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梅振興議員連盟2024

<梅振興議員連盟> 全国的に梅が凶作 害虫の生態と防除を学ぶ

業界関係者による記念撮影
梅議連の総会
森山会長
 梅産業の振興を目的とした梅振興議員連盟(森山裕会長)は13日、東京都千代田区の参議院議員会館1階特別会議室にて第28回総会を開催。各産地の取組発表では、全国的な凶作の状況が報告された。梅干し等漬物の流通現状について全日本漬物協同組合連合会常務理事の中田吉昭氏が報告を行った。また、特定外来生物の生態と防除について、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)副理事長の中谷誠氏が講演した。(※森山会長の“ひろし”は、示す偏に点のない裕)
 冒頭で挨拶した森山会長は、全国的な梅の凶作について言及し、「私の地元鹿児島でも2割くらいの作柄しかないと聞いている。また、害虫の発生もあり梅産地は大変な状況が続いている」と語り、害虫防除についての講演を「参考にしてほしい」と述べた。
 続いて、同連幹事長の二階俊博氏が挨拶。同様に梅産地の厳しい現状に触れ、「この難関を突破し、農業製品の優等生らしく、梅が躍進していくよう、協力と力添えをお願いしたい」と語った。

前向きな取組を発表 新ブランド開発や農家育成
 議事では農林水産省から昨年度決議内容の項目について対応状況の説明が行われた。①環境に配慮した新技術等についての支援措置②鳥獣被害・労働力確保・スマート農業への対応③肥料等関連資材高騰への支援措置④生育不良や害虫被害克服への支援措置⑤梅干しの非常食としての備蓄促進⑥学校給食への梅干し使用促進⑦梅の機能性をPRした消費拡大策⑧「UME」の輸出拡大促進。
 続いて、全国各産地別の現状報告と取組の発表が行われた。各産地ともに「記録的な不作」との報告が相次ぎ、厳しい現状が明らかとなったが、前向きな取組も発表された。
 【和歌山県】みなべ町は、梅干しのコラーゲン分解阻止研究についての特許取得を報告。また、農家で梅収穫を手伝うワーケーションで全国から延べ400名近い参加があった。
 【埼玉県】越生町ではこれまで白加賀中心だったが、独自ブランド「越生べに梅」を推進。梅ジャムを練り込んだクッキーを開発した。
 【群馬県】高崎市のJAはぐくみでは、県農業技術センターが育成した新品種「ゆみまる」が初出荷。赤城フーズがカリカリ梅で販売する予定。
 【東京都】青梅市では、PPV(ウイルス)感染防止マニュアルを作成。また、青梅市産の梅郷(ばいごう)が、梅体験専門店「蝶矢」で初の取扱いとなった。
 【神奈川県】小田原で歴史のある「十郎梅」に加え、極早生の「十郎小町」、新品種の「翠豊」など、県農業技術センター等で育成が推進されている。
 【福井県】若狭町では農家の衰退を食い止めるため、若手生産者を育成する農業研修制度を制定。北陸新幹線延長を機に、独自ブランド紅映(べにさし)のPRに努めている。
 会議室内には、各地区の製品や梅酒造りのセットが豊富に展示。また、降雹被害を受けた梅の果実も参考展示された。
二階幹事長(左)と小渕議員
降雹被害果(左)と正規品
中田氏
 漬物業界からは中田氏と泰地武氏、全漬連の真野康彦専務理事らが出席し、業界関係者を代表して中田氏が発表。総務省の家計調査やPOSデータの実績を引用し、「昨年は猛暑で熱中症予防効果が浸透し、前年比増となった。今年は過去最悪の凶作となっているが、健康性をアピールし、梅干しの良さを広めていきたい」と述べた。
 次に、中谷副理事長が「特定外来生物クビアカツヤカミキリの生態と防除」の演題で講演。この害虫は2012年以降、愛知・大阪・埼玉等で相次いで発生。現状の課題としては、早期発見の困難や産卵阻止手段の不足などを提示。こうした課題解決のため、農研機構や森林研究・整備機構、大学、自治体が共同で対策の開発と実装の加速を図っていることが報告された。
 続いて、今年度4項目の決議案が読み上げられ、全会一致で採択された。会議終了後は二階幹事長、小渕優子衆議院議員らによる恒例の梅酒漬けのデモンストレーションも行われた。
【2024(令和6)年6月21日第5166号1、4面】

<農林水産省> 令和6年度「うめをめぐる情勢」

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