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「梅」業界活動2024

<紀州梅の会>「梅の日」に各地でPR

下鴨神社・上賀茂神社に参拝した一同
1200個の梅干しを配布した梅行列(京都)

献梅の儀や無償配布、ラジオ出演も

 6月6日は「梅の日」。 和歌山県の梅産地の行政、JA、梅干組合、生産者団体等でつくる「紀州梅の会」(真砂充敏会長=田辺市長)は6日、首相官邸を訪問して総理大臣への梅贈呈や、上賀茂・下鴨神社、和歌山県の熊野本宮大社と須賀神社に無病息災と平穏を祈願して梅を献上した。
 また青年部組織である若梅会(濱田朝康会長)は初めての試みとして、京都中央郵便局、渋谷郵便局、新宿SL広場で梅干しを配布。ラジオ番組出演やSNSでの「#梅の日」「#お中元には梅干しを」の一斉配信を行った。
 紀州梅の会は、2006年に6月6日を「梅の日」と制定した。その由来は今から460余年前(1545年)、雨が降らずに人々が困っていた折、時の天皇が京都の賀茂神社に梅を奉納して祈ったところ、雨が降り始め、五穀豊穣をもたらした。
 人々はその天恵の雨を「梅雨」と呼び、梅に感謝するとともに災いや疫病を除き、福を招く梅を「梅法師」と呼んで贈り物にするようになったという故事から6月6日を「梅の日」に制定した。
 京都市の上賀茂神社・下鴨神社では、「紀州梅の会」梅干し部会の杉本宗一部会長が団長を務めて『献梅の儀』が執り行われ、梅の豊作と発展が祈願された。
 参拝の道中で、熱中症予防や健康に役立ててほしいという思いを込めて、他の参拝客へ梅干しを配布する「梅行列」が今年も行われた。
 参列したのは杉本団長ら梅干し部会メンバーの他、みなべ町・田辺市行政関係者、JA紀南、梅生産者、地域の有志ら総勢約50名。
 梅行列では「紀州南高梅」や「梅の日」の旗を立て、時代装束に身を包み行進。両神社で600個ずつ、計1200個の梅干しを配布しPRした。
 本殿で行われた献梅の儀は、両社へ各10kgの新梅が奉納され、祝詞奏上、玉串奉奠など厳粛に執り行われた。参拝後、杉本団長は「梅の恵みへ感謝し、梅産業の更なる発展をお祈りした。今年はかつてない不作となっているが、病気や熱中症予防に効果的であり、昔から日本の文化に深く関わってきた梅の魅力を伝えていきたい」と思いを語った。
 若梅会は京都中央郵便局、渋谷郵便局、新宿SL広場の3個所で梅干しを配布。その人へ一粒、また大切な人へのお中元に一粒、との意味を込めて計2粒を配布した。
 これらイベントの様子は多数のテレビ、新聞で紹介された。また当日、複数のラジオ番組に若梅会会員や紀州梅の会事務局が出演し、全国へ梅をPRした。 濱田会長は「梅の日を定着させることが目標。おせちや恵方巻のように、皆が一斉に梅を思い出してくれる日になれば、その健康効果や美味しさ、お中元という文化にも思いを馳せてくれる機会が増える」と狙いを語っている。

<紀州田辺梅干協組> 熊野本宮大社で式典

梅漬神事を行う前田理事長(熊野本宮大社)
一般参拝者に梅干しを配布
 紀州田辺梅干協同組合(前田雅雄理事長)の熊野本宮大社の式典では、九鬼家隆宮司による祈祷、梅漬神事、神楽奉納、玉串奉奠、九鬼宮司の挨拶、紀州田辺梅干協同組合の前田雅雄理事長の挨拶、直会(なおらい)の順に進んだ。
 九鬼宮司は「本日は晴天の中、神事を行うことができた。梅は和歌山にとって大切な産業であって文化。農家、加工業者、消費者が三位一体となって守ってきた。和歌山の梅干組合や、若梅会では、若い世代へ梅干しや梅製品を食べてもらうため、様々なPR活動に尽力されている。応援している」と話した。  
 続いて主催者代表で、紀州田辺梅干協同組合の前田雅雄理事長は、梅の日制定は五穀豊穣と健康を願い賀茂神社へ梅を奉納した故事に由来すると説明。「昨年までは3年連続の豊作で、梅製品をどう販売していくかが課題だった。だが、今年は3月のひょう被害もあり、2000年以降稀に見る不作となった。梅原料を大切にしながら、梅製品の消費が落ちないように、製品供給、PRともに継続に努める」と語った。
 なお、最後に梅ジュースが関係者に提供され、紀州田辺梅干協同組合の大谷浩之副理事長(ウメカ食品)の掛け声の下、来年の豊作を一同祈願し、飲み干した。 熊野本宮への一般参拝者には当日、記念として梅干しが配布された。

