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2024SDGs・伝統継承・食育活動・社会貢献・品質向上の取組・表示

<フジッコ(兵庫県)> 穫れたて新豆を味わう会 黒豆の炊き方やおせち由来伝える

新村室長
小宮氏
北原料理長
梅谷氏
丹波黒のさや外し体験
黒豆煮をおせちに盛り付け
 【大阪支社】フジッコ株式会社(福井正一社長、神戸市中央区)は7日、神戸市の本社とポートピアホテルにて「穫れたて新豆を味わう会」を実施し、17組30名の親子が参加した。
 今回は、6月から半年間に渡り開催された「丹波黒育成プログラム」の最終回で、参加者はフジッコ本社FFホールに集合した。
 最初に、フジッコ広報室の新村剛室長が「半年間のプログラム、お疲れ様でした。普段皆さんが当たり前に食べているものは、多くの人が想像以上に関わっているということを学ぶ機会になったはず。これからも黒豆を始めとし、食べ物を大事に食べてほしい」と開会の挨拶を行った。
 同社社員が制作したプログラムを振り返るショートムービーを鑑賞し、苗植え、手入れ、収穫を通じて丹波黒への関心を高めるとともに、親子間で密なコミュニケーションを取れたことが確認できた。
 次に、丹波黒の新豆を親子でさやから外す作業体験がスタート。参加者は軍手をはめ、一つずつ丁寧にさやから外し、作業に勤しむ親子の息はぴったりだった。
 続いて、一般社団法人行事食協会の小宮理実代表理事の講演が行われ、おせち料理のいわれや、代表的な品目について解説した。
 小宮氏は「おせちのいわれは、家族や大切な人の幸せを願って食べること。代表的な品目は、数の子、黒豆、田作り、たたきごぼうで、それぞれ子孫繁栄、勤労・勤勉、五穀豊穣、安泰を願う縁起物なので、この4つと餅入りのお雑煮は食べてほしい」と強調した。
 講演後は神戸ポートピアホテルに移動し、同ホテルで和食の統括料理長を務める北原省吾氏より、おいしい黒豆の炊き方やおせちへの盛り付け方を学び、また茹でたての黒豆の試食や出汁の試飲を行った。
 北原料理長は「黒豆はふっくらと、そして柔らかく炊くとおいしい。柔らかさを確かめながら、火加減を調整するのが、うまく炊くコツ」と説明した。
 昼食時には会場で、同ホテルの梅谷昌弘氏より、テーブルマナー講座を受講。梅谷氏は「椅子に座る時は左から」「和食ではお椀やお茶碗を持ち上げるが、洋食ではお皿を持ち上げない」などの作法を、ユーモアを交えながら、分かりやすく伝えた。
 マナー演習として、特別おせち御膳が振舞われ、箸遣いや食器の扱い方等を意識しながら、ポートピアホテル自慢の料理を堪能できた。その後、書道で「黒豆」と書き納めし、さらに黒豆型の感想カードを作り、2024年の「丹波黒育成プログラム」は締めくくられた。
【2024(令和6)年12月21日第5182号11面】

フジッコ
https://www.fujicco.co.jp/

ピックルスホールディングス 子ども食堂食育ツアー開催 野菜収穫体験とキムチづくり

野菜収穫体験の参加者
土を掘ってさつま芋を収穫
自分好みのヤンニョムを作る
 株式会社ピックルスホールディングス(影山直司社長、埼玉県所沢市)の連結子会社である株式会社ピックルスファーム(影山直司社長、埼玉県所沢市)と株式会社OH(武井秀樹社長、埼玉県飯能市)は9日、一般社団法人埼玉県子ども食堂ネットワークと連携し、埼玉県内の子ども食堂との取組として、子供とその家族を招待し、ピックルスファームと連携した農場での野菜(さつま芋)収穫体験と「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」でのオリジナルキムチづくり体験を中心とした食育ツアーを開催。小学生の親子12組、計26名が参加した。
 午前10時に飯能駅に集合した一行は、バスでピックルスファームの契約農家の畑に移動。手で土を掘る作業に悪戦苦闘しながらも、大きく成長したさつま芋を収穫した。子供たちは「大きくて掘るのが大変だった」、「楽しかった」、「いっぱい採れた」、「干しいもにして食べたい」と収穫したさつま芋を両手で掲げた。
 その後、バスでOH!!!に移動し、昼食を挟んでオリジナルキムチづくり体験が行われた。キムチ作りはミニ講義、キムチの作り方説明、ヤンニョムを味付け、白菜と混合・パック詰め、キムチ食べ比べ(ご飯がススムキムチ、本格熟成白菜キムチ、自分が作った出来立てのMyキムチ)の順で進行した。
 参加者が最もこだわったヤンニョムの味付けでは、オキアミ塩辛、スルメイカ、昆布、赤ワインビネガー、りんご酢、なしピューレ、りんごピューレ、唐辛子、あま糀などを使用し、調味料&具材を追加。甘さ、辛さ、魚介系のうま味を融合させるべく、微調整を繰り返しながら自分好みのヤンニョムを作った。その後、下漬した白菜と混合して白菜全体が赤くなるまで混ぜ合わせ、容器にパック詰めして完成となった。
 「辛いものが好きではないので、キムチはあまり食べたことがない」、「家でキムチは出てこない」と話していた子供たちもキムチづくり体験を通してキムチに対して良い印象を持った様子で、「自分で味を調整できて楽しかった」、「家で食べるのが楽しみ」と笑顔で語った。
 ピックルスホールディングス広報・IR室の長岡健太郎課長は、「当社では以前から子ども食堂を支援する活動を行っており、今回の食育ツアーもその一環で、今年で4年目の開催となる。子供たちには楽しい体験を通して、野菜やキムチを食べる機会が増えてくれれば嬉しい」と語った。
【2024(令和6)年11月21日第5180号3面】

