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SDGs・伝統継承・食育活動・品質向上の取組2024

京都漬協青年部会 大原学院へ出前教室

参加した青年部員
久保氏がもみ方をレクチャー

 児嶋会長
25名が「しば漬作り」
【大阪支社】京都府漬物協同組合青年部会(児嶋真司会長)は4日、児嶋会長を始め、青年部員が京都市左京区の京都大原学院を訪れ、小学3・4年生の25名を対象に、3・4時限目を利用して「しば漬作り教室」を実施。児童は、同校の農園で栽培しているシソを使った大原名物の「しば漬作り」に挑戦した。  
 講師は、青年部で会長を務めた経験があり、大原が地元の久保統氏(志ば久)が務め、青年部員はアシスタント役を担った。
 最初に、同青年部の児嶋会長が「しば漬は三大京漬物の一つ。きょうの体験で、しば漬が手間暇かけて作られていることを学び、家族やおじいちゃん、おばあちゃんにもぜひ伝えてほしい」と児童へ語りかけた。
 続いて講師の久保氏は「京都のしば漬はナスだけで作るが、今日はきゅうりとナスで作る。野菜を切る時に、くれぐれも手を切らないように、包丁を使う際は慎重に」とアドバイスした。
 児童は班ごとに分かれ、先に赤しその刈り取りの班は、校舎の外に移動し、赤しその葉を茎から摘む作業に黙々と勤しんだ。青年部員も教員も「今年は昨夏と比較し、全体的に色味が赤く、青みが少ない。水やりの頻度が適切で、土壌の養分が十分だったのでは」と考えを述べ合った。
 児童は、赤しその葉を校舎へ持ち帰り、もみ込み準備に移った。用意されたナスとキュウリを包丁で適度にカットしてから軽く塩揉みして、樽へ投入し、赤しその葉と塩を入れ、力一杯底からかき混ぜてもみ込んだ。しおれた野菜からは水分が出て、久保氏が樽ごと回収した。
 久保氏は児童に向けて「樽を志ば久に持ち帰り、しそやなすが持つ乳酸菌の力により、乳酸発酵させる。10月には完成品のしば漬を学校に持参するので楽しみにしていてほしい。今日は漬物屋さんの作ったしば漬をプレゼントするので、先生と給食の時に一緒に食べてみてほしい」と話し、食育教室を締めくくった。
 体験を終えた児童たちは「野菜をしっかり混ぜることができた」「漬けるのに必要なしその葉がこんなに必要とは思わなかった」「でき上がるのが楽しみ」とそれぞれ感想を述べた。 
 同校の瀧本裕一郎校長は「普段の授業では、大原の歴史や文化を調べたり、京都の食文化について学んだりする機会がある。しかし、今日のように、実際に目で見て手を動かしてしば漬作りを体験すると、より記憶に残るはずだ。青年部の方々には今後もご協力をいただきたい」と語った。
 児嶋会長は「なすやきゅうりを切ったり、しば漬にしたりする楽しさを感じてもらえたと思う。漬物に興味を持って、日々食べる機会が増えてくれるとうれしい」とコメントした。
【2024(令和6)年9月11日第5173号2面】

