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特別会員 秋本食品(神奈川県)

漬物業界を代表するメーカーベンダー

本社・湘南工場

 

秋本食品株式会社(秋本大典社長、本社=神奈川県綾瀬市)は1933年、風光明媚な湘南の地で大根の品種改良から沢庵の製造をスタート。「本物の食の充実こそが、豊かな生活を営む基盤である」という創業以来変わらない想いで漬物を供給し、2018年に創業85周年を迎えた。

時代を越えても変わらない「食の伝統」と変化していくニーズに対応し新しい味を生み出す「技術の革新」。そして、それらを継承する「秋本の心」が信頼につながり、今日では漬物業界を代表するメーカーベンダーに成長した。

 

契約栽培農家は300カ所以上、物流センター取扱い機能は25万パック、得意先は120社を超えた。本社のある神奈川県を中心にスーパー、直売店、卸売市場、通信販売など、多方面に販売チャネルを持ち、「誰でも、どこでも、お求めいただける」というモットーを追求している。

 

看板商品

あとひきだいこん

あとひきだいこん

 

同社の看板商品は「あとひきだいこん」と「王道キムチ」。

発売から25年以上が経っているロングセラー商品「あとひきだいこん」は、独特のカリっポリっとした食感と、程よい甘さがあとを引く元祖糖しぼりだいこん。かつお節感をアップさせた合わせだしのうまさが特徴で、お年寄りから子供まで美味しく食べられる味に仕上げた。カットサイズも均一化し、粒ぞろいで食べやすくなっている。大根の浅漬売上No.1商品として広く認知されている。

 

 
王道キムチ

王道キムチ

 

発売15年目で重ねキムチ売上げNo.1の「王道キムチ」は、こだわりの製法と本格的な味で不動の人気を誇る。韓国伝統のポギキムチ製法を踏襲し、同社開発の独自重ね漬け製法により味にムラがない。白菜の葉一枚一枚にたっぷりヤンニョムを手塗した手間隙かけたこだわりのキムチとなっている。大根、人参、ニラ、玉ねぎ、ごま、オキアミ塩辛、唐辛子、にんにく、生姜を同社独自の配合により、キムチの味に深みを出している。

秋本食品の強み

2019年8月に竣工した東海工場

仕入れから販売まで一貫した自社管理体制

 

国産の原料野菜にこだわっている。仕入れから製造・物流・販売まで一貫した自社管理体制を敷き、コールドシステムや製造履歴管理など、様々な取り組みを行っている。また、業界屈指の物流・販売網を活かし、全国各地の商品を仕入れて供給。地域で愛されている特産品から季節感を活かした春夏秋冬の浅漬まで、全てのカテゴリーに精通し、多様なニーズにきめ細かく対応している。

昨年8月には静岡県磐田市に東海工場を竣工。これまで外部委託していた製造や物流機能を内製化し、出荷までを一貫して行っている。原料保管などの温度管理の他、最新鋭の異物除去洗浄ラインを導入するなど、HACCPに基づく衛生管理と品質管理で安心安全な商品作りを行っている。生産能力はこれまでの約2倍となる5000万円~6000万円(月間売上)で、主要取引先のイオングループをはじめ、東海地方の食品スーパーへ商品を供給している。

全国つけ物・惣菜展示見本市

第41回全国つけ物・惣菜展示見本市の会場

毎年6月に開催している全国つけ物・惣菜展示見本市は、バイヤーをはじめ、業界関係者ら1000人以上が来場。全国の新商品や自慢の逸品が一堂に会して活発な商談が行われる。昨年6月の第41回見本市では『新時代の漬物を創る流通の和』をテーマに、全国の有力メーカー61社が参集。秋冬の棚替えに向けた新商品や売れ筋商品のPRが行われた。現在、漬物に特化した展示会を開催しているのは同社を含めて2社のみで、その価値は年々高まっている。

