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全国調理食品工業協同組合 2022

全調食東海北陸ブロック会 岐阜で子ども食堂事業

伊藤社長㊨より宮崎代表理事に惣菜と煮豆が贈られた
伊藤食品が小袋惣菜を寄贈
 全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)は、全国各ブロックにおいて食育活動を行っているが、東海北陸ブロック会(平松賢介会長)では10月25日、岐阜県において子ども食堂支援事業を実施した。
 株式会社伊藤食品(岐阜県岐阜市)の伊藤貴信社長が、子ども食堂ぎふネットワーク(岐阜県羽島市)代表理事の宮崎孝司氏へ、小袋惣菜5品と煮豆1品各100パックの総計600パックを寄贈した。
 子ども食堂ぎふネットワークでは、近隣(羽島、海津、養老、岐阜、関、多治見、恵那など)の子ども食堂と食材の情報をネットワークで共有。必要な食材を配達したり、引き取りに来てもらいながら運営を行っている。当日寄贈した小袋惣菜や煮豆は、お弁当のおかずや副菜として使用される予定となっている。
【2022(令和4)年11月11日第5111号2面】

東海北陸ブロック会 3年ぶり三重で研修会

研修会の参加者で
情報交換会と近況報告会
伊雑宮
VISONを見学
角谷文治郎商店の工場見学
年末商戦や近況報告語り合う 
 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合東海北陸ブロック会(平松賢介会長)は10月18日~19日、三重県で秋季研修会を22名参加の下、開催した。同ブロック会で3年ぶりの研修会となった。
 初日は、名古屋駅の銀時計前に集合。バスで三重県宇治山田市へ移動し、昼食は「割烹大喜」で和食の季節弁当に舌鼓を打った。同店は、伊勢神宮参拝の際に上皇上皇后両陛下、天皇皇后両陛下、秋篠宮両殿下がご利用になられたことでも知られる老舗。特に、秋篠宮両殿下は幾度も訪れられている。
 その後は、鳥羽市の鳥羽水族館に移動し、セイウチのショーなどを楽しんだ。セイウチは飼育員と共同で、シャボン玉を飛ばしたり、子供の呼びかけに応じたり数々の芸を披露し、そのかわいさで観客を笑顔にした。同水族館は、日本一展示数の多い水族館として知られ、変わり種の生き物がたくさん。マナティーや、日本ではここでしか見ることのできない貴重なジュゴンも見ることができた。
 その後は、志摩市の上之郷にある伊雑宮(いざわのみや)へ移動。伊勢神宮内宮の別宮で、「天照大神の遙宮(とおのみや)」とも呼ばれている。14の別宮のうち4番目の格式高さを誇る。一行は、本殿で参拝し、それぞれ「いかなごが来年はしっかり穫れますように」「商売がますます繁盛しますように」と祈願した。
 祈願後は、宿泊場所の都リゾート志摩ベイサイドテラスへ到着。ホテルの会場で情報交換会兼近況報告会を行った。平松会長は「コロナが到来し研修会ができなかった。今日、3年ぶりの研修会を開催できてうれしい。今年のいわしは十分調達できたものの、さんまは価格が高い。さんまの加工が年々困難になっていくことを感じて、心配が募る」と挨拶した。
 全調食の理事長も務める岩田功顧問理事は「10月14日に金沢で第6回若手後継者育成研修会を開催した。40名ほどが参加してくれ、頼もしかった。全調食としては、今後の総会開催地を順次決定しており、数々の議案を審議するとともに、親睦の場を作りたい。組合員の皆様には、展示会出展の助成も引き続き行う。これからも組合を活用いただきたい」と呼びかけた。
 次に、年末商戦への見通しを加藤英敏副会長が発表。「おせちのお重は約400億の市場があり、75%が冷凍おせちだ。しかし、ロシアへの制裁で、カニやいくらの入手が困難で、お重の生産数量を減らすメーカーも出てきている。お重の箱は近年、プラスチックから紙に変更されているが、中国国内のロックダウンで、紙の重箱が入ってきにくい。自社では、今年は例年より早くお重の箱を手配した」と述べた。
 また、平松会長から指名された各地区の近況報告も行われた。金沢からは大畑晃一副会長(大畑食品)が「行動制限が緩和され、今年の4月から金沢では観光客が戻ってきた。年末も見据え、小売店の理解を得て、自社の値上げを完了してひとまず安心だ。だが、第2弾の値上げも見据え、各社の機敏な対応が迫られている」と語った。
 浜松の松田和敏理事(松田食品)は、「今年3月に浜松駅で自社店舗をオープンさせた。来年の大河ドラマの主役は徳川家康で、東海エリアの観光客が増え経済効果がありそうだ。現在新商品を開発中で、ヒットを期待している」と話した。
 三重からは水谷誠志氏(貝新物産)が「自社でおせちのふるさと納税に対応して3年目になる。年々、受注が増えている。自社の時雨あさりに昆布を加えたおにぎりを地元のコンビニで販売してもらい、手堅く売れている」と語った。
 岐阜からは、伊藤貴信理事(伊藤食品)が「遅ればせながら、子ども食堂の取組をやっと始めることができた。11月に信長祭がある。木村拓哉さんが来られるので、50倍の応募があった。岐阜の盛り上がりに期待している」と語った。
 豊橋からは小林利生理事(小林つくだ煮)が、「日配は集客力が下がっているので、売価を上げるのに苦戦している。コロナ禍でスーパーマーケット・トレードショーに出展すると、ドラッグストアの関係者のブース立ち寄りが増えてきた。従来の販路に囚われず、チャネルを広げることに検討の余地があると実感した」と話し、締めくくった。
 その後は、宴会場で懇親会を行い、おいしい和食とお酒を楽しみつつ、この3年での事業運営の苦労や、プライベートの変化などを語り合った。
 翌日は、9時にホテルを出発し、多気町にある日本最大級の商業リゾート「VISON」へ到着。VISONは、伊勢神宮から車で20分ほどの立地で、2021年7月に全面開業した。東京ドーム24個分、約119haと圧巻の規模で自然と共存する施設。
 その一角、「和VISON」では、伊勢沢庵作りで著名な林商店や、昆布加工メーカーの奥井海生堂(福井)などが出店。その中で、みりんメーカーの角谷文治郎商店の工場で、仕込みから熟成までの工程を見学した。
 同社は、調味料としてのみりんの地位向上と、使い方の提案をしている。一行は、みりんの試飲も行い、自社商品で活用できないか、と意見を言い合った。
 同社のみりんは、有機認証を取得しており、2016年の伊勢志摩サミットの料理では同社の「三州三河みりん」が使用された。ランチには、フレンチレストラン「ノウ二エール」で洋食コースとともに、ワインや、みりんとブルーベリーのサワーを楽しんでから、名古屋駅まで移動。
 3年ぶりの研修会を無事に終えた。
【2022(令和4)年11月1日第5110号2面】