<京都府漬物協同組合> 子ども宅食用しば漬作り 土井志ば漬で約1.3tを

赤紫蘇刈り
土井志ば漬本舗の発酵蔵をバックに
茄子のへた取り
土井理事長宅で納涼バーベキュー
土井理事長
 【大阪支社】京都府漬物協同組合(土井健資理事長)は8月22日、京都市左京区の株式会社土井志ば漬本舗にて、京都子ども宅食プロジェクトへ寄贈するしば漬約1・3t(原料重量)の漬込みを行った。
 土井理事長は「本事業は子どもの生活支援になり、京漬物の伝統を伝える食育にもなる」と意義を語り、約30名の参加者に感謝を示した。
 しば漬作りは紫蘇刈りや紫蘇葉の選別、また茄子のへた取りや漬込みまでを分担して行った。漬け込まれたしば漬は土井志ば漬本舗の蔵で熟成発酵させ、完成後各家庭へ届けられる。
 参加者からは「京都は昔から分業の街。私は浅漬を主としているのでしば漬作りは実はほとんど経験がない。良い勉強になった」との声も聞かれた。
 京都子ども宅食プロジェクト事務局の泰良和也氏は「子ども宅食の利用者はひとり親家庭など経済的に困窮している家庭が大半。貧困は隠したいもので、周囲に助けを求められず孤立しがちになる。今回しば漬を大勢集まって作っていただいたことは利用者へお伝えする。『あなたたちを助けたい』というメッセージになる。本当にありがたい」と感謝を口にした。
 また作業に参加した京都府農林水産部流通・ブランド戦略課の加茂雅紀課長は「漬物作りにはすべての工程に意味があり、熟練の技術があると改めて実感した。今後も京漬物の発展支援に全力を尽くしたい」と感想を語った。
 漬込み作業が終了した後は、土井志ば漬本舗に隣接する土井理事長宅の庭で、納涼バーベキューも催され、疲れを癒やした。
【2024(令和6)年9月1日第5172号2面】

きょうとおつけもんライフ
https://www.otsukemon-kyoto.com/

<堺共同漬物> 夏休み水なすぬか漬教室 大阪特産野菜の魅力伝える

泉州水なすの特徴を伝える染井主任
水なすのぬか漬に取り組む参加者
 【大阪支社】堺共同漬物株式会社(林野雅史社長、大阪府堺市中区)は8月24日、本社近くの直営店、みずなす工房にて「夏休み 水なすぬか漬教室」を開催し、9名が参加した。泉州水なすの特徴を学び、そのぬか漬体験が行われた。
 講師を務めた同社営業部の染井一郎主任は初めに、大阪の特産品である泉州水なすの特徴について解説。水なすは、「丸みのある卵型で、水分量が多くて甘味が強く、生で食べられジューシー。日に当たることで成熟し紫色になり、ガクまわりが白いものは、日が昇る前の未成熟の時に収穫しているから。白い部分があっても、安心して食べてください」と話した。
 水なす漬作りに移ると、参加者は塩揉み作業を開始。「軽く水分が出るまで塩で擦るように揉むと、ぬかで漬けた際に、ぬかがなすへ良く染み込み、おいしくなる」と染井氏がレクチャーし、参加者は丹念に塩もみ作業に取り組んだ。
 続くぬかに漬け込む作業では「ぬかはお米からできていてとても栄養豊富」、そのぬかの栄養をなすへ浸透させるとともに発酵の力も加わって、みずなす漬は健康的な食べ物であると紹介された。
 漬込み体験を終えると、水なすに関するミニクイズで「なすの原産地は①中央アメリカ②イギリス③インドのどれか」という問題が染井氏より出題され、全員が③のインドで正解し、参加者を代表して最年少の小学生へ、景品のお菓子がプレゼントされた。その後は水なすランチも振る舞われた。
 参加者からは「ぬか漬が楽しかった。一晩以上寝かし、よく漬かってから食べたい」と感想が聞こえた。
 体験教室を終えた染井氏は「子どもさんが参加してくれると食育になり、また、大人の方には水なすの魅力を再発見していただけるので、うれしい。今後、スーパー等で見かけたら、今日の体験を思い出して、ぜひ水なす漬を手に取ってほしい」とコメントした。
【2024(令和6)年9月1日第5172号2面】

