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2024おせち・水産加工品・佃煮・珍味・昆布・いか・魚介製品、団体活動情報

<髙島屋> 2025年おせち内覧会 多様な消費者ニーズへ対応

天笠氏
厳選カスタマイズおせち
 株式会社髙島屋(村田善郎社長、大阪府大阪市)では8月28日、東京都中央区の髙島屋グループ本社ビルにて「2025年おせち料理内覧会」を開催した。同社では8月28日午前10時よりオンラインストアにて一部予約販売をスタート。髙島屋各店では9月20日から予約販売を開始する。
 内覧会では、2025年おせち料理の傾向や概要について、同社おせち担当バイヤーの天笠亜佑子氏が発表した。
 天笠氏は、「コロナの巣ごもり需要もあり、2019年以降おせち市場は拡大してきた。コロナ5類移行後初となった昨年のおせち商戦は、帰省や旅行により人の移動は活発だったが、家庭で友人と集うシーンが増加し、前年売上を確保することができた」と近年の流れを説明。今年のおせち商戦について、「節約志向は高まっているが、ハレの日消費の需要は堅調なので、食生活の多様化に対応したバラエティ豊かなラインナップを揃えて、前年並の売上を目指したい」と述べた。
 同社では今年、“ハレの日におせち料理を、多世代、多様な人たちと一緒に楽しめる”をテーマとして、髙島屋全店の店頭で約900種類、オンラインストアで約1150種類と、業界最多級のおせち料理を展開。35品のメニューからお重の1マスごとに自分の好きなものを詰めることができる「厳選カスタマイズおせち」(WEB・通販のみで受注)や、世界で活躍する有名パティシエが手掛ける「スウィーツおせち」、肉メニュー満載の「肉おせち」など、豊富なラインナップで消費者の多様なニーズへ対応する。
 価格帯も約1万円のおせちから、輪島塗の重箱に入った66万円のおせちまで幅広く取り揃え、消費の二極化への対応も強める。
【2024(令和6)年9月1日第5172号1面】

髙島屋HP

<霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合> 漁期前調査の結果報告 ワカサギ採捕量は前年下回る