同社はまだ見ぬ未知の美味しさを弛まぬ努力で模索し、食を通じて社会に貢献し続けることで多くの方に愛される100年企業を目指している。

企業情報

秋本大典社長/秋本善明専務

会社名秋本食品株式会社
本社

〒252-1123 神奈川県綾瀬市早川2696-11

TEL 0467-71-6001(代表) FAX 0467-71-6008

https://www.akimoto.co.jp/

支社東海支社
〒438-0051 静岡県磐田市上大之郷110番地
TEL 0538-39-7333(代表) FAX 0538-39-7322
創業1933年10月19日
資本金8,000万円
代表者
代表取締役社長 秋本大典
代表取締役専務 秋本善明
従業員数
393名
工場本社 湘南工場
藤沢工場
東海工場
事業所
<営業所>
藤沢出張所 / 南部出張所

<直営店店舗>
鎌倉あきもと 本店 / 鎌倉あきもと スカイツリータウン・ソラマチ
グループ会社
株式会社鎌倉あきもと
鎌倉あきもと 本店
〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町2-11-22
TEL&FAX:0467-22-0101
 
株式会社アキモ
〒321-0912 栃木県宇都宮市石井町2341
TEL:028-667-0545(代表) FAX:028-667-5749
その他女性活躍推進法

本社 地図

〒252-1123 神奈川県綾瀬市早川2696-11

紙面アーカイブ 『第42回全国漬物・惣菜展示見本市』(2022年6月14,15日開催)

会見に臨む首脳陣
3年ぶりに開催された展示会
秋本社長
秋本専務
菅野会長
片山副会長
3年ぶりに展示会開催
 値上げ公表で業界を先導

 秋本食品株式会社(秋本大典社長、神奈川県綾瀬市)は14日と15日、東京都大田区の東京流通センターにて『第42回全国漬物・惣菜展示見本市』(協賛‥秋本会)を開催。3年ぶりの開催となった展示会は『新たなる販売促進の出発』をテーマに、全国の有力メーカー58社が参集し、秋冬の棚替えに向けた新商品やリニューアル商品、売れ筋商品をPRした。
 規模をやや縮小しての開催となったが、展示会を開催できなかった3年の間にバイヤーが入れ替わった得意先も多く、丁寧な商品説明や専用容器を利用した試食など、リモートでは限界があった『対面』の利点を生かし、企業や商品の魅力を発信した。
 また、浅漬、キムチを主力とする同社では7月から9月にかけてNB商品、PB商品ともに値上げ(価格改定、量目調整)を実施することを公表。浅漬とキムチのカテゴリーでは競合大手に先行する形で、他業界と比べて値上げが遅れている漬物業界を先導する取組として、その動向が注目されている。
多くの来場者が訪れた
秋本食品の棚割り提案
漬物業界における価格改定の突破口に
〝失われた3年〟を取り戻す 「新たなる販売促進の出発」

