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「ザ・特集」リード2023

<群馬特集>豊富な農作物と伝統の技 「FOODEX」に群馬ブース

群馬漬協の新年会で
 群馬県は、総務省・経済産業省が昨年12月に発表した2020年の都道府県別の漬物出荷金額で全国3位にランクイン。前年の4位から順位を一つ上げた。
 全国2位の梅の他、豊富な農作物の生産地として、その原料を伝統の技で加工した漬物製造が行われている。
 3月7日~10日に東京ビッグサイトで開催された「FOODEX JAPAN 2023」には群馬県ブースが出展。県内26社が、漬物、梅、蒟蒻といった群馬の特産品をPRした。
 また2月16日に行われた群馬県漬物工業協同組合(武井均理事長)の令和5年新年会では、一般社団法人群馬地域学研究所代表理事の手島仁氏が「漬物は群馬の第三革命」という演題で講演。1929年の世界恐慌で輸出中心だった養蚕業が大打撃を受け、それまで養蚕業が盛んだった群馬県は観光立県を目指したことで、沢庵、わさび漬、甘露梅、福神漬などの漬物加工品が振興した背景を説明した。
 また「漬物は、時代の変化と産地間競争を勝ち抜いた特産品として確立されている」と解説し、漬物がこれからも群馬の産業をリードしていく存在であることを強調した。
 全国2位の梅の産地として「群馬の梅」のブランド化に向けた取組も進んでいる。群馬県は「令和4年度農畜産物ブランディング支援事業」の対象品目の一つとして梅を選定。県内の梅メーカー5社(村岡食品工業、大利根漬、コマックス、赤城フーズ、梅吉)で組織する「うめのわ」が検討会議に出席。県・民間・生産者や出荷団体が三位一体となり、「群馬の梅」のブランド構築に向け取り組んでいる。
 今回の特集では、漬物、梅、蒟蒻、納豆といった幅広い群馬の特産品を紹介する。
【2023(令和5)年3月11日第5122号1、6~7、8面】

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<東京特集>”東京ブランド”に注目

賑わう築地場外市場
 東京ではコロナ前の風景が戻りつつある。築地場外市場でも国内外の観光客が増加するなど、各所で賑わいを取り戻している。
 総務省が1月30日に発表した住民基本台帳に基づく2022年の人口移動報告によると、東京都は転入者が転出者を上回る「転入超過」が3万8023人となり、3年ぶりに増加した。コロナ禍により拡大した地方移住の流れが一段落し、再び東京へ人が集まり始めている。
 東京の特産品は華やかだ。江戸時代の宝田恵比寿神社例祭にまで起源を遡るべったら漬、江戸の佃島が発祥とされる江戸前佃煮、徳川家康の命により開発されたと伝えられる江戸甘味噌など、伝統技術を生かした製法で現代にまで変わらない価値を伝える産品が揃っている。
 また東京都では、都内産の原材料を使用している加工食品や東京の伝統的手法など生産方法に特徴があると認められる食品を審査し、東京都地域特産品認証食品(Eマーク認証)として認定する取組も実施している。
 昨年10月19日、20日には、東京の秋の風物詩である「べったら市」が3年ぶりに開催され、開催を心待ちにしていた大勢の来場者で賑わいを見せた。ウィズコロナ時代の到来と共に、様々なイベントが復活。9月12日には、「第32回調理食品青年交流会・東京大会」も実施される予定だ。
 特集内では、注目を集める〝東京ブランド〟の品々を紹介する。
【2023(令和5)年3月1日第5121号1、4~5、8面】

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<2023年おせち総括> おせち商材順調に推移

おせち料理の需要は堅調
課題は原料確保と人手不足
 昨年のおせち商戦は、販路や地域によって濃淡があったものの、おおむね順調に推移した模様だ。単品おせちに関しては、栗きんとん、黒豆、昆布巻、田作り4品への集約がさらに進み、セット物の売上比率が高まった。
 3年ぶりに行動制限のない年末年始となり、人流が活発化。帰省客が増加し、一昨年以上に首都圏から地方へと人が流れた。
 首都圏の量販店では、一昨年の年末商戦において想定以上に人が動き、食品全体でロスが出たこともあり、昨年は発注の段階からおせち関連商材の数量を一昨年比で5%程抑えた店舗が多かった。一方、地方の量販店は発注を一昨年並かやや増やした店舗が多く、数量は横ばいから微増で推移した。
 おせち関連商品は、品目にもよるが全体的に値上げが実施され、数量が減少した首都圏においても売上ベースでは昨年並、地方では売上増となった店舗が多かった。
 コロナ禍で市場が拡大を続けてきた重詰めおせちは好調を維持したものの、過去2年のような伸びは見られなかった。近年の市場拡大と共に新規参入が増加、販売チャネルが多様化し、競争は激しさを増している。昨年は、大手通販会社が冷凍おせちの販売数量を大きく伸ばしたと見られ、パイの取り合いが続く。
 昨年のおせち商戦では、巣ごもりにより勢力を伸ばしてきた少人数おせちから大人数おせちへのシフト、百貨店では店舗予約が前年比で増加するなど、コロナ前への回帰も見られた。
 二極化の流れもさらに顕著化し、百貨店の高額おせちが好調だった反面、ローソンストア100が販売する「100円おせち」も、約300万食を販売するなど支持を集めた。
 おせちは近年、作るものから買うものへ消費者行動が変化したことにより、単品、重詰め共に底堅い需要があるのは確かだ。その一方で、原料確保や人手不足が大きな課題となっている。
 今年の年末商戦に関しては、昨年以上に原料確保が難しくなることも予想され、今から価格設定を含めた販売戦略に気をもむ事業者も多い。
 今春には新型コロナの「5類」への移行が実施される予定で、2024年おせちはウィズコロナの中での商戦となる可能性が高い。コロナ禍の巣ごもり需要により、伝統的なおせち文化が改めて脚光を集めた。正常化した社会においても、その魅力を存分に発揮し、売上増に結びつけていきたい。
(藤井大碁)
【2023(令和5)年1月21日第5118号1面】

