ぬか漬とおにぎり作り体験
東海漬物株式会社(永井英朗社長、愛知県豊橋市)は3月28日、愛知県豊橋市の「こども未来館ここにこ キッチン工房」で「春休み親子ぬか漬教室」を開催した。2部制で実施、計27名が参加した。講師は、営業企画部情報解析課の梅谷靖子主任が務めた。
梅谷氏が挨拶とともに、自社商品の紹介を行い、「キューちゃんを知っている人」と声を掛けると、子どもたちは手を挙げた。
梅谷氏は次に、ぬか床に含まれる乳酸菌と食物繊維は腸内環境を整え、ビタミンB1は疲れを取るなどの栄養分があり、ぬか漬を食べると元気になると説明。
その後、同社の「熟ぬか床」を使い、親子でぬか漬に挑戦。
子どもたちは珍しそうにぬかを触ったり、鼻を近づけたりした。梅谷氏が「ぬか床はどんな臭いですか」と問いかけると、「味噌のようなにおい」と答える子もいた。今回はきゅうりを1本漬けた。
最後に、緑黄色野菜の摂取量を皮膚のカロテノイド色素にて計測する「ベジメータⓇ」を使用して、参加者の数値を図り、「もっと野菜を食べなきゃ」「意外と足りている」という感想が漏れた。
3月31日には、愛知県豊橋市の「emCAMPUS FOOD」にて、計17名で「親子漬物おにぎり教室」を開催した。
当日も、梅谷氏が講師を務め、漬物の種類として、沢庵、梅干、きゅうりの浅漬けを紹介。梅谷氏が「沢庵は何からできていますか?」と質問すると、子どもたちは「大根!」と答え、正解した。
その後、きゅうりの浅漬けを作り、漬物おにぎり作りに移った。沢庵でヒヨコを型どり、のりで目を、にんじんで鼻を作って楽しく飾る人もいた。
梅谷氏は「漬物はそのまま食べてもおいしいが、おにぎりに入れると彩りが良く、カラフルに仕上がる。
漬物に触れるきっかけになってくれたらうれしい」とコメントした。
【2023(令和5)年4月21日第5126号3面】
東海漬物
東海漬物株式会社(永井英朗社長、愛知県豊橋市)は、漬物の素カテゴリーにおいて、手軽に美味しいぬか漬けができる「熟ぬか床」を今年も2月より春夏の野菜向けに提案。また、同商品を使用して子供から大人まで幅広い年代を対象とした「ぬか漬教室」や「ぬか漬講座」を継続的に開催するなど、ぬか床市場の裾野を広げている。
同商品は製法特許取得の「W発酵調味料」を配合した風味豊かなぬか床。「W発酵調味料」は、同社の漬物機能研究所が多数の乳酸菌の中から選び抜いた2種類の乳酸菌と一種の酵母を増殖させた調味料で、発酵によって醸し出された豊かな風味が楽しめる。
原料の米ぬかは、食品基準を満たした玄米から得られる国産米の米ぬかを厳選して使用。国内の工場で製造している。原料の米ぬかを丁寧にふるいにかけて異物を取り除き、米ぬかと塩・水・とうがらしを混ぜ、「W発酵調味料」を配合して袋詰め。袋詰め後、加熱殺菌し、「熟ぬか床」が完成する。
別売りの「補充用ぬか床」は、異物を取り除いた工程の後、米ぬかを加熱殺菌し、米ぬかと塩のみを混ぜ合わせた。同商品を使用すればぬか床の水分量や風味の調整が簡単にできる。
冷蔵庫の隙間に入るコンパクトな袋タイプで、ぬか漬をおいしく漬けられるぬか床の作り方を解説した「取扱説明書」入りで失敗なし。洗練したデザインで売場を演出する。内容量は1・2㎏で賞味期間は360日。
同商品は製法特許取得の「W発酵調味料」を配合した風味豊かなぬか床。「W発酵調味料」は、同社の漬物機能研究所が多数の乳酸菌の中から選び抜いた2種類の乳酸菌と一種の酵母を増殖させた調味料で、発酵によって醸し出された豊かな風味が楽しめる。
原料の米ぬかは、食品基準を満たした玄米から得られる国産米の米ぬかを厳選して使用。国内の工場で製造している。原料の米ぬかを丁寧にふるいにかけて異物を取り除き、米ぬかと塩・水・とうがらしを混ぜ、「W発酵調味料」を配合して袋詰め。袋詰め後、加熱殺菌し、「熟ぬか床」が完成する。