小沼新組合長
令和6年度情報交換会
 霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合(小沼和幸組合長)は7月12日、かすみがうら市の霞ヶ浦コミュニティセンターにて令和6年度情報交換会を実施した。情報交換会では、7月21日のワカサギ漁解禁を前に、漁期前調査の結果などについて県から報告が行われた。 
 辺田和夫副組合長の開会の辞に続いて挨拶に立った小沼組合長は、「近年の地球温暖化の影響により、昨年に続き今年も猛烈な暑さが予想されており、7月21日にトロール漁解禁を迎えるが、ワカサギに関しては非常に厳しい状況が予想されている。温暖化の影響により霞ヶ浦だけでなく、日本各地で似たような状況になっているようだ。こうした状況の中、天然のワカサギを増やすことがどこまでできるのか分からないが、シラウオ、川エビなどまだある貴重な資源に関しては、有効に活用できればと考えている。霞ヶ浦の商品としてPRできるよう、皆で知恵を出し合い情報交換をしていきたい」と話した。
 来賓として霞ヶ浦北浦水産事務所の高橋正和所長が挨拶。不漁となった昨年の霞ヶ浦北浦の漁模様について、「先般公表された国の統計でも、エビ類は80トンと前年より若干増加したものの、ワカサギは4トン、シラウオは38トンとなり、記録の残る昭和29年以降、最低の漁獲量となり、県としても非常に深刻な事態と認識している」と述べた。
 今年の漁模様について、「先日、漁期前の調査が行われ、ワカサギの採捕量は非常に少なく、今期のワカサギ漁も大変厳しい状況が続くと見込まれている。一方、シラウオは少し捕れているが、決して資源水準が高いとは言えない。限られた資源を有効に利用していく必要がある。県としては、今後の資源動向なども踏まえ、引き続き資源管理の推進など主要資源の回復に向けた取組を進めていきたい」と方向性を示した。
 議題に移り、小沼組合長が座長を務め、各支部の代表者が地区情報を発表。県からの情報提供では、茨城県水産試験場内水面支場首席研究員の山崎幸夫氏が漁期前調査結果を報告(詳細は後述)した。
 調査は霞ヶ浦で7月3日、北浦で6月26日にそれぞれ4カ所で実施した。その結果、霞ヶ浦ではワカサギの採捕重量は、合計1・6㎏、採捕尾数は合計1508尾となり、前年合計の30・3 、1万9159尾を大きく下回った。また北浦においても、ワカサギの採捕重量は合計0・3㎏、採捕尾数は合計285尾となり、前年の合計 (3・3㎏、1731尾)を大きく下回った。
 エビについては、山崎氏より「ここ1週間くらい小さいエビが増えてきており、順調に大きくなれば8月以降のエビ漁につながるのではないか。今年も水温が高いのでエビにとっては悪くない環境であると考えている」と見解が示された。 霞ヶ浦北浦水産事務所指導課長の杉浦仁治氏より「シラウオ寄生虫検査及び放射性物質検査結果」、同係長の佐野仁氏より「加工現況調査結果について」、同振興課長の半澤浩美氏より「霞ヶ浦北浦漁業構造改革緊急対策事業」について情報提供が行われた。
 閉会の辞は島田栄一副組合長が務め閉会となった。
<漁期前調査結果報告>
【霞ヶ浦
 調査水域でそれぞれ2回操業したうち、ワカサギ重量が多かった回を集計した結果、ワカサギの採捕重量は、合計1・6㎏、採捕尾数は合計1508尾となり、前年合計の30・3㎏、1万9159尾を大きく下回り、対前年比で重量は5・3%、尾数は7・9%となった。なお今回の調査では、湖心・沖宿・高浜入ではシラウオ網による操業も行われ、シラウオは湖心で25・1㎏、沖宿で2・9㎏、高浜入で6・0㎏となった。
<ワカサギの魚体サイズ> 
全調査点の平均で体長が4・9㎝、体重が1・1gとなり、前年(平均体長5・3cm 、平均体重1・5g)より小さく、過去10年間の平均値(5・4 、1・7g)を下回った。
【北浦】
 ワカサギの採捕重量は合計0・3㎏、採捕尾数は合計285尾となり、前年の合計(3・3㎏、1731尾)を大きく下回り、対前年比で重量は9・1%、尾数は16・5%となった。水域別には水原が0・3㎏と大部分を占め、その他3地区は極めて少ない状況となった。シラウオの採捕重量は合計3・6㎏(馬渡20分に換算して集計)、採捕尾数は合計3万1804尾(同)となり、前年(3・7㎏、2万8740尾)と同程度となった。また昨年に続きハゼ稚魚が白浜を除きその他の地点で多く漁獲された。
【2024(令和6)年8月1日第5169号8面】

九州珍味食品協同組合 珍味のレシピ動画公開中

解説:「炊飯器に入れるだけ 絶品!焼き鯖黒糖炊き込みご飯」
→炊飯器に白米2合を入れ、焼さば黒糖みりん漬と、すりおろし生姜を小さじ1杯を入れて炊き、完成。
焼きさばの香ばしさと旨味、黒糖のほのかな甘さ、アクセントの生姜を楽しめ、ご飯が進む。

解説:「粕漬を余さず使って楽しむオシャレなアミューズ!」
→①肉厚なタイラギ貝の粕漬を、クラッカーの上に載せ、ペッパーで味付けし、レーズンとパクチーを載せて完成。
 ②残りの酒粕は、お好みのドライフルーツの上に載せ、はちみつとバジル、仕上げにいちじくを載せて食べる。
解説:「柚子胡椒でつくる麻婆豆腐!?」
→豆板醤の代わりに柚子胡椒を使って麻婆豆腐を。フライパンにひき肉(150g)とネギ(半分)、生姜とにんにくを投入し、ごま油で炒める。
火が通ったら水(250ml)、酒(大さじ1杯)、醤油(大さじ1杯)、鶏ガラ(小さじ1杯)を混ぜ合わせ。
豆腐を入れて5分ほど火に掛けたら、ゆずこしょうをたっぷり入れ、最後に水で溶いた片栗粉で、とろみをつけ完成。

