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ぬか・漬物の素 業界活動 2020

2月24日号 全国ぬかづけのもと工業会

向井珍味堂で総会
ぬかの品質向上目指す  東西工業会合併も議題に
 
【大阪支社】全国ぬかづけのもと工業会(細田幸治会長)が17日、向井珍味堂(大阪市)本社にて令和2年度総会を開催した。東日本の企業が主に加盟する日本いりぬか工業会(甲斐義人会長)との合併に関する意見交換や業界全体の品質向上、PRといった課題につき意見を交わした。
総会開催に際し細田会長は「昨年の総会の頃は、2020年は東京五輪で明るい年になると想像していたが、実際は消費増税、政情不安定、感染症拡大と不安要素が多い。工業会として対応策を打ち出していきたい」と挨拶した。また来賓の甲斐会長は「両会間でこうして行き来できるようになったのは進歩。情報交換を強化していきぬか漬文化を継承していきたい」と述べた。
議案に移ると昨年度の事業報告・収支決算は異議なく承認。本年度の事業計画・予算では議論が交わされた。日本いりぬか工業会との合併については賛成が多く、両会での協議を検討することが可決された。
またぬかの品質向上についてはHACCP手引書の作成を含めた、業界標準の制定を目指したいと意見が上がった。工業会員はぬかづけの素だけでなく漬物や他の粉体商品を製造している企業が多く、さらなる品質向上の余地は十分に残されているとの認識だ。
PRについては、ぬか漬の作り方、ぬか床の管理の発信は順調に進んでいることから、子供を対象とした食育や、胡瓜や茄子以外の素材でも漬けられることを積極的に発信したいとの意見があった。
その後は各社の情報交換があり、ぬか漬は夏以外でも売れる商材となっていること、米が余剰気味でぬかの価格にも影響が出る予測があること、ぬかを素材にした菓子・飲料が増えていることなどをそれぞれ発表した。
【2020(令和2)年2月24日第5012号2面】
 
全国ぬかづけのもと工業会 http://www.nukaduke-kogyo.com/

2月24日号 漬物情報局(メディア情報)

ぬかに漬けて作る樽の味の「いなか漬」
ぬか漬け女子・男子増加中  NHKに樽の味が出演
 
13日に放映されたNHK総合「所さん!大変ですよ」ではぬか床・ぬか漬がテーマとなった。従来は年配層がメインユーザーであったぬか漬が、近年は若い女性に大人気となっており、中にはぬか床に名前を付ける人もいることを紹介した。人気の理由は、ぬかは日々変化し続け、世話をすれば美味しくなって恩返しをしてくれる家族のような存在となりうること、伝統的なものや自然なものを見直す風潮が高まっていること、という分析が紹介された。
また番組では有限会社樽の味(和歌山県)社長で、現在は全国ぬかづけのもと工業会会長も務める細田幸治氏が出演した。同社では干し大根をぬかに数カ月漬け込む伝統的なたくあん「いなか漬」を作っているが、そのぬかはかつて、産業廃棄物として処理していたと細田社長は回想する。
しかし処理費用や発酵臭に悩んでいるときに、愛犬がぬかを食べる姿を見て、ぬか漬の素として販売することを考案、いまでは年間1億円以上の売上を誇る人気商品となっていると話した。放送後はネット注文が急増しているのはもちろん、量販店での販売も増加しているとのことだ。
「所さん!大変ですよ」では若い女性に焦点が当てられたが、男性のぬか漬ファンも増加中だ。〝ぬか漬け男子〟の仲間を増やそうと日々更新されているブログが「ぬかパパの『ぬか床に恋して』」。うどんやパン、バナナ等、様々な意外な素材をぬか漬けにして紹介している。
ユーザー拡大に加え、ぬか漬市場の最近の動向として目立つのが、以前の夏商材の立ち位置を脱し、オールシーズンで売れる商材となりつつあること。ぬか漬はこれまでキュウリやナスといった野菜が豊富かつ発酵の進みやすい夏の利用が多かった。
しかし近年は環境変化に伴い野菜はいつでも買いやすくなっているのに加え、「ぬかパパ」が紹介するバナナや、チーズ等のように様々な素材がぬか漬に合うことが認知されるようになった。また共働きの増加により、冷蔵庫でゆっくり発酵させる方が生活リズムに合うケースも増えているようだ。冷蔵庫での管理を前提とした商品も増えており、今後の動向に注目だ。
【2020(令和2)年2月24日第5012号2面】
 
有限会社樽の味 https://www.tarunoaji.com/

1月27日号(漬物の素特集)全国ぬかづけのもと工業会

細田会長
【大阪支社】全国ぬかづけのもと工業会が、大寒の日を「ぬか床の日」と制定してから、今年で5年目となる。古来よりぬか床は寒い時期に仕込むと美味しくなると言われており、大寒の日から立春の前日(節分)までが最も適したシーズンとされている。
同工業会はこれまで、ぬか漬のPR活動を行ってきた。近年は東日本の業者が加盟する日本いりぬか工業会と合同で展示会への出展やPR動画の制作、また発酵への理解を深めるための研修会などを積極的に行っている。
こうした活動は徐々に成果を上げている。キュウリ、ナス、ダイコン、カブなど、定番の食材以外を漬ける家庭が増えており、それによりハイシーズンであった夏に限らず、年間を通して利用される商材に成長してきている。
最近では、利用者層も拡大しており、以前は高齢・女性がメインであったが、若年・男性でもぬか漬作りを始める人は増えている。SNS上では「ぬか漬男子」といったワードも現れ、さらなる市場拡大に期待が高まる。
大寒の日は「ぬか床の日」。西日本の企業を主体として組織された全国ぬかづけのもと工業会(細田幸治会長)が平成27年、古来より大寒の寒い時期に「ぬか床」を作ると良いぬか床が出来るとされることから、暦の上の「大寒」(1月20日頃)を記念日として制定。米ぬかを発酵させて作るぬか床の品質向上と普及、ぬか漬の需要拡大を目指している。
全国ぬかづけのもと工業会は昨年10月、東日本を中心に活動する日本いりぬか工業会(甲斐義人会長)との合同企画で新潟県魚沼市の甘酒工場見学及び情報交換会を実施。需要拡大やPR活動について発展的な意見を交わした。両工業会の取組みは少しずつ実を結び始めており、「癒し」や「育てる」をコンセプトにぬか漬に熱中する「ぬか漬男子」が増加している。
近年、「ぬか漬」が注目されるようになった理由は、女優や俳優が美容と健康を目的にぬか漬を作り、SNSで発信したこと。それを機に若い女性だけではなく、男性にもその勢いが飛び火し、ぬか床を預かって管理するサービス業も生まれている。また、消費者がチーズや卵など、野菜以外の素材を漬けることにチャレンジし、SNSを通じて「ぬか漬自慢」が広く発信されていることで、「楽しむ」という要素もプラス。350gという小世帯、ぬか漬初心者向けの商品は着実に出荷数を伸ばすなど、ぬか漬ユーザーがじわじわと増えている。
野菜価格が安定しているため、ぬか床をはじめ、漬物の素製品にとっては拡売のチャンスも広がっている。
【2020(令和2)年1月27日第5009号1面】
 
全国ぬかづけのもと工業会 http://www.nukaduke-kogyo.com/
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