別売りの「補充用ぬか床」は、異物を取り除いた工程の後、米ぬかを加熱殺菌し、米ぬかと塩のみを混ぜ合わせた。同商品を使用すればぬか床の水分量や風味の調整が簡単にできる。
冷蔵庫の隙間に入るコンパクトな袋タイプで、ぬか漬をおいしく漬けられるぬか床の作り方を解説した「取扱説明書」入りで失敗なし。洗練したデザインで売場を演出する。内容量は1・2㎏で賞味期間は360日。
【2023(令和5)年2月11日第5119号16面】
東海漬物
秋本食品 漬物屋のぬかどこ
秋本食品株式会社(秋本大典社長、神奈川県綾瀬市)は、通年商品として「漬物屋のぬかどこ」を展開。簡単に美味しいぬか漬を作ることができるアイテムとして支持されている。
同商品は家庭で手軽においしくスピーディーに、好きな野菜を漬けて食べられるぬか床。ぬか漬初心者やワンシーズン使いの人にも手に取りやすい商品設計で、商品形態は冷蔵庫で立たせられるジップロック付のスタンドパックを使用。そのまま野菜を袋に入れることで漬けられる。
裏面には使用方法、お手入れ方法を見やすく記載。その他、困ったときの対処法や野菜の下準備方法、漬け時間の目安を同社HPに掲載している。国産米ぬか使用で、ビフィズス菌を配合。使い勝手だけではなく、味の面でもクセのない味に仕上げている。内容量は1㎏で賞味期限は120日間。
同商品は家庭で手軽においしくスピーディーに、好きな野菜を漬けて食べられるぬか床。ぬか漬初心者やワンシーズン使いの人にも手に取りやすい商品設計で、商品形態は冷蔵庫で立たせられるジップロック付のスタンドパックを使用。そのまま野菜を袋に入れることで漬けられる。
裏面には使用方法、お手入れ方法を見やすく記載。その他、困ったときの対処法や野菜の下準備方法、漬け時間の目安を同社HPに掲載している。国産米ぬか使用で、ビフィズス菌を配合。使い勝手だけではなく、味の面でもクセのない味に仕上げている。内容量は1㎏で賞味期限は120日間。
【2023(令和5)年2月11日第5119号16面】
秋本食品
国城産業 「ぬか漬け体験」人気高まる
いりぬかと漬物用塩の元祖として知られる国城産業株式会社(山﨑理香子社長、東京都板橋区)では、体験型ぬか床キット「ぬか漬け体験」が人気を集めている。
「ぬか漬け体験」は、食塩、各種のダシが配合済みなので水を入れ塩もみした野菜を漬け込むだけで本格的なぬか漬けが完成する商品。
他社製品が発酵済みのぬかを使用している中、同社ではあえて発酵前のいりぬかを使用。別添のたねぬかを加え、ぬかを発酵させる過程を経て「ぬか床」作りを体験してもらうことを重視した。
これまでは、ぬか漬けビギナーが通販で買い求めるケースや、小学校で食育の教材として使用されることが多かったが、コロナ禍の巣ごもりにより、家庭内で食育を兼ねて親子揃って楽しめるアイテムとして需要が拡大した。最近では、スーパーマーケットの他、ホームセンターにも売場が広がり、ワンシーズンだけぬか漬けを楽しみたいというユーザーからも支持を集めている。
また、同社のロングセラー商品が、水を加えるだけで簡単にぬか床ができあがる「ニューぬか漬の素 ぜいたく三昧」。30年以上前から発売している定番商品であるが、近年のぬか漬けブームの影響もあり人気が再燃している。
化学調味料を一切使用せず、48時間以内に精米された米ぬかだけを使用する新鮮な味わいが人気の秘訣で、乳酸発酵による自然な酸味と後味の良さも特長。繰り返し食べても飽きることがなく、「同製品でなければダメ」というリピーターが数多く存在する。
これまでは初夏から秋口にかけてのぬか漬けシーズンの売上が突出していたが、コロナ禍を経て年間を通してぬか漬けを楽しむユーザーが増加。同商品も年間を通し安定的に売れるようになってきている。
【2023(令和5)年2月11日第5119号16面】
国城産業
長﨑産業 煎りぬか製造を強化