樽屋五兵衛 「生しらすのくぎ煮」発売

 生しらすのくぎ煮
 協和商事株式会社(高田誠司社長、兵庫県神戸市)の‶樽屋五兵衛〟ブランドでは6月、「生しらすのくぎ煮」を新発売し、各メディアで注目を集めている。
 神戸市垂水漁港水揚げの「生しらす」を水揚げ後、漁港隣接の工場で鮮度そのまま「生炊き」しており、丸大豆醬油や高知産生姜、樽屋五兵衛秘伝のくぎ煮タレなどで、甘辛く炊き上げているのがこだわり。甘辛味、しっとり食感がクセになり、おにぎりの具としても最適な佃煮だ。
 本商品の開発背景として、高田社長と製造現場の責任者である高田誠之介常務取締役は「近年、いかなごの不漁が続き、今年のいかなご漁は兵庫エリアで1日、大阪エリアにおいては禁漁となる中でも、何とかくぎ煮文化を継承したいという想いで開発した。いかなごは春の名物、生しらすは夏の名物と本来、旬は異なるものの、この‶生しらすのくぎ煮〟は新しい夏の風物詩としたい」と語る。

生しらすのくぎ煮 (皿盛り)
 高田常務は「ネーミングとパッケージデザインに最後まで悩んだ。新鮮さ、爽やかさを感じてもらいたく、‶生〟の文字を入れ、青字にした」と工夫を明かした。
 神戸地域では、‶いかなごのくぎ煮〟がソウルフードであり、‶生しらすのくぎ煮〟のファンが早くも生まれつつあるという。
 現在はネットショップや直営店を中心に販売しており、取扱先を順次拡大させている。その他の佃煮では「神戸牛肉しぐれ」の人気も高い。
【2024(令和6)年8月21日第5171号4面】

樽屋五兵衛「生しらすのくぎ煮」 

<滋賀特集> びわ湖アユが記録的不漁  県がアユ放流の拡大や事業者支援

 夏を感じさせるあゆ
 昨年の猛暑の影響により、今年産のびわ湖アユが記録的な不漁で、平年の3%の漁獲量と、かつてないほど大幅に減少したエリアが続出している。
 びわ湖では昨年、猛暑のため多くのアユが産卵前に死んでしまい、県の調査では、アユの産卵数が平年の2割ほどにまで減ったことが判明している。
 滋賀県水産加工業協同組合や県漁連などの代表らが6月4日に県庁を訪問し、アユの資源を回復させる対策などを緊急に実施する要望書を、三日月大造知事に手渡した。
 要望書では、アユの資源を回復させるため、今年産卵を間近に控えたアユを例年より大幅に増やして河川へ放流することや、県内の水産事業者を救済する経済対策の実施策が盛り込まれていた。
 県はその後、2024年度一般会計補正予算を約1億4000万円増額させた。親アユ放流の費用や、水産業者が銀行から3000万円を上限に無利子で融資可能な支援をスタートさせていく。
【2024(令和6)年7月21日第5168号22面】

<霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合> 第19回通常総会を開催 小沼和幸氏が新組合長に

小沼新組合長
邉田組合長
第19回通常総会
 霞ヶ浦北浦水産加工業協同組合(邉田和夫組合長)は19日、茨城県かすみがうら市の「あじさい館」にて第19回通常総会を開催した。総会では任期満了に伴う役員改選が行われ、小沼和幸氏が新組合長に選出された。
 冒頭、4月に逝去された戸田廣前組合長へ黙祷が捧げられた。
 小沼和幸副組合長の開会の言葉に続いて邉田組合長が挨拶を行い、「戸田前組合長のご逝去に伴い、本日の総会まで組合長を務めることになった。不慣れなこともあったが、皆様の協力や水産事務所の指導により、本日の総会を迎えることができた。本日は、役員改選が行われる予定なので、協力をお願いしたい」と述べた。
 続いて、霞ヶ浦北浦水産事務所の高橋正和所長が来賓挨拶。令和5年の霞ヶ浦北浦のワカサギ漁獲量は4トン、シラウオは80トンと記録の残る昭和29年以降、最低の漁獲量となったことを報告。「県としても非常に深刻な事態であると認識しており、加工原料に直結する主要資源の回復に向け、引き続きワカサギの人口孵化の放流事業の支援や、水性植物体の造成などに取り組むと共に霞ヶ浦北浦の水産物のPRに努めて消費拡大を図っていく。車の両輪である漁業と水産加工業が共に成長し、霞ヶ浦北浦の水産業全体が持続可能な業界として発展していけるよう取り組んでいく」と話した。
 小森喜幸氏が議長に選出され執り行われた議事では、①令和5年度事業報告書・賃借対照表・損益計算書について、②令和6度事業計画(案)及び収支予算(案)について、③令和6年度経費の賦課及び徴収方法についてといった6議案が上程され、全て満場一致で採択された。
 その後、任期満了に伴う役員改選が行われ、組合長に小沼和幸氏、副組合長に邉田和夫氏、島田栄一氏が選出された。
 小沼新組合長は就任挨拶で、「円安による原料高や燃料高に加え、霞ヶ浦北浦では魚が獲れない厳しい環境が続いている。漁師や加工メーカーの人材不足も深刻だ。組合では、情報交換を密にして、意見を出し合い協力して取り組んでいきたい」と今後の抱負を述べた。
 島田副組合長は閉会挨拶で「皆様のご協力の下、新組合長を支えていきたい。加工組合がますます発展していくよう努力していく」と話し、総会は終了した。
【2024(令和6)年6月21日第5166号6面】

