
山東省産生姜を栽培・加工・輸入と一貫管理
株式会社日本東泉(李忠儒社長、大阪市住之江区)は、代表製品『東泉ホワイトガリ』(極若・早掘・無漂白のガリ)をはじめ、各種の生姜漬やにんにく漬等を扱う。
また原料供給にも対応する。塩蔵、冷凍品まであらゆる形態での提供が可能で、漬物・惣菜・冷凍品などの食品メーカーを支える。
生姜の最大産地・中国山東省の自社工場「龍口東寶(ドンパオ)食品有限公司」では自社農場と契約農場を有しており、その漬け込み能力は5万200tもの量に及ぶ。ISO、HACCP導入、グローバルGAP、FSSC22000取得などの品質管理基準を備えて安全・安心への信頼は高く、世界30の国と地域に様々な製品を供給している。
取り扱い商品

代表商品『ホワイトガリ』
代表商品の『ホワイトガリ』は、色は白く柔らかで、シャキシャキした食感と程よい辛さが楽しめる最高級の甘酢生姜である。
原料となる生姜は、同社が品質改良を重ね、その栽培過程、土づくり、堆肥成分にまで緻密な研究を重ね生まれたもの。この生姜を極若早掘りで収穫し、細心の気配りをもって漬け込んでいる。
産地に工場を構え、自社農場・契約農場で徹底した管理を行っているから出来る、同社だけのオリジナルガリとなっている。
平成27年にはホワイトガリの開発により「知的創造の振興に深く関わり指導教育に尽くした」功績が認められ 、「東久邇宮記念賞」(三大宮様賞の一つで大衆ノーベル賞とも呼ばれる)を受賞した。
塩蔵・冷凍原料供給にも対応
同社は漬物(最終製品)だけでなく、生姜、にんにく、唐辛子などの野菜を塩蔵・冷凍にて原料供給も行っている。
自社農場・契約農場で畑の土作りから徹底的に管理しているため残留農薬等の心配がない安全・安心な野菜を提供している。
山東省 生姜最新情報
【2021年11月】
山東省では生姜の収穫状況は良好だった。原料価格は昨年と比べわずかに下落も見られたが高止まりと言える状態。また電力不足や、調味料や海上運賃等の急激な高騰が加工コスト押し上げる状況となっている。
今シーズンの収穫は、ガリ用生姜の高値安定でスタートした。昨年からフレッシュ生姜が高騰しているため農家の漬け込み意欲が低かったため、原料価格は昨年並からわずかに下がる程度に留まった。
刻み用生姜やフレッシュ生姜は豊作だった。さらに南アジア、西アジアのスパイスメーカーの注文が入らなかったこともあり、農家に在庫を捌こうとする機運が高まり流通量が増え、原料価格は昨年よりは下がったものの、高止まりと言える状態が続いている。
李社長は「当社は自社農場や契約農場で生姜の安定確保に力を入れてきたが、電力や海上運賃、為替などは手の及ばぬ所。同業の皆様も同じ状況だと思うので、まずは品質維持を第一に考えて対応を考える」としている。

【2020年11月】
今年の山東省産生姜は順調な生育状況となっている。作付面積も昨年より10~15%増加している。
ただ順調な作柄とは対象的に、価格は高騰気味。特に漬物用の塩蔵生姜は30%以上も値上がりしている。世界中からオーダーの入る山東省では、諸外国の人口増や経済発展などを背景に生鮮生姜の需要が急増しているためだ。現地農家にとって漬物用に若掘りするよりも、生鮮の時期を待ったほうが良いとの判断があり、漬け込み量は大幅に減少。
価格高騰にも繋がっており、日本の生姜漬メーカーは製品価格への転嫁も視野に入れる。
そんな中、李社長は「原料卸である当社にとって、安定供給は大前提」と話し、自社栽培・契約栽培に力を入れてきた強みを活かした原料確保へ向け、動いている。
同社は塩蔵原料だけでなく、冷凍原料も扱っていることから惣菜や冷凍品メーカーへの導入実績も増えている。市場価格が高騰する中、同社の存在感はますます高まりそうだ。
安全・安心の追求

