくらとさせながら香りを引き出している。ともに細切りで食べやすく、炊き込みご飯やチヂミなど様々なメニューにアレンジすることができる。内容量は90gで賞味期限は210日。
おにぎりにもぴったり
 同じくごぼうを素材とした「ごはんにかけるごぼうと昆布」は、2015年9月の発売以来、漬物グランプリ2016金賞、「フード・アクション・ニッポンアワード2018」FAN特別賞を受賞するなど、注目を集めたヒット商品。
 また、上質な薬味漬物として開発した「国産塩だし生姜」は、漬物グランプリ2019で最高賞のグランプリ(農林水産大臣賞)を受賞。若い社員のアイデアから生まれた万能タイプのトッピング漬物で、豆腐・刺身・肉料理・麺類など様々なメニューに利用できる。
 健康的なイメージが持たれている楽京、生姜、ごぼうを主軸とする同社の商品にはファンが多く、品評会などでは数多くの入賞を果たしている。
【2023(令和5)年4月21日第5126号8面】

すが野 HP

山豊(広島県) 「広島菜パスタソースさらっとトマト」

広島菜パスタソースさらっとトマト
広島菜の風味が香る
 株式会社山豊(山本千曲社長、広島市安佐南区)は、『廣島魁(ひろしまさきがけ)=他社に先駆けること』の精神でオリジナルの商品開発を得意としている。漬物グランプリ2023では「広島菜パスタソースさらっとトマト」が本漬部門で金賞以上を確定している。
 『広島菜パスタソース』シリーズは、漬物に馴染みのない世代に、ご飯のお供以外の利用方法で親しんでもらおうと、同社の〝女子会〟がマーケティングから企画まで担って開発した。カラフルなパッケージが目を惹く商品となっている。広島土産として人気となっている他、高質スーパーやセレクトショップでも導入が進んでいる。
 シリーズラインナップは「さらっとトマト」、「豆乳レモンクリーム」、「和風ペペロンチーノ」、「ほんのり梅風味」の4種類。
 原料の広島菜はほかの菜物と比べてもシャキシャキとした歯ごたえと、ほんのりと辛みがある。これを塩漬にして熟成発酵させたものをパスタソースの具材とすることで、広島菜漬ならではの風味がソース全体を奥深い味わいに引き立てている。
 この度受賞する「さらっとトマト」はパスタの定番であるトマトケチャップ風味に、広島菜漬や醤油で旨みを加え、和と洋を絶妙に融合させている。
 同社は漬物グランプリでの金賞受賞は6度目。これまでの受賞作品は順に、①べったら漬風の大根を広島菜で巻いた「粽菜(ちまきな)はつね」、②地元佃煮メーカー・ヒロツクとコラボした「こもち昆布入り広島菜」、③きゅうりの漬物とチーズを広島菜で巻いたダブル発酵食品の「ちーず粽菜」、④地元企業の三島食品とコラボした「広島菜 ゆかりⓇ入り」、⑤胡瓜と合わせ心地よい食感が楽しめる「ぱりぱり広島菜」。
【2023(令和5)年4月21日第5126号9面】

山豊 HP
https://www.hiroshimana.com/

京の舞妓さん本舗「京都物集女産 竹の子激辛トマト味噌漬」

京都物集女産竹の子 激辛トマト味噌漬(激辛京めんま)
竹の子の食感と辛さでクセになる美味しさ
 株式会社京の舞妓さん本舗(今井洋之社長、京都市中京区)の「京都物集女産竹の子 激辛トマト味噌漬(激辛京めんま)」が、漬物グランプリの本漬部門で金賞以上を受賞する。
 京都の物集女(もずめ)エリアは、非常に高品質な京たけのこの産地として知られている。それだけに、厳格な選別があるため育ちすぎた幼竹は廃棄されている現状があった。
 これを解決するため、地元非営利法人との協力のもと、この幼竹を有効利用しためんま作りに取り組んできた。
 この度の「京都物集女産竹の子 激辛トマト味噌漬」は竹の子のこりこりとした食感が魅力。ある程度成長しているがゆえに程よい固さを持った竹の子をじっくり塩漬にすることで、肉厚で歯ごたえのあるめんまへと仕上げている。
 これを激辛のハラペーニョとトマトを合わせ、味噌漬けにした。ハラペーニョの爽やかな辛さ、トマトの酸味や味噌の旨味が、めんまの食感とともに広がる。
 また、このトマトも同じく規格外品を引き取り使用している。2020年の漬物グランプリでは「とまと味噌九条ねぎ田楽」、2021年には「お茶漬けトマトぶぶあられ添え」が金賞を受賞しているように、食品ロス削減の精神や、新たな素材を取り入れた漬物作りが高く評価されている。
 なお同社は「初代亀蔵」の屋号で漬物を製造販売している。
漬物グランプリ2023 金賞
浅漬・キムチ部門