<全国いか加工業協同組合> 第60回通常総会 輸出調査やDX補助開始

50周年在籍で表彰を受けたまるか食品川原社長(左)と井上食品井上社長(右)
第60回通常総会
利波理事長
共同購買は追加枠陳情が奏功
 【大阪支社】全国いか加工業協同組合(利波英樹理事長)は5月17日、グランドプリンスホテル広島(広島市)において第60回通常総会を開催。海外輸出への取組や、DX補助、公式ラインの開設などの新事業が承認された。
 韮澤新太郎専務理事による司会で、初めに利波理事長が登壇。「いか漁獲量減少や円安により当業界は厳しい環境にある。当会としては最重点事業である共同購買事業による原料の安定供給をはじめ、組合員支援に努める。海外輸出についても本格的に取り組んでいく。それには皆様のご協力が必要だ」と語り挨拶とした。
 永年在籍組合員表彰では、50周年としてまるか食品株式会社(広島県)、株式会社古清商店(北海道)、井上食品株式会社(兵庫県)、また30周年として小島食品工業株式会社(佐賀県)が表彰を受けた。
 議事へ移ると、全5議案が原案通り承認された。前年度事業報告においては、共同購買事業(IQ事業)で1回目の配分では希望数を確保できなかったが、関連団体とともに陳情活動を行い追加枠の発給を受けるなど安定供給に努めたことを報告。他にも持続化対策事業、販路開拓事業、教育・情報提供事業など取り組んだ。
 今期の事業計画では従来の活動継続に加えて新規に、海外マーケット(香港、シンガポール他)の調査研究や、DX・IT推進補助事業(1組合員20万円/3年上限)、細菌検査技能評価試験の費用補助、公式ライン(組合員限定)開設による情報共有の促進などを行う。
 また支部組織に関して規約改定が行われた。新潟県と長野県はこれまで中部支部であったが、北陸新幹線開通による交通改善を理由に、関東支部へ属することとした。
 来年度の総会は、組合創立60周年を記念して東京での開催を計画していることも報告された。
 総会閉会後は、広島民俗学会常任理事の小沢康甫氏による講演会「おいしい瀬戸内・食べものがたり」や懇親会も催され、「イカ天」入りのお好み焼きなど広島の魅力を堪能し、幕を閉じた。
【2024(令和6)年6月1日第5164号5面】