<大田市場> 和歌山の梅フェア

紀州梅の会の他、関係者らが梅をPR
 「紀州梅の会」は6日、梅の日に合わせたトップセールスイベントを東京都の大田市場で開催。また、和歌山の梅干し業者の若手グループ「若梅会」では、渋谷郵便局で梅干しの配布を行った。
 大田市場では、紀州梅の会会長で和歌山県田辺市長の真砂充敏氏、同会副会長でJA紀南代表理事組合長の山本治夫氏ほか、関係者が出席。世界遺産・熊野古道の旅姿をイメージした平安衣装の梅娘も加わって花を添えた。早朝6時半に開始されたイベントは、館内放送で実施を呼びかけると仲卸、小売店バイヤーなどの市場関係者が、用意された梅ジュースを試飲した。
 挨拶に立った真砂会長は、イベントに協力した市場関係者に謝意を示した後、「今年は和歌山の産地状況が厳しい。秀品率が悪く、青果での流通や梅干メーカーは原料不足で苦労することになる。しかし、梅ジュース等への加工は問題ないので、ぜひ活発な流通を期待したい」と語った。
 山本副会長は「今年の不作は台風、雹、カメムシなどマイナス要因が重なり、これまでに経験したことのない凶作となってしまった。しかし、来年に向けてどう持ち直すかの対策を考えながら、復活に備えて努力しているところだ。ぜひ需要の安定にご協力をお願いしたい」と語った。

<若梅会> 渋谷で梅干しを配布

(左から)若梅会の愛須氏と大谷氏、島田氏
 渋谷郵便局では、若梅会の愛須悠一朗氏(愛須食品社長)と、大谷剛史氏(大谷屋製造部)、愛須食品の包装デザインを担当したことのある島田麻衣氏(サウナAALTO支配人)が梅干しを配布した。
 配布したのは“御中元”のラベルを貼った2個セットの梅干し。これは古来より重宝され、知り合いに配ったお中元の起源とも言われる梅干しの故事に由来するもの。1粒は自分用に、そしてもう1粒は誰かへのお中元として届けてもらう趣旨だ。
 愛須氏は「東京で行うこのイベントは初の試みで、いずれは日本の五大都市などに広げていきたいと考えている。その第一段階として、梅干しの普及に一役買う起爆剤になれば」とイベントの狙いを語った。

<みなべ梅干協> 梅産業の発展願う 生産・消費拡大を強調

殿畑理事長
 和歌山県みなべ町(小谷芳正町長)の須賀神社では、「紀州梅の会」の副会長である小谷芳正みなべ町長や、梅干部会の紀州みなべ梅干協同組合(殿畑雅敏理事長)の組合員、生産者、来賓、行政、関連資材関係者ら梅産業に関わる36名が参列した。
 宮司が祝詞を奏上し、梅への感謝の誠を捧げ南高梅の維持と普及を祈願した。その後、梅の漬け込み神事や玉串奉奠を殿畑理事長が行った。
 小谷町長は「梅産業はみなべの基幹産業。さらなる産地活性化へ向けサポートしていきたい」と意欲を示した。 
 また殿畑理事長は「今年は梅が穫れない年だが、梅のありがたみを噛み締めながら売っていき、人々の健康に貢献していきたい。来年の豊作もお願いした」と話した。
【2024(令和6)年6月11日第5165号1、2面】

