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全国スーパーマーケット協会2021

一般社団法人全国スーパーマーケット協会 に関する記事をご紹介します。
 
 

流通3団体 スーパーマーケット販売統計調査7月

増井副会長
惣菜売上高107・5%
一般社団法人全国スーパーマーケット協会・一般社団法人日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会の流通3団体は21日、全国スーパーマーケット協会の会議室(東京・神田)で記者発表会を開催、7月度の販売統計調査実績を発表した。当日は、記者会見の模様がオンラインでも配信された。
全国スーパーマーケット協会の増井德太郎副会長、日本生活協同組合連合会(日生協)渉外広報本部の伊藤治郎本部長がそれぞれ7月の統計調査結果を報告。ゲストスピーカーとしてスーパーサンシ株式会社(田中勇社長、三重県鈴鹿市)の高倉照和常務が自社で取り組んでいるネットスーパーの事例を紹介した。
まず増井副会長は冒頭、先の台風や豪雨により被害を受けた地域の被災者に、お見舞いの言葉を述べた。スーパーの調査結果では、総売上高が9864億1470万円。前年同月比と、参考値として2019年同月比(カッコ内)を示し、全店ベースは前年同月比100・5%(106・8%)、既存店ベースは99・5%(105・6%)と、全店ベースが6カ月ぶりに前年を上回った。コロナの影響がない2019年比は、引き続き伸びを示している。
食品合計の売上高は8947億1582万円で、全店101・0%(107・8%)、既存店99・8%(106・4%)。部門別に見ると、生鮮3部門(青果・水産・畜産)合計は、3316億6581万円で全店97・2%(108・6%)、既存店96・0%(107・0%)と、相場高により青果、畜産が苦戦した。
日配は、1960億8056万円で全店102・7%(108・2%)、既存店101・6%(106・5%)。惣菜は1052億3045万円で全店107・5%(108・7%)、既存店106・0%(106・9%)と好調を維持。一般食品は2617億3901万円で、全店102・2%(106・4%)、既存店101・2%(105・4%)。集計企業数は270社、総店舗数は8264店舗であった。
増井副会長は概況について「気温が高く暑かったため一般食品の飲料、ビールやそうめん、めんつゆなど好調。惣菜も、冷やし中華やざるそばなどがよく動いた。家で五輪観戦する際のアルコールやごちそう惣菜が売れたことも大きかった。一方、土用の丑の日でうなぎの予約は好調だったが、日配の漬物、納豆、一般食品のカップ麺や缶詰などは前年の反動減が見られた」と解説した。
景気動向調査では、「景気判断DIの現状判断は前月比プラス1・1と小幅に改善。見通し判断もマイナス0・2と前月並みで、大きな変化は見られなかった。引き続き在宅傾向が高く、堅調な食品需要が続いている」と説明した。
伊藤本部長
前年比減も、前々年比は伸長
次に、日生協の伊藤本部長も豪雨被災地へのお見舞いの言葉を述べ、「社会インフラとして被災者を支えていきたい」と語った。月度供給実績(速報値)報告では、全国65主要地域生協の総供給高は2487億4900万円で前年比99・3%(前々年比113・2%)であった。
内訳は店舗供給高が771億1600万で96・4%(105・3%)、宅配供給高が1665億1100万円で100・7%(118・1%)となっている。
伊藤本部長は「総供給高はわずかに前年を下回ったが、2019年比では二桁伸長している。店舗では総菜部門が好調、宅配では在宅需要により冷凍食品や菓子が好調だった」と説明。一方で「店、宅配とも客数は前年を超えており、客単価は下がっている。また、台風や大雨の被害を受け、宅配が届けられない地域もあった」と報告した。
高倉常務
サンシの高倉常務が自社ネットスーパーを紹介
続いてスーパーサンシの高倉常務が、自社で取り組んでいる「ジャパンネットマーケット」について講演。現在、小売業は50年に一度の地殻変動が起きており、「お客様の店へのアクセスが、車からスマホへと変わりつつある。50年前、駐車場を用意して郊外へと店舗を移した企業が全国の大手や地方の雄となったように、スマホ社会でネットアクセスに対応できない企業は、致命傷になりかねない」と解説した。
「10年以上前から大きく伸びていたネット通販はコロナで急加速し、今後も高止まりする。近い将来、生鮮食品も必ずネット購入が主体の時代になる」と予測。「これからは店でも買える、ネットでも買えるというハイブリッド型の店舗が主流になる。立地や売場面積に左右される店舗と違い、地元ネット商圏は先手必勝」と説明した。
そこで、サンシが取り組んでいる「ジャパンネットマーケット」が、専門人員不要、ローコストでの立ち上げが実現できるメリットを掲げ、“店舗出荷型”で既存店売上アップが可能となるネット宅配システムの構築法を説明した。
また、高倉常務は「単独でのネット構築は費用的にも時間的にも非現実的。どこと組むかが大事で、店舗出荷型ネット宅配日本一の現場をぜひ見学に来ていただきたい。常識が変わります」と述べ、講演を締めくくった。
【2021(令和3)年8月21日第5067号5面、食料新聞デジタル8月30日号併載】
 
全国スーパーマーケット協会 http://www.super.or.jp/
日本生活協同組合連合会 https://jccu.coop/
スーパーサンシ https://www.supersanshi.com/
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『スーパーマーケット・トレードショー2022』

8月11日をもって申込受付終了
一般社団法人全国スーパーマーケット協会では、『第56回スーパーマーケット・トレードショー2022』、および『デリカテッセン・トレードショー2022』の一般受付を8月4日(水)12時より開始し、8月11日をもって申込受付を終了した。
 
<名称>
第56回スーパーマーケット・トレードショー2022(SMTS2022)
デリカテッセン・トレードショー2022(DTS2022)
 <会期>
2022年2月16日(水)・17日(木)・18日(金)10:00〜17:00
※最終日は16:00まで
 <会場>
幕張メッセ全館
 <入場>
招待制
 <詳細・申込>
各展ウェブサイトより
SMTS2022:http://www.smts.jp/jp/index.html
DTS2022:http://www.delica.jp/
 
スーパーマーケット・トレードショーは、スーパーマーケットを中心とする食品流通業界に最新情報を発信する商談展示会。全国のスーパーマーケットを中心とした小売業をはじめ、卸・商社、中食、外食、海外などから多数のバイヤーが来場する。出展者の新たな販路やビジネスチャンスにつながる場として、今回で56回目の開催となる。
 