長﨑産業株式会社(長崎成任衛社長、石川県金沢市)は、北陸3県を中心に全国のコメ、ぬかを取り扱う。
ぬかの取扱高では有数の規模を誇り、米油・漬物用からきのこ床向けまで広く扱っている。
漬物用のぬかについては、これまで製造してきた唐辛子や昆布等をミックスしたぬかや充填機を使う個包装商品の製造を止め、フレコンと15㎏のみのOEM製造に絞った。
しかしこれはぬか事業の縮小を意味するものではなく、むしろ委託製造に集中することで、品質向上や生産効率のさらなる向上をさせる狙いがある。長崎社長は「今後は選択と集中が商売の命運を分ける」と意図を語る。
白山市の製造工場にはそのために特化した設備導入や複数品目を扱うことで複雑になっていた製造ラインを直線的に組み換え、生産効率を大きく改善した。
自社ブランドの「煎ぬか」と、OEM製造の2本柱で製造する。長崎社長は「OEM製造の強化を徹底することにより、ぬか製造業の土台を支え、ぬか漬文化の維持に貢献したい」と想いを語っている。
ぬかの原料状況としては、全国的に在庫状況がタイトとなってきている。背景には米の消費減による原料生糠の発生減に加え、他の肥料・飼料粕類(菜種油粕、大豆粕等)の高騰の影響がある。
そんな中、同社は米処である北陸産を中心に、コメ、玄米、米ぬかと幅広く扱うことで築いたパイプを活かし原料確保に努めている。
コメに関しては主食用だけでなく米粉用や加工用、中米・くず米も扱っている。適正価格での取引を大切にすることで、仕入先・仕向先双方からの信頼を得ている。
ぬかの取扱高では有数の規模を誇り、米油・漬物用からきのこ床向けまで広く扱っている。
漬物用のぬかについては、これまで製造してきた唐辛子や昆布等をミックスしたぬかや充填機を使う個包装商品の製造を止め、フレコンと15㎏のみのOEM製造に絞った。
しかしこれはぬか事業の縮小を意味するものではなく、むしろ委託製造に集中することで、品質向上や生産効率のさらなる向上をさせる狙いがある。長崎社長は「今後は選択と集中が商売の命運を分ける」と意図を語る。
白山市の製造工場にはそのために特化した設備導入や複数品目を扱うことで複雑になっていた製造ラインを直線的に組み換え、生産効率を大きく改善した。
自社ブランドの「煎ぬか」と、OEM製造の2本柱で製造する。長崎社長は「OEM製造の強化を徹底することにより、ぬか製造業の土台を支え、ぬか漬文化の維持に貢献したい」と想いを語っている。
ぬかの原料状況としては、全国的に在庫状況がタイトとなってきている。背景には米の消費減による原料生糠の発生減に加え、他の肥料・飼料粕類(菜種油粕、大豆粕等)の高騰の影響がある。
そんな中、同社は米処である北陸産を中心に、コメ、玄米、米ぬかと幅広く扱うことで築いたパイプを活かし原料確保に努めている。
コメに関しては主食用だけでなく米粉用や加工用、中米・くず米も扱っている。適正価格での取引を大切にすることで、仕入先・仕向先双方からの信頼を得ている。
【2023(令和5)年2月11日第5119号16面】
長﨑産業
つけもと 「加熱水蒸気焙煎」の米ぬか
同社はこの米ぬかの焙煎を、沸騰させたお湯から発生する蒸気をさらに高温度に加熱(170℃以上)した過熱水蒸気で行う。過熱水蒸気はガス状で存在して非常に高い伝熱性を持ち、物体を乾燥させる特性を持つ。過熱水蒸気で満たした装置内はほとんど無酸素状態になるため、米ぬかを瞬時に、均一に、酸化させることなく焙煎することが可能となる。こうして出来た高品質ないりぬかを、最小でメッシュサイズ60M(約0・25㎜以下)から用途に応じたサイズで提供している。
飲料やお菓子に使うメリットは香ばしい香りと健康的なイメージだ。実際、玄米の栄養豊富な表皮部分を集めたのが米ぬかである。ポリフェノール、ビタミンB群、ビタミンE、各種ミネラルのほか、コメに特有のポリフェノールであるγ‐オリザノールなども含まれている。自社商品としては、きな粉のように使える「とろける米ぬか」を発売している。