<紀州梅の会>6月6日は「梅の日」 暖冬や降雹で凶作の年に

6月6日は「梅の日」。
 和歌山県の梅産地の行政、JA、梅干組合、生産者団体等で組織する「紀州梅の会」(真砂充敏会長)は、2006年に6月6日を「梅の日」と制定し、毎年賀茂神社、和歌山県の熊野本宮大社と須賀神社に無病息災と平穏を祈願して梅を献上。その他、総理大臣への梅贈呈等の記念行事を開催するなど、紀州梅の認知度とブランド力の向上を図っている。
 一昨年までのイベントや行事は、コロナの影響で中止または規模を縮小しての開催となっていたが、昨年からコロナ前の規模で開催。京都の上賀茂・下鴨神社、和歌山の熊野本宮大社、須賀神社で神事や式典、梅漬け儀式などが行われた他、東京の大田市場で「和歌山の梅フェア」を開催した。その後、真砂会長や梅娘らが首相官邸に岸田文雄総理を表敬訪問し、梅干しを贈呈。今年は例年のイベントに加え、東京や京都で梅干しの配布が行われる予定だ。
 今から460余年前(1545年)、雨が降らずに人々は困っていた。時の天皇は6月6日、京都の賀茂神社に梅を奉納して祈ったところ、雷鳴とともに雨が降り始め、五穀豊穣をもたらした。人々はその天恵の雨を「梅雨」と呼び、福を招く梅を「梅法師」と呼んで贈り物にするようになったと言われている。これらの話が宮中の日記「御湯殿上の日記」に記されていたことから、その故事にちなんで6月6日を「梅の日」に制定した。
 日本一の梅産地である紀州梅産地では昨年まで良い作柄が3年続いていたが、今年は暖冬や降雹の影響で凶作の見通しとなっており、収穫量も平年を大きく下回ると見られている。
 JA紀南が5月16日に発表した梅産地情報によると、梅部会がまとめた生産予想量は小梅405t(前年比57%、平年比54%)、古城236t(前年比63%、平年比49%)、南高1万3074t(前年比63%、平年比62%)。小梅の出荷は5月上旬から始まっているが、当初の予定より荷受け量は少ない。また、古城の出荷は5月中旬からスタートした。南高は早場で5月下旬から収穫が始まり、ピークは6月1日~6日と予想されている。
【2024(令和6)年6月1日第5164号1面】

紀州梅の会

紀州みなべ梅干協同組合 南高梅母樹へ報恩感謝祭

 殿畑理事長
高田代表
西本町長
 母樹へ灌水の儀を行った
総会で定款変更や事業計画決議
 紀州みなべ梅干協同組合(殿畑雅敏代表理事)は14日、紀州高田農園(高田智史代表)で南高梅の母樹に感謝を伝える報恩感謝祭を執り行った。その後は紀州路みなべで第52期通常総会を開催した。
 南高梅の母樹は高田代表の祖父・高田貞楠氏が明治35年に植えた苗木「高田梅」がルーツ。昭和6年にそれを譲り受けた小山貞一氏が栽培を広め、さらに昭和25年、南部高校が品種の選抜研究に協力した経緯から「南高梅」と名付けられた。母樹はJA紀州アグリセンターみなべに移植されていたが、2020年に紀州高田農園へと帰還した。
 初開催となる報恩感謝祭には組合員23名の他、高田代表、みなべ町の西本豊副町長、平喜之うめ課課長も参列した。須賀神社の宮司が祭事を取り仕切り、母樹に水を注ぐ灌水の儀などを執り行った。
 高田代表は「樹齢120歳以上になる今もこのように実を付けてくれる優良品種を見出した小山さんや祖父、梅に関わって来られた先人全てに感謝している。南高梅は世界一の梅だと私は思っている。これからも南高梅の発展へ協力していただきたい」と呼びかけた。
 また西本副町長は「梅はみなべの経済基盤と言える存在。母樹が見守ってくれていることは心の支えになる。みなべ町としても梅の機能性研究や消費拡大に全面的に協力している。加工業者の皆様には一層の商品品質向上、商品開発をお願いしたい」と語った。
 最後に殿畑理事長は「この一本の奇跡の樹が、4000haもの梅林の礎を作った。私たちは南高梅のおかげで商売を続け、豊かな暮らしをできている。報恩感謝祭は今回が初めてだが、梅への感謝の気持ちを忘れずにいたい」と改めて感謝を捧げた。