 新型コロナウイルス感染症の拡大で生活様式や消費動向は大きく変化した。
 政府が目指すウィズコロナに向けて日本も動き出しているが、〝失われた3年〟を取り戻すことは容易なことではない。その間の商談はリモートが中心で、展示会を開催できなかった3年の間にバイヤーも入れ替わった。
 展示会の魅力は対面による丁寧な商品説明や試食、スケールメリットの訴求。あるバイヤーが会場に4時間滞在するなど、今後の消費動向が不透明となっている中、売れる商品を入念にチェックしていた。それらの流れは展示会が出展社及び来場者にとって、有効的かつ効率的に活用されていたことを示すものだった。
 14日の昼礼で挨拶を行った秋本社長は、「コロナが長引いて3年ぶりの展示会となる。秋本会会員、秋本食品にとって待ち遠しいことだった。この3年で得意先のバイヤーは8割入れ替わって、初めて来場される方もいる。来場人数は前回の8割くらいだが、主力のお客様は来られる。電気代、燃料、包装資材などの価格が上がっている他、円安の進行で海外原料を扱っているメーカーは負担が大きくなっている。各社においては売上が欲しい状況となっており、この展示会は最大の販売促進の場だと思う。是非、成功させて厳しい状況の中でも業績を上げていただきたい」と積極的なPRを呼び掛けた。
 菅野弘会長も「皆さんと顔を合わせて展示会を開催できることを楽しみにしていた。コロナの影響で環境が大きく変わり、資材や物流費などの高騰という問題もある。このような変化にしっかり対応していくことが重要で、展示会を各社の事業に生かしていただき、皆さんが秋本会に入っていて良かったと思っていただければ幸いだ」と成功を祈念した。
 展示会のテーマは「新たなる販売促進の出発」。秋本食品では、展示会を機にテーマに沿った形で業界の舵を大きく切ろうとしている。漬物業界で最大の課題となっているのが値上げ。原材料に加え、電気代、燃料、物流費、包装資材などの価格が上昇し、輸入原料や輸入製品については円安の進行で大幅なコストアップとなっている。
 2022年1月から食品関連の多くの品目で値上げが実施されているが、漬物業界は原料価格が大幅に上がった楽京など一部の輸入原料、輸入製品に留まっており、コスト増や円安の影響による価格転嫁が急務とされている。しかし、消費者の買い控えを懸念する小売店側は慎重な姿勢で、価格転嫁がスムーズに行われているとは言い難い状況だ。漬物の主力である国産原料の浅漬やキムチにおいては、価格転嫁の動きはまだ見られない。
 これらの状況を踏まえ、秋本食品では単純な値上げではなく、新しい提案や賞味期限延長などの「価値」を高めることで、価格改定を進めている。
 新商品の「王道キムチ大辛」は、大根の浅漬市場売上№1(同社調べ)の「あとひきだいこん」とともに主力商品の一つである「王道キムチ」が来年2月に発売20周年を迎えることを記念し、シリーズ商品として開発。現在の売場にはない辛口の重ね漬けキムチで、ブートジョロキアを使用することで強烈な辛味を実現。ただ辛いだけではなく、しっかりと旨味を感じられる味わいとなっている。また、「王道キムチ」はユーザーの声をもとに、パチッと閉まる再嵌合性の高い容器を採用し、リニューアルして展開する。
 同じく新商品の「ぬかごと食べられるぬか白菜」は、アップサイクル食品として注目を集める米ぬかに着目し、ぬかの栄養を余すことなく楽しめる新感覚の漬物として開発した。
 その他、フードロス対策として「オモニの極旨キムチ」の賞味期限を21日間から31日間、「秋のやわらか茄子」を9日間から14日間、「プチカップ浅漬白菜」を6日間から7日間、「長いも」製品2品を10日間から13日間に延長するなど、既存商品をブラッシュアップすることで価値を高めている。
 15日に開催された記者会見で、秋本社長は7月からNB商品、PB商品ともに値上げ(価格改定、量目調整)を実施することを公表。時期や内容については得意先によっても異なるが、7月から9月にかけて実施していく予定で、価格の上昇率は5~8%、量目調整は10%程度。ある漬物メーカーの社長が「秋本さんのような大手メーカーが値上げをすると、中小のメーカーが上げやすくなる」と話すように、漬物業界における価格改定の突破口として期待されている。
 片山吉朗副会長は15日の朝礼で、「チーム秋本のポテンシャルをバイヤーに伝えていただければ笑って展示会を終えることができると思う。皆さんの商品に価値があるのか、ということが大切で、インフレが進む中で商品の価値を伝えていくことが重要だ」と価値の訴求を強調した。
 15日の夕礼で挨拶を行った秋本善明専務は、「SDGsなどの要求が増えているが、それらに対応していかないと取り残される。商品の質を上げると同時にそれらのことも勉強していく必要がある。市場がシュリンクしている流れの中で、我々も変化に対応していかないと持続可能な業界にならない」と変化への対応を求め、閉会の言葉とした。
 また、展示会の会期中、ニューフェース紹介として、広域営業部一課課長代理の松岡充高氏、広域営業部二課マネージャーの板垣美奈氏、広域営業部二課の小島啓斗氏、東海支社営業部の橋本宗直氏、首都圏営業部二課主任の柳生健吾氏、首都圏営業部二課リーダーの大島悠氏、首都圏営業部二課リーダーの篠遥太氏が紹介された。
 展示会はコロナ対策として、入場時の体温チェック及び手指の消毒の他、来場者に消毒・マスクセットの使用を推奨した。会場の順路を一方通行にして人の交差を減らし、試食については専用容器に1種類ずつ入れて提供。各ブースでは密にならないよう1名での対応とするなど、徹底した対策が取られた。
紹介される営業担当者
営業のニューフェース
王道キムチ㊨と王道キムチ大辛
オモニの極旨キムチ
ぬかごと食べられるぬか白菜
秋冬おつけものコーナー
秋本社長(会見挨拶要旨)
 「3年ぶりに展示会を開催することができ、大きな期待を持っている。コロナの影響で来られない得意先も一部あるが、主力のお客様はほぼ来場していただいている。来場者は前回の8割程度。これだけのお客様に来場していただければ展示会が開催できない時を考えると大きな意義がある。全体的にはバイヤーも8割くらいが新任の方に代わった。我々としては1年先に自社商品や会員の商品を紹介できるのでアドバンテージになる。コロナ禍で多くのことができなかったが、できる販促もある。17年ぶりにテレビCMを放映してCM期間中は好調だった。その後は落ち着いてしまったが、コロナ禍で失った3年を取り返していかなければならない。商談はオンラインでやっていたが、試食していただけないことはマイナスだった。そのため、今回の展示会では専用カップを使用して試食を提供している。前期の売上は約130億円で、前期比97・6%だが、3年前との比較では105%くらいとなっている。コロナが発生して以来、弊社はスーパーとの取引が多いので売上が増えた。キムチは130%となり、浅漬も伸びた。だが、次の年に10%落ちてまた落ちた、という状況だ。外食や観光が減り、スーパーでの買い物が増えて我々の売上も上がったが、それが元に戻ってきている。鎌倉あきもとやソラマチ店は売上が3割に落ちたが、いまは7割まで戻っている。末端で売れるところが変わっているだけで、少しずつコロナ前に戻ってきている。価格改定については地元スーパーや大手量販店、ディスカウント店、ドラッグストアと、それぞれ状況が異なるので同じようにはいかない。量販店は3カ月前に案内しないといけないので、3月から値上げの準備を進めていた。自社製品は7月からお願いしているが、販促の区切りや得意先の締め日など多少のズレが生じる。量目調整も包材の関係があるため、9月からの準備を進めている」
  