第6回若手後継者育成研修会 金沢の佃食品を視察

研修会の参加者
工場を案内する佃社長
佃会長の講演を聴講
岩田理事長
佃会長
佃社長
 全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)は14日、第6回「若手後継者育成研修会」を36名出席の下、石川県金沢市で開催した。当日は、石川県金沢市の佃食品株式会社(佃一志社長)大場工場の視察後、ANAクラウンプラザホテル金沢で佃一成会長の講演を聴講した。
 佃食品大場工場では、佃社長自らが出迎え、案内した。同社の工場は、FSSC22000を2019年に取得し、衛生管理に余念がない。また佃会長、佃社長ともに、最新の食品資材機器に造詣が深く、商品の数量調整に用いるアームロボットや、過去に投資した設備が紹介された。
 同社名物の「くるみの佃煮」や、「わかさぎの佃煮」の製造工程も見学できた。同社には7つのキーワードがあり、①無添加佃煮・無添加商品②価格競争より品質競争③製造から販売まで一貫システム④HACCP対応⑤守り伝える職人の技⑥フード・アーティストカンパニー⑦原料の厳選と味の追求が、挙げられる。
 参加者は視察後、「自分の会社でもアームロボットを導入し、DX化を推進して生産性の向上に努めたい」、「工場の清潔さや、衛生管理の認証取得への意識の高さを見習いたい」と感想を言い合った。佃社長は、「社員が働きやすい職場環境作りを行っていること、消費者に安心してもらえる製造現場であることが伝わればうれしい」とコメントした。【詳細2面】
佃会長が経営語る 「新化」「進化」「深化」 を期待
 (1面より続く)講演終了後は、ホテルに会場を移し、佃会長の講演を聴講した。
 講演に先立ち、全調食の岩田理事長は「若手後継者育成研修会は今回で6回目。第1回目の構想段階から、国内で伝統と独自の文化を最も大切にする金沢の地には足を運んでほしいという強い思いがあった。佃会長は御年83歳で、パワーの源を教えてもらいましょう」と挨拶した。
 佃会長が登壇し、一同の金沢への訪問を労い、同社の成り立ちや、自身が仕事で苦労を乗り切れた体験について語った。同社は、父親が知り合いから、『佃という姓なら佃煮屋をやってみたら』と言われたことが創業のきっかけだ。しかし、創業は昭和21年で戦後すぐ。佃煮の製造に必要な砂糖、みりん、お酒を手に入れるのに父は苦心した。組合に入ることでやっと買い求めることができるようになり助かった、とした。
 次に、自社が成長していく中で大きな取引先であった百貨店に取引を辞められたことが辛かったと語った。そんな時、妻から「あなたが弱腰になっていては社員がついていかない。新しい取引先を開拓したらどうか」と励まされ、それをきっかけに全国の百貨店を行脚して新規取引先を開拓できたと述べ、これまで自身が運に恵まれ、何とか苦難を乗り切れたと伝えた。
 そして「今日若い皆さんにどうしても覚えてほしい言葉が3つある。『新化』『進化』『深化』だ。1つ目は、新しいことに関心を持ちキャッチアップすること。2つ目は前に突き進んでほしいということ。3つ目はレベルを上げていくこと。調理食品業界は消費が低迷しているが、特に佃煮はご飯のお供でもお酒の肴でも楽しめる稀有な食品。伝統を守りながら、アレンジして残せるように工夫してほしい。期待している」とエールを送り、講演は終了した。
 質疑応答に移り、平松食品の平松大地専務が「従来の佃煮だけでなく、くるみのおやつやかぶら寿司の製造にも挑戦している理由は」と尋ねると、佃会長は「商品へのこだわりを持つ自分なら他社のものより、もっと良いものを作れると思うから」と答えた。
 セキヤ食品工業の関谷冴基社長が「仕事のモチベーションは」と質問すると、「佃という名前が励みになっている。自分にとって佃煮屋は家業であり、そして自分のアイデンティティとなっている」と答えた。
 佐々商店の佐々大峻氏は「アイデアの源泉」について質問、「寝ても覚めても商品開発のことを考え、自然とアイデアが思い浮かぶくらい仕事が好き。趣味はバドミントン、ゴルフ、浪曲で、趣味をやっている休日でも常にアイデアが湧く」と順を追って質問に答えて、研修会を終えた。
【2022(令和4)年10月26日第5109号1、2面】

