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「ザ・特集」リード2024

漬物の素特集 「ぬか床」で食品ロスを削減

栄養成分が豊富なぬか漬
野菜摂取の有効な手段
 持続可能な社会の実現へ。「ぬか床」で食品ロスを削減しよう。
 まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」と呼ぶ。食べ物を捨てることは、環境、世界の食料問題、社会、経済へも悪影響を及ぼす。
 農林水産省は昨年6月、日本における令和3年度の食品ロス量(推計値)を公表。それによると、前年度比0・2%増の523万t(前年度比1万t増)となり、このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は同1・5%増の279万t(同4万t増)、家庭から発生する家庭系食品ロス量は同1・2%減の244万t(同3万t減)となった。
 SDGsの認知度が高まる中、家庭では気を付けようとする動きが見られる動きがある一方で、チャンスロスや見栄えといった要素が重要となる外食や中食向けの商品は微増となった。
 国民1人当たりの食品ロス量は1日約114gで茶碗約1杯のご飯の量に近い量となり、年間では1人当たりの米の消費量(約51㎏)に近い約42㎏になる。
 世界を見ると食料は十分に生産されているが、地域別に見ると食料が不足している地域も存在し、全人口の10人に1人は栄養不足とされている。食料価格の高騰、貧困、飢餓とより深刻な食料不足を引き起こす可能性もあり、食品ロスを減らす意識を1人1人が持つことが重要だ。
 漬物の素の代表格である「ぬか床」が家庭における食料ロス削減の救世主となる。余って冷蔵庫にしまっておいた野菜の存在を忘れていたり、利用する機会がなかった等の理由でそのまま使わずに捨てる、というケースはどこの家庭でもあることだ。だが、野菜を入れるだけでぬか漬を作ることができる「ぬか床」があれば、余った野菜も捨てることなく食べることができる。
 栄養も豊富に摂れる。「ぬか床」で野菜を漬けたぬか漬には、野菜そのものの栄養素に加え、植物性乳酸菌、ビタミンB群、ビタミンE、γ‐オリザノール、フェルラ酸、イノシトールの栄養成分が含まれており、免疫力アップ、腸内環境改善、抗酸化作用、抗ガン作用、動脈硬化予防などの効果が期待される。また、発酵作用によって生野菜よりも保存期間が長くなることも魅力で、余った野菜を美味しく無駄なく健康的に食べることができる。
 現在、販売されている主力商品は熟成済みでチャック開封式タイプが主流となっており、袋を開けて野菜を入れるだけで簡単にぬか漬を作ることができる。また、より簡便性に優れた粉末タイプや液体タイプの商品の他、利用する量を調整することができるチューブタイプなど、新しい商品も登場してすそ野を広げている。
 漬け床としても使用される酒粕は、1~4㎏詰めの野菜漬物用(踏込粕)は郊外スーパーや農産物直売所では販売しているものの、近年は減少傾向。代わりに増えてきているのが柔らかな吟醸酒粕や練り粕を、チューブ容器や使い切りの個包装に入れて、少量ずつ使えるよう工夫した商品。野菜、肉、魚の粕漬や、甘酒、お菓子やソースの隠し味といった用途で利用されている。
 日本酒の副産物である酒粕はペプチドや食物繊維、ビタミンB群などの栄養の他、麹菌や酵母を豊富に含んだ発酵食品。用途の拡大に向けて様々な提案がされており、漬け床としての価値も再発見されることに期待がかかる。
 近年は塩こうじや甘酒など、漬物の素としても利用されるこうじから作った発酵食品がブームになっている。1月3日放送の「マツコの知らない世界・おはぎの世界」(TBS系)でビキニフィットネスの女王こと、安井友梨さんが筋トレの効果を高める食べ物として「発酵あんこ」を使用したおはぎを食べていると紹介。こうじの力で小豆のでんぷん質を糖化させた砂糖不使用で罪悪感なく食べられる「あんこ」として話題を呼んだ。
 漬物の素の利用は農林水産省が健康維持のために推奨する野菜摂取の有効な手段の一つで、豊かな食生活に貢献することができる。食品ロス削減、健康機能性、野菜摂取など、多くの魅力を持つ漬物の素を広く深く紹介する。
【2024(令和6)年2月1日第5152号1面】

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つけもと

春を呼ぶ商材特集 「桜花漬」稀少な存在

桜の花を塩漬した「桜花漬」
 桜の花を塩漬にした「桜花漬」は、春を想起させる代表的な商品として重宝されている。年明けから春にかけて出荷されることが多く、現在は最需要期となっている。
 春向け商品の素材として利用され、季節の売場に欠かせない存在となっている「桜花漬」だが、近年はその需給バランスが崩れつつある。
 コロナ禍では祝い事や人が集まることが自粛されていたこともあり、華やかなイメージがある「桜花漬」の需要も減少。
 そのため、高齢化や後継者不足といった課題を抱える生産者は規模を縮小するなど、収穫量の減少につながった。
 原料の確保が難しい状況となる中、需要は増加している。昨年5月、コロナが5類に移行し、観光地にも人手と賑わいが戻り、「桜花漬」の動きもさることながら「桜花漬」を素材とした商品開発を目指す企業から問い合わせが増加している。
 だが、各社では新規で供給する余力はなく、今後も生産量が増える見通しはないことから、チャンスロスとなっている。外国人観光客からの人気も高い「桜花漬」は、以前よりも希少な存在となっている。
 また、白身魚の身をほぐして煎りあげ薄紅色に色付けした「桜でんぶ」も春を想起させる商材。ちらし寿司や巻き寿司の具材として欠かせない一品であり、恵方巻の定番具材としてもお馴染だ。 
 節分の恵方巻はコロナ禍を経て、家族揃って楽しめるイベントとしてさらにその人気が高まっており、今年も「桜でんぶ」の需要の高まりが期待される。
【2024(令和6)年1月21日第5151号1面】

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愛知いわし特集 広がる「節分いわし」

柊鰯(ひいらぎいわし)
「鬼滅の刃」で今年も注目 
 本年も「節分の日」が近づいてきた。節分に食べる食材といえば「豆」や「恵方巻」が一般的だが、節分に「いわし」を食べる“節分いわし”の風習も根強く残っている。
 主に関西方面では、この季節、節分に向けていわし製品の需要が伸びるが、近年、関東方面でも広がりをみせている。古来より、鬼の嫌いなものは「鰯(いわし)の頭」の匂いと「痛い柊(ひいらぎ)のトゲ」とされ、いわしの頭を焼いて柊の枝に刺し、厄除けのため家の戸口に置いて鬼の侵入を防ぐという「柊鰯(ひいらぎいわし」の風習があり、それに因んでいわしを食べるようになったといわれる。
 節分イベントを後押ししているのが、アニメ『鬼滅の刃』のヒット。今年も節分に合わせて、映画「ワールドツアー上映『鬼滅の刃』絆の奇跡、そして柱稽古へ」が世界各国の映画館で2月2日よりスタートする。
 今春にはテレビアニメ「鬼滅の刃 柱稽古編」の放送が予定されており注目が集まる。愛知県の佃煮メーカーでは、いわし製品を製造するメーカーが数多く存在、「いわし甘露煮」「いわし生姜煮」「明太いわし」「梅いわし」「いわし味噌煮」など各社がこだわりのラインナップを展開している。
【2024(令和6)年1月11日第5180号13面】

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