ピックルスホールディングス

全国凍豆腐工業協同組合連合会 子ども食堂へ1500個 「高野豆腐の日」に寄贈事業

贈呈された凍豆腐
青木専務が高野豆腐を寄贈
 【大阪支社】全国凍豆腐工業協同組合連合会(木下博隆会長)は「11月3日には高野豆腐の日」に合わせ、健康機能性の高い凍り豆腐(高野豆腐)1500個を、松本市の特定非営利活動法人NPOホットライン信州(信州こども食堂ネットワーク)へ寄贈した。
 凍豆腐には子どもの成長に必要なタンパク質や鉄分、カルシウムが豊富に含まれている。また適度な歯ごたえがあるため噛む力を促進する。
 また電子レンジで簡単に調理できる商品が多いことや、保存性があり備蓄食や非常食としても活用できることから、家庭でも、子ども食堂でも活用しやすい食材となっている。
 1日に行われた贈呈式に出席した青木隆専務理事は「子どもの健康へ貢献することが組合全員の願い。凍豆腐を好きになるきっかけにもなれば嬉しい」としている。
【2024(令和6)年11月11日第5178号2面】

こうや豆腐普及委員会

フジッコ 親子34名が黒枝豆収穫 丹波篠山は猛暑と雨不足で不作

新村室長
黒枝豆のさやを摘み取った
 【大阪支社】フジッコ株式会社(福井正一社長、神戸市中央区)は19日、食育プログラムの一環として、兵庫県の丹波篠山市内で丹波黒黒豆の枝豆収穫体験を実施。当日は17組34名の親子が参加した。
 6月の土寄せ、7月の苗植えから今回の収穫、また12月の「穫れたて新豆を味わう会」へと、黒豆の生涯に触れることができる連続プログラムである。
 丹波篠山市に本社を構える豆類卸の株式会社小田垣商店(小田垣昇社長)の協力を得ており、小田垣商店が管理している黒豆農場で植え付けや収穫を行う。この日はあいにくの雨模様だったため、安全のため畑に入っての収穫作業は断念し、あらかじめ刈り取った枝からサヤを外す作業を親子で行った。
 枝豆のさやを一つ一つ手作業で摘み取り、親子で「ちょっと疲れてきた」「泥と虫がたくさんついてる」と農業の苦労を体感しながらも、笑顔で溢れた時間となった。
 収穫体験終了後は、丹波篠山の城下町散策など観光の時間が設けられた。丹波篠山市では、前週の10月7日から黒枝豆が「解禁」されていたこと、また当日は地域のお祭が催されていたことから町は賑わいを見せており、丹波篠山の文化を五感で感じられる一日となったようだ。
 新村剛広報室長は「以前は有志社員による活動だったが、コロナ禍以降、正式に食育チームを組織した。食物は生産者がいて成り立っていることを知ってもらえれば」と意義を語った。
 なお丹波篠山市で作られる黒豆「丹波黒」は粒が大きくもっちりした食感と甘みがあるのが特徴で、黒豆の高級品種として名高い。
 ただ今年の作柄については昨年に続いて不作と見られる。小田垣商店によれば、原因は猛暑と雨不足。一番花の時期で着莢しなかったため着莢数が少なくなった。潅水設備の有無により畑ごとの差はあるが、実太りも悪く「平年の7割以下では」とのことだ。
 平成29年の平年作以降は計画数量に届かない年が続いており、丹波篠山産丹波黒は不足感が強まっている。(大阪支社・小林悟空)
【2024(令和6)年10月21日第5177号1面】

貝新物産 志ぐれあさり10kg寄贈

志ぐれあさりの寄贈式(左)から水谷社長、長谷雄住職
愛知県・大法寺の子ども食堂へ
 貝新物産株式会社は10日、愛知県愛西市の大法寺(長谷雄蓮華住職)へ志ぐれあさり10㎏を寄贈した。同寺は今年3月より「大法寺の子ども食堂」を毎日運営、おにぎりを提供している。本志ぐれあさりは、子ども食堂でおにぎりの具材として活用された。
 寄贈に際し水谷社長は「長谷雄住職のご兄弟と、私、また作家のドリアン助川氏が高校の同級生だ。ドリアン氏が10月6日に大法寺で朗読会を開催したので観に行き、そこで長谷雄住職の法話を耳にする機会を得た。住職自身が幼少期に苦労した経験もあり、子ども食堂を運営していると聞き、この度寄贈させていただいた」と経緯を語った。
 長谷雄住職は「仏様のおかげで、この度は貝新物産様とのご縁に恵まれた」と謝辞を述べた。
【2024(令和6)年10月21日第5177号6面】

<佐藤食品(秋田県)> 八郎湖学ぶイベント ワークショップや生物調査を実施

八郎湖湖畔で生物調査を行った
 佐藤食品株式会社では19日、秋田県潟上市の「道の駅てんのう」と八郎湖湖畔において、「八郎湖まるっと!見て!採って!食べて?!~つくだ煮屋さんとめぐる八郎潟が生んだ食文化~」を実施した。
 同イベントは秋田県八郎湖環境対策室「八郎湖環境保全普及啓発推進業務委託」として実施されたもので、当日は生憎の雨模様となったが親子連れを中心に50名以上が参加した。
 参加者は午前中道の駅てんのう内でワークショップを行い、八郎湖の漁業の歴史や自然などについて学んだ。
 室内でバーベキューを楽しんだ後、午後は八郎湖の湖畔で生物調査を行い、八郎湖に生息する生き物を観察した。
 前日に仕掛けられた網にかかったエビやモクズガニ、ライギョといった魚を実際に目にすることで参加者は八郎湖の自然を感じながら、終日イベントを楽しんだ。
 佐藤食品の佐藤賢一社長は、「今回初めてのイベント開催となったが、雨の中たくさんの方にご参加頂き感謝している。身近にあるがなかなか行く機会がない八郎湖を実際に訪れて頂くことにより、八郎湖の環境や未来について考えてもらう機会になったのではないか」と話した。
【2024(令和6)年10月21日第5177号7面】

