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「梅」関連情報

 

2019年3月11日号「紀州梅まつり特集」

2019年3月11日号「紀州梅まつり特集」
 
みなべ町の梅林
昨年豊作も原料不足 梅干の販促が早々にスタート
 
昨年産(2018年産)は豊作となり特需に沸いた紀州梅産地だが、2019年3月現在は原料不足という大きな課題を抱える事態となっている。

昨年の梅は花付きも良く、その後の天候も生育に適したものとなり、収穫量は平成で2番目に多い7万3200tを記録。平年比(過去10年平均=約6万5000t)と比べても1割以上の増加となった。平成28年、平成29年は2年連続の不作だったため、産地にとっても〝恵みの梅〟となった。
4年ぶりの豊作となった産地だったが、7月に入ると新たな課題が浮上。同月3日にTBS系の「林修の今でしょ!講座」で約1時間に渡って梅干の健康機能性が紹介され、大きな反響を呼んだ。小売店では放送翌日から梅干が爆発的に売れる流れとなり、7月は前年比で2倍の伸びとなった。近年稀に見る梅干の特需は猛暑が長く続いたこともあり、9月いっぱいまで続いた。欠品も相次いで発生する状況となり、各メーカーでは大幅な出荷調整を余儀なくされた。10月以降、全体的に需要の波は落ち着いたものの、年が明けても2桁増を維持している。
産地では原料を確保するために梅の漬け込み、干す作業を前倒しで進めて対応。持越し在庫が少ない中、原料は例年より約2カ月分前倒しで使用された。また、各メーカーでは連日の残業、お盆休みを含め休日を返上するなどして商品を製造。和歌山でも人手の確保は大きな課題となっているだけに、商品の供給については困難を極めた。
 
今の時期には少ない干し作業(田辺市)
年が明け、平成30年産の原料で本格的に商品の製造に入る時期を迎えたが原料が入ってこないため、各メーカーでは出荷調整をせざるを得ない状況となっている。原料不足の主な要因は2つ考えられ、一つは昨年9月に台風が3度襲来して秋に干す作業ができなかったこと。もう一つはその台風による塩害などの被害があったため、産地全体に「今年は不作になる」という空気が浸透し、梅の塩漬から干す作業までを行う農家が原料価格の上昇を見込んで原料を抱えている、という動きだ。
農家やブローカーがどれだけの原料を抱えているのかは不明だが、昨夏の塩の販売量(1万2670t)から計算すると、300万樽~310万樽は漬け込まれたことになる。例年より2カ月分前倒しで使用されたとしても枯渇するような量ではない。
近年、原料の安定確保を目的にメーカーが梅を漬ける〝メーカー漬〟の量が増加。全体の3分の1から4分の1はある、とされており、農家から購入できる原料は減少傾向にあることは確かだが、それらを差し引いても塩漬された梅は相当量が眠っていると見られ、一日も早い原料入荷が待ち望まれている。冬は干す作業に日数がかかるため、2月下旬も干す作業を行っている動きはほぼ見られなかった。3月に入り、暖かくなってきてから行われる春干しに期待が集まっている。
 
今年の花付きについては、例年より約1週間早い2月上旬から開花し、2月いっぱいまで咲いていた。例年と違う点は開花期間が長かったことと山の方が早く咲いて沿岸部の方が遅かったこと。花付きは昨年ほどではないものの、平年並み。2月中旬から下旬は暖かい日が続き、ミツバチも良く飛んでいた。今年の作柄を現時点で予測することは難しいが、今後の天候が良ければ「平年作よりやや少なめか平年作」と見るメーカーが大半を占めた。
 
日本と同様に昨年の作柄が良好だった中国も今年の花付きは「昨年ほどではないが、平年より悪いわけではない」(梅メーカー社長)という。現在の売場では昨年の夏・秋と比べると、中国産原料を使用した商品の割合が増えている。原料価格は高止まりしているが、国産よりは価格面で優位性があることもあり、販売は好調となっている。

今年の作柄もさることながら、梅干には大きな期待が寄せられている。昨年の漬物売場をけん引したのは、梅干、キムチ、麹・甘酒。今夏も前年の数字を追いかけるために必要不可欠な存在となっている。昨年はテレビ放映+猛暑という強力な後押しがあったが、今年もそのような追い風が吹く保証はない。そのため、小売店では梅干の販促を早める動きもあり、売場も広がる見通しだ。直近では原料不足という課題を抱えているが、紀州梅産地は夏本番に向けて早くも動き出している。
 
 