<春を呼ぶ商材特集>「桜花漬」期待感高まる

桜の花を塩漬した「桜花漬」
恵方巻の定番具材「桜でんぶ」
 コロナ禍では、「春」や「お祝い」といったムードを作ることが難しい状況だったが、昨秋からの政策効果もあり、ウィズコロナの流れで消費動向もこれまでとは異なる動きが出てきている。
 桜の花を塩漬にした「桜花漬」は、春を想起させる代表的な商品で、これからの季節が需要期となる。過去3年は観光需要が大幅に減少し、祝い事や人が集まることが自粛傾向だったこともあり、「桜花漬」をはじめとした春商材は苦戦を強いられていた。
 だが、昨年10月11日に政府が観光需要を喚起する全国を対象とした「全国旅行支援」がスタートすると、観光地に人が戻るように土産需要も回復。「桜花漬」は箱根のお土産として外国人観光客からの人気が高く、外国人観光客の増加とともに売れ行きも復調してきた。
 今年は「桜花漬」の需要増加への期待感が高まっている。桜の花びらや香料を使ったビールが期間限定で発売される他、洋菓子や飲料などの商品開発も進んでおり、用途とともに売り場が広がることが予想され、「桜花漬」の注目度は高まっている。
 「桜花漬」の産地では生産者の高齢化や後継者不足が深刻な問題となっており、生産量の維持は困難な状況だ。桜の花は収穫期間が7日~10日と短く、収穫期の天候が収穫量に影響を及ぼす。昨年は天候不順と人手不足の影響で8割作となり、今後も原料の安定供給は大きな課題となっている。
 白身魚の身をほぐして煎りあげた「桜でんぶ」も春を想起させる商材だ。ちらし寿司や巻き寿司に欠かせないアイテムであり、恵方巻の定番具材としてもお馴染みだ。近年、様々な味わいが登場しバラエティー化した恵方巻だが、「桜でんぶ」を使用した伝統的な恵方巻の人気も根強い。今年は3年ぶりに開催される各地の節分イベントも多いと見られ、節分商戦の一層の盛り上がりが期待される。
【2023(令和5)年1月21日第5118号1、5・6面】

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<愛知いわし特集> 広がる「節分いわし」

「鬼滅の刃」で活況期待
 今年も「節分の日」が近づいてきた。
 節分に食べる物といえば「豆」や「恵方巻」が一般的だが、節分に「いわし」を食べる〝節分いわし〟の風習も根強く残っている。主に関西方面では、この季節、節分に向けていわし製品の需要が伸びるが、関東方面でも少しずつ広がりをみせている。
 古来より、鬼の嫌いなものは「鰯(いわし)の頭」の匂いと「痛い柊(ひいらぎ)のトゲ」とされ、いわしの頭を焼いて柊の枝に刺し、厄除けのため家の戸口に置いて鬼の侵入を防ぐという「柊鰯(ひいらぎいわし」の風習があり、それに因んでいわしを食べるようになったといわれる。
 近年、節分イベントを後押ししているのが、アニメ『鬼滅の刃』のブーム。物語のテーマである“鬼退治”は、節分のキーワードと一致し、関連アイテムが続々発売されるなど節分商戦の盛り上がりに一役買っている。
 今年も2月3日の節分に合わせて、映画『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が全国の映画館でスタート。4月からはテレビアニメ「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編」の放送が予定されており、昨年以上に節分商戦の活況が期待される。
 愛知県の佃煮メーカーでは、いわし製品を製造するメーカーが数多く存在、「いわし甘露煮」「いわし生姜煮」「明太いわし」「梅いわし」「いわし味噌煮」など各社がこだわりのラインナップを展開している。
【2023(令和5)年1月11日第5117号13面】
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