全調食東日本ブロック会 情報交換会を開催

菊池会長
情報交換会
厳しい環境下で打開策探る
 全調食東日本ブロック会(菊池光晃会長)は7日、東京都中央区の日本食糧新聞社にてオンライン併用で情報交換会を開催、28名が出席した。
 菊池会長は開会挨拶で、「非常に厳しい経営環境に置かれている中だが、何か皆様と協力してできることを見出すため、本日は情報交換会を企画させて頂いた。たくさんの方にお集まり頂いているので、現状をお話し頂き、打開策を見つけていきたい」と述べた。
 情報交換会ではコロナ禍による需要減退やウクライナ危機による原料価格、エネルギーコストの上昇など足元の状況の他、直売店やオンラインショップの取組、9月に組合で出店した「グッドライフフェア」のフィードバックなど、幅広いテーマで情報交換が行われた。また共同配送や原料の共同購入についても議論が交わされ、厳しい環境下をどう乗り越えていくか、出席者が知恵を出し合った。
 様々なコストが上昇する中で、最も負担が大きいとされたのがガス代の高騰。佃煮や煮豆、惣菜を炊く際のガス代が2倍近くに上昇している。
 原料価格の高騰も顕著で、特に海外原料は円安の影響が直撃、3割~4割高となっているが、実際に商品価格に反映されるのはこれからで、難しい対応が求められている。
 あらゆる原料が高騰し、その確保も難しくなる中、量を売るビジネスから、付加価値を付け販売するビジネスへの転換にも議論が及んだ。インバウンドや輸出、オーガニック市場の開拓、SNSの活用、佃煮煮豆の技術や製造設備を用いた新しい製品の開発など、出席者が現状の取組を踏まえ、率直な意見を交わした。
 菊池会長は閉会挨拶で、「皆様から様々なお話を頂いたが、明日の種を探しに動き続けることが大切だと感じた。今後もSNS運用の勉強会など、皆様にメリットのあるような会を開催していきたい」と総括した。
【情報交換会の発言(一部抜粋)】
 ▼インバウンドがなくなり直売店舗売上はコロナ前の4割までしか戻っていない。若年層はSDGsが商品選定の重要な要素になっており、そうした面からも今後の商品設計を考えていかなければならない。▼外食や土産はコロナ前の2~3割しか物量がなく厳しい。輸入原料は3月頃から円安の影響で、売っている値段よりも遥かに高く買っている状況。現状の円安の影響を受けた価格が反映されるのはこれからで、輸入原料を使用した製品は3~4割と大幅な値上げを実施せざるを得ない。▼油の使用量が多いが既に7回の値上げが行われている。量目調整をしているが、値上がり分の回収はできていない。▼サンマは漁獲が減り休売も視野に入れていかなければならない。中国産シジミは約3倍に高騰している。▼中国原料はゼロコロナ政策で作業員が減っており供給量や質も減少している。▼工場が老朽化しているが改修してもそれを回収できる見込みがなく、今はまだいいが3年先が見えない。▼ぎんぽ、しらす、ちりめん、田作り、小女子など小魚全てが高い。▼グッドライフフェアで、クラッカーの上にクリームチーズと佃煮を乗せた試食がワインにも合うと好評だった。▼中国原料は非常に厳しい状況。ドル建てや直輸入の取引実施の他、台湾問題を不安視しており、中国に代わる産地を開拓していく必要がある。▼心配なのは来年のおせち。3割程値上げしなければならないものもある。▼オーガニックや国産製品を拡充し、付加価値のある製品が売れるマーケットを探している。直売店は必要があれば翌日からでも値上げができるため、こうした時代には強みがある。▼佃煮は日持ちするものなので、本来小売店へ毎日配送する必要はない。CO2削減にもつながるため組合を通して隔日配送の実現を訴えていきたい。
【2022(令和4)年10月11日第5108号3面】

全調食東日本ブロック会 令和4年度第2回「子ども食堂」寄贈事業

菊池会長より佃煮煮豆が贈呈された
寄贈された佃煮煮豆㊧と豆商品
港区社会福祉協議会へ佃煮煮豆2222個を無償配布 
 全国調理食品工業協同組合東日本ブロック会(菊池光晃会長)は9月28日、令和4年度第2回「子ども食堂」寄贈事業として、東京都港区の社会福祉法人港区社会福祉協議会へ組合員19社の佃煮煮豆2222個(佃煮1622個、煮豆600個)を無償配布した。
 また当日は全国甘納豆組合連合会より「甘納豆お好み」300個、全国フライビンズ組合連合会より「黒胡椒カレービンズ」300個の寄贈も行われた。
 寄贈式は港区麻布地区総合支所にて実施され、菊池会長より港区社会福祉協議会の奥野佳宏事務局長へ佃煮煮豆が贈呈された。
 菊池会長は「食べるものに困っている子どもたちがたくさんいると認識しており、継続的にできる限りの支援をしていきたいと考えている。日本の伝統食である佃煮煮豆は、若い世代に食べてもらう機会が減っているが、日本のソウルフードであると同時に災害食でもあり、絶対に絶やしてはいけない食品。是非子どもたちに食べて頂きたい」と挨拶した。 
 今回、寄贈された食品は港区子ども食堂ネットワークを通し港区内の食料支援を必要としている施設や人たちのもとへ届けられる。寄贈式には同ネットワークに加盟する3団体の代表者が出席し、港区内の子ども食堂の取組や現状を説明。ある代表者は「ご飯はおかずがないと食べられないため、米より麺類や野菜を希望する家庭が増えているが、佃煮があればおいしくご飯が食べらるため有難い。お弁当の具材としても重宝する」と謝意を述べた。
 今回の佃煮煮豆の協賛企業は次の通り(順不同)。佐藤食品、菅英佃煮本舗、ミクロ、小沼水産、鳩屋、佃の匠やまと、青柳食品、遠忠食品、銀座新之助貝新、日出味噌醸造元、勝木食品工業、佃屋食品工業、髙沢食品、丸安商店、オオタニ、大谷政吉商店、菊池食品工業、菊田商店、タカハシ食品
【2022(令和4)年10月1日第5107号2面】