同社は安心・安全な食品を届けるため、厳しい基準と管理のもと生産している。
国際標準の認証を多数取得していることからも、その真摯な取組が窺える。
<取得認証一覧>
・ISO9001
・HACCP
・GLOBAL GAP(EU適正農業規範)
・緑色食品A級取得
・中国緑色食品発展中心認証取得
・FSSC22000
山東省自社工場について

安全・安心の自社工場
同社の特徴は、山東省に自社工場をもち徹底したこだわりの品質で生姜製品を製造していること。2000年には中国の漬物メーカーでは初めて、全生姜業界でも2番目に国際標準化機構よりISO 9002(現在のISO 9001)を取得。さらに2018年にはFSSC22000取得と、設備投資には日本の技術を積極的に取り入れ、国際レベルを保持している。
また原料は、残留農薬などの問題を抱える中国の土壌でも安心して食すことのできる農産物が得られるよう、中国農林部(日本の農林水産省、農林省にあたる機関)が特栽認定する緑色食品A級に指定された自社管理農場で栽培している。1999年にはトレーサビリティを開始し、2003年に緑色食品A級を取得、現在も維持している。
企業情報
会社名 | 株式会社日本東泉 (JAPAN TOSEN CO.,LTD.) |
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代表者 | 代表取締役 李 忠儒 |
所在地 | 〒559-0017 大阪市住之江区中加賀屋2丁目10-15 |
連絡先 | TEL.06-6682-2627(代) FAX.06-6682-2625 |
ホームページ | http://lisgroup.jp/ja/ |
メールアドレス | japanli@japantosen.jp |
事業内容 | 食品の製造輸出入 貿易卸売業 |
取扱商品 | 甘酢ガリ、紅生姜、生姜類全般、お漬物、韓国惣菜、農産原料、にんにく等の生鮮・塩蔵・冷凍品 |
【紙面アーカイブ】2021年9月1日号 トップに聞く
株式会社日本東泉 社長 李忠儒氏
(小林悟空)
◇ ◇
‐現在の中国産生姜の作柄について。
「山東省では作付面積が1割ほど増加した。作柄も良好で豊作傾向と見ていたのだが、8月25日の暴風雨で冠水した畑も出たので、影響を調査中だ。それ以前は、夜に雨が降り、日中は晴れるという気候が続いたため病気も発生しておらず、昨年より早い8月20日頃からガリ用生姜の収穫が始まっていた。9月中旬頃にまとまった量が出てきて、価格交渉も本格化してくる」
「豊作であったとしても、昨年より安くなるということはないと見ている。原因の一つは青果用の価格が高止まりしていること。種の価格が3割程高かった。また生姜の収穫はガリ用からスタートし、ハーフ、刻み、青果用へと順次進むが、生産者が価格の高い青果用に残しておきたいと考えれば、加工用に出回る量は少なくなる。もう一つの原因が、在庫が不足しつつあること。新型コロナウイルスの影響で2~3月に止まっていた輸出が4月になり復活して以降、日本だけでなく世界中が本来以上の買い付けを行ったためだ」
「外出自粛で外食がしづらくなり塩蔵生姜の必要量も減るかと思われたが、実際には家庭での利用や持ち帰りが増えた。当社は塩蔵原料、完成品のほか冷凍品なども扱っており、そのトータルで見ると現在までの出荷はほぼ前年並みに戻った。中国南部やタイでは作付減となり、塩蔵生姜の不足、高騰が懸念されているが、当社は栽培から加工まで一貫している強みを活かして安定供給に全力を尽くしたい」
「当社の自社工場として1994年に設立し、自社農場と契約農場栽培の形をとって加工を行っている。一昨年にはお客様からの要望でFSSC22000を取得、倉庫も改築してタンクの数を増やしたため、漬け込み容量は5万tを超えた。衛生的で徹底的な管理のもと製造しているので、日本の方々にも安心して利用していただける」
「品種改良や土作りに研究を重ねた生姜を極若・早堀・無漂白で漬け込んだ。ほどよい辛さと、シャキシャキとしながらやわらかな食感が自慢のガリだ。料理を引き立てる名脇役として、活用いただきたい」