佐藤食品
https://www.satousyokuhin.co.jp/

<道本食品>FSSC22000取得 

 道本社長(後列右から2人目)、道本専務(前列中央)と開発・品質管理部メンバー
漬物・乾燥野菜の両事業で 
 【大阪支社】道本食品株式会社(道本英之社長、宮崎市田野町)は8月30日付で、漬物製造、乾燥野菜製造の両事業においてFSSC22000を取得した。
 同社はこれまで漬物製造については食品安全マネジメントシステムの国際規格ISO22000(2016年)を、乾燥野菜についてはFSSC22000(2018年)を取得していたが、この度FSSC22000に一本化した。
 漬物製造において、原料受け入れから製品製造、検品、出荷までの全プロセスを登録活動の範囲としている。乾燥野菜についても同様の登録活動範囲。
 一般的に、たくあん製造でISOやFSSCを認証取得する場合は、原料受け入れ、検査及び漬け込みという工程をプロセスから除外する、あるいは別工場で行うなど最終の製品製造のプロセスに限定して認証取得するケースも多い。しかし同社は全プロセスを登録活動範囲とすることで、より厳格な安全マネジメントを証明できる。
 道本泰久専務は「今後、食品製造に関して様々な規制強化が図られていくと予想される。認証取得は通過点に過ぎず、同システムをフルに活用して生産者から社員まで全員で安全意識を高め、食の安全を第一に宮崎県産の干し大根を使用した製品や国内産乾燥野菜を作りだしていきたい」と話している。
【2024(令和6)年10月11日第5176号5面】

道本食品

<遠藤食品(栃木県)>「常食量表示」に変更 1食分の数値で食塩相当量減少

農水省が作成した「漬物で野菜を食べよう!」のポスター
 「漬物は塩分が高い」という固定概念を「常食量表示」で覆す。その第一歩が栃木県から踏み出された。
 遠藤食品株式会社(遠藤栄一社長、栃木県佐野市下彦間町)は10月1日より、同社製品の栄養成分表示を「製品100gあたり」から1食分(常食量)を示す「1食:10g当たり」に順次変更。これにより、同社の栄養成分表示も変更される。同社の製品(新がり)の変化の1例は以下の通り。
 ▼エネルギー:18キロカロリー→2キロカロリー
 ▼たんぱく質:0・5g→0・1g
 ▼脂質:0・2g→0・0g
 ▼炭水化物:4・0g→0・4g
 ▼食塩相当量:2・0g→0・2g
 ここで特筆すべきことは2・0gから0・2gに減少している食塩相当量。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、20歳以上の1日当たりの食塩摂取目標量は男性7・5g未満、女性6・5g未満(実態は男性14・2g、女性11・3g)。製品に食塩相当量が2・0gと表示されていれば、内容量に関係なく「2・0g」だけが目に入り、「塩分が高い」という印象を持ってもおかしくはない。
 漬物メーカーの製品の栄養成分表示は、大半が日本食品標準成分用を用いて算出した推定値で、それを計算する重量はほぼ全てが「100gあたり」となっている。
 栄養成分表示は、販売される状態における可食部分の100g若しくは100ml又は1食分、1包装その他の1単位当たりの栄養成分等の含有量について表示する必要がある。どの食品単位を使用するかは自由に選択できるのだが、漬物業界は「100g」での表示を判然たる取組として継続してきており、変えようという声も上がらなかった。
 1回の食事で漬物を食べる量を常識的に考えても、100gは明らかに多過ぎる。つまり、100g表示の栄養成分含有量は1回分の食べる量(常食量)とはかけ離れた数字となっており、減塩志向が高まっている状況においては、悪い印象が強くなることにつながっている。
 昔も現在も塩分が高い人が病院に行くと医者から「漬物は食べないように」と注意を受ける。それだけ、「漬物は塩分が高い」ということが根深く浸透しているということだ。
 だが、それは事実とは異なる。主な食品(常食量)に含まれる塩分量を比較すると、漬物の常食量の食塩量は決して高いものではない、ということが分かる。農林水産省が作成した「漬物で野菜を食べよう!」のポスターに記載されている食塩量を見ると、1g前後のものが多く、「梅干し35g」(約2粒)でも1・7gとなっている。各写真は生野菜70gに相当し、おおよそ1食分となっている。
 「塩分早わかり」(女子栄養大学出版部2020)によると、「とんこつラーメン」の塩分量は7g以上、「カップラーメン」は5~6g、「塩鮭辛口一切れ80g」は約4g以上となっている。漬物だけでご飯を食べるわけではないため、一概には言えないが、漬物の常食量の食塩量が突出して高いものではない、ということが言える。
 実際、漬物は減塩志向の流れやコールドチェーンの発展などの影響もあり、低塩化が進んでいる。一般的な白菜浅漬の食塩濃度は2%以下となっており、「白菜の浅漬け35g」の食塩量は0・8gで、食パン1枚と同じだ。他業界は100gから脱却して常食量表示に切り替わっているが、漬物業界はその対応で後れを取っている。
 東京家政大学大学院客員教授で一般社団法人全国漬物検査協会会長でもある宮尾茂雄氏は、「漬物の栄養成分表示は常食量ではなく100g表示となっているが、他の食品は常食量での表示になっている。常食量での表示は消費者に適正な塩の摂取を理解してもらう上で有効な手段。全漬連ともガイドラインの作成などについて話し合っているが、このようなことを業界から発信していく必要がある」と指摘。遠藤食品は宮尾氏の声を受け、今回の表示変更を決断した。
 業界に求められるブレイクスルー。マイナスのイメージをプラスに変えるためには大きな力が必要だ。課題が山積する今こそ、業界を挙げて動き出す時を迎えている。
(東京本社・千葉友寛)
【2024(令和6)年10月11日第5176号1、4面】

