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漬物研究同志会2022

研修会で活発な情報交換 宮尾氏が講演「中国漬物の聖地“眉山”」

近会長
宮尾氏
小林事務局長
 漬物研究同志会(近清剛会長)は11月29日、東京都千代田区のAP東京丸の内にて研修会を開催した。研修会には約20名が出席、現状の課題について情報交換が行われた他、一般社団法人全国漬物検査協会会長、東京家政大学大学院客員教授で同会名誉会長でもある宮尾茂雄氏が『中国漬物の聖地“眉山”』という演題で講演した。
 開会挨拶で近会長は、全国各地からの出席に謝意を示した後、「それぞれの地域にはそれぞれの文化があり、各地域の方にご支持頂くことが大切で、産業としての力がついてくる。行政とのタイアップが非常に重要で、補助金など何か支援策がないか遠慮なく行政に呼びかけてほしい。我々の産業力が高まれば、結果的に地域の農作物に価値を与えていくことができる。本日は新しい年に向けて、どのようなことをしていくか、皆様の希望を出して頂き、それを実現していきたい」と話した。 
 続いて初参加メンバーの自己紹介が行われ、水溜食品代表取締役社長の水溜光一氏、浜食品質管理室長の中村公太郎氏、キユーピー醸造営業本部商品部部長の赤澤晃氏が挨拶した。小林事務局長より宮尾氏が全漬検の第八代会長に就任したことが報告され、近会長からお祝いが贈呈された。
 議事では、今期の事業報告や来年度の事業計画について報告がなされた他、出席者が現状の課題について情報交換を行った。
 今年10月に予定されていた前田食品工業への九州視察研修会はコロナ第7波の影響で延期となった。来年度は2月に総会を開催。延期となっている九州視察研修会は5月~7月の日程で調整していく方向性が示された。
 情報交換会では、出席者が現状の課題について報告。人手不足や原料不足、値上げ、コロナ禍による客数減少などが課題として挙げられ、外国人研修生の活用や農業の効率化など各社が取り組む対応策が述べられた。また築地や京都の観光客の状況、今後の商品開発の方向性など幅広いテーマで情報交換がなされた。
 皆川昭弘幹事は「全国各地の素晴らしい企業努力をお聞きすることができた。時代の変化が早いので、若い方に早くバトンタッチをしていくことが大切。若い人たちがこれから10年、20年この業界でどのように消費者から喜ばれる商品を開発し、その中で利益を上げ、設備投資や人材育成をしていくか。我々も若い人たちの取組を重視しながら、会社を進めていかなければならないと感じた」と総括した。
漬物研究同志会の研修会
 続いて、宮尾氏が「中国漬物の聖地“眉山”」という演題で講演を行った。眉山市は四川省の省都である成都の南方に位置し、60社を超える漬物関連企業が事業を展開。生産量は206万t、売上高は200億人民元(日本円で4000億円)とされ、中国市場全体の3分の1、四川市場の半分を占める中国漬物の聖地として知られている。
 四川省で親しまれている東坡漬物(泡菜)は知識人で美食家の蘇東坡に因んで名付けられたもので、四川省では「漬物=
泡菜」と呼ばれる程、親しまれている。宮尾氏は、漬物研究同志会の視察研修会で訪れた場所を写真入りのスライドで振り返ると共に、自らが客員教授を務める四川大学や中国泡菜国際博覧会などについて紹介した。中国泡菜国際博覧会は、宮尾氏が講演会を実施するなど、同会とも繋がりの深い博覧会。今年も11月27日から29日まで眉山市で実施され、宮尾教授もオンラインで出演している。
 講演会の最後には、四川大学教授で同会名誉会員でもある張文学氏から漬物研究同志会会員に宛てたビデオメッセージが上映され、会場は拍手に包まれた。
 懇親会は、皆川幹事の乾杯発声で開宴。出席者が近況について活発な情報交換を行った。
 中締めは前田節明副会長が務め、同会の発展を祈念すると共に、献身的に同会の活動を支える小林事務局長へ労いの言葉が述べられ、閉会となった。
【2022(令和4)年12月1日第5113号2面】

漬物研究同志会 総会で宮尾茂雄氏が講演 研修会は10月前田食品へ

近会長
宮尾氏
小林事務局長
漬物研究同志会の総会
 漬物研究同志会(近清剛会長)は8日、東京都千代田区のAP東京丸の内にて第42回総会を開催した。コロナ禍により2年ぶりの対面開催となった同会には22名が出席、総会後の講習会では東京家政大学大学院客員教授で宮尾微生物研究所所長の宮尾茂雄氏が『漬物から元気をいただく』という演題で講演した。
 総会は事務局長の小林登氏の司会のもと進行。開会挨拶で近会長は、「漬物研究同志会は宮尾先生を中心に漬物の価値を高めるために集って頂いている会で、今回も全国各地からご参加頂いたことに御礼を申し上げたい」と謝意を述べた。 また今後に向けて、「それぞれの地域にはそれぞれの文化や歴史があり素材もいろいろある。想像力を豊かにしていけば、もっと新しい時代を担う漬物の商品を考えることができるのではないか。宮尾先生から様々なご指導を頂き、価値付けをどのようにしたら良いのか多くを学びながら新しい漬物の時代を切り拓いて頂きたい」と話した。
 議事では①2020年度事業報告及び収支報告、②2021年度事業報告及び収支報告、③2022年度事業計画について小林事務局長より報告があり満場一致で承認された。
 同会では、2020年の総会開催以降、研修会などの活動が実施できなかったが、今期は延期となっている前田食品工業への九州視察研修会を10月に予定している他、研修会や女子会などを感染状況を見極めながら実施する。小林事務局長は「ウィズコロナに向けて色々な取組をしていきたい」と語り、豊洲の江戸前場下町店を視察するスタディツアーや日中の発酵食品プロジェクトの実施なども検討しながら、宮尾氏と連携して、今期事業を進めていく方針を示した。
 続いて、当日の出席者が近況を報告。吉川絵美子幹事が漬物研究同志会女子会の取組としてスタートした東京家政大学学生のインターンシップ研修をスライド写真を交えて紹介した他、他の出席者からも冷凍漬物の開発や海外輸出の取組、原料状況など様々な報告がなされた。
 講演会では宮尾漬物微生物研究所の宮尾茂雄氏が「漬物から元気をいただく」というテーマで講演した。 宮尾氏は冒頭、「皆様のご協力のおかげで昨年研究所を開設することができた」と謝意を示した上で、漬物の健康性について説明。塩分摂取の重要性や様々な漬物用野菜の栄養素について詳説した。また発酵漬物が、乳酸菌と水溶性食物繊維、オリゴ糖を同時に摂取することができるシンバイオティクスであることを指摘、「非発酵漬物でも食物繊維がたくさん摂れる、発酵漬物はそれに加えてGABAや乳酸菌を摂ることができるのでPRに繋げて頂きたい」と話した。
 最後に、漬物のプラットフォームの必要性に言及。「漬物メーカーが個々にPRするだけでなく、全国各地の漬物をまとめて、食育や漬物の物語を含めて全体を網羅したものを是非つくってほしい」と呼びかけ、講演を結んだ。
 会場を移して行われた懇親会は皆川昭弘幹事の乾杯発声で開宴、出席者が活発な情報交換を行った。
【2022(令和4)年7月11日第5099号1面】
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