秋本専務(15日夕礼挨拶要旨)
 「会場を回っていて多く寄せられたのが値上げの話だった。様々なコストが上がる中、得意先に理解していただくしかないとは思っているが、単純な値上げで売上が落ちてしまっては元も子もない。麺では値上げしたら売上が落ちたので販促をかけて値下げしているが、パンは値上げしても売り上げが落ちていない。つまり、パンは食べているということだ。本来であれば全ての商品の価格が上がることによって賃金が上がり、経済が成長するというシナリオが描かれているのだと思うが、現在の日本はそうなっていない。政策の影響もあるかもしれないが、我々にも責任の一端がある。漬物業界は付加価値生産性が上がっていない。豆腐や納豆など日配の中でも自動化が進んでいる業界もあるが、漬物業界は一歩も二歩も遅れている。少し前のことを思い起こせば、キムチ、こうじ、甘酒などがブームとなった。波を起こせば既存の商品でも売れる、ということ。つい先日には梅干にコロナウイルスの予防効果がある、という報道もあった。商品が変わらなくてもプロモーション次第で売れるようになる、ということだ。いぶりがっこはオシャレなカフェで出てくるようになるなど、全国展開されている。また、東京ソラマチには立ち喰い梅干し屋があって、流行っている。扱っている商品は同じだが、プロモーション次第で盛り上げることができている。この店を運営しているのはイベント会社で、業界は市場について勉強して盛り上げていく必要がある」
  
上山裕常務取締役営業本部長
 「一昨年、昨年と比べると浅漬とキムチの動きは良くない。そのため、市場では安売り競争になっている。弊社では付加価値を高めた商品を得意先に案内している。様々なコストが上がっている中で売価を上げたいところだが、小売店は手頃な価格帯でなければ売りたくないという意向が強い。だが、商品の付加価値やブランド力があれば消費者がそれを認めて希望する価格帯で売れるようになる。メーカーとしてはお客様が食べて美味しいと感じ、リピートするような商品を作らないといけない。浅漬は付加価値を付けにくい商材だが、今回の展示会で案内しているように賞味期限を延ばすことも価値になる。我々としてはそういった努力を今後も続けていく」
  