京都漬協青年部会 大原学院へ出前教室

参加した青年部員
久保氏がもみ方をレクチャー

 児嶋会長
25名が「しば漬作り」
【大阪支社】京都府漬物協同組合青年部会(児嶋真司会長)は4日、児嶋会長を始め、青年部員が京都市左京区の京都大原学院を訪れ、小学3・4年生の25名を対象に、3・4時限目を利用して「しば漬作り教室」を実施。児童は、同校の農園で栽培しているシソを使った大原名物の「しば漬作り」に挑戦した。  
 講師は、青年部で会長を務めた経験があり、大原が地元の久保統氏(志ば久)が務め、青年部員はアシスタント役を担った。
 最初に、同青年部の児嶋会長が「しば漬は三大京漬物の一つ。きょうの体験で、しば漬が手間暇かけて作られていることを学び、家族やおじいちゃん、おばあちゃんにもぜひ伝えてほしい」と児童へ語りかけた。
 続いて講師の久保氏は「京都のしば漬はナスだけで作るが、今日はきゅうりとナスで作る。野菜を切る時に、くれぐれも手を切らないように、包丁を使う際は慎重に」とアドバイスした。
 児童は班ごとに分かれ、先に赤しその刈り取りの班は、校舎の外に移動し、赤しその葉を茎から摘む作業に黙々と勤しんだ。青年部員も教員も「今年は昨夏と比較し、全体的に色味が赤く、青みが少ない。水やりの頻度が適切で、土壌の養分が十分だったのでは」と考えを述べ合った。
 児童は、赤しその葉を校舎へ持ち帰り、もみ込み準備に移った。用意されたナスとキュウリを包丁で適度にカットしてから軽く塩揉みして、樽へ投入し、赤しその葉と塩を入れ、力一杯底からかき混ぜてもみ込んだ。しおれた野菜からは水分が出て、久保氏が樽ごと回収した。
 久保氏は児童に向けて「樽を志ば久に持ち帰り、しそやなすが持つ乳酸菌の力により、乳酸発酵させる。10月には完成品のしば漬を学校に持参するので楽しみにしていてほしい。今日は漬物屋さんの作ったしば漬をプレゼントするので、先生と給食の時に一緒に食べてみてほしい」と話し、食育教室を締めくくった。
 体験を終えた児童たちは「野菜をしっかり混ぜることができた」「漬けるのに必要なしその葉がこんなに必要とは思わなかった」「でき上がるのが楽しみ」とそれぞれ感想を述べた。 
 同校の瀧本裕一郎校長は「普段の授業では、大原の歴史や文化を調べたり、京都の食文化について学んだりする機会がある。しかし、今日のように、実際に目で見て手を動かしてしば漬作りを体験すると、より記憶に残るはずだ。青年部の方々には今後もご協力をいただきたい」と語った。
 児嶋会長は「なすやきゅうりを切ったり、しば漬にしたりする楽しさを感じてもらえたと思う。漬物に興味を持って、日々食べる機会が増えてくれるとうれしい」とコメントした。
【2024(令和6)年9月11日第5173号2面】

<京都府漬物協同組合> 子ども宅食用しば漬作り 土井志ば漬で約1.3tを

赤紫蘇刈り
土井志ば漬本舗の発酵蔵をバックに
茄子のへた取り
土井理事長宅で納涼バーベキュー
土井理事長
 【大阪支社】京都府漬物協同組合(土井健資理事長)は8月22日、京都市左京区の株式会社土井志ば漬本舗にて、京都子ども宅食プロジェクトへ寄贈するしば漬約1・3t(原料重量)の漬込みを行った。
 土井理事長は「本事業は子どもの生活支援になり、京漬物の伝統を伝える食育にもなる」と意義を語り、約30名の参加者に感謝を示した。
 しば漬作りは紫蘇刈りや紫蘇葉の選別、また茄子のへた取りや漬込みまでを分担して行った。漬け込まれたしば漬は土井志ば漬本舗の蔵で熟成発酵させ、完成後各家庭へ届けられる。
 参加者からは「京都は昔から分業の街。私は浅漬を主としているのでしば漬作りは実はほとんど経験がない。良い勉強になった」との声も聞かれた。
 京都子ども宅食プロジェクト事務局の泰良和也氏は「子ども宅食の利用者はひとり親家庭など経済的に困窮している家庭が大半。貧困は隠したいもので、周囲に助けを求められず孤立しがちになる。今回しば漬を大勢集まって作っていただいたことは利用者へお伝えする。『あなたたちを助けたい』というメッセージになる。本当にありがたい」と感謝を口にした。
 また作業に参加した京都府農林水産部流通・ブランド戦略課の加茂雅紀課長は「漬物作りにはすべての工程に意味があり、熟練の技術があると改めて実感した。今後も京漬物の発展支援に全力を尽くしたい」と感想を語った。
 漬込み作業が終了した後は、土井志ば漬本舗に隣接する土井理事長宅の庭で、納涼バーベキューも催され、疲れを癒やした。
【2024(令和6)年9月1日第5172号2面】