 報恩感謝祭の参列者
 その後、会場を移し総会を開催した。議案審議は第一号議案で定款の一部改正を行い、加盟希望者への弾力的な対応をするため、加盟条件の地区を和歌山県日高郡一円に限らない旨を記載、みなべ町商工会本書機能移転に伴う組合事務所所在地変更、同一の代表者が2者以上で加盟する場合の議決権は一個とする旨を盛り込むようにした。
 また第二号では令和5年度事業報告書及び収支決算書について、第三号で6年度の事業計画案及び収支予算案について審議され、いずれも承認された。
 昨年度は組合創立50周年を迎え記念式典を開催。また消費振興のための宣伝や、資材の共同仕入れ、環境対策、食品安全対策などに取り組んできた。今年度も引き続き各事業を継続していく他、6月6日には和歌山県や「紀州梅の会」、また同組合と紀州田辺梅干協同組合横断の青年部組織「若梅会」と連携して、各地で梅を宣伝する計画だ。
 その後は情報交換会、懇親会も開催された。今年の作柄は、大不作となる見通し。暖冬で例年よりも3週間以上も開花が早くなったため、ミツバチによる受粉が進まず着果数が激減し、平年の6割ほどの収量と予想する声が大半を占めた。加えて3月20日に降雹があったことで傷果が多くなっており、良品の収穫量は押し下げられる見通しだ。
【2024(令和6)年5月21日第5163号3面】

紀州田辺梅干協同組合 梅産地にひょうの被害

前田理事長
大谷社長
「梅の日」東京・京都で梅干配布 
 紀州田辺梅干協同組合(前田雅雄理事長)は8日、和歌山県田辺市の銀ちろ本店で、第62期通常総会を開催した。
 開会に先立ち、前田理事長は「3月に県内でひょうが降り、梅の果実に傷がつき、被害額が21億5000万円ほどになった。ひょうの被害は2000年以降、2番目に大きい規模で、産地が打撃を受けている」とひょう被害に言及。
 続いて「さらに今年は暖冬が続き、不作と予想されている。直近3年間が豊作だったが、本年は厳しい年になりそうだ。メーカーとしては、何とか良い梅製品を作って、消費者に届けたい」と挨拶した。
 その後議案に移り、昨年度の事業として6月6日「梅の日」で熊野本宮大社と京都の上賀茂神社や下鴨神社へ梅を奉納したこと、秋には「梅干しで元気キャンペーン」で組合員が県内の小学校に訪問し、児童に向けて紙芝居で南高梅の歴史や健康性について伝えたことなどが報告された。本年度の事業としては、「梅の日」に際し、例年の梅奉納に加え、東京と京都にて梅干しの配布PRが計画されている。また梅酒ツーリズム事業への参加、南紀田辺UMEロードマラソンとの連携等の事業計画が組まれている。
 他に、ウェブサイトでの情報発信強化、講演会の開催等を予定。各議案が上程され全議案、承認となった。
 本組合の総会前には、同会場で、有限会社田辺梅干研究センターの第20期社員総会が行われ、大谷喜則代表取締役社長が進行役を務めた。大谷社長は「当社は、主に梅加工メーカーの調味液の処理問題と自然保護のために設立された。引き続き、関係各位に協力を賜りたい」と語り、社員総会は締めくくられた。
【2024(令和6)年5月11日第5162号2面】