全調食東日本ブロック会 展示会で佃煮・煮豆販売

出展企業のメンバー
 来場者に自慢の商品をPR
 全国調理食品工業協同組合東日本ブロック会(菊池光晃会長)は、9月23~25日に東京ビッグサイトで開催された展示会「GOOD LIFE フェア2022」(主催:朝日新聞)に出展し、佃煮・煮豆などを販売した。
 同展示会は、一般入場者向けの生活雑貨、家具・木工品、食品の総合展示会。コロナウイルス感染予防対策で2年間中止となっていたが、今回は3年ぶりの開催となり、全調食としては初出展。
 東日本ブロック出展ブースでは、加盟企業がそれぞれ自社自慢の商品を出品し、感染予防に十分注意しながら試食も提供。訪れた来場者に、自社商品を大いにPRした。
 出展企業と提供した商品は次の通り。(順不同)
 ▼菊池食品工業=「国内産丹波黒黒豆特大粒」「丹波篠山産丹波黒黒豆 黒の輝」
 ▼遠忠食品=「江戸前一番摘み生のり佃煮」「東京都産柚子こしょう」ほか
 ▼江戸一飯田=「手作りまぜごはんの素」「一口ほたて」ほか
 ▼勝木食品工業=「しらすくるみ」
 ▼髙沢食品=「佃煮4種詰合せ」「佃煮6種詰合せ」
【2022(令和4)年10月1日第5107号2面】
菊池食品工業
遠忠食品
江戸一飯田
勝木食品工業
髙沢食品
子どもにも試食が大人気

近畿ブロック会 北海道研修で昆布漁視察

野村会長
厚岸の長昆布漁視察に 和食文化支える肉体労働
 全国調理食品工業協同組合近畿ブロック会(野村啓介会長)は9月2~4日、3年ぶりとなる研修旅行として北海道釧路市周辺を訪問した。旅路のメインイベントとなったのが和食に欠かすことのできない昆布漁の視察。調理食品業界においても最も重要な原料の一つである昆布だが、近年はその供給量が激減しており、今年は1万2600tと4年連続の過去最少を更新する見通しである。このため野村会長の発案で、改めてその価値を確認するため、視察が計画された。
昆布の干場を背景に撮影
 3日の早朝、北海道ブロック会の脇裕輝氏(脇商事社長)らの案内で厚岸の漁場を訪問し、昆布の水揚げや天日干し作業、鮮度維持保管庫などを見学した。
 今年は波や天候に恵まれず、出漁回数は当日時点で釧路管内5漁協の合計46日と、昨年の93日の半分。この日も当初予定していた昆布森の昆布漁の休漁が決まったため、急遽厚岸に視察先を変更した。
 昆布漁は小さな磯舟で行われる。1m程の波でも転覆の危険があることから、毎朝、各漁協が安全第一で判断を出して漁師はそれに従う。厚岸では長昆布のねじり漁の最中だった。
ねじり漁(奥)と浜に引き上げる昆布
 長昆布は主に、かぎ採り漁とねじり漁を行う。収穫期前半、長昆布が多い間はかぎ採り漁が行われ、海面になびいている昆布をかぎですくい上げ、船に引き寄せて手で引き抜く。長昆布がまばらになり、短いものも混ざった9月にはねじり漁を行う。棹を海底に下ろして回転させコンブを絡めて抜き採る。また厚岸では長昆布を採り終えると、背の低い厚葉昆布が顔を見せ、漁が始まる。
 漁具はいくつかの種類があり、漁師自身によるカスタマイズなどもされているが、いずれも伝統的な棹が現役で活躍している。これを使って、昆布を引き上げるのは大変な力仕事だ。
 さらに、商品価値を高めるため昆布を傷つけず、資源保護のため根は採らないようにするためには熟練の技術が必要である。
一家総出で天日干しにかかる
 漁師ごとの縄張りが割り振られているわけではなく、早いもの勝ちで漁場を確保する。出漁時間は日によるが、概ね5時か5時半で、その時には浜辺から海へ向かって一斉にボブスレー競技のように磯船を押し出す様子が見られることもある。
 棹を下ろす場所はソナーを使って確定するが、その近くまで辿り着くためには事前の調査と、長年の経験が必要だ。
 磯船いっぱいに昆布を採ると、小石が敷き詰められた干場へ運んで天日干しをする。重い昆布を持ち上げ、腰をかがめながら浜に広げていく作業は重労働だ。この作業は子どもや高齢者のほか、近隣学生の定番のアルバイトにもなっている。
 この日干場にいた女性は「干す作業は腰が痛い。以前は私も船に乗っていたが、とにかく力仕事。腕も辛いし、揺れる船で立っているので足腰も疲れる。楽な仕事ではない」と話した。
 早朝から始まり、その日の夕方頃に引き上げる。途中2~3回裏返すため一日かかり切りの作業となる。乾燥しすぎると折れやすくなるので見極めが肝心だ。
 なお、天日干しができるのは夕方まで晴れている日に限られる。雨で濡れれば商品価値が無くなるため、天気予報は生命線ともいえる。漁が出来ても天日干しが難しい日は、40~60℃の熱風を当てる乾燥機を用いる。
 こうして一次乾燥を終えた昆布はさらに乾燥機で乾かしたり、一度水を吹き付けてシワを伸ばしたりする。その後、色つや、重量、幅等の基準で選別する。その等級に応じて棒状にしたり、折りたたんだりして束ねる「選葉」を行う。
 選葉された昆布は検査機関により検査され、スタンプが押され出荷される。漁協には湿度調整を行う鮮度維持保管庫があり、種類や等級ごとに分けて保管し、問屋へ出荷していく。
 このように昆布漁は永く積み上げられた技術と知識によって漁から出荷までの流れが作られ、和食文化を支えている。地域によっては干す前に洗浄したり、天日干しより乾燥機が主流であったりと、違いがある。
磯舟を押し出して漁へ
砂利に敷き詰める
空調の利いた鮮度維持保管庫
丘から見た干場。この距離でも昆布の香りが漂う
「和商市場で流通視察」「釧路湿原の保護活動」「参加者の声」「道産昆布は4年連続最少予測」「環境に適応した昆布」「昆布連続摂取で体脂肪減少」の記事は紙面を御覧ください。