流通3団体 スーパーマーケット販売統計調査6月

田尻会長
食品売上前年比101・2%
一般社団法人全国スーパーマーケット協会・一般社団法人日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の流通3団体、並びに日本生活協同組合連合会(日生協)は7月21日、AJS会議室よりオンラインで記者発表会を開催。6月度の販売統計調査実績を発表した。
AJSの中村伸一郎常務理事、日生協渉外広報本部の伊藤治郎本部長が、それぞれ6月の統計調査結果を報告。その後、AJSの田尻一会長がゲストスピーカーとして「ポストコロナ 何が変わり、何を変え、これからどうすべきか」の演題で発表した。
まず中村常務理事がスーパーの調査結果を報告。総売上高は9628億2086万円で、全店ベースは100・0%、既存店ベースは98・9%だった。今回も参考値として前年同月比と共に2019年同月比も示しており、全店ベースは106・2%、既存店ベースは103・7%であった。
食品合計の売上高は8734億5891万円で、全店101・2%(2019年同月比=107・4%、以下同じ)、既存店100・1%(105・0%)だった。部門別に見ると、生鮮3部門(青果・水産・畜産)合計は、3303億5342万円で、全店99・6%(109・0%、)、既存店98・4%(106・0%)。
日配は、1912億2456万円で、全店100・9%(106・9%)、既存店99・8%(104・4%)。惣菜は994億5864万円で、全店107・6%(109・2%)、既存店105・9%(105・8%)と伸長。一般食品は、2524億2229万円で、全店101・2%(105・8%)、既存店100・4%(103・7%)だった。集計企業数は270社、総店舗数は8198店舗であった。
中村常務理事は「堅調な食品需要が続いているが、前年に需要が高かった保存食品や衛生用品、紙製品の反動が大きい。一方、前年6月に緊急事態宣言が解除されたこともあり、前年同月の比較としては、3~5月実績に比べて反動は縮小した」と解説した。
カテゴリー別では、「前年特需となった保存性の高い畜産、一般食品、非食品で反動を受け、前年プラス幅が大きかったカテゴリーほどマイナス幅が大きい傾向が続いている。一方で、前年不振であった惣菜は回復し、大幅プラスとなった」と説明した。
次に日生協・伊藤本部長が6月度供給実績(速報値)を報告。全国65主要地域生協の総供給高は2521億3300万円で前年比100・0%(前々年比=114・1%)であった。
内訳は店舗供給高が797億400万で98・6%(106・8%)、宅配供給高が1671億7800万円で100・6%(118・4%)となっている。
伊藤本部長は「6月度は3カ月ぶりに前年並みとなった。店舗は引き続き前年を割る形だったが、総菜の部門が好調だった。宅配では在宅需要により冷凍食品が好調で、前年比100・6%と前年を超えた」と報告した。
続いて田尻会長が、「ポストコロナ 何が変わり、何を変え、これからどうすべきか」の演題で、業界の現状とこれからの課題を発表した。田尻会長はまず、エンゲル係数の動向について説明した。
「日本のエンゲル係数は1980年の29%から年を追うごとに下降。しかし、1989年に消費税法(税率3%)が施行されると25・5%に上昇した。その翌年からは再び下降したが、1997年に消費税が5%に引き上げられると再び上昇傾向にあった」と説明。
その後は上昇・下降を繰り返していたが、2014年に税率が8%に引き上げられてからは急激に上昇し、「2020年には27・5%と、1985(昭和60)年前後の水準にまで達している」と解説した。
これは、「つまりコロナ禍によって食品以外の支出が減少している」と指摘。令和2(2020)年の食品以外の支出は前年比減であるのに対して食品は伸長し、エンゲル係数も前年の25・7%から27・5%に上昇している。
次に同年の支出の前年対比を項目別でみると、交通・通信(特に鉄道運賃)、教養娯楽(特にパック旅行費)が大幅に減少している。
2020年のスーパーマーケット及び各主要流通業界売上高推移をみると、「2019年を100とした推移では、スーパーは4月の110%超を筆頭に1年を通して前年を上回った」と解説した。
売上高、来客数、客単価の経営動向調査推移を見ると、来客数DIは2、3月を除いて前年を下回っているが、客単価は5月の132・4%を最高に、前年を大きく上回っている。
今年に入ると前年の反動からいずれのDIも前年比減となっているが、コロナによるこうした数値の推移は、食品を扱うスーパーの「生活のインフラとしての役割を再認識」すると共に、コロナ後を見据えた食の提案や価格対応など、スーパーの進むべき道を示していると言えるだろう。
【食料新聞デジタル配信・2021(令和3)年8月1日号併載】
 
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流通3団体 スーパーマーケット販売統計調査5月

惣菜 少量品に大きな伸び
一般社団法人全国スーパーマーケット協会・一般社団法人日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会の流通3団体、並びに日本生活協同組合連合会(日生協)は6月23日、日本スーパーマーケット協会の会議室で記者発表会を開催、5月度の販売統計調査実績を発表した。当日はオンラインでも配信された。
日本スーパーマーケット協会の江口法生専務理事、日生協渉外広報本部の伊藤治郎本部長が、それぞれ5月の統計調査結果を報告。その後、日本スーパーマーケット協会の川野幸夫会長がリモートで、食品スーパーマーケットの昨年からの概況と、業界の課題に対する本年の重点的な協会の活動について発表した。
まず江口専務理事がスーパーの調査結果を報告し、総売上高は1兆26億3602万円だった。前回より参考値として前年同月比とともに2019年同月比(カッコ内)も示しており、全店ベースは97・7%(107・8%)、既存店ベースは97・0%(106・7%)であった。
食品合計の売上高は9150億5710万円で、全店98・1%(109・6%)、既存店97・2%(108・3%)だった。部門別に見ると、生鮮3部門(青果・水産・畜産)合計は、3484億2273万円で、全店95・8%(111・2%、)、既存店94・8%(109・6%)。
日配は、1991億1960万円で、全店96・6%(108・8%)、既存店95・5%(107・2%)。惣菜は、1043億9138万円で全店109・2%(108・0%)、既存店108・0%(106・5%)。一般食品は、2631億2340万円で、全店98・5%(109・2%)、既存店97・9%(108・3%)だった。集計企業数は270社、総店舗数は8201店舗であった。
江口専務理事は「前年比の数字は、昨年の巣ごもり需要による反動で惣菜を除いてマイナスとなっているが、一昨年と比べるといずれも上回っている。しかもかなりの数字が上がっており、食品の強さが現れている」と述べた。
一方、「保有店舗数別の集計を見ると、1~3店舗の企業が前年同月比91・2%(既存店)に対し、51店舗以上の企業は97・5%(同)で、6ポイント以上の開きがある。1~3月は3~4ポイントであったことから、やや格差が広がっている」と解説した。
カテゴリー別では、「青果が相場安でマイナス幅が大きかった半面、惣菜は昨年のウラ年で、家飲みが増えて酒と共に伸びている。ただし人が集まる機会は減ったため、大型のオードブルより少量品の伸びが大きかった」と説明した。
次に日生協・伊藤本部長が5月度供給実績(速報値)を報告。全国65主要地域生協の総供給高は2364億3400万円で前年比93・1%(前々年比=110・5%)であった。
内訳は店舗供給高が790億3500万で93・8%(105・7%)、宅配供給高が1526億1400万円で92・4%(114・0%)となっている。
伊藤本部長は「5月度は前月に引き続き前年割れ。しかし、前々年との比較では店舗・宅配ともに高止まりしている。カテゴリー別では農産、酒の分類で前年割れが大きい反面、惣菜は前年同月比106%と伸びている」と報告した。
 