全国いか加工業協同組合
https://www.zen-ika.com/

第67回全国水産加工たべもの展表彰式 新商品開発や技術向上でハイレベル

農林水産大臣賞の受賞者。左からかね七の阪本部長、敦賀昆布の森田社長、魚竹蒲鉾店の森山社長、水谷商店の水谷昌平氏
表彰式
懇親会
池上運営会長
【大阪支社】第67回全国水産加工たべもの展(運営事務局:日本昆布協会)の表彰式が3月22日、大阪市内の大阪キャッスルホテルで開催された。今回のたべもの展には、全国から812品もの出品があった。
 表彰式の開会に際し、池上時治郎運営会長は「前回2022年はコロナ禍で、最終審査は着席の形で実施されたが、今回はコロナ前の形式に戻り、制約がなく開催できた。各部門、選りすぐりの品ばかりで、審査中に何度も悩ませられた」と挨拶した。
 次に、審査委員長を務めた塚正泰之氏(近畿大学名誉教授)から審査講評が行われた。塚正委員長は「表示、食感、風味、デザイン等の商品性全般について審査した。新商品開発や技術向上に日々努力していることが伝わってくるハイレベルな出品物ばかりだった」と総括した。
塚正審査委員長
  続いて「今回は前回より、水産物つくだ煮部門については、魚卵製品やウニ・ホタテ製品が多く出品され、小魚や貝類、海苔製品は減少、特に淡水魚製品の減少が目立った。トレー製品が減り、袋物が増えた。加工昆布部門はパンに合う製品や、生昆布製品が出品され、開発意欲の旺盛さを感じた」とコメントした。
 塚正委員長の講評後は、池上運営会長が農林水産大臣賞の各受賞企業の出席者へ賞状を授与し、水産庁長官賞、大阪府知事賞は各部門の代表者が登壇、賞状を受け取った。そして、有限会社魚竹蒲鉾店(水産ねり製品部門 農林水産大臣賞)の森山けい子代表取締役社長が受賞企業を代表してのスピーチで受賞の喜びと、審査員への謝辞を述べ、その後、出席者一同は祝賀会で懇親を深め、第67回たべもの展は締めくくられた。
【2024(令和6)年4月1日第5158号1面】

<東京昆布協会> 3月度例会を開催 三陸わかめの走り高騰

藤田会長
東昆の3月例会
 東京昆布協会(藤田正洋会長)は3月17日、ホテルラングウッド(東京都荒川区)で3月例会を開催した。
 開会後に挨拶した藤田会長は、「三陸わかめの入札が始まったが、全体量が少なく高騰している。岩手が始まれば少し落ち着くかもしれないが、予断を許さない状況だ。もう年度末となるので、決算に向けて色々とよろしくお願いしたい」と語った。
 昆布の産地状況としては横井信幸副会長から、「春の天候が落ち着かないと状況が見えてこないので、現在は見通しが立てられる状況ではない」と報告した。
 一方、わかめについてはわかめの芽を食べる魚の食害が出ていることもあって、量が減っている模様。また、ひじきについても量が少なく、値上がりしそうな気配があるとの報告もあった。
 運送業界の2024年問題については、藤田会長より「運送会社から、10%値上げすることについて承諾書の提出を初めて要求された」との報告もあった。
 その他、小学校での食育授業実施時の日当についても打合せを行った。
【2024(令和6)年4月1日第5158号5面】

西友商店 「小鮎若炊き」農水大臣賞

小鮎若炊き
 西友商店株式会社(阪田嘉仁社長、滋賀県高島市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会で、「小鮎若炊き」が農林水産大臣賞を受賞した。平成6年の第53回全国水産加工たべもの展でも、農林水産大臣賞を受賞した実績を持つ逸品であり、今回も栄冠に輝いた。
 本品は、琵琶湖で獲れる新物の小鮎を浅炊きで風味豊かに仕上げた、春・夏限定の季節商品だ。ほんのりほろ苦い、鮎ならではの苦味を活かし味付けしつつ、山椒のピリリとした辛さがアクセントになる。関西の百貨店、自社オンラインショップ等で購入することができる。
 今回の農林水産大臣賞の受賞を受け阪田社長は「当社で小鮎の若炊きを販売すると、お客さんからは『今年も春が訪れた』と言ってもらえる風物詩的な存在だ。小鮎の佃煮は、頭や骨まで食べることができて、カルシウムを摂取できる。ぜひ若い世代にも食べてほしい。栄誉ある賞をいただき、励みになる」とコメントした。
 また同社は、湖魚の佃煮以外に、うなぎの蒲焼や、うなぎ茶漬の生産・販売にも力を入れている。うなぎ茶漬は、白焼きしたうなぎに山椒を加えてじっくり煮上げた、お茶漬け用の佃煮。うなぎの仕入先には強固なパイプがあり、うなぎの安定確保、味ともに自信を見せる。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