隠し味にレモン酢と米麹も配合したことで、すっきりした酸味とまろやかな旨みを持つ、他のぬか床とは一線を画す味わいが特徴のぬか床となっている。パッケージデザインもおしゃれで、若年層からの反応も良く、ぬか漬ブームの拡大に一役買っている。足しぬかに便利な粉末タイプもある。
ぬか床の他にも、同社ではあらゆる漬物の素を製造している。昨夏発売した「辛口キムチの素」は、天鷹唐辛子・花椒・生姜の3種類の辛さをミックス。市販のキムチ漬にはないしびれる辛さで、クセになる人が続出している。
ぬか床の他にも、同社ではあらゆる漬物の素を製造している。昨夏発売した「辛口キムチの素」は、天鷹唐辛子・花椒・生姜の3種類の辛さをミックス。市販のキムチ漬にはないしびれる辛さで、クセになる人が続出している。
【2023(令和5)年2月11日第5119号17面】
つけもと
樽の味 「時代遅れ」を付加価値に
さらに、甘酒の甘味とコクを活かし、アレルギー特定7品目不使用の「ホワイトソース」や、特定28品目不使用の「糀の鍋つゆ」といった独自性の高い商品も開発している。
昨年から新たに、自社で梅干し作りも始めた。「はちみつ梅干し」は塩分6%で、原材料は「塩、粗糖、りんご酢、本味醂、はちみつ」のみ。低塩かつ保存料や甘味料を使っていない、付加価値の高い梅干しだ。
【2023(令和5)年2月11日第5119号17面】
昨年から新たに、自社で梅干し作りも始めた。「はちみつ梅干し」は塩分6%で、原材料は「塩、粗糖、りんご酢、本味醂、はちみつ」のみ。低塩かつ保存料や甘味料を使っていない、付加価値の高い梅干しだ。
【2023(令和5)年2月11日第5119号17面】
樽の味
チヨダ 味付けぬか「熟成ぬか蔵」
さらに手軽にからし漬けが楽しめるのが同社の「からし漬けの素」。切った野菜にまぶし、60分でからし漬けが手間なくスピード調理できる。国産ゆずや昆布を使用、旨味、風味、辛味のバランスが絶妙で、赤穂の天塩を使用することでまろやかな漬け上がりを実現している。
同社では、「熟成ぬか蔵」、「和からし」、「ぬかみそからし」といった主要商品のパッケージに使用するインクを再生可能な植物由来の原料を用いたバイオマスインキに切り替えるなどSDGsの推進にも力を入れており、埼玉県SDGsパートナーにも登録されている。
【2023(令和5)年2月11日第5119号17面】
チヨダ
株式会社伊勢惣(足立功社長、東京都板橋区)は、全国に幅広く流通する乾燥こうじ「みやここうじ」の製造元として知られている。
また、自然発酵技術を生かし「熟成ぬか床」を昭和60年代に発売。現在のぬか床ブームの火付け役となった。その後も時代のニーズに合った新商品開発を積極的に行っている。
新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が増加し、家庭で楽しみながらできる商品としてぬか床の利用者が急増。同社のぬか床製品の売れ行きも大幅に伸長した。
巣ごもり需要は落ち着いてきているが、ぬか漬の優れた健康機能性や手軽にできることが支持され、一定数以上のユーザーがぬか床の利用を継続。すぐに漬けることができる同社の「熟成済みぬか床」は堅調な動きを見せている。
同社のぬか床の特徴は、乳酸菌と酵母が生きている製品であること。生きている乳酸菌と酵母の活動によって栄養が野菜に染み込むとともに発酵を促す。植物性乳酸菌が豊富に摂れる他、漬けて水分が抜けた分だけビタミンや食物繊維、カルシウム、カリウムなどの栄養素が凝縮され、栄養成分たっぷりの「ぬか漬」を手軽に摂取することができる。