堺共同漬物
https://www.mizunasu.co.jp/

<服部栄養専門学校> 小学生料理コンテスト 腸活メニューをテーマに開催

優勝、準優勝の3名(前列)と服部校長(後列左から3人目)ほかスタッフ
優勝した藤生さんの作品
 食のプロである栄養士・調理師を育成し、食育の普及・啓蒙をリードする服部栄養専門学校(服部幸應校長、東京都渋谷区)は7月31日、小学生を対象とした料理コンテスト「第29回ハットリ・キッズ・食育・クッキングコンテスト」を開催した。
 今年は「朝ごはんで絶好調! これが私の腸活メニュー」をテーマにオリジナル料理レシピを募集。全国から応募された120作品の中から、工夫を凝らした作品10点を選出し、服部栄養専門学校において実際に調理し、腕を競い合った。
 その結果、優勝は藤生幸来さん(小学6年生、神奈川県相模原市)の「彩る夏の食卓! 栄養でみんなにこにこ朝ごはん」が栄冠に輝いた。準優勝は、梶村茉花さん(小学6年生、大阪府吹田市)の「麹で腸活! 朝から元気朝ごはん!」と、成川日奈子さん(小学6年生、東京都あきる野市)の「朝から腸絶好調!! 超絶体に優しい朝ごはん」の2作品が受賞した。
 本コンテストは、規定競技とオリジナルレシピの調理を小学生が1人で取り組むレベルの高い大会で、29回目を数える。コロナ禍でレシピ選考のみの3年間を経て、前回大会でリアル開催に復帰した。
 規定競技はリンゴの皮むき・キャベツの千切り・アジの三枚おろしと大人でも難しいものばかり。オリジナルレシピの調理では60分間で4人分の主食・主菜・副菜・汁物を調理する。審査基準は味、創造性、見た目、経済性、段取り、後片付けを評価。この2つの部門の総合点により、各賞が決定した。
【優勝した藤生幸来さんのコメント】
 緊張してあまり味もわからなくなってきてしまい、とても不安でしたが、6年生で最後の大会で優勝できてうれしかったです。
【服部幸應審査委員長のコメント】
 昨年参加して、今年も参加してくれた人が5名いた。やはり、その人たちは上手だった。パリオリンピックが開催されているが、小さい頃から繰り返し練習している人たちが活躍している。料理も同じ。小さい頃から繰り返すことで上手になる。そして、味覚も育てていくものだ。最近は酸味と塩味の違いが判らない人が多くなっている。これらも、小さい頃からの体験だ。ご父兄の皆さんにも、ぜひその違いが分かるような料理をお願いできればと思う。また、たくさん練習して来年も来てほしい。
【2024(令和6)年8月21日第5171号2面】

第29回ハットリ・キッズ・食育・クッキングコンテスト
https://hattori-kids-shoku-iku.jp/

京都漬協 京都府大生がしば漬作り

 土井理事長の話を聞く京都府大生ら
しば漬原料のなすの塩もみ
 土井理事長
発祥地・大原の土井志ば漬で
 【大阪支社】京都府漬物協同組合(土井健資理事長)は、京都府立大学と包括連携協定を結んでおり、共同事業を実施してきた。
7月19日には、農学食科学部和食文化学科のフィールドワークの授業に協力し、株式会社土井志ば漬本舗(京都市左京区)にて、学生たちは三大京漬物の一つであるしば漬作り体験を行った。
 初めに、同社の代表取締役社長で京都漬協の土井理事長が登場し「皆さん、しば漬発祥の地である大原までお越し頂き、感謝する。京都のしば漬は、夏が旬のなすを乳酸発酵させて出来上がる。どれだけ手間暇掛けて完成するか、体験してみてほしい。最後は、併設のレストランで炊き立てのご飯と、当社自慢の漬物を用意しているので、お楽しみに」と挨拶した。
 参加者は製造現場へ移動し、なすを冷水でよく水洗いし、なすのへたと額を切り、スライス、塩もみと作業を進め、続いて赤しそのもぎ取りを行った。土井しば漬の社員が樽へ、塩もみされたなすと、赤しそ、塩を投入し重石を載せ、8月末頃まで寝かせて発酵させ完成となる。
 作業の合間には、土井理事長らが「しば漬は、なすのアントシアニンで紫色になる。また、漬け込む際に上にしそを載せるのは、樽の中に酵母が侵入するのを防ぎ、発酵が過度に進まないため」と解説が挟まれた。
 ひと汗かいた学生たちは最後に、併設レストラン「竈炊き立てごはん土井」の漬物バイキングで、しば漬を始め、かぼちゃや大根の浅漬、玉ねぎ漬などを堪能し「なすの手触り、発酵の過程を学べたので、いつも以上に漬物がおいしい」とコメントした。
 なお、本共同事業には、京都漬協の平井誠一副理事長、大角安史専務理事も立ち会った。
【2024(令和6)年8月21日第5171号2面】

