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Web展示会 生き生き漬物by飛騨あさひ「菊芋漬」

 「飛騨高山」の呼称で親しまれる岐阜県高山市。日本最大の面積を有する市であり、森林率は92%と手つかずの自然を残し、農業や林業が主産業となっている。
 この高山市への移住を推進してきた合歓木(ねむのき)ふれあい住宅株式会社(岩田耕治郎社長、高山市朝日町)は、同地での雇用創出を目的として農業や漬物製造を2年前からスタートさせた。現在、自社農場は3町歩(約100a)にまで広げている。屋号は「生き生き漬物by飛騨あさひ」だ。

自社農場の「菊芋」を漬物に

 看板商品となっているのが「菊芋漬(みそ/しょうゆ/しそ)」だ。
 菊芋の風味はゴボウなどにも似た”土臭さ”が程よくある。この菊芋を、高山の漬物名人「たあちゃん」直伝の自家製調味液で漬け込むことで、どこか懐かしさを感じさせる優しい美味しさを生み出している。 カリコリッとした独特の歯切れ良さが楽しい漬物だ。
手作業で収穫
栽培は順調 厳寒の飛騨高山の食を支えた菊芋 
 製造の手間の一方で、菊芋の栽培は事業スタート以来順調だ。海抜約1000mで非常に寒く、雪の多い飛騨高山でも、生命力が強い菊芋は元気に成長する。11月に収穫のピークを迎えるが、雪の下でも耐えて冬を越してから収穫することもできる。気象変動に強く、連作も可能。
 飛騨の名物の一つに、赤かぶらと菊芋を一緒に漬ける「しな漬」がある。山深いこの地において菊芋が重宝されてきた証拠だ。
収穫した菊芋
”土臭さ”が魅力 注目成分「イヌリン」豊富な菊芋
 菊芋はキク科植物の塊茎で、他のイモ類とは違いデンプンをほとんど含まず「イヌリン」という食物繊維が主成分となっている。これが、カリコリッとした食感の秘密。
 風味はゴボウなどにも似た”土臭さ”が程よくある。この菊芋を、高山の漬物名人「たあちゃん」直伝の自家製調味液で漬け込むことで、どこか懐かしさを感じさせる優しい美味しさを生み出している。
ゴツゴツした菊芋をスライス
飛騨の山水で5日間アク抜き 手でスライス
 製法は、非常に手間隙のかかったもの。収穫から5日間は流水に晒してアク抜きをする。飛騨の清浄で菌のいない山水を引いているため、自然に負担はかけていない。また形がゴツゴツとしていびつなため、スライスは全て手作業で行っている。

自然あふれる飛騨で漬物作り

小林さん㊧と木村さん
看板も手作り
赤かぶも漬物に
「生き生き漬物by飛騨あさひ」のある飛騨市朝日町周辺では高齢化・人口減少が進んでいるため、その耕作放棄地を買い取り農業を拡大している。菊芋以外では赤かぶ、白かぶや大根を栽培しており、青果としての出荷も広げている。

目標は朝日町を再び、人が集まる場所へと甦らせること。営業部の木村さんは、以前は東京や大阪の会社に勤めていたが、飛騨の自然に惹かれて移住を決意した。地方移住において重要な問題となるのが、安心して働ける場所があること。その先陣を切るべく、自ら農業に取り組み、オリジナルの漬物を県外にも販売していく「地産他消」を実践していく。


【2023(令和5)年2月11日第5119号8面】

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