西友商店

奥村佃煮 「鮒寿し×つやこブルー」水産庁長官賞

鮒寿し×つやこブルー
びわ湖本もろこオイル漬
 株式会社奥村佃煮(奥村吉男社長、滋賀県近江八幡市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会で「鮒寿し×つやこブルー」が水産庁長官賞、「本もろこオイル漬」が滋賀県学校給食会理事長賞を受賞した。
 「鮒寿し×つやこブルー」は、オスのニゴロブナのお腹に滋賀県竜王町にある古株牧場のブルーチーズ「つやこブルー」を詰めて1年間熟成発酵させたオリジナリティあふれる鮒寿し。ブルーチーズと鮒寿しの「W発酵」を楽しむことができ、他にない豊穣な風味と味わいで、人気が高まっている。
 一般的に鮒寿しは子持ちの二ゴロブナのメスが重宝され、オスは獲れても廃棄されることが少なくない。奥村社長はこのオスをどうにか活用できないかと幼少期からおぼろげに問題意識を持っていた。同社に入社してから本格的に鮒寿しと向き合ううち、ニゴロブナのオスのお腹にチーズを入れるアイデアが2016年に浮かんだ。
 2018年からクラウドファンディングの返礼品で、古株牧場のナチュラルチーズ「つやこフロマージュ」と「モッツァレラチーズ」の2品を使用の鮒寿しを提供し、2019年から一般販売を開始した。同シリーズの続きとして、また東京オリンピックの開催を見込み「鮒寿し×つやこブルー」が完成した経緯を持つ。
 滋賀県学校給食会理事長賞受賞の「本もろこオイル漬」は、湖魚の本もろこを香り高い綿実油(めんじつゆ)に漬け、上品でありながら、ほんのりカレー風味の一品。「外で琵琶湖を眺めながら」をコンセプトに、キャンプ、グランピング、バーベキューの際に食べて欲しいと、奥村社長は語る。
 「新しい商品の開発の際は、常に海外の方のニーズをどうすればつかめるか考えている。食品の海外輸出を検討しても多くの規制があり、輸出事業者の心理的ハードルが高い。食品事業者が少しでも勝機をつかめるよう、行政にはさらに寄り添ってほしい」と話す。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

奥村佃煮

山喜食品 「氷魚葉山椒煮」滋賀県知事賞

氷魚葉山椒煮
 山喜食品有限会社(木原崇雄社長、滋賀県大津市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会で同社ロングセラー商品「氷魚葉山椒煮」が、滋賀県知事賞を受賞した。
 滋賀では、鮎の稚魚・氷魚の水揚げが冬の風物詩である。同社ではシーズン中、水揚げされた氷魚を新鮮な状態で仕入れ、すぐに炊き上げる。
 火加減や味付けは、その日の氷魚の鮮度や状態に合わせて調整し、素材の味わいが楽しめる浅炊きに仕上げる。
 山椒は、爽やかな香りとアクセントのある辛味を持つ葉山椒(滋賀県大津市産)を使用する。実山椒と異なり、葉山椒は辛味が控えめで佃煮には使いやすい。本商品は、自社直営店で販売する他、量販店、道の駅、ホテル等に供給している。
 木原社長は「県内でも若い人を中心に、鮎の稚魚を氷魚と呼ぶことを、また氷魚の佃煮があることを知らない人が増えているので、まずは食べて欲しい。この4年ほど、滋賀県水産加工業協同組合の青年部長も務め、湖魚のPRにも努めている。若年層に湖魚の魅力を伝えたい」と語った。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

山喜食品

鮎家 「あゆの柚子味噌煮」組合長賞

あゆの柚子味噌煮
 株式会社鮎家(齋藤利成社長、滋賀県大津市)は、第39回滋賀県水産物加工品品評会にて「あゆの柚子味噌煮」が、滋賀県水産加工業協同組合組合長賞を受賞した。
 本品は最初に、湖魚のあゆを焼かずにそのまま、滋賀県産の番茶で2時間煮て、番茶成分であるタンニンで魚特有の臭みを消し、骨をやわらかくする工程をほどこしている。
 柚子味噌の味噌は、田舎みそ、赤みそに加え、少量の西京みそを使用しており、甘めの味つけ。柚子は、皮ごとジャムにしたものを使い、同社であゆ炊き35年の橋本悟氏が、柚子ジャム作りから行う。最後は柚子酢を掛けて、さっぱりと仕上げる。
 橋本氏は「一般的には、鮎を番茶で煮る前に一度焼くが、鮎家では鮮度の高い鮎をそのままお茶炊きするのがこだわり」と話す。
 廣瀬晴信取締役本部長は「取引のある百貨店と県内の小売店で取り扱っていただいている。あゆと柚子味噌の組み合わせはめずらしいと購入され、ファンがついている。本受賞は嬉しい」とコメントした。
【2024(令和6)年3月21日第5157号10面】