川野会長が協会の取組発表
続いて川野会長が、スーパーを取り巻く環境の変化に対応した、協会としての取組について報告。次の3点を挙げて説明した。
①人手不足=外食の営業自粛で現在は恵まれているが、コロナ後は確実に深刻になってくる。そのため、外国人技能実習生受け入れの業種認定が必要となる。働ける場所として選んでもらえるよう、情報共有と啓発のため、情報誌を発行する予定。
②キャッシュレス決済=時代を見据えると、現金決済より比率を高めていくことは必要。しかし、利益率を超える手数料の高さが課題であり、引き下げを要求していかねばならない。
③デジタル化への対応=2023年10月より導入となるインボイス制度に備えて調査検証し、協会として情報を発信していく。
この他にも「プラスチック資源の削減、SDGsへの対応、食品表示のデジタル化など課題は山積している。10年後を見据えたスーパーの技術革新について、製・販・配を融合させた提案が必要となってくる」と説明した。
最後に「コロナで家庭の大切さが見直された。その中でも『食事』は最も大切な要素であり、それに対するスーパーの役割は大きい。豊かな食生活を支えるライフラインであることを目指して、これからも頑張っていきたい」と報告を締めくくった。【食料新聞デジタル配信・2021(令和3)年7月1日号併載】
 
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流通3団体 スーパーマーケット販売統計調査4月

中食や惣菜が回復傾向
一般社団法人全国スーパーマーケット協会・一般社団法人日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会の流通3団体は5月21日、全国スーパーマーケット協会の会議室で記者発表会を開催、4月度の販売統計調査実績を発表した。
全国スーパーマーケット協会の増井德太郎副会長、日本生活協同組合連合会(日生協)渉外広報本部の伊藤治郎本部長がそれぞれ4月の統計調査結果を報告。ゲストスピーカーとして、株式会社静鉄ストア(静岡市葵区)の森下登志美社長がリモートで自社の概要・取組などを発表した。
まず増井副会長がスーパーの調査結果を報告。総売上高は9499億7517万円。前年同月比では前回より参考値として2019年同月比(カッコ内)も示しており、全店ベース前年同月比は94・6%(105・5%)、既存店ベースは94・0%(104・4%)と3カ月連続減であった。
食品合計の売上高は8636億3382万円で、93・8%(106・5%=全店ベース、以下同じ)だった。部門別に見ると、生鮮3部門(青果・水産・畜産)合計は、3260億4216万円で92・4%(107・5%)。
日配は、1875億2298万円で92・9%(107・7%)。惣菜は982億1581万円で109・0%(105・1%)。一般食品は2518億5286万円で91・3%(105・7%)。集計企業数は270社、総店舗数は8244店舗であった。
増井副会長は概況について「昨年4月7日に出された最初の緊急事態宣言による需要の急増からの反動が大きかった。ただ、一昨年と比べるといずれも上回っており、決して状況は悪い訳ではない」と強調した。
また、「昨年は学校が休みだったため落ち込んでいた中食や惣菜に、回復傾向が見られる」と解説した。
次に日生協・伊藤本部長が4月度供給実績(速報値)を報告。全国65主要地域生協の総供給高は2424億8200万円で同じく全店ベース前年比97・6%(前々年比=113・3%)。
内訳は店舗供給高が773億4700万で90・9%(105・3%)、宅配供給高が1599億5400万円で101・3%(118・7%)となっている。
伊藤本部長は「4月度は前年を割り、15カ月連続での前年超過とはならなかった。店舗は前月に引き続き前年割れだが、前々年との比較では上回っている。一方、宅配は前年超過を継続した」と報告した。
 
静鉄ストア森下登志美社長がゲスト
続いて、静鉄ストアの取組について森下社長が説明。同社は静岡鉄道グループ会社として1999年1月27日に設立、「株式会社新静岡センター」よりスーパーマーケット事業を継承、分離独立し4月1日より営業を開始した。現在は30店舗、7月には沼津に新店オープンの予定。
同社は「Sブランド」など自社ブランドの展開や、SDGs推進による従業員の働きがいある職場づくりを実施。地域貢献としては幼稚園生の食育体験ツアーや高校生参加の「鉄板焼き甲子園」主催のほか、地元農家とコラボした農業活性化にも取り組んでいる。
【食料新聞デジタル配信・2021(令和3)年6月1日号併載】
 
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「スーパーマーケット・トレードショー2021」結果報告書

決裁に影響のある来場者の割合が大幅増
2月17日~19日に幕張メッセで開催された「スーパーマーケット・トレードショー2021」、「デリカテッセン・トレードショー2021」(主催:一般社団法人全国スーパーマーケット協会)の結果報告書がこのほどまとめられた。
登録入場者数(全展共通)は3日間で2万6385名、「スーパーマーケット・トレードショー2021」は1308社・団体、2261小間、「デリカテッセン・トレードショー2021」は41社・団体、181小間の開催規模となった。
来場者アンケートでは、来場者は減少するも、厳選された質の高い来場者が数多く来場したことが明らかになった。「スーパーマーケット・トレードショー2021」のアンケートによると、来場者の業種は、例年よりスーパー・小売業関係が減少、商社・問屋・卸/輸入代理の割合が増加した。
職種では、経営者、管理職、バイヤーの割合が約45%となり、決裁に影響のある来場者の割合が前回の6割から今回約8割と大幅増となった。また、来場者の勤務先は他県移動自粛により関東に集中した。
来場目的は新商品開拓が最多、今後力を入れて取り組みたいトピックは「ネットショッピング」「フードロス」が上位となった。
「デリカテッセン・トレードショー2021」のアンケートでは、来場者の7割以上が弁当・惣菜などデリカの主力業種に関わっており、今年は営業・販売担当者の来場が急増した。決裁に影響のある来場者の割合は6割だった。
来場目的は、業界動向などの情報収集が1位、今後見たい内容を問うフリーアンサーでは、「SDGs」や「サブスク」といった注目ワードに関する回答が見られた。
 
