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ぬか・漬物の素 業界活動 2024

全国ぬかづけのもと工業会 小豆島の食巡る研修会 宝食品、丸島醤油を見学

丸島醤油前で記念撮影
宝食品を見学
島醸の木桶
山西会長
 【大阪支社】全国ぬかづけのもと工業会(山西健司会長)は11月8、9日の2日間にわたり小豆島で研修会を実施した。会員企業の工場見学や、小豆島の食を堪能する“ガストロノミーツーリズム”となった。
 小豆島・池田港に到着した一行が初めに向かったのは高橋商店(大野英作社長)の関連企業・宝食品(三澤省一社長)。宝食品は佃煮製造で創業し、現在はその技術を活かして「めしの素」や備蓄食など幅広い製品を製造している。FSSC22000を取得しており海外進出にも取り組む。
 また高橋商店は醤油やぬか漬けの素を製造している。創業家に後継者が不在だったことから宝食品へ声がかかりグループ入りした。現在は「ヤマモの育てるぬか床パック」を宝食品の営業力を活かして販路拡大に取り組んでいる。
 大野社長は工場を案内しながら「佃煮は一番の主力だが、市場全体が縮小傾向にあり、原料も不足しているのは事実。『めしの素』や、高橋商店の醤油、ぬか床を育てて柱を増やしたい」と明かした。
 続いて、丸島醤油(山西健司社長=同会会長)を含む島内の醤油メーカーが共同出資して立ち上げた株式会社島醸を訪問。島醸では醤油の生揚げ工程までを行う共同醸造所であり、一部では木桶での仕込みも行っている。出来上がった生揚げ醤油は各メーカーに出荷され、それぞれで仕上げを行って製品化される。
 一行は地域の名産品を力を合わせて製造する仕組みや、今では稀少な木桶が現役で活躍している姿に感嘆の声を上げた。
 丸島醤油へ移動すると、山西会長が醤油業界の現状を解説。「醤油の家庭内消費量は1970年頃をピークに減少が続いているが、当社は天然醸造という付加価値により差別化を図っている。だしの素やタレの構成比も高めてバランスを取っている」と紹介した。 
 初日の旅程を終えると、小豆島国際ホテルでは瀬戸内の海の幸や、小豆島醤油を使った夕食を堪能しながら、ぬか漬けの素の未来について語り合った。「ぬか漬が売れる鍵は健康。テレビで特集されるような仕掛けが必要」「工業会で品質基準を定め、非加盟企業との差別化を明確にしていくべき」「一般消費者の『ぬか漬博士』を増やしていくような情報発信をしたい」「漬物メーカーとの連携もしたい」などの意見が飛び交った。
 翌日は、小豆島の特産品そうめん製造の視察を行う中、武庵での製造体験やここでしか食べられない「生そうめん」を楽しんだ。また小豆島オリーブ公園でオリーブが特産品として定着した歴史を学びながら、ぬか漬を改めて日本の食生活に根付かせる方法へ思いを馳せた。この他、日本三大渓谷美の一つに数えられる寒霞渓の散策や、国指定特別天然記念物にも指定される樹齢1600年のシンパク(真柏)を擁する宝生院の見学など観光も楽しんだ。
 次期会長に内定している堀川敬生会計は「佃煮、醤油、そうめん、オリーブと小豆島の名産品が愛される理由や直面している課題を学べた。真似したい取組もあった」と振り返った。
 【参加者(順不同、敬称略)】▼つけもと株式会社・松井義明社長▼丸島醤油株式会社・山西健司社長▼株式会社向井珍味堂・髙見政暁社長▼株式会社高橋商店・大野英作社長▼厚生産業株式会社・里村大像会長▼長﨑産業株式会社・長崎成任衛社長▼株式会社宏昌食糧研究所・堀川敬生社長
【2024(令和6)年12月1日第5181号2面】