きょうとおつけもんライフ
https://www.otsukemon-kyoto.com/

<堺共同漬物> 夏休み水なすぬか漬教室 大阪特産野菜の魅力伝える

泉州水なすの特徴を伝える染井主任
水なすのぬか漬に取り組む参加者
 【大阪支社】堺共同漬物株式会社(林野雅史社長、大阪府堺市中区)は8月24日、本社近くの直営店、みずなす工房にて「夏休み 水なすぬか漬教室」を開催し、9名が参加した。泉州水なすの特徴を学び、そのぬか漬体験が行われた。
 講師を務めた同社営業部の染井一郎主任は初めに、大阪の特産品である泉州水なすの特徴について解説。水なすは、「丸みのある卵型で、水分量が多くて甘味が強く、生で食べられジューシー。日に当たることで成熟し紫色になり、ガクまわりが白いものは、日が昇る前の未成熟の時に収穫しているから。白い部分があっても、安心して食べてください」と話した。
 水なす漬作りに移ると、参加者は塩揉み作業を開始。「軽く水分が出るまで塩で擦るように揉むと、ぬかで漬けた際に、ぬかがなすへ良く染み込み、おいしくなる」と染井氏がレクチャーし、参加者は丹念に塩もみ作業に取り組んだ。
 続くぬかに漬け込む作業では「ぬかはお米からできていてとても栄養豊富」、そのぬかの栄養をなすへ浸透させるとともに発酵の力も加わって、みずなす漬は健康的な食べ物であると紹介された。
 漬込み体験を終えると、水なすに関するミニクイズで「なすの原産地は①中央アメリカ②イギリス③インドのどれか」という問題が染井氏より出題され、全員が③のインドで正解し、参加者を代表して最年少の小学生へ、景品のお菓子がプレゼントされた。その後は水なすランチも振る舞われた。
 参加者からは「ぬか漬が楽しかった。一晩以上寝かし、よく漬かってから食べたい」と感想が聞こえた。
 体験教室を終えた染井氏は「子どもさんが参加してくれると食育になり、また、大人の方には水なすの魅力を再発見していただけるので、うれしい。今後、スーパー等で見かけたら、今日の体験を思い出して、ぜひ水なす漬を手に取ってほしい」とコメントした。
【2024(令和6)年9月1日第5172号2面】

堺共同漬物
https://www.mizunasu.co.jp/

<服部栄養専門学校> 小学生料理コンテスト 腸活メニューをテーマに開催

優勝、準優勝の3名(前列)と服部校長(後列左から3人目)ほかスタッフ
優勝した藤生さんの作品
 食のプロである栄養士・調理師を育成し、食育の普及・啓蒙をリードする服部栄養専門学校(服部幸應校長、東京都渋谷区)は7月31日、小学生を対象とした料理コンテスト「第29回ハットリ・キッズ・食育・クッキングコンテスト」を開催した。
 今年は「朝ごはんで絶好調! これが私の腸活メニュー」をテーマにオリジナル料理レシピを募集。全国から応募された120作品の中から、工夫を凝らした作品10点を選出し、服部栄養専門学校において実際に調理し、腕を競い合った。
 その結果、優勝は藤生幸来さん(小学6年生、神奈川県相模原市)の「彩る夏の食卓! 栄養でみんなにこにこ朝ごはん」が栄冠に輝いた。準優勝は、梶村茉花さん(小学6年生、大阪府吹田市)の「麹で腸活! 朝から元気朝ごはん!」と、成川日奈子さん(小学6年生、東京都あきる野市)の「朝から腸絶好調!! 超絶体に優しい朝ごはん」の2作品が受賞した。
 本コンテストは、規定競技とオリジナルレシピの調理を小学生が1人で取り組むレベルの高い大会で、29回目を数える。コロナ禍でレシピ選考のみの3年間を経て、前回大会でリアル開催に復帰した。
 規定競技はリンゴの皮むき・キャベツの千切り・アジの三枚おろしと大人でも難しいものばかり。オリジナルレシピの調理では60分間で4人分の主食・主菜・副菜・汁物を調理する。審査基準は味、創造性、見た目、経済性、段取り、後片付けを評価。この2つの部門の総合点により、各賞が決定した。
【優勝した藤生幸来さんのコメント】
 緊張してあまり味もわからなくなってきてしまい、とても不安でしたが、6年生で最後の大会で優勝できてうれしかったです。
【服部幸應審査委員長のコメント】
 昨年参加して、今年も参加してくれた人が5名いた。やはり、その人たちは上手だった。パリオリンピックが開催されているが、小さい頃から繰り返し練習している人たちが活躍している。料理も同じ。小さい頃から繰り返すことで上手になる。そして、味覚も育てていくものだ。最近は酸味と塩味の違いが判らない人が多くなっている。これらも、小さい頃からの体験だ。ご父兄の皆さんにも、ぜひその違いが分かるような料理をお願いできればと思う。また、たくさん練習して来年も来てほしい。
【2024(令和6)年8月21日第5171号2面】