京都府漬物協同組合

土井志ば漬本舗

堺共同漬物 みずなす漬体験教室

 5家族16名が参加
みずなす漬のコツを丁寧に説明
 染井氏
パルコープ東中浜で5家族に 
 【大阪支社】堺共同漬物株式会社(林野雅史社長、大阪府堺市中区)は11日、パルコープ東中浜店(大阪市城東区)で、親子5家族16名を対象にみずなす漬体験教室を実施した。
 講師を務めた堺共同漬物営業部の染井一朗氏は、はじめに大阪特産品である泉州水なすの特徴について解説。「水なすは日に当たることで紫色になる。額まわりが白いのは、夜の間に成長して、日が昇る前に収穫しているから。花びらが付いていた部分だけ白い場合もある。白い部分があっても安心して食べてください」と話した。
 みずなす漬作りに移ると、まずは塩を塗り込む作業を始めた。「軽く水分が出るまで擦るようにするとぬかがよく染み込むようになる」と説明すると、子どもたちは力を込めて取り組んだ。
 続くぬかに漬け込む作業では「ぬかはお米からできていてとても栄養豊富」とし、その栄養を浸透させるとともに発酵の力も加わって、みずなす漬は健康的な食べ物であると紹介。丁寧に包み込むように行う漬け方を指導した。
 漬込み体験を終えて親子からは「楽しかった」「子どもが漬けたものは明日、私が漬けたものはよく漬かってから食べてみたい」と満足した様子で笑顔に溢れていた。
 染井氏は「若い家族が漬物や、大阪の伝統に興味を持つきっかけになってくれれば幸い」と期待を示した。
 また、パルコープ店舗支援部和日配商務の金丸茂樹氏は「以前、販売員向けに泉州水なす講習を開催していただいたことで、魅力を語れるようになり販売を伸ばすことができた実績がある。その商品がどのように作られているかを伝えることは大きな意義があるということ」と語り、食育事業強化へ意欲を示した。
【2024(令和6)年8月21日第5171号2面】

堺共同漬物

<吉岡屋>夏期インターンシップ アレンジレシピ試作で漬物身近に

試作したアレンジレシピを前に吉川社長(右)とインターン生
 株式会社吉岡屋(吉川絵美子社長、東京都中央区)では、漬物研究同志会女子会の取組としてスタートした東京家政大学学生を対象としたインターンシップを今夏も8月5日~29日の日程で実施している。
 2024年夏期インターンシップには栄養学部管理栄養学科2年生の建石愛佳さん、同1年生の家光春菜さん、栄養学部栄養学科2年生の髙石夏樹さんの3名が参加。
 全7回の実習は、豊洲や築地の同社店舗の他、リモート形式で行われ、市場見学や漬物アレンジレシピ作成、POP制作、SNSでの情報発信、店舗における接客など様々なプログラムが実施されている。
 8月9日には、築地総本店にて漬物アレンジレシピの試作会が行われた。インターン生は、手軽に作れることを最大のテーマとして、夏場でも食べやすいメニューや、子どもでも食べやすいメニューなどをそれぞれ2品ずつ考案し、実際に調理した。
 奈良漬を使用したタルタルカナッペやいんげんのおひたし、べったら漬を使用した酢の物やハワイアンピザ、広島菜漬を使用したつくねなど、今回もインターン生の柔軟なアイデアにより魅力的なアレンジレシピが生み出された。
 建石さんは「漬物はご飯と一緒に食べる機会が多かったが、食材として手軽に使用できることが分かった」。家光さんは「漬物は塩分が高いイメージがあったが、塩分は意外に少なく、生の野菜より栄養価が高いことを学び、健康に良いイメージに変わった」。石さんは「漬物は食物繊維がとても豊富で様々な健康機能性があることを知って、今後さらに食べたいと感じた」とそれぞれ感想を語った。
 吉川社長は、「今回も漬物を知ってもらうため、食べる・使う・売るの3ステップでインターン研修を実施している。アレンジレシピを試作してもらうことにより、漬物を使用することで簡単に美味しい料理が作れることを体験してもらえたのではないか。インターンシップを通して、漬物を少しでも身近に感じてもらうことができたら嬉しい」と話している。
【2024(令和6)年8月21日第5171号4面】