 
新しい味の梅干・梅関連製品売場提案
スポット・定番の棚割りイメージ
   
2月11日 みなべ町で梅まつり
咲き誇る梅林
恵みをもたらすブランド梅 先人の業績讃える慰霊祭
 
梅の里観梅協会(片山清範会長、和歌山県日高郡みなべ町)が主催する「第54回梅まつり並びに内中源蔵翁頌徳慰霊祭」は2019(平成31)年2月11日、みなべ町晩稲香雲丘の小殿神社にて営まれた。
梅の生産者をはじめ農協、加工業者、行政など関係者約70名が参列し、先人の業績を讃えるとともに感謝を捧げた。
内中源蔵翁とは明治の頃からこの地に梅畑を開いて、今日の梅産業の発展の礎を築いた人物である。毎年2月11日に、その遺徳を讃え梅まつりが開催されている。
 
梅料理の屋台
翁が開いた梅林は、多くの人々がその遺志を継ぎ、今や名実ともに日本最大に成長し「一目百万 香り十里」と称されるまでになった。2月から3月の梅の開花時期には梅林が一般開放され、国内外から多数の観光客が訪れる。
この地の梅林の特徴は何と言っても、その殆どが食用種である点だ。開園期間中には、紀州産梅を利用した料理を屋台で味わえたり、「梅の種飛ばし大会」などイベントが開かれる。
仁坂県知事や小谷みなべ町長らが「当地域の基幹産業」と話す通り、紀州梅干は全国で知られるブランド梅干として無くてはならない存在となっている。毎年発表される経済産業省の工業統計調査において、和歌山県は不動の1位であることからも、紀州産梅干の市場価値の高さが伺える。
「第54回梅まつり並びに内中源蔵翁頌徳慰霊祭」では、このように観光・食品の両面から恵みをもたらす梅と先人たちへ、改めて感謝の心を思い出す機会となった。
 
みなべ町長・小谷芳正氏
小谷町長
健康機能性をPR
内中源蔵翁の頌徳慰霊祭が毎年、このように盛大に行われることをお慶び申し上げる。
みなべ町、田辺市の経済の中心は梅にあると考えている。町としても紀州梅のPRに全力を尽くしており、最近は健康機能性の面を重視している。ピロリ菌やインフルエンザの予防といった健康効果に加え、アンチエイジングやしわ、たるみの防止など美容にも効果があると分かってきた。
近年は平均寿命だけでなく健康寿命を重視する動きが広まっているが、みなべ町は既にピンピンコロリの町として知られる。梅をよく食べることが貢献しているようだ。
今後も梅産業を発展させていくために大切なのは、消費拡大と同時に生産を拡大させていくこと。片山会長の言う通り、農業の担い手不足が問題となっているが、農家所得を向上させ、後継者が増えるよう町の立場から後押ししたい。
 
和歌山県知事・仁坂吉伸氏
仁坂知事
感謝の心忘れずに
梅ブームとも言える状況で、需要が増えている。昨年は猛暑の影響もあり、特に関心が集まった。梅自体が持つ魅力に加え、生産農家の皆様が一生懸命作って、加工業者の皆様が研究を重ねて新商品を開発しながら、販売促進活動に勤しんできた結果だと思う。
我々行政も、梅は県の基幹産業と考えておりPRに力を入れている。最近は梅の需要層の広がりや健康性の周知といった面で効果を実感している。引き続き協力していきたい。
梅の機能性については、和歌山県立医科大学の宇都宮洋才先生がテレビ番組等でPRしてくれていることも大いに後押しとなっている。先生の研究成果とPRへの協力に対して、感謝しなければいけない。
そして、こうした慰霊祭が54回にもわたり継続されていることについて、敬意を表したい。感謝の心を忘れずにいることが、頑張る気持ちや物づくりに妥協しない姿勢へ繋がっているのだと思う。是非、続けてほしい。
今後も関連する全員が協力しながら感謝の心を忘れずに梅産業の発展へ向け努力していこう。
 
梅の里観梅協会・片山清範会長
片山観梅協会会長
梅産業発展に貢献
内中源蔵翁は、貧村であったこの地域を開墾し当地域が日本一の梅産地となる礎を築き上げた。前例の無い事業を推し進める不安と苦労は私達には計り知れないほど大きなものだったと思う。
幾多の苦難を乗り越え、この偉業を成し遂げたことに今更ながら感謝申し上げる。
その後、私たちの先輩方が翁の意志を受け継ぎ、南高梅という優良品種を生み、全国一の生産量と品質となるまで発展させた。
現在では梅は梅干に限らず飲料や調味料、サプリメントと広く利用され、梅が新しい素材として認知されるようになった。健康効果も科学的に解明され、日本のソウルフードから世界的な食材へと羽ばたこうとしている。
一方で少子化による働き手、担い手の不足は深刻だ。みなべ・田辺の梅システムは世界農業遺産に認定されたが、梅産業はもとより、里山が育むすべての命の繋がりが評価された。そこに暮らす我々は誇りと自覚をもってこの文化を次世代に残し、発展させるよう努力していく。
近年ではこの地域にもたくさんの観光客がお越しになり、訪日外国人も増えてきた。当協会も産地のPRと梅産業の発展のために少しでも貢献できるよう努力する。
 
【紀州梅まつり特集・2019(平成31)年3月11日第4970号】
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