やまへい(長野県) 「長芋浅漬 本醸造杉樽仕込醤油」

長芋浅漬 本醸造杉樽仕込醤油

 株式会社やまへい(塩川正徳社長、長野県小諸市)では、漬物グランプリ2023にて「長芋浅漬 本醸造杉樽仕込醤油」の金賞以上の受賞が確定した。
 「長芋浅漬 本醸造杉樽仕込醤油」は、国産長芋を本醸造杉樽仕込醤油で漬け込んだ商品。
 シャキシャキとした食感と共に口の中に広がる山芋と本醸造醤油の味わいが何とも言えない美味しさを作り上げている。
 素材を生かしたこだわりの味わいは、ご飯のおかずだけでなく、家飲みのお供としても最適。日本酒、焼酎、ビールなど様々なお酒との相性が良く、低カロリーで健康的なおつまみとしての需要も高い。
 同社では昨年開催された漬物グランプリ2022にて「長芋浅漬 ゆず味」が金賞、また「長芋浅漬 わさび風味」が銀賞を受賞しており、長芋浅漬シリーズが高い評価を得ている。

やまへい HP

くるまや(長野県) 「トロタクキムチ」

トロタクキムチ
昆布のとろみと沢庵をプラス
 株式会社くるまや(古越三幸社長、長野県北佐久郡御代田町)では、漬物グランプリ2023において、「トロタクキムチ」の金賞以上受賞が確定した。
 「トロタクキムチ」は国産ねこあし昆布と国産大根を使用したキムチ。昆布の「とろみ」と沢庵の「たく」を取って「トロタクキムチ」と命名された。
 2年前から、関越自動車道の上里サービスエリア限定商品として人気を集めており、今後は順次販路を拡大していく予定だ。
 ご飯のおともやお酒のおつまみにもピッタリ。豚キムチやキムチ鍋、キムチチャーハンなど様々なキムチ料理の素材として使用するのもオススメだ。なお同社では昨年開催された漬物GP2022にて、「エリンギキムチ」が金賞、「ピリ辛なめこ入り野沢菜こんぶ」が銀賞を受賞している。

くるまや HP

丸越(愛知県) 愛知商高と共同開発「キムレモン」

キムレモン
 株式会社丸越(野田明孝社長、愛知県名古屋市天白区)は、愛知県立愛知商業高校の生徒との共同開発で2月から発売した「キムレモン」が漬物グランプリ2023において金賞以上の受賞が確定した。
 同社と愛知県立愛知商業高校は、2018年から漬物の共同開発を行っており、学生のフレッシュなアイデアを元に漬物作りのプロが形にする夢のプロジェクトとして実施。第5弾となる今回は、7名の生徒と2022年6月から6回の協議を重ね、「キムレモン」の商品化が決定した。
 プロジェクトは「若者が食べたい浅漬」をテーマにアイデアの考案からスタート。試作品の試食や改良、意見交換などを行い、開発を進めた。
 学生の思いが詰まった「キムレモン」は、国産の胡瓜、白菜、ニラをミックスし、みじん切りのレモンであと味すっきりに仕上げた新感覚のキムチ。ピリッと辛いキムチと爽やかで酸味のあるレモンの相性は抜群に良く、高校生のアイデアや発想がキラリと光る味となっている。
 キムチには唐辛子をはじめ、魚醤やにんにくなどを使用しており、旨みや香りが強いためレモンを加えることですっきりしたあと味に仕上がり、止まらない美味しさとなっている。
 サーモンやタコなどの海鮮と和えて丼として、また漬けタレを唐揚げの味付けに利用するなど料理のアレンジも幅広く楽しめる一品だ。内容量は100g単位量り売りで、オンラインショップは150g(袋)。
 開発においては、胡瓜、白菜、ニラ、レモンを素材としたため、カットサイズや食感をうまくまとめることが課題で、配合割合もバランスよく仕上げるため検討した。
 レモンは生をカットして使用すると風味は強くなるが、通年の原料確保も難しく、砂糖漬のレモンピールでは風味が弱いため、冷凍のみじん切りを使用することにした。
 レモンの配合量は程よい酸味と香りになるように調整が難しかった。
 【生徒コメント】
・今まで食べたキムチの中で一番美味しい!
・辛すぎず、さっぱりしたレモンの風味で食べやすい!
・残ったタレも料理に使える!
・胡瓜と白菜、違う食感が楽しめる!
・キムチとレモンの相性抜群!
 若い力によって完成した「キムレモン」が漬物業界に新風を吹き込む。
【2023(令和5)年4月21日第5126号9面】