第29回ハットリ・キッズ・食育・クッキングコンテスト
https://hattori-kids-shoku-iku.jp/

京都漬協 京都府大生がしば漬作り

 土井理事長の話を聞く京都府大生ら
しば漬原料のなすの塩もみ
 土井理事長
発祥地・大原の土井志ば漬で
 【大阪支社】京都府漬物協同組合(土井健資理事長)は、京都府立大学と包括連携協定を結んでおり、共同事業を実施してきた。
7月19日には、農学食科学部和食文化学科のフィールドワークの授業に協力し、株式会社土井志ば漬本舗(京都市左京区)にて、学生たちは三大京漬物の一つであるしば漬作り体験を行った。
 初めに、同社の代表取締役社長で京都漬協の土井理事長が登場し「皆さん、しば漬発祥の地である大原までお越し頂き、感謝する。京都のしば漬は、夏が旬のなすを乳酸発酵させて出来上がる。どれだけ手間暇掛けて完成するか、体験してみてほしい。最後は、併設のレストランで炊き立てのご飯と、当社自慢の漬物を用意しているので、お楽しみに」と挨拶した。
 参加者は製造現場へ移動し、なすを冷水でよく水洗いし、なすのへたと額を切り、スライス、塩もみと作業を進め、続いて赤しそのもぎ取りを行った。土井しば漬の社員が樽へ、塩もみされたなすと、赤しそ、塩を投入し重石を載せ、8月末頃まで寝かせて発酵させ完成となる。
 作業の合間には、土井理事長らが「しば漬は、なすのアントシアニンで紫色になる。また、漬け込む際に上にしそを載せるのは、樽の中に酵母が侵入するのを防ぎ、発酵が過度に進まないため」と解説が挟まれた。
 ひと汗かいた学生たちは最後に、併設レストラン「竈炊き立てごはん土井」の漬物バイキングで、しば漬を始め、かぼちゃや大根の浅漬、玉ねぎ漬などを堪能し「なすの手触り、発酵の過程を学べたので、いつも以上に漬物がおいしい」とコメントした。
 なお、本共同事業には、京都漬協の平井誠一副理事長、大角安史専務理事も立ち会った。
【2024(令和6)年8月21日第5171号2面】

京都府漬物協同組合

土井志ば漬本舗

堺共同漬物 みずなす漬体験教室

 5家族16名が参加
みずなす漬のコツを丁寧に説明
 染井氏
パルコープ東中浜で5家族に 
 【大阪支社】堺共同漬物株式会社(林野雅史社長、大阪府堺市中区)は11日、パルコープ東中浜店(大阪市城東区)で、親子5家族16名を対象にみずなす漬体験教室を実施した。
 講師を務めた堺共同漬物営業部の染井一朗氏は、はじめに大阪特産品である泉州水なすの特徴について解説。「水なすは日に当たることで紫色になる。額まわりが白いのは、夜の間に成長して、日が昇る前に収穫しているから。花びらが付いていた部分だけ白い場合もある。白い部分があっても安心して食べてください」と話した。
 みずなす漬作りに移ると、まずは塩を塗り込む作業を始めた。「軽く水分が出るまで擦るようにするとぬかがよく染み込むようになる」と説明すると、子どもたちは力を込めて取り組んだ。
 続くぬかに漬け込む作業では「ぬかはお米からできていてとても栄養豊富」とし、その栄養を浸透させるとともに発酵の力も加わって、みずなす漬は健康的な食べ物であると紹介。丁寧に包み込むように行う漬け方を指導した。
 漬込み体験を終えて親子からは「楽しかった」「子どもが漬けたものは明日、私が漬けたものはよく漬かってから食べてみたい」と満足した様子で笑顔に溢れていた。
 染井氏は「若い家族が漬物や、大阪の伝統に興味を持つきっかけになってくれれば幸い」と期待を示した。
 また、パルコープ店舗支援部和日配商務の金丸茂樹氏は「以前、販売員向けに泉州水なす講習を開催していただいたことで、魅力を語れるようになり販売を伸ばすことができた実績がある。その商品がどのように作られているかを伝えることは大きな意義があるということ」と語り、食育事業強化へ意欲を示した。
【2024(令和6)年8月21日第5171号2面】

堺共同漬物

<吉岡屋>夏期インターンシップ アレンジレシピ試作で漬物身近に

試作したアレンジレシピを前に吉川社長(右)とインターン生
 株式会社吉岡屋(吉川絵美子社長、東京都中央区)では、漬物研究同志会女子会の取組としてスタートした東京家政大学学生を対象としたインターンシップを今夏も8月5日~29日の日程で実施している。
 2024年夏期インターンシップには栄養学部管理栄養学科2年生の建石愛佳さん、同1年生の家光春菜さん、栄養学部栄養学科2年生の髙石夏樹さんの3名が参加。
 全7回の実習は、豊洲や築地の同社店舗の他、リモート形式で行われ、市場見学や漬物アレンジレシピ作成、POP制作、SNSでの情報発信、店舗における接客など様々なプログラムが実施されている。
 8月9日には、築地総本店にて漬物アレンジレシピの試作会が行われた。インターン生は、手軽に作れることを最大のテーマとして、夏場でも食べやすいメニューや、子どもでも食べやすいメニューなどをそれぞれ2品ずつ考案し、実際に調理した。
 奈良漬を使用したタルタルカナッペやいんげんのおひたし、べったら漬を使用した酢の物やハワイアンピザ、広島菜漬を使用したつくねなど、今回もインターン生の柔軟なアイデアにより魅力的なアレンジレシピが生み出された。
 建石さんは「漬物はご飯と一緒に食べる機会が多かったが、食材として手軽に使用できることが分かった」。家光さんは「漬物は塩分が高いイメージがあったが、塩分は意外に少なく、生の野菜より栄養価が高いことを学び、健康に良いイメージに変わった」。石さんは「漬物は食物繊維がとても豊富で様々な健康機能性があることを知って、今後さらに食べたいと感じた」とそれぞれ感想を語った。
 吉川社長は、「今回も漬物を知ってもらうため、食べる・使う・売るの3ステップでインターン研修を実施している。アレンジレシピを試作してもらうことにより、漬物を使用することで簡単に美味しい料理が作れることを体験してもらえたのではないか。インターンシップを通して、漬物を少しでも身近に感じてもらうことができたら嬉しい」と話している。
【2024(令和6)年8月21日第5171号4面】

