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SDGs・伝統継承・食育活動・品質向上の取組2024

<ピックルスコーポレーション> 野菜残渣でウニを養殖 フードロスや環境対策に貢献

武井社長
前田次長
塙助教
養殖したウニを試食する前田教諭(左)と焼津水産高校の生徒
 株式会社ピックルスホールディングス(影山直司社長、埼玉県所沢市)の連結子会社である株式会社ピックルスコーポレーション(影山直司社長、埼玉県所沢市)は、ウニが海岸の海藻類を食べ荒らした結果として発生する「磯焼け」の問題に対して、焼津水産高校、山梨大学、清水漁協による「ウニの養殖プロジェクト」に参画。
 同社は10日、同プロジェクトで育ったウニの試食会を、同社グループの施設である「OH!!!~発酵、健康、食の魔法!!!~」内にある薪火と発酵のレストラン「Femy_(フェミー)」にて開催した。
 出席者は同社グループの株式会社OHの武井秀樹社長、株式会社フードレーベル商品開発部次長の前田一樹氏、焼津水産高校栽培漁業科主任の前田玄教諭と同校生徒、山梨大学医学部解剖学講座構造生物学教室助教の塙宗継氏。
 同プロジェクトは影山社長と塙氏が静岡大学の同窓だった縁もあり、問題となっていた静岡県の用宗海岸の磯焼けの改善を目的にスタート。同社は野菜残渣を有効活用することでフードロス削減に貢献し、焼津水産高校は廃棄野菜を餌に養殖研究を行い、山梨大学は用宗海岸ムラサキウニの生態データ解析、養殖ウニの評価を実施した。
 焼津水産高校では栽培漁業科の3年生4人が一昨年11月から約1年半の期間でウニの飼育、管理に取り組んだ。餌は1日2回(土日は1回)与え、ムラサキウニが好む野菜の種類や与えやすい餌を選定。キャベツやわかめなどを好んで食べることが分かった。
 養殖期間は2~3カ月で、冬場は水温を20度に加温する。初回は50匹からのスタートだったが、3クール目となった今回は主に直径4㎝のウニを300匹集めて養殖し、餌はわかめとキャベツに絞って与えた。ウニは温度管理と野菜や海藻の給餌によって色味や味に変化が見られた。
養殖したウニ
 前田教諭は「用宗海岸で採取したウニを野菜残渣で養殖し、ある程度は育てられることが分かった。だが、天然のウニと比べると風味や身の入りなど、解決しなければならない課題がある。養殖の取組を通じて生徒と環境問題について考える機会を提供していただき感謝している」と述べた。
 前田次長は「天然のウニは5月~7月の身入りが良く、1月、2月は身が少ない。養殖で1月、2月でもウニが食べられるようになれば地域特産のブランドウニとなる可能性もある」と指摘。武井社長は「今回の取組は農水産資源を有効活用する第一歩。身入りが安定しないなど量と質はまだまだ商業ベースに乗るものではないが、将来的には野菜残渣で養殖したウニを当レストランなどで提供していきたい」と抱負を語った。
 身は少し小ぶりだが、用宗海岸の天然物のムラサキは、成熟しきっていない4月上旬~5月上旬頃が最もおいしい。しかし、養殖したウニの味は特有の濃厚さや磯の風味が薄く、淡白な味となっており、塙助教は「今回の取組は影山社長と話している中で用宗海岸の磯焼けの問題を解決できないか、ということで共同研究がスタートした。野菜残渣で育てたウニは身は大きくなるが、味については課題があるので改良していきたい」と総括した。
【2024(令和6)年2月21日第5154号3面】

ピックルスコーポレーション

OH!!! ~発酵、健康、食の魔法!!!~

籠長本店 「AI搭載」異物除去装置導入

AI検査ボックスの稼働開始
コンベアへの取付け完了
 田作原料のカタクチイワシ
田作のさらなる品質向上目指す
【大阪支社】有限会社籠長本店(籠谷茂社長、兵庫県姫路市)は1月31日、AI搭載の異物除去装置「OKIKAE(オキカエ)検査ボックス」(以下、検査ボックス)をたつの工場へ導入し、運用を開始した。田作佃煮のメーカーとして、AI搭載の異物除去装置の導入は全国初となる。
 同社は近年特に、田作の製造へ力を入れ、原料であるカタクチイワシの調達にも自信を持つ。だが、海の産物であるカタクチイワシの異物除去作業は、自社工場で手作業のみで行い、精度向上と作業効率化を模索していた。
 昨年、籠谷社長、籠谷流星主任は、株式会社ASTINA社(儀間匠社長、東京都墨田区)製の本検査ボックスの存在をメディアで知り、ASTINA社に問い合わせたところ、籠谷社長らの次の希望条件と一致した。
 ①精度の高いAI搭載であること②ちりめんじゃこ等、カタクチイワシより小さな水産物での異物除去実績があること③数多くの水産系企業で導入実績があること。
 これらの条件を満たし、ASTINA社の杉山周二営業部長とミーティングを重ね、導入への気持ちがさらに前向きになった。
 検査ボックスは内蔵AIに、あらかじめ原料を学習させる必要があり、籠谷社長らは除去したい異物として次の7項目を選定し、原料と異物の現物、それらの特性・性質の情報提供など、内蔵AIの学習に参画した。
 検査ボックスは全項目をクリアすることができたため、導入が決定された。
 【籠長本店カスタマイズ「異物7項目」】
 ①プラスチック片②木片③ペンキ片④石⑤海藻⑥漁網⑦フグ。
 従来、食品関連企業で使用されている異物除去機は主に「色彩選別機」であるものの、同色の異物を除去できないという課題があった。しかし、検査ボックスでは、同色異物も除去可能で、カタクチイワシと同色であるフグの除去も容易だ。
 検査ボックスの設置は、コンベアに差し込むだけと簡単。ベルトコンベアから流れてきたカタクチイワシを付属のカメラで上から撮影し、搭載AIが推論を行って異物とみなしたものはエアジェットで除去される。除去された異物は、ボックスに収められ、後で確認することができる。
 ASTINA社は、AIスタートアップで、独自のディープラーニング技術は高精度。一般的に困難と言われるランダム模様や不定形にも対応する。また、AIのアップデートをすることで、付着や異形の複雑で困難な異物をより除去できるようになる。
 籠長本店の籠谷社長、籠谷流星主任は「田作の伝統的な味は守りつつも、どうすればお客様のためにより安全・安心な商品を届けられるか考えてきた。
 今回検査ボックスを導入し、商品品質向上の手ごたえを早くも実感できている。『田作に関することは籠長に聞いてみよう』と、最初に思い浮かぶメーカーになりたい」と語った。
【2024(令和6)年2月21日第5154号4面】

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