【2022(令和4)年9月21日第5106号10面】

調理食品青年交流会 豊橋で3年ぶりに開催

髙坂会長(右から3人目)より次回東京大会の笈川会長へ法被が引き継がれた
全国から総勢57名が集う
 第31回調理食品青年交流会豊橋大会(髙坂悠太大会会長、平松大地実行委員長)が6日、愛知県豊橋市の「ホテル・アークリッシュ豊橋」で開催された。
 コロナ禍の影響により2019年の北海道大会以来3年ぶりの開催となった豊橋大会には、全国から総勢57名が出席。参加者は久しぶりの再会を喜ぶと共に、調理食品業界の展望を大いに語り合った。
 豊橋佃志会が主管を務めた今大会のテーマは『ChangeとChallengeしてみりん みんなにエールを送るでのん』。目まぐるしく環境が変化する中、変化することや挑戦することを後押しする大会にしたいという主催者の想いが込められた。
 大会セレモニーは、関谷冴基氏が司会進行を務め、平松実行委員長の開会宣言により開幕。髙坂会長が「この3年間、皆様がどれだけ必死に考え、どれだけ必死に会社を守ろうとして生きて来られたか、そういったことをお話できることをとても楽しみにしている。短い時間ですが、熱く楽しい時間を共に過ごしていきたいと思いますので、本日はよろしくお願いします」と挨拶した。
 来賓として出席した全国調理食品工業協同組合の岩田功理事長が挨拶。「コロナとウクライナ危機で私たちのやってきたビジネスモデルが崩壊し、これからは皆様が新しいビジネスモデルを築き上げていかなければならない。このような場で皆様で議論して、自分たちの考えや新しい方向性を見出してほしい」と述べた。
 講演会では、二宮金次郎の七代目子孫である中桐万里子氏が「新しい時代の価値創造を志すリーダーたちへ」という演題で講演。講演会後には各テーブルごとに「自分にとっての幸せとは」というテーマでグループワークが行われた。
 懇親会は愛知県調理食品工業協同組合の加藤英敏理事長の乾杯発声で開宴。プロ和太鼓集団「志多ら」によるパフォーマンスや初参加メンバーの自己紹介、じゃんけん大会など様々なイベントが行われた。
 法被の引き継ぎセレモニーでは、次回開催地である東京のメンバーが登壇、髙坂大会会長より東京大会の笈川陽平大会会長へ法被が引き継がれた。全調食東海北陸ブロック会の平松賢介会長の中締めにより懇親会は終了した。
 なお大会に先駆けて実施された代表者会議では、来年度東京大会に続く2024年度大会の開催地に兵庫県が内定した。【詳細別報】
【2022(令和4)年9月11日号1面】

近畿ブロック会 北海道研修で昆布漁視察

昆布の干場前で記念撮影
釧路で研修8名参加
昆布漁の苦労や価値再確認
 全国調理食品工業協同組合近畿ブロック会(野村啓介会長)は9月2~4日、3年ぶりとなる研修旅行を実施し、北海道釧路市周辺を訪問した。
 旅路のメインイベントとなったのが和食に欠かすことのできない昆布漁の見学。3日の早朝、北海道ブロック会の脇裕輝氏(脇商事社長)らの案内で厚岸の漁場を訪問し、昆布の水揚げや天日干し作業、鮮度維持保管庫などを見学した。
 野村会長は「道産昆布の漁獲量は4年連続で過去最低になると予測が出ている。昆布文化は多くの人々の苦労で維持されていることを実感し、改めてその価値を胸に刻み直すことができた」と話す。
 道産昆布は水中環境の変化や漁師の減少により、供給量が激減。加えて今年は波が高い日や降雨が続いたこともあり、出漁日数は昨年の半分となっている。このため平成元年には3万t超だった供給量が、今年は1万2600tとなる可能性が出てきている。
 研修ではこの他、日本で最初にラムサール条約湿地に登録された釧路湿原での生態系保護活動を学んだり、地元商店を巡り釧路の特産品である昆布や牡蠣、あさり等を用いた商品を視察したりと、盛りだくさんな内容となった。
【詳細別報】
【2022(令和4)年9月11日号1面】