全国ぬかづけのもと工業会

全国ぬかづけのもと工業会 総会で小豆島研修を承認 「いりぬか工業会」と交流再開へ

山西会長
いりぬか工業会の甲斐前会長
総会の様子
【大阪支社】全国ぬかづけのもと工業会(山西健司会長)は3月22日、株式会社向井珍味堂(大阪市)で第58期通常総会を開催した。
 冒頭、挨拶に立った山西会長は年初に発生した能登半島地震に触れ、会員の長﨑産業(石川県)が復興活動へ尽力していることへ敬意を示して見舞金を贈呈した。また「コロナ禍で控えていた研修活動や日本いりぬか工業会との交流を再開させる年としたい」と述べた。
 また主に東日本の企業が所属している『日本いりぬか工業会』の甲斐義人前会長が来賓として挨拶。いりぬか工業会では昨年からSNSを用いたプレゼントキャンペーンなどを通じてぬか漬けの普及に努めていると紹介した上で、「貴工業会とはコロナ前までは合同で展示会出展や研修活動を行っていた。全国規模のPR活動も行っていきたいということで、交流を復活させたいという声が高まっている」と協調を呼びかけた。
 山西会長が議長に就き議事へ移った。①前年度の事業報告及び収支決算、②本年度事業計画及び予算承認、③年会費の件、④萱津神社ご祈祷の件が上程され承認された。
 ②の本年度事業計画については、日本いりぬか工業会との交流委員として長崎成任衛氏、里村大像氏を選定して、今後の活動内容を協議していくこととなった。また11月8~9日の1泊2日で小豆島で研修旅行を実施することを承認。島内の醤油や佃煮、素麺の工場視察と、紅葉ガストロノミーツーリズムをテーマとした。
 ④の萱津神社ご祈祷については、コロナ禍以来、代表者による参拝のみとしていたが、会員参加を再開させていく方針とした。
 議事を終えた後は各社情報交換の時間が設けられた。ぬかづけの素の売れ行きについては「コロナ禍でのぬか漬けブームからの反動で昨年上期までは前年比減が続いていたが、下期から回復してきている。業務筋からの引き合いも多い」との声があった。
 また米ぬか原料については「食用油全般の値上がりに応じ、米油原料となる米ぬかも高騰が続いている。しかし、トウモロコシ、大豆が海外産地で豊作だったため、下げ圧力が働くことに期待している」と報告があった。
 その後は会場を移して懇親会も開催され、ぬかづけの魅力や、PRの道筋など情報交換や意見交換が行われた。
【2024(令和6)年4月1日第5158号2面】

全国ぬかづけのもと工業会 http://www.nukaduke-kogyo.com/

日本いりぬか工業会 令和6年度総会を開催

足立会長
二井氏
日本いりぬか工業会の総会
 SNSプレゼントキャンペーン継続へ
 日本いりぬか工業会(足立昇司会長)では7日、令和6年度通常総会を東京都中央区の日本食糧新聞社で開催した。
 開会挨拶で足立会長は業界動向に触れ、「コロナ禍でおうち時間が増え、普段ぬか漬けをやらない人もぬか漬けを始めたことで2020年から2021年にかけて需要が増えた。ぬか床、ぬか漬けが発酵食品であり、健康美容に良いということがメディアで紹介され、新たに若い女性や男性にも趣味の一環としてぬか漬けを漬ける動きが広まった」と説明した。
 また近年、いりぬか原料である米ぬかが、米ぬか油としての需要が増加していることにより品不足になり、コストが大幅に増加していることや、国内の米消費量減少により、米の副産物である米ぬかの確保がより一層厳しくなっていることを指摘。「米ぬかの集荷は今後も厳しい環境が続いていくと懸念している。様々な課題はあるが、本日はいろいろな情報交換を実施していきたい」と話した。
 来賓として出席した農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品製造課課長補佐の二井敬司氏が挨拶。2月27日に閣議決定された「食料・農業・農村基本法」の改正案について説明。「食品産業のサプライチェーンの持続的発展に向けて取り組んでいきたい」と述べた。
 総会では、令和5年度事業報告承認の件、令和6年度事業計画承認の件、理事・役員改選に関する件といった6つの議案が上程され、満場一致で採択された。 令和5年度事業報告では、業界紙2社のSNS上で実施した「ぬか漬けの日プレゼントキャンペーン」などの事業について報告がなされた。
 令和6年度事業については、引き続き業界紙のSNSを活用したキャンペーンを実施していくことが決議された。ぬか漬け教室などリアルイベントの開催については、来年度事業で実施するかどうかを会員へのアンケートにより判断することが示された。
 役員改選では、足立会長始め全役員の留任が決定。その他事項では、全国ぬかづけのもと工業会との交流や、組合年間会費の改定などについて意見交換が行われた。
【2024(令和6)年3月11日第5156号5面】

日本いりぬか工業会 
つけもと

全国ぬかづけのもと工業会 萱津神社へぬか床奉納

山西新会長
大寒の「ぬか床の日」に
 【大阪支社】全国ぬかづけのもと工業会(山西健司会長)は2015年より毎年の大寒の日(2052年まで1月20日)を「ぬか床の日」と定めている。
 「ぬか床の日」には日本唯一の漬物祖神である愛知県あま市の萱津神社へ、各社のぬか床を奉納し、ぬか床文化の発展を祈願するのが恒例行事となっている。
 今年は能登半島地震があった影響などを考慮し、堀川敬生会計(宏昌食糧研究所・愛知県)が代表して参拝した。
 また総会は3月22日、大阪市平野区の株式会社向井珍味堂で第58回通常総会を開催することが決まった。
 <会員9社(五十音順)>厚生産業株式会社(岐阜県)、株式会社宏昌食糧研究所(愛知県)、株式会社高橋商店(香川県)、有限会社樽の味(和歌山県)、つけもと株式会社(奈良県)、長崎産業株式会社(石川県)、丸島醤油株式会社(香川県)、株式会社向井珍味堂(大阪府)、株式会社山清(香川県)
【2024(令和6)年2月1日第5152号5面】

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