鮎家
https://www.ayuya.net/

第67回全国水産加工たべもの展 812品から受賞作決定

池上専務理事
塚正審査委員長
審査する日本昆布協会の吹田理事長と大調食の廣川理事長(奥)
 【大阪支社】第67回全国水産加工たべもの展の最終審査が2月21日、大阪市内の大阪キャッスルホテルにて開催された。
 応募総数は812品と全国から自慢の水産加工品が集い、厳正な審査の下、各賞作品が決定された。
 最高位の農林水産大臣賞を受賞したのは4品。水産ねり製品部門から「大阪産大根人参こんにゃく天」(魚万商店、奈良県)、水産物つくだ煮部門から「なつれさくらます昆布巻き」(かね七、富山県)、加工昆布から「現代の名工竹紙昆布」(敦賀昆布、福井県)、節類から「海苔いわし」(水谷商店、静岡県)が受賞した。
 今回の応募数は水産ねり製品が118品、水産物つくだ煮が283品、加工昆布が249品、節類が162品の合計812品。この中から一次審査・二次審査・最終審査を突破した52品が栄冠に輝いた。
 最終審査の審査委員は、学識経験者や一次生産者、行政関係者らの他、たべもの展の運営を務めた大阪府調理食品協同組合、日本昆布協会、大蒲水産加工業協同組合、大阪鰹節類商工業協同組合の代表者らが務めた。
 審査委員長には近畿大学農学部名誉教授の塚正泰之氏が就き、食味の良さは勿論のこと、外観や地域性、健康性、市場性など多様な角度から審査を行った。
 審査は日本昆布協会の池上時治郎専務理事による司会進行の下進められ、運営代表としても挨拶に立ち「各社が日々試行錯誤して、商品開発に努められてきたことが伝わってくる商品ばかりだ。たべもの展が業界の励みになることを願っている」と話した。
 塚正審査委員長は「たべもの展は長い歴史を持つ審査会で、各社最高の技術を投じた作品で応募されている。それに応えられるよう、あらゆる角度から審査を行う」と語った。
 表彰式は3月22日、大阪キャッスルホテルでの開催を予定している。
 なお祝賀会も同日の表彰式後に行われる。
(大阪支社 高澤尚揮)
【2024(令和6)年3月1日第5155号2面】

滋賀県水産品品評会 西友商店が農水大臣賞

小鮎若炊き(西友商店)
鮒寿し×つやこブルー(奥村佃煮)
奥村組合長
青年部はPR販売会を運営
 【大阪支社】滋賀県水産加工業協同組合(奥村龍男組合長)が主催する、第39回滋賀県水産物加工品品評会が2月16日、滋賀県草津市の近鉄百貨店草津店で開催された。
 出品された中から、農林水産大臣賞に西友商店の「小鮎若炊き」、水産庁長官賞に奥村佃煮の「鮒寿し×つやこブルー」、滋賀県知事賞に山喜食品の「氷魚葉山椒煮」、県議長賞に松田魚伊商店「うなぎ山椒煮」がそれぞれ選出された。
 古源の「えび飴煮」はびわこビジターズビューロー会長賞、魚重産業の「鮎甘露煮」は滋賀県食品産業協議会会長賞、中弥の「天然本もろこ甘露煮」は滋賀県漁業協同組合連合会会長賞を受賞した。
 主催者を代表して奥村龍男組合長は「今回も品質、加工技術ともに選りすぐりの製品が審査された。近年、伝統性にとらわれない、若年層の関心を引く製品が開発・販売されており、佃煮や鮒寿し文化の継承を期待している」と挨拶した。
 審査委員長の澤田宣雄氏(滋賀漁協連合会専務理事)は「もろこ、鮎など湖魚の原料不足は年々深刻だ。さらに、消費者の佃煮・煮豆、鮒寿し離れも進んでいる。原料調達と消費拡大の両方に努めて欲しい」とコメントした。
青年部でPR販売会を運営
 農林水産大臣賞を受賞した西友商店の長澤淳執行役員(代理出席)は、「受賞製品は、琵琶湖で獲れた小鮎を浅炊き風に炊き上げ、山椒を入れて風味豊かに仕上げている。歴史のある本品評会で栄誉を授かり大変光栄だ。当社一同励みになる」と謝辞を述べた。
 水産庁長官賞を受賞した奥村佃煮の奥村龍男取締役会長は「一般的な鮒寿しは卵を持つメスを用いるが、本商品はオスを使用し、卵の代わりにお腹にブルーチーズを詰めている。鮒寿しとブルーチーズのダブル醗酵を楽しめ、洋酒との相性も抜群だ」と自慢の逸品であることを語った。
 なお、主催者の滋賀県水産加工業協同組合の青年部は、品評会に併せ、2月16日~18日の3日間、同百貨店1階のイベントスペースで販売会を実施。組合企業の鮒寿し、エビ豆などの一般消費者へのPRに励んだ。初日の午前中に夫婦で1万円分の商品を購入する人もいた。
【2024(令和6)年3月1日第5155号2面】