まさに、乳酸菌と酵母が生きているからこそなせる〝業〟。乳酸菌と酵母が生きているとガスが発生するため、同社ではチャック開封タイプの包材等を採用し、袋が膨らまないようにしている。乳酸菌と酵母が生きているといないとでは野菜の漬かり方と味が大きく変わってくる。同社の「ぬか床」と他社製品の違いはここにある。
主力商品の「仕上りぬかみそ」(1㎏、1・2㎏)は、パックがそのまま漬け容器になり、チャック開封タイプのため匂いが外に漏れないよう設計。手軽に本格的なぬか漬ができるアイテムとして定番となっている。その他、タル詰め(2・3㎏、熟成済ねりぬか1・8㎏+補充用味付椎茸ぬか500g)、つかっ樽(2㎏、熟成済ねりぬか1・5㎏+補充用味付椎茸ぬか500g)、ぬか漬け達人(1㎏)など、豊富なぬか床製品をラインナップしている。
『余った野菜、ぬか漬けにしてみませんか?』をコンセプトにした「発酵ぬかみそ漬けるだけ!」は、世帯人数の減少や個食化のニーズにマッチし、ぬか床初心者にもオススメの一品だ。
内容量は350gとぬか床最小タイプで、9~10回の使い切りタイプ。冷蔵庫保管で場所を取らず、野菜を漬けるだけで誰でも簡単に美味しいぬか漬を作ることができる。ぬか床初心者の他、ぬか漬を少しだけ食べたい消費者(高齢世帯、単独世帯、少数世帯)をターゲットとしている。
同商品は大手量販店でも定番として販売されている他、青果物を扱うドラッグストアやCVSにも納入。売場は青果、日配、ドライと多様で、食品ロス削減に貢献できる商品として着実に裾野を広げている。賞味期限は180日で保存方法は常温。
最もブランド力のある麹製品として認知されている「みやここうじ」も安定した動きを見せている。2012年の塩麹ブーム、2016年の甘酒ブーム、2018年のこうじ水ブーム…。数年に一度の周期で麹を利用して作られたものが注目を浴びて大ヒット。その度に麹の需要が急激に高まるが、その勢いは落ちることなく高止まりした状態で推移。ベースアップにつながっている。同商品の規格は200gタイプに加え、500gパックや業務用1㎏もラインナップしている。
また、自然発酵技術を生かし「熟成ぬか床」を昭和60年代に発売。現在のぬか床ブームの火付け役となった。その後も時代のニーズに合った新商品開発を積極的に行っている。
新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が増加し、家庭で楽しみながらできる商品としてぬか床の利用者が急増。同社のぬか床製品の売れ行きも大幅に伸長した。
巣ごもり需要は落ち着いてきているが、ぬか漬の優れた健康機能性や手軽にできることが支持され、一定数以上のユーザーがぬか床の利用を継続。すぐに漬けることができる同社の「熟成済みぬか床」は堅調な動きを見せている。
同社のぬか床の特徴は、乳酸菌と酵母が生きている製品であること。生きている乳酸菌と酵母の活動によって栄養が野菜に染み込むとともに発酵を促す。植物性乳酸菌が豊富に摂れる他、漬けて水分が抜けた分だけビタミンや食物繊維、カルシウム、カリウムなどの栄養素が凝縮され、栄養成分たっぷりの「ぬか漬」を手軽に摂取することができる。
まさに、乳酸菌と酵母が生きているからこそなせる〝業〟。乳酸菌と酵母が生きているとガスが発生するため、同社ではチャック開封タイプの包材等を採用し、袋が膨らまないようにしている。乳酸菌と酵母が生きているといないとでは野菜の漬かり方と味が大きく変わってくる。同社の「ぬか床」と他社製品の違いはここにある。
主力商品の「仕上りぬかみそ」(1㎏、1・2㎏)は、パックがそのまま漬け容器になり、チャック開封タイプのため匂いが外に漏れないよう設計。手軽に本格的なぬか漬ができるアイテムとして定番となっている。その他、タル詰め(2・3㎏、熟成済ねりぬか1・8㎏+補充用味付椎茸ぬか500g)、つかっ樽(2㎏、熟成済ねりぬか1・5㎏+補充用味付椎茸ぬか500g)、ぬか漬け達人(1㎏)など、豊富なぬか床製品をラインナップしている。