※PDFファイル(約17MB)を開きます。
【2021(令和3)年5月30日食料新聞デジタル】
 

流通3団体 スーパーマーケット販売統計調査3月

全店前年比は96・3%  日配・畜産の反動減が顕著に
一般社団法人全国スーパーマーケット協会・一般社団法人日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会の流通3団体は4月21日、オール日本スーパーマーケット協会の事務局よりオンラインによる記者発表会を開催。3月度の販売統計調査実績を発表した。
オール日本スーパーマーケット協会の前田伸司常務理事、日本生活協同組合連合会(日生協)渉外広報本部の伊藤治郎本部長がそれぞれ3月の統計調査結果を報告した。
まず前田常務理事がスーパーの調査結果を報告。総売上高は9520億777万円で、全店ベースの前年同月比は96・3%、既存店ベースでは95・9%と2カ月連続の前年比減。なお、今月より参考値として2019年同月比を示し、全店ベースでは105・4%、既存店ベースでは103・2%であった。
食品合計の売上高は8724億3552万円で、全店ベース96・3%、既存店ベース96・0%だった。部門別に見ると、生鮮3部門(青果・水産・畜産)合計は3344億1036万円で97・9%。日配は1879億206万円で95・8%。惣菜は996億3910万円で104・0%。一般食品は2504億8401万円で92・0%(注釈なしは全て全店ベース)。集計企業数は270社、総店舗数は8233店舗であった。
前田常務理事は概況について「3月実績のキーワードは、①前年同月からの反動②気温が高い③日曜日が一日少ない―であった。家庭内消費は安定しているが、昨年3月は既存店前年比107・2%と大幅に伸びていたため、その反動減により全般的に前年割れした」と説明。
部門別では「生鮮3部門では畜産の反動減が一番大きく、ハムなど日持ちする商材が大きく影響を受けた。水産はひな祭り等で刺身が好調に動き、塩干物も好調を維持した。日配は昨年、学校が休みとなり給食の代替需要が伸びていたため、その反動が大きかった。特に納豆は大きく減少した半面、気温が高かったためアイス・飲料は好調だった。惣菜は唯一前年超えとなり、てんぷらや揚げ物が好調、焼き鳥もおつまみ需要で好調だった。一般食品も昨年、備蓄行動で売れた分の反動減が大きかった。景況判断DIは、現状・見通しともに小幅に悪化している」と解説した。
次に日生協・伊藤本部長が3月度供給実績(速報値)を報告。全国65主要地域生協の総供給高は2361億8300万円で前年比102・2%。生協も参考値として前々年(2019年)比を示し、114・7%であった。
内訳は店舗供給高が729億9700万で同94・1%(前々年比103・4%)、宅配供給高が1572億9800万円で同105・8%(同121・7%)となっている。
伊藤本部長は「これで、14カ月連続での前年超過となった。店舗は前年のコメや衛生商品の需要増の反動により前年割れし、客数が減少。購入金額は高止まりしている。宅配は前年超過を継続しており、3月の人事異動の時期ではあるが脱退者は少なく、人の動きが少ないためと思われる。部門別では、酒類の伸びは継続し、惣菜も前年超えしたものの、コメ・非食品は反動減だった」と報告した。
なお、緊急事態宣言の発出が検討されているが、「発出されても、昨年ほどの影響はないのではないか」と推察した。
【食料新聞デジタル先行配信・2021(令和3)年5月6日号併載】
 
全国スーパーマーケット協会 http://www.super.or.jp/
日本スーパーマーケット協会 http://www.jsa-net.gr.jp/
オール日本スーパーマーケット協会 http://www.ajs.gr.jp/
日本生活協同組合連合会 https://jccu.coop/
※各図表はクリックで拡大

流通3団体 スーパーマーケット販売統計調査2月

食品売上高の前年比は100・6% 日配は99・1%
 一般社団法人全国スーパーマーケット協会・一般社団法人日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会の流通3団体は3月22日、日本スーパーマーケット協会の会議室(東京・日本橋)で記者発表会を開催。2月度の販売統計調査実績のほか、流通を取り巻く諸問題について発表が行われた。なお当日はオンライン配信も併用開催された。
 日本スーパーマーケット協会の江口法生専務理事、日本生活協同組合連合会(日生協)渉外広報本部の伊藤治郎本部長がそれぞれ2月の統計調査結果を報告した。
 まず江口専務理事がスーパーの調査結果を報告。総売上高は8692億6433万円で、全店ベースの前年同月比は99・6%、既存店ベースでは98・9%と13カ月ぶりの前年比減。食品合計の売上高は7960億8965万円で、全店ベース100・6%、既存店ベース99・9%であった。
 部門別に見ると、生鮮3部門(青果・水産・畜産)合計は3045億2824万円で103・0%。日配は1700億9545万円で99・1%。惣菜は922億8164万円で101・2%。一般食品は2291億8432万円で98・6%(注釈なしは全て全店ベース)。集計企業数は270社、総店舗数は8024店舗であった。
 江口専務理事は概況について「昨年はうるう年で1日多かったことや、コロナで休校となったことで一般食品やおやつが売れていた反動で、前年比減となった。また、マスクやティッシュが売れて品不足となっていたことで、非食品の前年比減(88・6%)も大きかった」と説明。
 その他の動向としては「節分の恵方巻は内食需要もあり、好調で品切れとなった店もあった。一方、バレンタインチョコは在宅勤務が増えたことで義理チョコを渡す機会がなくなり、減少した。景気判断DIについては昨年の特需もあり、前年比は下落している」と説明した。
 次に日生協・伊藤本部長が2月度供給実績(速報値)を報告。全国65主要地域生協の総供給高は2446億5100万円で前年比109・6%。内訳は店舗供給高が752億5200万で同102・1%、宅配供給高が1631億6000万円で同113・7%と好調を維持している。
 伊藤本部長は「これで、13カ月連続での前年超過となった。店舗の分類別では、前年のマスクや除菌関連商品の需要増の反動で、日用品や家庭用品で前年割れとなった。宅配では、在宅需要と相場安で農産が好調だった」と報告した。
 続いて、江口専務理事が流通を取り巻く諸問題について発表。まず、消費税の複数税率によるインボイス制度の導入で、2023年10月1日より売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えるための書類の保存が必要となる。これに付随し、電子帳簿保存法によるデータ保存についても説明した。
 続いて、4月から実施される総額表示義務への対応について、表示例を示しながら説明。次に、働き方改革による人事・労務関係の法施行について厚生年金、雇用保険法、パワハラ防止法、介護・育児休暇法などの改正、パートタイム・有期雇用労働法で適用される〝同一労働同一賃金〟について説明した。
 食品表示法に関するスケジュールでは、2022年4月からの原料原産地表示制度、2023年4月からの遺伝子組み換え任意表示制度の変更などについて説明。その他、環境関連としてプラスチック資源の削減や、温室効果ガス削減の「カーボンニュートラル」等についても説明。最後に、食品スーパーとして取り組むべきSDGsの内容についても詳しく説明した。
【食料新聞デジタル先行配信・2021(令和3)年4月1日号併載】
 
全国スーパーマーケット協会 http://www.super.or.jp/
日本スーパーマーケット協会 http://www.jsa-net.gr.jp/
オール日本スーパーマーケット協会 http://www.ajs.gr.jp/
日本生活協同組合連合会 https://jccu.coop/
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流通3団体 スーパーマーケット販売統計調査1月