全国調理食品工業協同組合 第67期通常総会を開催

岩田理事長
菊池特別顧問
髙坂大会会長
新入会の山崎氏

展示会出展助成の予算拡大へ

80名が出席した全調食総会
 全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)は19日、ハイアットリージェンシー大阪(大阪市)において第67回通常総会を開催。加盟者約80名が出席し今期の事業計画や、新規加入員の受入について審議した。
 総会に先立ち、5名の物故者へ黙祷が捧げられた。佐々商店の佐々己代治氏、ミクロの鎌田儀一氏、菅英佃煮本舗の菅原英信氏、山本の山本龍介氏、佃屋食品工業の岩﨑安男氏らの冥福を祈った。
 総会に移ると、挨拶に立った岩田理事長は「業界で苦楽を共にした仲間が旅立つのは寂しいが、世代交代が進んでいる。当組合では毎年若手研修会を企画しているので、後継者の方を参加させてほしい」と呼びかけた。
 また今年度の事業計画にも触れ「展示商談会への出展助成を増やす予定でいる。組合は業界を発展させるためにあるので、出し惜しみせずサポートしたい」と話した。
 続いて来賓の菊池幸特別顧問が紹介された。菊池氏は佐々己代治氏らが全調食で果たした貢献や、日本の大学教育に関する所感を述べ、挨拶とした。
 総会は岩田理事長が議長に就き進行。全10議案が上程案通り承認された。
 第3号議案の本年度事業計画については前述の通り、展示商談会への出展助成事業の予算を拡大。また若手後継者育成研修会は、10月14日に佃食品(石川県)を視察した後、佃一成会長が「お土産ビジネスについて」講演する。
 共同宣伝事業は引き続き「佃煮の日(6月29日)」キャンペーンの実施や、催事や子ども食堂等での各種煮豆の配布を行う。共同購入事業は輸入いか及び干しするめ、輸入小豆の共同購入を行う。漁獲量(収量)下落や為替変動など不安定な中においても組合員への安定供給を目指す。
 第10号議案では、株式会社ヤマザキ(静岡県静岡市)の新規加入の諾否が諮られ、全員一致で承認した。山崎朝彦社長は「煮豆・惣菜を取扱っており入会した。本日、取引先の皆様とお会いでき早速組合のメリットを感じている」と謝意を表した。
 議案審議後は各ブロック長が前期の事業実施状況と今期の計画について報告。多くのブロックで、今期は研修旅行を含め活動を再開していく方針が示された。
 総会後には懇親を兼ねた情報交換会も実施。柳本一郎副理事長の挨拶で幕を開けると、昨今の厳しさを増す商環境の中でも、新しい事業への挑戦など、様々な情報が交わされた。
 途中、豊橋佃志会の髙坂悠太氏が登壇し、9月6日に実施する青年交流会豊橋大会について告知し多数の参加を呼びかけた。最後は野村啓介近畿ブロック会長の中締めで、盛会裏に幕を閉じた。

全調食東日本ブロック会総会

菊池会長
全調食東日本ブロック会の総会

子ども食堂寄贈事業に力

 全調食東日本ブロック会(菊池光晃会長)は19日、東京都中央区の日本食糧新聞社にてオンライン併用で総会を開催した。開会に先駆け、3月2日に株式会社佐々商店の佐々己代治会長が、4月10日に株式会社ミクロの鎌田儀一社長が逝去されたことが事務局より報告され、黙祷が捧げられた。
 総会には、オンラインを含め35名が出席、来賓として全国調理食品工業協同組合の菊池幸特別顧問が出席した。令和3年度事業報告及び収支報告、令和4年度事業計画及び収支予算についての2つの議案の慎重審議が行われた。
 開会挨拶で、菊池会長はリアルで開催できることに喜びを示しつつ、足元で上昇を続ける製造コストに言及。燃料代、砂糖、段ボールなどあらゆるものが値上がりしていることに加え、為替も前年に比べ20~25%円安な状況になっていることに触れ、コストをどのように吸収していくかが業界の大きな課題になっていると指摘した。
 その上で、「状況は厳しいが下を向いていても仕方がない。こういう時に知恵が出るもの。安定した原料を探し、今までにない商品を作るには良い機会で、まだ我々が試したことがないような佃煮や煮豆を開発するには良いタイミングではないか。東日本ブロック会の皆様と力を合わせこの難局を一緒に乗り越えていきたい」と話した。
 菊池会長が議長に選出され執り行われた議事では、①令和3年度事業報告と収支報告、②令和4年度事業計画と収支予算についての2つの議案が上程され、原案通り採択された。
 令和3年度は、研修会や教育指導事業(佃煮の日キャンペーン)、豆類宣伝事業などを中心に事業を展開。11月の研修会では、人材採用をテーマに、菊池会長自ら講演を行った。教育指導事業、豆類宣伝事業では、東京都大田区の荏原病院や神奈川県、千葉県、東京都板橋区、杉並区の子ども食堂などへ佃煮煮豆の無償配布を実施した。
 令和4年度は、研修会や教育指導事業(佃煮の日キャンペーン)を中心に事業を計画、子ども食堂寄贈事業に引き続き力を入れていく。またコロナ感染状況を見極めながら、可能な範囲で国内視察研修旅行も検討していく予定だ。
 総会後には約3年ぶりとなるリアルの場での懇親会が感染症対策を講じた上で開催され、活発な情報交換が行われた。
【2022(令和4)年4月21日第5091号9面】

全調食東海北陸ブロック会総会

平松会長
全調食東海北陸ブロック会の総会

アクセンチュアの松葉氏が海外輸出テーマに講演

 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合東海北陸ブロック会(平松賢介会長)は19日、組合員29名の出席の下、愛知県名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで総会と講演会、懇親会を開催した。
 総会は平松会長が進行を行い、第44期事業報告では、昨年HACCP構築支援事業を通して加盟企業3社が新たに実施を始めたこと、子ども食堂への寄贈や煮豆類の宣伝事業を行ったことなどを報告した。さらに、加盟企業の株式会社濱金商店の代表取締役が髙坂彰一氏から髙坂悠太氏に交代したため、檀上にて両氏が挨拶を行った。
 総会終了後は、アクセンチュア株式会社ビジネスコンサルティング本部の松葉公之介マネジャーが「輸出に取り組む意義や必要な知識等について~農水省GFP/加工品部会の取組紹介~」をテーマに講演。和日配メーカーが海外輸出するメリットとしては、少子高齢化による国内市場の縮小、円安へのリスクヘッジに備えること、さらに海外で和食のヘルシーさが注目されているため今後も市場拡大が見込めると語った。
 海外輸出を計画する段階で、①輸出部門が売上の10~15%を占められるか②どの国で何を売るか③現地商社など輸出パートナーを見つけられるか④販売物流ルートを決められるか(ECか量販店か)⑤取引に合った価格設定で、契約書などの書類準備ができるか⑥販売プロモーション(セミナー・交流会)方法をどう学ぶか、がポイントになるという。海外輸出に興味が湧いた場合、「農水省のGFP事務局」に相談すると様々な支援サービスが受けられるので、ぜひ活用してほしいと勧めた。
【2022(令和4)年4月21日第5091号9面】