『余った野菜、ぬか漬けにしてみませんか?』をコンセプトにした「発酵ぬかみそ漬けるだけ!」は、世帯人数の減少や個食化のニーズにマッチし、ぬか床初心者にもオススメの一品だ。
内容量は350gとぬか床最小タイプで、9~10回の使い切りタイプ。冷蔵庫保管で場所を取らず、野菜を漬けるだけで誰でも簡単に美味しいぬか漬を作ることができる。ぬか床初心者の他、ぬか漬を少しだけ食べたい消費者(高齢世帯、単独世帯、少数世帯)をターゲットとしている。
同商品は大手量販店でも定番として販売されている他、青果物を扱うドラッグストアやCVSにも納入。売場は青果、日配、ドライと多様で、食品ロス削減に貢献できる商品として着実に裾野を広げている。賞味期限は180日で保存方法は常温。
最もブランド力のある麹製品として認知されている「みやここうじ」も安定した動きを見せている。2012年の塩麹ブーム、2016年の甘酒ブーム、2018年のこうじ水ブーム…。数年に一度の周期で麹を利用して作られたものが注目を浴びて大ヒット。その度に麹の需要が急激に高まるが、その勢いは落ちることなく高止まりした状態で推移。ベースアップにつながっている。同商品の規格は200gタイプに加え、500gパックや業務用1㎏もラインナップしている。
【2023(令和5)年2月11日第5119号17面】
伊勢惣
コーセーフーズ ぬか床ブーム牽引、洋風新商品も
株式会社コーセーフーズ(里村大像社長、岐阜県揖斐郡)は、日経POSセレクション2021の「1つ星」に選出された「コミローナ 熟成ぬか床1㎏」や「ラップdeカンタンぬかチューブ」などでコロナ下においてぬか床ブームを牽引してきた大手漬物の素メーカー。今年3月からは新たに青果売場専用の商品を投入し、さらなる漬物の素の定着を図る。
「コミローナ 熟成ぬか床1㎏」はスタンドパックでそのまま漬けられる手軽さや、米糠抽出物由来のGABAが含まれる健康性、そして何より乳酸菌が生み出す風味の良さで人気商品となっている。企画開発チームの和田篤氏は「漬物の素全般を扱う当社だが、実はぬか床だけは本格的に参入したのは15年程前と後発。しかし市場全体の拡大もあり、一気に当社の柱の一つになった」と話す。
「ラップdeカンタンぬかチューブ」も2020年3月の発売以来話題を集めて、導入先が急拡大した。ラップに塗り拡げて野菜や肉・魚を包むだけなので管理の手間なく、衛生的にぬか床を楽しめるのが魅力だ。
今年3月から青果売場専用商品として「こうじや里村 洋風ぬか漬の素」、「こうじや里村 ぬかづけの素」を発売する。野菜の食べ方としてのぬか漬を、より広く定着させていく。
「こうじや里村 洋風ぬか漬の素」はぬかにハーブ(バジル)とスパイス(黒胡椒)、さらにブドウ酢を加えた〝洋風ぬかチューブ〟売場で好奇心を誘い新たな顧客獲得を目指す。意外性だけでなく爽やかな香りが野菜の美味しさを引き立てながら、ぬか漬の発酵感を抑えてくれるため、ぬか漬と洋風の味わいを調和させた商品となっている。
「こうじや里村 洋風ぬかづけの素」は水を入れて混ぜるだけで漬け始められる。足しぬかとしても使える、調味済みのぬか。青果売場で映えるよう、白基調の明るいパッケージだ。より手軽に漬物づくりを楽しめる、粉末タイプの漬物の素も好評だ。
新商品の「乳酸菌入りぬか漬けの素(3袋入)」は切った野菜に混ぜるだけで、ぬかを拭う必要もなくこれまで以上に簡単にぬか漬を楽しめる。
「旨こんしょうゆ漬の素」は、意外にも漬物の素としてはマイナーなしょうゆ漬を手軽に作れる商品。昆布やごまの香りが良く、味で評価される商品だ。
「あごだし浅漬の素」は近年知名度が急上昇している焼きあごダシを利かせた。強力な旨みと香りを凝縮していて、ご飯のお供やおつまみにピッタリな浅漬が出来上がる。
【2023(令和5)年2月11日第5119号17面】
コーセーフーズ