増井副会長
1月度実績 日配は107・8%に
一般社団法人全国スーパーマーケット協会・一般社団法人日本スーパーマーケット協会・オール日本スーパーマーケット協会の流通3団体は2月24日、全国スーパーマーケット協会の会議室(東京・神田)で、販売統計調査記者発表会を開催。当日は、ズームによるオンライン同時配信も実施された。
全国スーパーマーケット協会の増井德太郎副会長、日本生活協同組合連合会(日生協)渉外広報本部の伊藤治郎本部長がそれぞれ1月の統計調査結果を報告。また、ゲストスピーカーとしてスーパーキタムラ(東京都大田区)の北村成吏社長が自社の取組を発表した。
まず、増井副会長が「スーパーマーケット・トレードショー2021」(2月17~19日、幕張メッセ)が無事に終了したことについて謝辞を述べた。
続いて1月の統計調査結果を報告。総売上高は9303億8429万円で、全店ベースの前年同月比は106・9%、既存店ベースでは106・0%であった。食品合計の売上高は8454億760万円で、全店ベース107・8%、既存店ベース106・8%であった。
部門別に見ると、生鮮3部門(青果・水産・畜産)合計は3365億3652万円で109・2%。日配は1805億2174万円で107・8%。惣菜は927億72万円で100・9%。
一般食品は2356億4862万円で108・8%だった。(注釈なしは全て全店ベース)
増井副会長は概況について「これで12カ月連続での前年比増。緊急事態宣言の発出で、巣ごもり需要が継続し、保存のきく食品の需要が高まった。非食品の衛生関連商品は、前年の反動減が見られた」と説明を行った。
カテゴリー別では「青果は平年並み。春の七草が、疫病退散の意味で好調だった。惣菜は、規制自粛や成人式などのイベント自粛で不振。平日夕方以降の来店客減少も響いている」と分析した。
「日配は冷凍食品やおでん商材がひっ迫、機能性ヨーグルトも伸長している。北日本では大雪のため、保存のきくレトルト商材などの買い溜めも見られた」と説明した。
 
伊藤本部長
生協も前年比114・5%
次に日生協・伊藤本部長が1月度供給実績(速報値)を報告。全国65主要地域生協の総供給高は2462億4100万円で前年比114・5%だった。
内訳は店舗供給高が836億400万で同103・7%、宅配供給高が1571億1700万円で同121・6%と好調を維持している。
伊藤本部長は「これで、12カ月連続での前年超過。年末年始の帰省自粛による内食需要の高まりで、迎春商品として水産・畜産が好調。また例年、都市部では年末年始に売上が下がるが、今年は帰省自粛のため良かった」と報告した。
北村社長(右)
キタムラの北村社長がゲスト
続いて、ゲストスピーカーのスーパーキタムラ・北村社長が自社の取組について発表した。同社は1958年に八百屋で創業し、1981年にスーパーに転換。1店舗のみの直営で、店舗面積は250坪、従業員は80名。
4年前に社長に就任した成吏氏は、売場担当者と対等に会話するためデータの詳細分析に努め、それを社員全員のパソコン・タブレット等で見られるように改善。取扱品目5000点、来店客6万人(月間)の売上データ、POSデータと連携させている。
また、自社ホームページ(HP)ともデータを連携させ、商品の価格を変更した場合、15分遅れで変更価格の表示を可能にした。現在、それらの管理システムである「ストアログ」はHACCP導入義務化を視野に入れ、他社にも有料公開し、導入を勧めている。
北村社長はその他にも、年中無休を貫く企業理念や、コロナへの対応で「インフラとして店を開け続ける」という信条を説明。「小売りは面白く、楽しい」と、自社の事業に対して心情を語った。
【食料新聞デジタル先行配信・2021(令和3)年3月1日号掲載】
 
全国スーパーマーケット協会 http://www.super.or.jp/
日本生活協同組合連合会 https://jccu.coop/
株式会社スーパーキタムラ http://market.kita-grp.co.jp/stores/1
 
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横山清会長に聞く

一般社団法人全国スーパーマーケット協会 会長 横山清氏

(写真提供:一般社団法人全国スーパーマーケット協会)
〝アフターオフライン〟時代へ
大切なのはホットな気持ち
 
2021年2月17日(水)~19日(金)に千葉市・幕張メッセ全館で、「第55回スーパーマーケット・トレードショー2021」「デリカテッセン・トレードショー2021」(主催:一般社団法人全国スーパーマーケット協会)、「第16回こだわり食品フェア2021」(主催:一般財団法人食品産業センター)が開催される。今回は展示会開催のガイドラインなどを参考に充分な対策がとられ、「新しい生活様式」に対応した展示商談会となる。昨年11月21日に実施された3展示会合同記者発表会では、主催者の一般社団法人全国スーパーマーケット協会会長で、スーパーマーケット・トレードショー実行委員長の横山清氏(株式会社アークス代表取締役社長)がSMTSや今後の流通業界などをテーマに語った。(構成・藤井大碁)
 
 
 