丸越 HP
https://www.marukoshi.co.jp/
愛知商業高の生徒
フレッシュなアイデアを元に完成

天政松下(大阪府) 「野菜が摂れる10品目。」

野菜が摂れる10品目。
彩りよく塩気控えめでサラダ感覚
 株式会社天政松下(松下雄哉社長、大阪市西淀川区)の「野菜が摂れる10品目。」が浅漬の部で金賞以上の受賞を確定した。
 約10年前に、サラダ感覚の漬物として発売した商品。「漬物」の文字もなく漬物という先入観を与えないラベルデザインが特徴的。
 現在の10品目の内訳は①はくさい、②だいこん、③キャベツ、④赤かぶら、⑤みぶな、⑥きゅうり、⑦たまねぎ、⑧にんじん、⑨枝豆、⑩とうもろこし。塩気を控えていて、サラダ感覚としてたっぷり食べられる味わいが特徴だ。
 発売当初はコンセプトが当たり、大ヒット商品となった。しかしその後は勢いを落とし伸び悩み、10年間試行錯誤しながら容器形態、内容量、原材料も変化させながら販売を続けてきた。
 そして昨年、容器形態を角型から丸カップに変更し、当初は250gだった量目を過去最低の130gまで抑えた。価格も値頃感のある価格設定にしたところ、再び量販店での導入が増え、出荷数が大幅に伸びてきている。
 松下社長は「同じ商品でも、内容量と売価が嵌れば反応が大きく変わる。あらためて商品開発の奥の深さを感じている」と話している。

天政松下 HP

野崎漬物(宮崎県) 「カップDEベジマルシェ」

カップDEベジマルシェ
サラダ感覚でサッパリと食べられる
 野崎漬物株式会社(野﨑偉世社長、宮崎県宮崎市)は沢庵をはじめとする各種漬物から、鶏の炭火焼、ひや汁、生おせちなど惣菜製品まで製造する総合食品メーカーとして著名。また九州一円から関西までカバーするメーカーベンダーとしても九州屈指の規模を誇っている。
 今回の「漬物グランプリ(GP)2023」では、浅漬・キムチ部門で「カップDEベジマルシェ」が金賞を受賞した。同品は2013年3月の発売以来、スーパーの漬物コーナーで大人気の商品。
 だいこん・にんじん・はくさい・きゅうり・トマトと5種類の彩り豊かな野菜を一度に味わえる浅漬ミックス。浅漬には珍しいトマトも入れた。うす味に仕上げてあり、サラダ感覚でサッパリと食べられる漬物だ。
 また、見た目も重視しており、通常のカップ製品とは逆に、フタの部分を下にしてある。このため、中に入っている具材がパッと目に飛び込んでくるインパクトは絶大だ。この工夫が、人気を保っている秘訣の一つと言える。
 同社は、これまでも漬物グランプリでの受賞実績がある。「漬物GP2018」では、看板商品の沢庵「千本漬」が金賞を受賞。宮崎県産契約栽培本干しだいこんを使用し、昔ながらのほんのり甘くてしょっぱい沢庵の味を再現したもの。創業以来70年にわたり、取引先から支持を得ている。
 「漬物GP2021」の本漬部門では、その千本漬を燻製したブラック仕立ての「黒の千本漬」が審査委員特別賞を受賞。宮崎県産干し大根を使用し、燻製による芳醇な香りをまとわせ、コクと旨みのある味付けに仕上げてある。
 秋田の“いぶりがっこ”と違い、天日干し後の大根を糠漬けにし、旨味を凝縮して漬け上がった沢庵を燻製するという、手間をかけた一品である。
【2023(令和5)年4月21日第5126号9面】

野崎漬物 九州うまかモン
https://www.syokuryou-shinbun.com/pages/179/

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