大塚藤男取締役首都圏営業部部長
 「新規の獲得が難しい状況で、得意先の売上を伸ばしていくことが重要だ。漬物についてもどれだけ需要を拡大、維持できるか、ということもあるので、今後も成長が見込まれる惣菜部門を強化していく必要がある。ディスカウントではないスーパーの売上は落ちてきており、既存商品だけではそこを伸ばしていくことは難しい。漬物や日配以外のバイヤーにも切り込んで販売網を広げていきたいと考えている」

近藤敦士取締役生産本部長
 「これまでと違う流れとしては、展示会が開催できなかった3年の間にバイヤーが入れ替わり、初めてバイヤーをやる、という方や日配はやったことがない、という方もいた。年齢的にも20代、30代と若い方が多かった。1人当たりの滞在時間も長く、3年ぶりの展示会ということもあってじっくり商品を見られていた。また、原材料については輸入物の価格が円安の影響で上がっており、国産と価格差がなくなってきているので海外産から国産に切り替えることも検討していく必要がある。価格転嫁は避けられない状況だが、それでも欲しい、売りたいという商品と市場を創出していかなければならない。購買の一番シンプルの動機となる『美味しさ』を追求していくことが重要だ」

【2022(令和4)年6月26日第5097号1、12面掲載】

【紙面アーカイブ】秋本会・秋本食品合同セミナー(2021年11月12日開催)

秋本社長
秋本専務
菅野会長
遠藤副会長
       宮尾氏
秋本食品株式会社(秋本大典社長、神奈川県綾瀬市)は11月12日、同社の取引先で組織され、会員相互の企業発展と親睦を目的とする秋本会(菅野弘会長)と合同セミナーをオンラインで開催。東京家政大学客員教授の宮尾茂雄氏を講師に招き、「発酵漬物の魅力と健康力」の演題で講演が行われた。同セミナーには全国の会員企業と報道を合わせて49社86名が聴講。コロナ禍で健康志向が高まる中、改めて漬物と健康の関連性に高い関心が寄せられていることが示された。セミナーは遠藤栄一副会長が司会進行を務め、宮尾氏は発酵漬物について、「乳酸発酵漬物は乳酸菌の宝庫で、植物由来の乳酸菌の大部分は漬物。植物由来の乳酸菌は酪農由来の乳酸菌よりも強く、生きて腸まで届くので様々な健康維持機能が期待できる」と健康効果を紹介した。秋本社長は「今年の秋は、台風が本州への上陸が無い年だったので、原料野菜は年末年始から春まで概ね豊作となり売上さえ作れば利益が出る年になっている。秋本会の皆様と社員の皆様が協力して年末年始と1月の展示会を乗り切り、お互いに収益が出るようにしていきたい」と一致団結を呼びかけた。
秋本善明専務は、「我々の業界はプロモーションがあまり上手くない。発酵食品である漬物をもっとPRして良いと思う」と健康面を訴求したPRの必要性を強調した。


開会の挨拶に立った菅野会長は、「本日は宮尾先生をお招きして発酵漬物の健康力や歴史のご講演をいただく。皆様にとって本日のセミナーが学びの場となり、各企業の発展につながることを祈念する」と述べた。講演に先立ってプロフィール紹介を行った宮尾氏は、一般社団法人全国漬物検査協会の事務所の一部分を借りて「宮尾漬物微生物研究所」を立ち上げたことを明かし、漬物の研究を継続していくことを公表した。世界には多くの発酵食品及び発酵漬物が存在する。日本にもすぐき漬、しば漬、高菜漬、赤かぶ漬、糠漬、すんき(漬)、野沢菜漬などがある。宮尾氏は全漬連が発酵漬物の認定基準を作成し、乳酸発酵漬物と発酵床熟成漬物の2つに分類したことを説明。「浅漬も塩漬するので発酵するが、乳酸菌の数が少ないので乳酸発酵漬物の基準は満たさない」と違いを強調した。世界の発酵漬物の歴史を解説した後、発酵漬物の健康力として5つの力を紹介。①豊富な食物繊維。②豊富なカリウム・ミネラル・ビタミン。③健康機能性を有するアブラナ科野菜。④GABA。⑤植物由来乳酸菌が豊富な発酵食品。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維は高血圧予防や脂質吸収抑制効果などがあり、不溶性食物繊維には便秘改善で大腸がん抑制、血糖値の上昇予防効果などがある。