吉岡屋HP

東海漬物 食育活動でぬか漬教室 発酵や健康効果を講義

講義を行う梅谷主任
 東海漬物株式会社(永井英朗社長、愛知県豊橋市)は6月10日、豊橋商工会議所主催の地域の職業人による訪問授業「春のビジネスパーク 2024」に参加し、豊橋市立南部中学校にて、「ぬか漬教室」を実施した。
 「ビジネスパーク」は、地域の子どもたちに地域の職業人が仕事について伝える場であり、豊橋市教育委員会のキャリア教育と進路指導を合わせた「生き方教育」の中核事業として位置付けられている。2008年度から毎年行われている事業で、同社は2014年より参加している。
 「ぬか漬教室」の授業は、同社営業企画部情報解析課の梅谷靖子主任が講師となり、2年生の受講希望者36名に対して行った。授業内容は、仕事について伝える場でもあるため、梅谷主任は今の職業におけるやりがいなどについて語った。
 「ぬか漬」講義に移り、発酵食品とはどういったものなのか、乳酸菌や酵母などの微生物による発酵がもたらす健康効果などを説明。
 その後、生徒ごとに小分けした「熟ぬか床」を利用して、実際にきゅうりを漬ける作業を行った。最初は、ぬか床の独特な香りに戸惑っている生徒もいたが、全員が楽しみながらきゅうりを漬けていた。
 漬けたきゅうりは各自「きゅうりのキューちゃん」とともにお土産として持ち帰った。「ぬか漬」のことを全く知らない生徒もいるなど、「ぬか漬教室」を通じて「発酵」や「ぬか漬」について少しでも身近に感じてもらう機会となった。
【2024(令和6)年7月1日第5167号1面】 

<フジッコ> 親子で丹波黒の苗植え 15組30名が参加

苗植えを行う親子
新村広報室長(左)よりナップザック贈呈
豆つかみゲーム
 【大阪支社】フジッコ株式会社(福井正一社長、神戸市中央区)は6月8日、兵庫県の丹波篠山市内で、「丹波黒育成体験プログラム」の苗植え体験を実施。当日は、15組30名の親子が参加した。
 参加者は当日、丹波篠山市内の圃場に到着した後、小田垣商店の田村隆弘氏から指導を受け、計900ほどの苗を植え付けることができた。長靴を履いた親子は、畑へ慎重に入り、苗植えを行った。小型のスコップでしっかり穴を掘り、田村氏の指導通り間隔を適切に空けて植え付けた。
 参加者は最初、足元がおぼつかなかったものの、徐々に足元も手元もコツをつかみはじめ、手際良く作業を進めることができた。
 田村氏は「丹波黒は、土壌の栄養分を多く吸収して生育するため、2年連続同じ土壌では育てられない。その分、一粒一粒に養分が凝縮され、格別のおいしさが出る。篠山盆地特有の気候と、粘土質の高い土壌に恵まれた環境により、丹波篠山の黒豆は日本一だと自負している」と熱く語った。
 苗植え体験終了後は、小田垣商店へ場所を移し、参加者は黒豆たっぷりおにぎり、本プログラムに共同で取り組むポートピアホテルが特別に作った豚汁や黒豆入り蒸しパンなどを堪能することができた。
 昼食後は、小田垣社長や山本哲部長により、同社の歴史や黒豆の育成サイクルが説明された後、子どもたちには一人ずつ、フジッコの新村剛広報室長より、本プログラムオリジナルのナップザックが贈呈された。
 続いて、小田垣商店で普段行われている黒豆選別作業を体験してから、フジッコ広報室の豊田麻衣子氏が豆にはたんぱく質、食物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富で「成長期にこそ食べて欲しい」と解説。
 箸で大豆をつかむ「豆つかみゲーム」にも挑戦した。参加者は一日を通じて丹波黒について学び、手を動かし、味わうことができ、全身で体験し、帰路についた。
 参加者が半年を掛けて行う毎年恒例の「丹波黒育成体験プログラム」は、今回の苗植えに続き8月は圃場の手入れ、10月は収穫、12月は新豆を味わう会の全4回で企画されている。
【2024(令和6)年7月1日第5167号3面】