全調食近畿ブロック会総会

野村会長
全調食近畿ブロック会の総会

役員会で各社が近況報告

 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合近畿ブロック会(野村啓介会長)の役員会、総会、懇親会が19日、京都市のホテルグランヴィア京都で開催された。
 総会に先立ち行われた役員会では、各社が近況報告をした。特に今般の諸コスト上昇に話題が集まり「月に数千万円コストが上がっている」との声が複数上がった。
 これに対応する商品価格の改定については「コスト上昇分に応じた適正価格を追求する」、「内容量調整がSNSで批判を受けるため、小売店から売価変更での対応を希望された」、「年初に決めた価格改定幅では追いつかないくらいコスト上昇が続いている」、「PBの価格調整は商談が難航している」などの状況が明かされた。
 総会は、廣川昌平幹事の司会で進行。初めに野村会長が挨拶に立った。3年ぶりに実会場での総会開催となったことに触れた上で「コロナで非常に厳しい商環境だったが、現在は京都でも観光客が戻りつつある。ブロック会の活動も再開していきたい」と述べた。
 議事は野村会長が議長に就き前年度の事業報告と収支報告、本年度の事業計画と予算案について審議し原案通り承認された。事業計画は、コロナの状況次第で柔軟に対応するものの、6月29日の「つくだ煮の日」キャンペーンや豆類宣伝事業、研修事業を実施する計画である。
 総会後は、仕切り板設置の感染予防対策を施した上で懇親会を開催した。
 乾杯発声は柳本一郎前会長が務め、久しぶりに近畿ブロック会で集まれたことを喜んだ。
 中締めは山田裕一郎副会長が「15年前、組合のおかげで業界の方々と交流を持ち、情報交換できるようになった。世代交代が進んでいるので、引き継いで行けるよう良い組合作りをしましょう」と呼びかけ、幕を閉じた。
【2022(令和4)年4月21日第5091号9面】

全調食西日本ブロック会総会

本多会長
全調食西日本ブロック会の総会

子ども食堂への豆類寄贈額を増額

 【大阪支社】全国調理食品工業協同組合西日本ブロック会(本多隆士会長)は13日、岡山県岡山市のホテルグランヴィア岡山にて組合員20名出席の下、総会を開催した。
 総会に先立ち、本多会長は「昨年は総理大臣が交代し、また2年目のコロナ自粛が経済にダメ‐ジを与え、政治・経済ともに波乱の年だった。当組合の活動としては、尾道市の社会福祉協議会を通じて6カ所に佃煮などを寄贈し、感謝状をいただいた。本年も続けていきたい」と話した。
 来賓の岩田功理事長は「5月に伊勢で開催予定の全体総会は諸般の事情で大阪にて行うことが決定した。来年の会場手配は、伊勢で現在調整している」と語った。
 総会の第1号議案は、2021年度事業報告及び会計報告に基づいて審議を行い全会一致で可決。第2号議案は2022年度事業計画及び予算案を審議し、子ども食堂への豆類寄贈額の増額を全会一致で可決した。
 総会後は、意見交換会と懇親会を行い、燃油や包装資材の価格高騰のため、各社が今春から今秋までに順次値上げしていくことを発表した。
【2022(令和4)年4月21日第5091号9面】

全調食東日本ブロック会 研修会でD2C戦略学ぶ

左から菊池会長、フードサプライの竹川社長、旭食品の竹内副社長
全調食東日本ブロック会の定例研修会
菊池特別顧問
フードサプライ竹川氏が講演
全調食東日本ブロック会(菊池光晃会長)は2月21日、東京都中央区の日本食糧新聞社にてオンライン併用で定例研修会を開催。
開会挨拶で菊池会長は「原材料が非常に不安定な状況になっており、包材を含めて全てのコストが上昇している。先日、浜松で全調食の理事会が開催されたが、参加された皆様の話題の中心もコストの上昇や値上げについてだった。全てのコストが上がっている中、どのように売上利益を維持していくかが、業界共通の課題となっている。コロナ禍の厳しい環境が続いているが、皆様と共に乗り越えていきたい」と話した。
続いて活動報告が行われた。令和3年度は、研修会や佃煮煮豆キャンペーンなどを中心に事業を展開。11月の研修会では、人材採用をテーマに、菊池会長自ら講演を行った。佃煮煮豆キャンペーンでは「第1回医療従事者応援キャンペーン寄贈事業」や「子ども食堂寄贈事業」を通じて、計1万2433個の佃煮煮豆を寄贈、費用総計は189万7998円に上った。
令和4年度は4月19日に総会を開催する他、研修会や可能な範囲で国内視察研修旅行も検討していく。子ども食堂寄贈事業も引き続き東京都及び東京都近県にて実施していく。
続く講演会では株式会社フードサプライ(東京都大田区)代表取締役の竹川敦史氏が「コロナ禍で生まれたフードサプライのD2C戦略」というテーマで講演した。今回の講演会は菊池会長と親交が深い旭食品株式会社(高知県南国市)の竹内慎副社長の紹介により実現。講演会の冒頭、竹内副社長が竹川社長や青果物流業として様々なチャレンジを行うフードサプライの取組を紹介した。
講演会で竹川社長はコロナ禍で実施した様々なD2C戦略の内容を共有。緊急事態宣言の発令により売上が8割減少。新規ビジネスとして「ドライブスルー八百屋」を全国で初めて展開しヒットしたことや、野菜炒め専門店を開店し現在話題を集めていることなどを紹介した。
研修会の最後には、全調食特別顧問の菊池幸氏が来賓挨拶。大学時代の恩師から教わった話として、読書の大切さや経営者の在り方についてレクチャーした。
【2022(令和4)年3月1日第5086号3面】