―今回のSMTSについて。
「これまでは、たくさんの方に来ていただくことを目標に努力してきたが、今回は安心安全を第一として、必要な方に確実に来ていただくことを目標に開催したいと考えている。お客様のため、人のため、世の中のためになることをひたすら考えている人たちが集まるトレードショーにしたい。会場内の通路幅や商談スペースを拡充するなど、与えられた条件を完璧にクリアし開催する。当協会には304社の正会員、1000社を超える賛助会員が加入している。全国津々浦々から英知を結集し、出来る限りの努力をもって成功に導きたい。第55回大会ということで〝55(ゴーゴー)〟をキャッチフレーズに、危機感を持ちながら取り組んでいく。オンラインで参加できる仕組みも作り、最終的にはトレードショーがあってよかったと言ってもらえる結果にしたい」
―コロナ禍の状況。
「毎年正月に作っている私自身の年頭所感のなかで、今までは、〝我ら生活防衛隊”というフレーズを書いてきたが、これが〝生命防衛隊〟という表現に変わった。まさに現場は、命がけで仕事をしている。また業務用需要の減少で小規模な納入メーカーさんや問屋さんの中には、息切れしてきているところも出てきている。次年度に関しては、納入先の意見も聞き取りながら、共存共栄で、業界全体が健全に前を向いて進んでいけるように取り組んでいく必要がある」
―消費者の変化。
「環境が激変し、消費者の生活も今まで常識だったことを大きく変えざるを得ない状況になっている。無窮の変化とも言うべきか、とんでもないところに飛び込んだという実感を持っている。何年か経つと、元に戻ったという感覚を持つ人もいるだろうが、私は現実問題としては全く生活が変わってしまったと考えている。食生活も5年~10年間くらいは大きく変化するだろう。見たことのないような供給者・生産者の商品が、既に普通の家庭の食卓に並び、それがその地域の名物になっているという状況もある」
―スーパーマーケットの売上は好調だ。
「スーパーは好調だが、旅行関係などは大変厳しく、産業により明暗がはっきりしているため、この状況を喜んではいられないし浮かれてはいけない。世の中がこれぐらい変わるのか、これからどうするのか、という大きな課題を投げかけられている。明日、店舗の新装開店があるのだが、人を集めすぎてもいけないという非常に難しい時代になった。コロナは、一つのきっかけにより、潜在的なものが顕在化した良い例だろう。常識的なようで、非常識な生活を作り上げていかざるを得ない。小売業としてどのようにこの課題に立ち向かっていくか。100歳まであと15年、のたうち回りながら、やらなければならない天職だと感じている」
中央:横山氏、右から3人目:こだわり食品フェア田辺主催代表、左から3人目:DTS三科実行委員長
―流通業界の未来。
「資本主義社会の規模と力の関係、というものがオンリーワンではないということをしみじみ感じている。足し算でどんどん規模が大きくなっても、大きくなることがそのまま力になるとは言えない。近年、効率中心主義で儲からない店は閉める、あるいは効率の悪い人間は解雇するというようなトレンドがあったが、それは少しずつ修正されている。だからといって経済的に負けてしまえば存在が許されないため、そのバランスは非常に難しい。私どもは、どちらかというと中小中心のスーパーマーケット団体だ。長年にわたり地域密着型の典型的な仕事をしながら協会も一昨年で設立から60年を迎えた。今後も買物弱者をつくらないことをテーマに、地域のお客様の生活をしっかりと支えていくことが大切だ」
―小売業のデジタル化が進んでいる。
「コロナ以前は、数年後にはリアル店舗にオンラインの商売がつながると考えてきたが、それが逆になりつつある。リアル店舗が存在しながら、オンラインが主導となる〝アフターオフライン〟という時代も目の前に迫っている。だが、大切なのは、心というものはリアルでなければならないこと。生の人間が、ホットな気持ちでお客様に接する。デジタルを通じてであろうがなかろうが、それが最も大切であることに変わりはない」
―業界再編について。
「厳しい環境のなか、良い品物を良いサービスで提供しているだけでは戦えない時代であることが各社分かってきた。貧富の差が広がり、消費者の傾向も含めて、お店の作り方や働き方に影響が出てきている。個人的には、この1、2年が勝負ではないかと考えている。過去にも様々な流通再編があったが、不思議と増税の年が流通業にとっては大きな変わり目になることが多い。来年、再来年の前半あたりに、これまでよりもっと想定外なことが起きてもおかしくはない。だがそれは決して悲惨なことだけではなく、健全なかたちで業界が再編されれば、消費者にとっても良いかたちで変化していくだろうと考えている」
 

2月21日号 SMTSセミナー

横山会長
横山会長オンラインセミナー
「コロナ世界とスーパーマーケット」
スーパーマーケット・トレードショー(SMTS)のセミナーとして毎年恒例となっている一般社団法人全国スーパーマーケット協会会長の横山清氏の講演会が今年は28日までオンライン上で公開されている。
今年の講演タイトルは『55回記念SMTSスピークス「コロナ世界とスーパーマーケット」』。横山会長がコロナ下のスーパーマーケットやSMTSの役割について語った。
横山会長は、コロナウイルスの感染が拡大する中、スーパー従業員が命がけで働いている状況を報告。「お店は閉めないように、商品を切らさないように、それでいてなるべく人を集めないようにということで、難しい対応を迫られているが、未だにそれを続けている。お客様は敏感だが、働いている人たちも大変だ。絶えず店のレジを扱うチェッカーさんも命がけで働いてくれている。長年この商売をやっているが、これまでは〝我ら生活防衛隊〟と言ってきたものが、〝生命防衛隊〟に変わった。そうした観点で、もう一度これからのスーパーマーケットや展示会の在り方を再検討し、それをベースに次の新しいスーパーマーケット産業やSMTSを構築していくべきだと考えている」と述べた。
また今後、スーパーマーケットを運営していく上で、お客様第一主義である〝利他主義〟が重要な要素になると指摘。「相手のことを考え、それをいかに上手に、生活の安心・安全、健康、あるいは衛生に最大の配慮をするということに繋げていけるか。売上の大きさや本社ビルの大きさは何の自慢にもならない。ただ継続するには厳しい競争の中、同業の競争だけでなく、お客様の目を意識しながらどう対応していけるかも一つの競争だ。利益の無いところに繁栄はないが、場合によっては利益を失っても、〝食生活=命〟なんだという考えを大事にしなければならない時もある。それを継続するためには、一社、一人の力ではダメで、資本や人間関係だけでなく、協会という同業の中で、お互いに競争し合いながらも全体のための情報交換や技術伝達を怠ってはいけないと思っている。これからも残りの人生をスーパーマーケットのため、自分の天職のために尽くしたい」と話した。
SMTSについては、「今回、開催するのをやめたほうがよいという意見もあったが、様々な関係者の方と協議を重ね、最終的には最大の努力で周到に準備して開催しようという結論に至った。今回のトレードショーは、あの時がまさしく新しい世界へのスタートラインだったといえるような、歴史に残るものになるだろう。SMTSで商談が生まれ、消費者の命を支える。恐らく数年後にはアフターオフラインという世界が来る。その道筋を付け、そのために必要な情報が入手できるのはSMTSのみだと思っている。今後も、70回、80回と続いていくと思うが、食=命というテーマでやっていきたい」とした。
最後に横山会長は、「利他主義を中心に、食=命というテーマで、命の防衛隊がスーパーマーケットの事業者であり従事者である、ということを確認し、アフターコロナに向けた、ニューノーマルのスタートを切って行きたい」と講演を結んだ。
【2021(令和3)年2月21日第5049号5面】
 

 
島原氏
全国スーパーマーケット協会事務局長 島原 康浩氏
「業界を取り巻く制度変更と法改正」
SMTSオンラインセミナーにおいて、一般社団法人全国スーパーマーケット協会事務局長の島原康浩氏が「業界を取り巻く制度変更と法改正」のテーマで講演した。
島原氏はまず、昨年からの新型コロナウイルス感染症によるスーパー業界の経過について報告。内食の機会が増え、外食を控える状況が続き、年末年始では、おせちの売上が前年を大きく超えたと説明。
スーパーでは感染防止対策として、キャッシュレス決済やセルフレジの導入が進んだ。また、在宅勤務の増加で仕事帰りの買い物客が減少、午前中に込み合う状況となった。さらに、来店回数を減らしてまとめ買いが増加したことで、買い上げ点数の増加と客単価が上昇している。こうした動きから、スーパー各社ではレイアウトの変更や、従来のオペレーションを見直す対策が求められている。
次に、今年度以降に控えている法改正について、大きく次の3点を挙げた。まずひとつは、4月から税込み価格表示が義務化されること。次に、6月よりHACCPに基づく衛生管理が全ての食品事業者に義務付けられることを説明。同協会としては、感染予防対策と合わせ、店舗運営に役立つ情報発信を心がけていく、と説明した。
3点目は、令和5年10月からインボイス制度が開始される。これは消費税の複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、適格請求書の保存方式が導入されることである。これを控え、今年10月から事業者登録申請がスタートすることが説明された。
最後に引き続きコロナ感染対策の中で厳しい運営が続くスーパー業界に対し、一刻も早くコロナ禍が落ち着くことを望んで、島原氏の講演を終えた。
【2021(令和3)年2月21日第5049号5面】
 