籠長本店 「AI搭載」異物除去装置導入

AI検査ボックスの稼働開始
コンベアへの取付け完了
 田作原料のカタクチイワシ
田作のさらなる品質向上目指す
【大阪支社】有限会社籠長本店(籠谷茂社長、兵庫県姫路市)は1月31日、AI搭載の異物除去装置「OKIKAE(オキカエ)検査ボックス」(以下、検査ボックス)をたつの工場へ導入し、運用を開始した。田作佃煮のメーカーとして、AI搭載の異物除去装置の導入は全国初となる。
 同社は近年特に、田作の製造へ力を入れ、原料であるカタクチイワシの調達にも自信を持つ。だが、海の産物であるカタクチイワシの異物除去作業は、自社工場で手作業のみで行い、精度向上と作業効率化を模索していた。
 昨年、籠谷社長、籠谷流星主任は、株式会社ASTINA社(儀間匠社長、東京都墨田区)製の本検査ボックスの存在をメディアで知り、ASTINA社に問い合わせたところ、籠谷社長らの次の希望条件と一致した。
 ①精度の高いAI搭載であること②ちりめんじゃこ等、カタクチイワシより小さな水産物での異物除去実績があること③数多くの水産系企業で導入実績があること。
 これらの条件を満たし、ASTINA社の杉山周二営業部長とミーティングを重ね、導入への気持ちがさらに前向きになった。
 検査ボックスは内蔵AIに、あらかじめ原料を学習させる必要があり、籠谷社長らは除去したい異物として次の7項目を選定し、原料と異物の現物、それらの特性・性質の情報提供など、内蔵AIの学習に参画した。
 検査ボックスは全項目をクリアすることができたため、導入が決定された。
 【籠長本店カスタマイズ「異物7項目」】
 ①プラスチック片②木片③ペンキ片④石⑤海藻⑥漁網⑦フグ。
 従来、食品関連企業で使用されている異物除去機は主に「色彩選別機」であるものの、同色の異物を除去できないという課題があった。しかし、検査ボックスでは、同色異物も除去可能で、カタクチイワシと同色であるフグの除去も容易だ。
 検査ボックスの設置は、コンベアに差し込むだけと簡単。ベルトコンベアから流れてきたカタクチイワシを付属のカメラで上から撮影し、搭載AIが推論を行って異物とみなしたものはエアジェットで除去される。除去された異物は、ボックスに収められ、後で確認することができる。
 ASTINA社は、AIスタートアップで、独自のディープラーニング技術は高精度。一般的に困難と言われるランダム模様や不定形にも対応する。また、AIのアップデートをすることで、付着や異形の複雑で困難な異物をより除去できるようになる。
 籠長本店の籠谷社長、籠谷流星主任は「田作の伝統的な味は守りつつも、どうすればお客様のためにより安全・安心な商品を届けられるか考えてきた。
 今回検査ボックスを導入し、商品品質向上の手ごたえを早くも実感できている。『田作に関することは籠長に聞いてみよう』と、最初に思い浮かぶメーカーになりたい」と語った。
【2024(令和6)年2月21日第5154号4面】

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