<うめのわ> 11月10日「カリカリ梅の日」 お披露目式典を開催

村岡代表
うめのわ会員メンバー
梅の木を記念植樹
前橋東照宮に梅製品を奉納
記念日登録証
 ぐんまの梅を応援する会「うめのわ」(村岡優年代表)は2月28日、「カリカリ梅の日」お披露目と梅の記念植樹式典を「前橋公園・芝生広場」(前橋市)で実施した。
 カリカリ梅は昭和46年に群馬県で開発され、同県はカリカリ梅に最適な青梅の主要産地となっている。うめのわでは、その「ぐんまの梅」の魅力を発信するため、「カリカリ梅の日」の制定を目指し、日本記念日協会に申請、このほど認定を受けた。
 式典では村岡代表が「群馬のカリカリ梅をどうしたらPRでき、農家に還元できるかを考え、〝カリカリ梅の日〟を制定した。これによって認知度を高め、群馬のカリカリ梅をブランド化できると確信している」と挨拶した。
 また、来賓の一般社団法人群馬地域学研究所代表理事の手島仁氏は、「梅は〝百花の魁(さきがけ)〟と呼ばれ、冬の寒さに耐えてどの花よりも先に咲く。今回のカリカリ梅の日の制定と梅の植樹は大変喜ばしく、笑顔を絶やさない世界になってほしい」と挨拶した。
 来賓の前橋市公園管理事務所長の金子朋之氏、前橋公園園長の笠間良一氏が紹介された後、カリカリ梅の日が「11月10日(いい音の日)」に制定されたことを発表した。11月は、カリカリ梅が開発された月で、更にうめのわの第1回会合が行われた月でもあるため、〝いい音〟の語呂合わせが良い10日が選ばれた。
 続いて同公園芝生広場に紅千鳥、八重寒紅、見驚(ケンキョ)各1本、白加賀2本計5本の梅の木を出席者が交代で土を盛り、記念植樹した。
 式典の後は、公園に隣接する前橋東照宮にカリカリ梅など梅製品を奉納し、群馬県梅業界のさらなる発展を祈願した。
 村岡代表は「11月は、梅業界としては閑散期となるため、PRの絶好のタイミングとなる。具体的なイベントは、これから会員とアイデアを出し合って実施していきたい」と語っている。
【2024(令和6)年3月1日第5155号3面】

うめのわ 公式フェイスブック
https://www.facebook.com/umenowa/

梅の先覚者へ感謝捧げる 暖冬で2週間以上開花早く

中本会長
小谷町長
山頂から見下ろす南部梅林
 【大阪支社】紀州南高梅の産地和歌山県みなべ町晩稲の南部梅林で、その先覚者である内中源蔵翁の第59回頌徳慰霊祭が2月11日、営まれた。梅林を運営する梅の里観梅協会(中本宏会長)や行政、紀州みなべ梅干協同組合(殿畑雅敏理事長)など梅産業関係者らが多数参列し先人の業績を讃えるとともに感謝を捧げた。
 主催者を代表して中本会長は「貧村だったこの地を開拓し梅の里へと導いた口中翁の苦労は計り知れない。心より感謝する。今年は通常より2週間以上も早い開花となり作柄が心配される。今後も温暖化の影響が出てくるだろう。梅関連商品の売れ行きもコロナ前まで戻りきっていない。これからは美味しさと健康性を併せ持った商品を開発することが求められている。我々は力を合わせ、先人への感謝を持ち、この梅の里を未来へ繋いで行くことを誓う」と表明し、挨拶とした。
 続いてみなべ町長の小谷芳正氏は「町としても梅の健康機能性の研究を進めており、特許も取得している。また先日は『おにぎりサミット』で梅をPRした。海外発信の契機ともなりそうだ。メーカーの皆様にもさらなる商品開発をお願いしたい」と関係者一丸となる必要性を訴えた。
 その後も多数の来賓から、和歌山県の基幹産業ともいえる存在となった紀州南高梅ブランドを育てた先人たちへの感謝と、未来へ受け継いでいく決意の言葉が送られた。
 最後は開経の偈が唱えられる中、梅干しメーカーや生産者、JA、行政など梅に携わる人々が焼香を行った。
 みなべ梅干協組の花村数夫副理事長は「異常な早咲きで十分に実が着くか心配。昨年まで豊作が続き、梅干メーカーとしては在庫は確保できている所も多いと思うが、生産者の収入も考えれば安定した作柄が望ましい。梅に携わる人全員が幸せになれる環境を作っていかなければ」と語った。
 なお、南部梅林は開花時期に合わせ観梅のため毎年開園しており、多くの観光客を集めている。この日も咲き誇る梅の花が人々を楽しませた他、梅干しを使った料理や梅ジュースなどを提供する屋台が出店した。
 今年は1月27日に開園したが、暖冬の影響により開花が例年より2週間以上も早く、また大雨や強風が続いたことから、閉園は当初予定より短縮して2月25日となった。
【2024(令和6)年3月1日第5155号3面】
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