 
中園氏
横浜市立大学 客員准教授 中園 善行氏
「国内消費の現状」
SMTSオンラインセミナーにおいて、横浜市立大学客員准教授の中園善行氏が「国内消費の現状」のテーマで講演した。
中園氏は、コロナによる消費動向がどう変化したか、7年前の消費増税前後と比較して説明。買回り品への支出(消費金額)について、次の3点を挙げた。
①コロナ禍では感染者数が増えると、若い世代の支出が増加。②高齢者は感染者数が増えると、支出を抑制。③第2波、第3波でも同様の傾向が見られた。
国内景気をGDPの推移と家計最終消費支出の推移と比較すると、2014年の消費増税前までは、堅調に推移していた。しかし、増税後は横ばいとなり、消費が低迷している。
これはスーパーや外食、旅行、レジャーなど全ての支出で、増税前の2013年を100とすると、2018年は94・2となっている。
しかし、これを買い回り品だけで見ると、インテージ社のデータによると、20代~50代の消費は低迷していたが、60代の高齢者は堅調な消費を続け、高齢者がけん引していることがわかった。
一方、コロナ禍においては、GDPはリーマンショック以上の低下で「9割経済」となり、消費も1割減少している。感染者数の推移は、4月の非常事態宣言前後、7月の第2波、11月の第3波と増減を繰り返している。
この動きの中で買回り品への消費支出を見てみると、消費増税前後とは異質の動向であった。
2019年を100とした時、20代、30代とも感染拡大とともに消費支出は伸びているが、40代~70代は感染拡大とともに消費が低迷していることが分かった。
これは第2波、第3波でも同様の結果となっている。
高齢者ほど、感染リスクを恐れて外出を控えたことが、色濃く反映されている結果となっている。
【2021(令和3)年2月21日第5049号5面】
 

 
児玉氏
日本食研ホールディングス  食未来研究室専任課長 児玉 一穂氏
「コロナにより変化、定着した消費行動など」
SMTSオンラインセミナーにおいて、日本食研ホールディングス株式会社マーケティング第二本部食未来研究室専任課長の児玉一穂氏が「Withコロナにより変化、定着した消費行動・食卓・メニューとは? ~興味関心×購買データが示す、スーパーマーケットに求められるコト~」のテーマで講演。4つのカテゴリーに分けて説明した。
【市場に影響を与える変化】
食品の売上は飲食店、コンビニでは減少、スーパー、ドラッグストアで増加した。①買い物スタイルの変化(午前中の来店が増加)、②テレワークの拡大(おうち昼食の増加)、③おうち時間の充実(家で料理する)といった変化が影響を与えている。
【スーパーにプラスに影響する変化】
①おうち昼食が2019年比で8%増加。寿司や丼ものなどが6月以降も継続して売れている。②夕食の1品に使う材料の増加。内食でメニュー数は増えていないが、鍋・煮物・汁物などで材料を増やして充実を図っている。ホットサンドメーカー、ホットプレート、圧力鍋などの調理家電が売れているのと関連した動き。③外食を控えるため、おうちイベントが充実。季節ごと、記念日ごとのイベントで共通しているのが「焼肉」を楽しんでいる傾向にある。中でも同時購入率で、キムチの売上は好調を維持している。
【スーパーでマイナスに影響する変化】
①来店頻度の減少、まとめ買いの増加で、即食の惣菜が減少。日持ちする冷凍、レトルト惣菜にとって代わられている。②宅配、テイクアウト、デリバリーの増加。③携帯食のニーズが減少(おにぎりの売上減)。
【コロナ禍における嗜好品】
①おうちカフェ(コーヒーの売上が増加)。②おうち居酒屋(夫婦で飲む頻度が上がり、ワインなどの売上が増加)。③おうち居酒屋でのおつまみの狙い目(家族で作って食べるアレンジ餃子の人気が上昇)。
児玉氏はこうした傾向分析により、スーパーがどんな品揃えをしたら良いか、どんなメニュー提案をしたら良いかなど、細かな対策案を示した。
【2021(令和3)年2月21日第5049号5面】