フジッコ
https://www.fujicco.co.jp/index.html

<国分中部(愛知県)> 健康経営優良法人に認定 従業員の幸福度向上を目指す

 国分中部株式会社(福井稔社長、愛知県名古屋市)は、2024年3月11日付にて「健康経営優良法人2024」に認定された。
 同制度は、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度。
 同社の経営戦略のひとつである「仕事における幸福度」は、会社は働きやすく・働きがいのある職場環境を整え、従業員はなりたい自分に向かって一緒に働く人たちと切磋琢磨することにより、双方向で幸福度の向上を図っていくという考え方。
 「健康経営」は「仕事における幸福度」の基盤となる重要なテーマと捉え、従業員が心身ともに健康で、活き活きと働くことができるように、健康増進に取り組んでいく。
 従業員一人ひとりの幸福度向上が、会社としての創造性・生産性を高め、食を通じて世界の人々の幸せと笑顔を創造することで、良好な循環を目指していく。
【2024(令和6)年4月11日第5159号2面】

国分中部 HP
https://www.kokubu.co.jp/chubu/

<ピックルスコーポレーション> 野菜残渣でウニを養殖 フードロスや環境対策に貢献

武井社長
前田次長
塙助教
養殖したウニを試食する前田教諭(左)と焼津水産高校の生徒
 株式会社ピックルスホールディングス(影山直司社長、埼玉県所沢市)の連結子会社である株式会社ピックルスコーポレーション(影山直司社長、埼玉県所沢市)は、ウニが海岸の海藻類を食べ荒らした結果として発生する「磯焼け」の問題に対して、焼津水産高校、山梨大学、清水漁協による「ウニの養殖プロジェクト」に参画。
 同社は10日、同プロジェクトで育ったウニの試食会を、同社グループの施設である「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」内にある薪火と発酵のレストラン「Femy_(フェミー)」にて開催した。
 出席者は同社グループの株式会社OHの武井秀樹社長、株式会社フードレーベル商品開発部次長の前田一樹氏、焼津水産高校栽培漁業科主任の前田玄教諭と同校生徒、山梨大学医学部解剖学講座構造生物学教室助教の塙宗継氏。
 同プロジェクトは影山社長と塙氏が静岡大学の同窓だった縁もあり、問題となっていた静岡県の用宗海岸の磯焼けの改善を目的にスタート。同社は野菜残渣を有効活用することでフードロス削減に貢献し、焼津水産高校は廃棄野菜を餌に養殖研究を行い、山梨大学は用宗海岸ムラサキウニの生態データ解析、養殖ウニの評価を実施した。
 焼津水産高校では栽培漁業科の3年生4人が一昨年11月から約1年半の期間でウニの飼育、管理に取り組んだ。餌は1日2回(土日は1回)与え、ムラサキウニが好む野菜の種類や与えやすい餌を選定。キャベツやわかめなどを好んで食べることが分かった。
 養殖期間は2~3カ月で、冬場は水温を20度に加温する。初回は50匹からのスタートだったが、3クール目となった今回は主に直径4㎝のウニを300匹集めて養殖し、餌はわかめとキャベツに絞って与えた。ウニは温度管理と野菜や海藻の給餌によって色味や味に変化が見られた。
養殖したウニ
 前田教諭は「用宗海岸で採取したウニを野菜残渣で養殖し、ある程度は育てられることが分かった。だが、天然のウニと比べると風味や身の入りなど、解決しなければならない課題がある。養殖の取組を通じて生徒と環境問題について考える機会を提供していただき感謝している」と述べた。
 前田次長は「天然のウニは5月~7月の身入りが良く、1月、2月は身が少ない。養殖で1月、2月でもウニが食べられるようになれば地域特産のブランドウニとなる可能性もある」と指摘。武井社長は「今回の取組は農水産資源を有効活用する第一歩。身入りが安定しないなど量と質はまだまだ商業ベースに乗るものではないが、将来的には野菜残渣で養殖したウニを当レストランなどで提供していきたい」と抱負を語った。
 身は少し小ぶりだが、用宗海岸の天然物のムラサキは、成熟しきっていない4月上旬~5月上旬頃が最もおいしい。しかし、養殖したウニの味は特有の濃厚さや磯の風味が薄く、淡白な味となっており、塙助教は「今回の取組は影山社長と話している中で用宗海岸の磯焼けの問題を解決できないか、ということで共同研究がスタートした。野菜残渣で育てたウニは身は大きくなるが、味については課題があるので改良していきたい」と総括した。
【2024(令和6)年2月21日第5154号3面】