吉岡屋HP

東海漬物 食育活動でぬか漬教室 発酵や健康効果を講義

講義を行う梅谷主任
 東海漬物株式会社(永井英朗社長、愛知県豊橋市)は6月10日、豊橋商工会議所主催の地域の職業人による訪問授業「春のビジネスパーク 2024」に参加し、豊橋市立南部中学校にて、「ぬか漬教室」を実施した。
 「ビジネスパーク」は、地域の子どもたちに地域の職業人が仕事について伝える場であり、豊橋市教育委員会のキャリア教育と進路指導を合わせた「生き方教育」の中核事業として位置付けられている。2008年度から毎年行われている事業で、同社は2014年より参加している。
 「ぬか漬教室」の授業は、同社営業企画部情報解析課の梅谷靖子主任が講師となり、2年生の受講希望者36名に対して行った。授業内容は、仕事について伝える場でもあるため、梅谷主任は今の職業におけるやりがいなどについて語った。
 「ぬか漬」講義に移り、発酵食品とはどういったものなのか、乳酸菌や酵母などの微生物による発酵がもたらす健康効果などを説明。
 その後、生徒ごとに小分けした「熟ぬか床」を利用して、実際にきゅうりを漬ける作業を行った。最初は、ぬか床の独特な香りに戸惑っている生徒もいたが、全員が楽しみながらきゅうりを漬けていた。
 漬けたきゅうりは各自「きゅうりのキューちゃん」とともにお土産として持ち帰った。「ぬか漬」のことを全く知らない生徒もいるなど、「ぬか漬教室」を通じて「発酵」や「ぬか漬」について少しでも身近に感じてもらう機会となった。
【2024(令和6)年7月1日第5167号1面】 

<フジッコ> 親子で丹波黒の苗植え 15組30名が参加

苗植えを行う親子
新村広報室長(左)よりナップザック贈呈
豆つかみゲーム
 【大阪支社】フジッコ株式会社(福井正一社長、神戸市中央区)は6月8日、兵庫県の丹波篠山市内で、「丹波黒育成体験プログラム」の苗植え体験を実施。当日は、15組30名の親子が参加した。
 参加者は当日、丹波篠山市内の圃場に到着した後、小田垣商店の田村隆弘氏から指導を受け、計900ほどの苗を植え付けることができた。長靴を履いた親子は、畑へ慎重に入り、苗植えを行った。小型のスコップでしっかり穴を掘り、田村氏の指導通り間隔を適切に空けて植え付けた。
 参加者は最初、足元がおぼつかなかったものの、徐々に足元も手元もコツをつかみはじめ、手際良く作業を進めることができた。
 田村氏は「丹波黒は、土壌の栄養分を多く吸収して生育するため、2年連続同じ土壌では育てられない。その分、一粒一粒に養分が凝縮され、格別のおいしさが出る。篠山盆地特有の気候と、粘土質の高い土壌に恵まれた環境により、丹波篠山の黒豆は日本一だと自負している」と熱く語った。
 苗植え体験終了後は、小田垣商店へ場所を移し、参加者は黒豆たっぷりおにぎり、本プログラムに共同で取り組むポートピアホテルが特別に作った豚汁や黒豆入り蒸しパンなどを堪能することができた。
 昼食後は、小田垣社長や山本哲部長により、同社の歴史や黒豆の育成サイクルが説明された後、子どもたちには一人ずつ、フジッコの新村剛広報室長より、本プログラムオリジナルのナップザックが贈呈された。
 続いて、小田垣商店で普段行われている黒豆選別作業を体験してから、フジッコ広報室の豊田麻衣子氏が豆にはたんぱく質、食物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富で「成長期にこそ食べて欲しい」と解説。
 箸で大豆をつかむ「豆つかみゲーム」にも挑戦した。参加者は一日を通じて丹波黒について学び、手を動かし、味わうことができ、全身で体験し、帰路についた。
 参加者が半年を掛けて行う毎年恒例の「丹波黒育成体験プログラム」は、今回の苗植えに続き8月は圃場の手入れ、10月は収穫、12月は新豆を味わう会の全4回で企画されている。
【2024(令和6)年7月1日第5167号3面】

フジッコ
https://www.fujicco.co.jp/index.html

<国分中部(愛知県)> 健康経営優良法人に認定 従業員の幸福度向上を目指す

 国分中部株式会社(福井稔社長、愛知県名古屋市)は、2024年3月11日付にて「健康経営優良法人2024」に認定された。
 同制度は、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度。
 同社の経営戦略のひとつである「仕事における幸福度」は、会社は働きやすく・働きがいのある職場環境を整え、従業員はなりたい自分に向かって一緒に働く人たちと切磋琢磨することにより、双方向で幸福度の向上を図っていくという考え方。
 「健康経営」は「仕事における幸福度」の基盤となる重要なテーマと捉え、従業員が心身ともに健康で、活き活きと働くことができるように、健康増進に取り組んでいく。
 従業員一人ひとりの幸福度向上が、会社としての創造性・生産性を高め、食を通じて世界の人々の幸せと笑顔を創造することで、良好な循環を目指していく。
【2024(令和6)年4月11日第5159号2面】