デリカテッセン・トレードショー 特別インタビュー

一般社団法人全国スーパーマーケット協会 シニアディレクター 籾山 朋輝氏

高価格帯ニーズ高まる
おせち関連の出展者が増加

デリカテッセン・トレードショー2021(以下、DTS)が2月17日から19日まで幕張メッセにて開催される。DTSは中食産業の最新情報を発信する商談展示会。主催者企画「お弁当・お惣菜大賞」には今回4万2549件がエントリー。DTS会場内では今年も受賞商品の一部を実食できるフードコートを展開する。DTSを主催する一般社団法人全国スーパーマーケット協会のシニアディレクター・籾山朋輝氏に今回の見どころや惣菜市場の動向などについて聞いた。
(藤井大碁)
◇     ◇
―今回の見どころ。
「感染症対策の観点から小間数自体は減少する見込みだが、出展者の顔ぶれを見ると新しい流れが出てきている。一つ目はおせち関連の出展。前回は1社のみだったが今回は3社が出展する。おせちに関しては、今年、マーケットが大きく変わった。帰省できなかった人たちが、自分用に一人用おせちを購入するなど、今までなかったところに、新しい需要が発生している可能性がある。それに加え、スーパーでは人手が足りないため、工数がかかるおせちを作り切れず、需要を取り込みきれていないところもあるため、そうしたスーパー向けに提案があるのではないかと推測している。もう一つが、広告マーケティング関連の出展。クラウドを活用した効率的なマーケティングリサーチなど、コロナ下で需要が高まっているDX構築をサポートする提案が行われる予定だ」
―2020年の惣菜売場を振り返って。
「緊急事態宣言下の3~4月に、惣菜の売上は落ち込んだ。裸売りへの懸念があった他、寿司や刺し身といった生ものの売上も大きく減少した。また、素材重視型の消費へシフトしたことで、惣菜が売れない分、生鮮品が伸長した。その後、緊急事態宣言解除と共に、食生活も従来のスタイルに戻り始め、惣菜の数字も回復基調となった。巣ごもりによる家事の疲れの蓄積などもあり、加工度の高いものを消費するという従来の流れに戻ってきたのではないか。惣菜売場において、量り売りやバイキング的な売り方が無くなり、個包装への切り替えが進んだことも、売上回復に弾みをつけたのではないかと考えている」
―足元では2回目の緊急事態宣言が発出されているが、その影響は。
「客数と客単価は一時的に上がるのではないだろうか。そうなった時に、惣菜売場のコロナ対策は進んでいるため、昨年の緊急事態宣言の時と同じような落ち込みにはならないと考えている」
―売場では人手不足が続いている。
「もともとの人手不足に加え、密を避けるために作業人数を減らすなどのコロナ対策オペレーションをとっているため人手が足りない。そこに裸売りだった製品の個包装化など、新たな仕事も増えており、売れる商品があったとしても作りけれない傾向が出てきている。その結果、売場に並ぶ商品には、工数が少なくてすむ丼物などが多く見られる傾向にある」
―惣菜売場のトレンド。
「外食に行けない分、惣菜にお金をかけるようになり、今までより価格帯が上の商品でも売れるようになっている。昨夏、スーパーでのうなぎの売上が過去最高を記録したように、高価格帯商品へのニーズは高まっており、新たにチャレンジするスーパーも増えてきている。だが、売場では人手が足りず、工数がかかるものは作り切れない状況にあり、売れる物を作れないというジレンマに苦しんでいる」
―「お弁当・お惣菜大賞」は今回10回目を迎えた。
「入賞品の中には、健康性の高いものや、地域性の高いものが多く見られ、リーズナブルな価格で販売されている商品も多い。今年度は今まで参加していなかった大手SMやGMSのエントリーがあった他、テレビを始めとしたメディアで入賞商品が取り上げられる機会も増えている。企業と消費者の双方で、『お弁当・お惣菜大賞』の認知度が上昇していると言えるのではないか」
―今後に向けて。
「外食との競合を意識した売場づくりが重要になるのではないか。コロナ禍でテイクアウトをスタートする外食店が増加し、クオリティが高いものも多い。ウーバーイーツや出前館を含めて市場が拡大しており、スーパーにおける惣菜とバッティングしている。そのため、今までチャレンジしてこなかった価格帯の商品など、外食企業との競合を視野に入れた商品開発が必要となる。また、『土用の丑』や『おせち』といったイベントへのニーズも引き続き高まることが予想される。ゴールデンウイーク向けには、密を避けられるため人気のキャンプ用ニーズを取り込んだ惣菜製品なども需要があるのではないか」
【2021(令和3)年2月1日第5047号1面】(取材日は1月18日)
 

お弁当・お惣菜大賞2021

合計22部門で受賞商品を発表
一般社団法人全国スーパーマーケット協会(横山清会長)は、2月17日から19日まで幕張メッセにおいて開催される「デリカテッセン・トレードショー2021(略称:DTS2021)」の主催者企画「お弁当・お惣菜大賞2021」 の最優秀賞・優秀賞・特別賞・入選商品を発表した。
「お弁当・お惣菜大賞」とはスーパーマーケットやコンビニエンスストア、専門店等で実際に販売している数多くのお弁当・お惣菜・サラダ・パン等の中から、食の専門家で構成された審査員により、特に優れた商品を選出し表彰するプログラム。10回目となる今回は、4万2549件のエントリーがあった。
DTS会期初日の2月17日 には表彰式を行い、会期中は「お弁当・お惣菜大賞」ブース(3ホール)にて受賞商品の展示を行う他、「受賞商品の味が知りたい」という声に応えるため、ブース内フードコートにて一部商品を販売する。
また、受賞商品の紹介を行う他、 専門家・コンサルタント執筆による業界動向やトレンド、デリカに 力を入れている小売業の販売現場や取り組み状況のレポートなど、お弁当・お惣菜に関する情報を満載した冊子「惣菜デリ最前線2021」を発行し、ブース内および会場入口で無料配布する。
【お弁当・お惣菜大賞2021概要】
◆エントリー対象:2019年10月1日~2020年9月30日に販売された商品
◆エントリー期間:2020年8月3日~9月30日
◆部門:【定番商品部門(中華点心)【弁当部門】【惣菜部門】【サラダ部門】【麺部門】【丼部門】【おにぎり部門】【寿司部門】【パン部門】【スイーツ部門】【祭事・催事部門】の11部門をそれぞれ【スーパーマーケット】【CVS ・専門店他】の2業態に分けた、合計22部門の審査
◆審査項目【商品】①おいしさ(最終審査のみ) ②テーマまたはコンセプト③原材料のこだわり④調理法や味付け、作業効率のこだわり ⑤見た目のこだわり(盛り付け方、彩り、容器、包装等) ⑥オリジナリティ⑦値ごろ感
◆エントリー数:4万2549件
【2021(令和3)年1月21日第5046号1、2面】
 
 

『第55回スーパーマーケット・トレードショー2021』

2月17日より幕張メッセで開幕
 
SMTSなど3展示会合同開催
徹底した感染症対策で安全安心第一に
「第55回スーパーマーケット・トレードショー2021」、「デリカテッセン・トレードショー2021」(主催:一般社団法人全国スーパーマーケット協会)、「第16回こだわり食品フェア2021」(主催:一般財団法人食品産業センター)が2月17日~19日に幕張メッセ全館で開催される。
今回は完全招待制の導入や出展者の人数制限、出展小間数の削減といった徹底した感染症対策がとられ、安全安心を第一に出展者や来場者を始めとした展示商談会に関わる全ての人達が安心して参加できるよう準備が進められている。
各展示会の見どころは次の通り。
スーパーマーケット・トレードショー2020
【第55回スーパーマーケット・トレードショー2021】
出展者数1472社・団体、2479小間(2020年11月15日現在)の規模で開催。今回も全国各地から自治体や地方金融機関等の取りまとめにより、1000社以上の地域産品メーカーが出展する。
主催者企画では、例年開催しているセミナーおよびバイヤー大学をウェブセミナーとして実施、展示会開催期間中以外の聴講が可能となる。その他、継続企画では全国から地域の酒造メーカーを集めた「てづくりNIPPON」、リアルまたはオンラインの参加が可能な「ビジネスマッチング@SMTS2021」、海外バイヤーとの完全オンライン商談「ジェトロ食品輸出オンライン商談会(SMTS)」等を実施する。
【デリカテッセン・トレードショー2021】
出展者数44社・団体、202小間(2020年11月15日現在)の規模で開催。
今回10回目の開催となる「お弁当・お惣菜大賞2021」には4万2549件がエントリー。会期中は受賞商品を展示する他、一部商品を実際に食べることができるフードコートを設ける。お弁当・お惣菜に関する情報を満載した情報誌「惣菜デリ最前線2021」を発行し会場で無料配布する。
【第16回こだわり食品フェア2021】
80小間以上のスペースに110を超える企業・団体が参加、30社を超える新規出展企業が参加する。全国各地から特色ある地域食品をはじめ、素材や製法、味付けや見せ方にまでこだわった食品が一堂に会する。
【2021年1月1日(第5044)号11面】
 
SMTSサイト http://www.smts.jp/
 
 
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