ピックルスコーポレーション

OH!!! ~発酵、健康、食の魔法!!!~

籠長本店 「AI搭載」異物除去装置導入

AI検査ボックスの稼働開始
コンベアへの取付け完了
 田作原料のカタクチイワシ
田作のさらなる品質向上目指す
【大阪支社】有限会社籠長本店(籠谷茂社長、兵庫県姫路市)は1月31日、AI搭載の異物除去装置「OKIKAE(オキカエ)検査ボックス」(以下、検査ボックス)をたつの工場へ導入し、運用を開始した。田作佃煮のメーカーとして、AI搭載の異物除去装置の導入は全国初となる。
 同社は近年特に、田作の製造へ力を入れ、原料であるカタクチイワシの調達にも自信を持つ。だが、海の産物であるカタクチイワシの異物除去作業は、自社工場で手作業のみで行い、精度向上と作業効率化を模索していた。
 昨年、籠谷社長、籠谷流星主任は、株式会社ASTINA社(儀間匠社長、東京都墨田区)製の本検査ボックスの存在をメディアで知り、ASTINA社に問い合わせたところ、籠谷社長らの次の希望条件と一致した。
 ①精度の高いAI搭載であること②ちりめんじゃこ等、カタクチイワシより小さな水産物での異物除去実績があること③数多くの水産系企業で導入実績があること。
 これらの条件を満たし、ASTINA社の杉山周二営業部長とミーティングを重ね、導入への気持ちがさらに前向きになった。
 検査ボックスは内蔵AIに、あらかじめ原料を学習させる必要があり、籠谷社長らは除去したい異物として次の7項目を選定し、原料と異物の現物、それらの特性・性質の情報提供など、内蔵AIの学習に参画した。
 検査ボックスは全項目をクリアすることができたため、導入が決定された。
 【籠長本店カスタマイズ「異物7項目」】
 ①プラスチック片②木片③ペンキ片④石⑤海藻⑥漁網⑦フグ。
 従来、食品関連企業で使用されている異物除去機は主に「色彩選別機」であるものの、同色の異物を除去できないという課題があった。しかし、検査ボックスでは、同色異物も除去可能で、カタクチイワシと同色であるフグの除去も容易だ。
 検査ボックスの設置は、コンベアに差し込むだけと簡単。ベルトコンベアから流れてきたカタクチイワシを付属のカメラで上から撮影し、搭載AIが推論を行って異物とみなしたものはエアジェットで除去される。除去された異物は、ボックスに収められ、後で確認することができる。
 ASTINA社は、AIスタートアップで、独自のディープラーニング技術は高精度。一般的に困難と言われるランダム模様や不定形にも対応する。また、AIのアップデートをすることで、付着や異形の複雑で困難な異物をより除去できるようになる。
 籠長本店の籠谷社長、籠谷流星主任は「田作の伝統的な味は守りつつも、どうすればお客様のためにより安全・安心な商品を届けられるか考えてきた。
 今回検査ボックスを導入し、商品品質向上の手ごたえを早くも実感できている。『田作に関することは籠長に聞いてみよう』と、最初に思い浮かぶメーカーになりたい」と語った。
【2024(令和6)年2月21日第5154号4面】

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