国分中部 HP
https://www.kokubu.co.jp/chubu/

<ピックルスコーポレーション> 野菜残渣でウニを養殖 フードロスや環境対策に貢献

武井社長
前田次長
塙助教
養殖したウニを試食する前田教諭(左)と焼津水産高校の生徒
 株式会社ピックルスホールディングス(影山直司社長、埼玉県所沢市)の連結子会社である株式会社ピックルスコーポレーション(影山直司社長、埼玉県所沢市)は、ウニが海岸の海藻類を食べ荒らした結果として発生する「磯焼け」の問題に対して、焼津水産高校、山梨大学、清水漁協による「ウニの養殖プロジェクト」に参画。
 同社は10日、同プロジェクトで育ったウニの試食会を、同社グループの施設である「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」内にある薪火と発酵のレストラン「Femy_(フェミー)」にて開催した。
 出席者は同社グループの株式会社OHの武井秀樹社長、株式会社フードレーベル商品開発部次長の前田一樹氏、焼津水産高校栽培漁業科主任の前田玄教諭と同校生徒、山梨大学医学部解剖学講座構造生物学教室助教の塙宗継氏。
 同プロジェクトは影山社長と塙氏が静岡大学の同窓だった縁もあり、問題となっていた静岡県の用宗海岸の磯焼けの改善を目的にスタート。同社は野菜残渣を有効活用することでフードロス削減に貢献し、焼津水産高校は廃棄野菜を餌に養殖研究を行い、山梨大学は用宗海岸ムラサキウニの生態データ解析、養殖ウニの評価を実施した。
 焼津水産高校では栽培漁業科の3年生4人が一昨年11月から約1年半の期間でウニの飼育、管理に取り組んだ。餌は1日2回(土日は1回)与え、ムラサキウニが好む野菜の種類や与えやすい餌を選定。キャベツやわかめなどを好んで食べることが分かった。
 養殖期間は2~3カ月で、冬場は水温を20度に加温する。初回は50匹からのスタートだったが、3クール目となった今回は主に直径4㎝のウニを300匹集めて養殖し、餌はわかめとキャベツに絞って与えた。ウニは温度管理と野菜や海藻の給餌によって色味や味に変化が見られた。
養殖したウニ
 前田教諭は「用宗海岸で採取したウニを野菜残渣で養殖し、ある程度は育てられることが分かった。だが、天然のウニと比べると風味や身の入りなど、解決しなければならない課題がある。養殖の取組を通じて生徒と環境問題について考える機会を提供していただき感謝している」と述べた。
 前田次長は「天然のウニは5月~7月の身入りが良く、1月、2月は身が少ない。養殖で1月、2月でもウニが食べられるようになれば地域特産のブランドウニとなる可能性もある」と指摘。武井社長は「今回の取組は農水産資源を有効活用する第一歩。身入りが安定しないなど量と質はまだまだ商業ベースに乗るものではないが、将来的には野菜残渣で養殖したウニを当レストランなどで提供していきたい」と抱負を語った。
 身は少し小ぶりだが、用宗海岸の天然物のムラサキは、成熟しきっていない4月上旬~5月上旬頃が最もおいしい。しかし、養殖したウニの味は特有の濃厚さや磯の風味が薄く、淡白な味となっており、塙助教は「今回の取組は影山社長と話している中で用宗海岸の磯焼けの問題を解決できないか、ということで共同研究がスタートした。野菜残渣で育てたウニは身は大きくなるが、味については課題があるので改良していきたい」と総括した。
【2024(令和6)年2月21日第5154号3面】

ピックルスコーポレーション

OH!!! ~発酵、健康、食の魔法!!!~

籠長本店 「AI搭載」異物除去装置導入

AI検査ボックスの稼働開始
コンベアへの取付け完了
 田作原料のカタクチイワシ
田作のさらなる品質向上目指す
【大阪支社】有限会社籠長本店(籠谷茂社長、兵庫県姫路市)は1月31日、AI搭載の異物除去装置「OKIKAE(オキカエ)検査ボックス」(以下、検査ボックス)をたつの工場へ導入し、運用を開始した。田作佃煮のメーカーとして、AI搭載の異物除去装置の導入は全国初となる。
 同社は近年特に、田作の製造へ力を入れ、原料であるカタクチイワシの調達にも自信を持つ。だが、海の産物であるカタクチイワシの異物除去作業は、自社工場で手作業のみで行い、精度向上と作業効率化を模索していた。
 昨年、籠谷社長、籠谷流星主任は、株式会社ASTINA社(儀間匠社長、東京都墨田区)製の本検査ボックスの存在をメディアで知り、ASTINA社に問い合わせたところ、籠谷社長らの次の希望条件と一致した。
 ①精度の高いAI搭載であること②ちりめんじゃこ等、カタクチイワシより小さな水産物での異物除去実績があること③数多くの水産系企業で導入実績があること。
 これらの条件を満たし、ASTINA社の杉山周二営業部長とミーティングを重ね、導入への気持ちがさらに前向きになった。
 検査ボックスは内蔵AIに、あらかじめ原料を学習させる必要があり、籠谷社長らは除去したい異物として次の7項目を選定し、原料と異物の現物、それらの特性・性質の情報提供など、内蔵AIの学習に参画した。
 検査ボックスは全項目をクリアすることができたため、導入が決定された。
 【籠長本店カスタマイズ「異物7項目」】
 ①プラスチック片②木片③ペンキ片④石⑤海藻⑥漁網⑦フグ。
 従来、食品関連企業で使用されている異物除去機は主に「色彩選別機」であるものの、同色の異物を除去できないという課題があった。しかし、検査ボックスでは、同色異物も除去可能で、カタクチイワシと同色であるフグの除去も容易だ。
 検査ボックスの設置は、コンベアに差し込むだけと簡単。ベルトコンベアから流れてきたカタクチイワシを付属のカメラで上から撮影し、搭載AIが推論を行って異物とみなしたものはエアジェットで除去される。除去された異物は、ボックスに収められ、後で確認することができる。
 ASTINA社は、AIスタートアップで、独自のディープラーニング技術は高精度。一般的に困難と言われるランダム模様や不定形にも対応する。また、AIのアップデートをすることで、付着や異形の複雑で困難な異物をより除去できるようになる。
 籠長本店の籠谷社長、籠谷流星主任は「田作の伝統的な味は守りつつも、どうすればお客様のためにより安全・安心な商品を届けられるか考えてきた。
 今回検査ボックスを導入し、商品品質向上の手ごたえを早くも実感できている。『田作に関することは籠長に聞いてみよう』と、最初に思い浮かぶメーカーになりたい」と語った。
【2024(令和6)年2月21日第5154号4面】

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