全国調理食品工業協同組合 HP

全国調理食品工業協同組合 浜松にて理事会開催

岩田理事長
加藤副理事長
平松会長

全調食の理事会
若手研修会は金沢・佃食品見学へ
全国調理食品工業協同組合(岩田功理事長)は4日、「オークラアクトシティホテル浜松」(静岡県浜松市)にて、令和3年度第1回理事会並びに情報交換会を開催。5月の第67回通常総会に向けての議案審議、報告事項の確認が行われた。浜松市で理事会が開催されるのは、今回が初めて。
岩田理事長は開会の挨拶で、コロナ禍における組合の運営や活動について言及。「会合や情報交換会は、できる限り行いたいと思っている。今回もギリギリまで検討して、開催にこぎつけることができた。他の団体では書面決議やリモートなどで行っているが、やはり対面で会合を持つということは、同業者の団体である組合の存在意義だと思っている。原料問題、人手不足など様々な課題について情報を交換し、ぜひ自社に持ち帰っていただきたい。また本日の理事会では5月の通常総会に向け、議案の慎重審議をお願いしたい」と要望した。
続いて議案審議に移り、第1号議案で令和3年度収支見込及び同4年度収支予算案について事務局よりの報告で審議。第2号議案では、その他の総会提出議案(①借入金最高限度額②賦課金の徴収③新規加入組合員の加入金④常勤理事の報酬額)を確認した。第3号議案では、コロナの影響により組合退会した場合の特例扱い(再加入期間の延長)、第4号議案では、令和4年度若手後継者育成研修会について、それぞれ審議した。若手後継者育成研修会については、佃食品株式会社(石川県金沢市)の見学を中心とした計画が発表された。以上の議案は全て、満場一致で承認された。
続いてその他の報告事項として、令和3年度全調食団体PL保険の募集結果並びに同保険料の支払い方法変更について、全調食ホームページの会員専用ページ開設について‐等が報告された。第67回通常総会・理事会開催スケジュールについては、当初予定されていた三重県伊勢志摩での開催が都合によりできなくなったため、5月19日に「ハイアットリージェンシー大阪」(大阪市)で開催されることが報告された。
また、令和4年度第1回理事会・新年会については、令和5年2月9日に北海道函館市の「函館国際ホテル」での予定が発表された。
続いて予定されていた各ブロックの今期事業の進展状況と来期の事業計画についての発表は、昨年10月に福岡で開催された秋季組合大会で行われていたことから、当理事会での発表は省略された。
理事会終了後は情報交換会が行われ、挨拶に立った加藤英敏副理事長は、東海北陸ブロックの松岡宗之介氏(玉三屋食品社長)が昨年秋の叙勲・褒章で旭日双光章を受章したことを報告。「コロナ禍ではありますが、活発な情報交換をしたいと思います」と述べて開会した。
各々親睦を図ると共に情報交換に努め、平松賢介東海北陸ブロック会長が中締めの挨拶で「コロナ禍の中で日本の真ん中にお集まりいただき、感謝申し上げたい。私たちは食文化に携わる人間なのでこれからも元気に明るく、アフターコロナの時代に向けて頑張っていきたい」と意欲を語り、お開きとなった。
【2022(令和4)年2月11日第5084号14面】

全国調理食品工業協同組合 HP

全調食東日本ブロック 杉並区「子ども食堂」へ佃煮煮豆2941個を寄贈

菊池会長(前列右から3人目)から井口常務理事(同4人目)へ佃煮煮豆が手渡された

寄贈された食品
全国調理食品工業協同組合東日本ブロック会(菊池光晃会長)は1月24日、令和3年度第4回目の子ども食堂寄贈事業として、社会福祉法人杉並区社会福祉協議会へ佃煮煮豆2941個(佃煮1496個、煮豆1445個)を寄贈した。
また当日は全国豆類食品消費啓発推進協議会(岩田功会長)を通じて、全国甘納豆組合連合会より「甘納豆お好み」300個、全国フライビンズ組合連合会より「黒胡椒カレービンズ」300個の寄贈も行われた。
寄贈された食品は杉並区社会福祉協議会を通じて、区内の子ども食堂など食料支援を必要としている施設や人たちのもとへ届けられる。
東京都杉並区のウエルファーム杉並で実施された贈呈式では、各組合代表者が杉並区社会福祉協議会の井口順司常務理事事務局長へ食品を贈呈、井口常務理事より菊池会長に感謝状が手渡された。
菊池会長は「コロナ禍で大変な状況の中、食べることに困っている方や、特にお子様に、美味しいものを食べて安心して頂きたいという思いで寄贈させて頂いている。佃煮や煮豆を食べて頂き、伝統食文化の継承にも繋がることを願っている」と挨拶。
続いて、全国甘納豆組合連合会の塚本裕会長、全国フライビンズ組合連合会の山田純理事長代理が、それぞれの組合の紹介と寄贈品について説明した。
杉並区社会福祉協議会の井口常務理事は、「子ども食堂は全国的にも数が増えており、これからの日本の社会を作るうえで大切なツールになりつつある。今後も是非ご支援頂けると有難い」と謝意を述べた。
その後、杉並区子ども食堂ネットワーク世話人の由井営太郎氏、能登山明美氏が子ども食堂の現状を説明。コロナ禍によりお弁当の提供が増えており、弁当具材として佃煮や煮豆の使用機会が増えていることを報告、今回の寄贈に対して謝意を示した。
今回の佃煮煮豆の協賛企業は次の通り(順不同)。佐藤食品、ミクロ、小沼水産、鳩屋、佐々商店、仁徳、青柳食品、遠忠食品、日出味噌醸造元、勝木食品工業、佃屋食品工業、髙沢食品、丸安商店、オオタニ、大谷政吉商店、菊池食品工業、菊田商店、タカハシ食品
【2022(令和4)年2月1日第5083号2面】

全国調理食品工業協同組合 HP
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