宮尾氏は漬物に含まれる食物繊維について、「漬物は生野菜よりも食物繊維を効率的に摂取することができる。長寿県である長野県は塩分の摂取量が多いのだが、塩分を体外に排出するカリウムを含む野菜の摂取量も多い」と漬物からの塩分摂取は健康への影響が少ない可能性を指摘した。漬物の原料として多く使用されているアブラナ科野菜は、健康機能成分であるイソチオシアネートが含まれており、国立がん研究センターの多目的コホート研究でもアブラナ科野菜を摂取している男性は全死亡及び癌、女性は全死亡及び心疾患のリスクが低減していることを解説した。また、便通改善、免疫調節、感染防御、腸内フローラのバランス改善、発がんリスク低減などの健康機能が期待される植物(漬物)由来乳酸菌について、「乳酸発酵漬物は乳酸菌の宝庫で、植物由来の乳酸菌の大部分は漬物。植物由来の乳酸菌は酪農由来の乳酸菌よりも強く、生きて腸まで届くので様々な健康機能が期待できる」と強みを強調した。今後の乳酸発酵漬物の新たな取組として、「酸味が穏やかなで緑色が残る乳酸発酵漬物の開発」を推奨。その一つの手段として、「酪農乳酸菌は漬物用乳酸菌と比べて酸味が抑えられ、アミノ酸を多く含む漬物になる。長期の冷蔵保存時も総酸度の上昇が抑えられる」と乳酸低産生乳酸菌である酪農乳酸菌利用の可能性を示唆した。

◆秋本社長挨拶要旨
本日は、ご多忙な中を秋本会・秋本食品合同開催による東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄先生のセミナーに参加いただき、ありがとうございます。秋本会の行事は、コロナ感染蔓延により恒例の展示会が2年連続で中止になり、その他の行事も中止の連続だった。その中で、昨年4月14日に東京プリンスホテルにおいて、第50回の秋本会総会を開催する予定だった。前回の東京オリンピックは昭和39年に開催され、同じ年に開業した東京プリンスホテルで「秋本会50周年の記念講演」を宮尾先生にお願いしていた。それが、1年半後の本日、オンラインを含めたセミナーという形で実現した。本日は、秋本会から菅野会長と遠藤副会長に会場にお越しいただき、日本各地の会員企業44社がオンラインで受講する。秋本食品もこの会場と藤沢工場の会議室と東海支社の会議室がWEBでつながり参加する。また営業マンも各デスクのパソコンで受講し34名が受講するので、業界新聞社5社8名を含めると合計86名が聴講する。これだけ多くの方が参加するのは、宮尾先生の本日の演題「発酵漬物の魅力と健康力」が漬物業界の皆様の興味のある演題であり、そして宮尾先生の人気があるからだと思っている。コロナ感染の緊急事態宣言が全国的に解除されたため、このチャンスに秋本会の行事も大至急復活させている。来年1月26日、27日には東京流通センターで「春夏商品提案会」を「新たなる販売促進の出発」のテーマでコロナ感染防止対応をした展示会として開催する。今年の秋は、台風が本州への上陸が無い年だったので、原料野菜は年末年始から春まで概ね豊作となり売上さえ作れば利益が出る年になっている。秋本会の皆様と社員の皆様が協力して年末年始と1月の展示会を乗り切り、お互いに収益が出るようにしていきたい。

◆秋本専務挨拶要旨
コロナの発生から2年近くが経つ。その間、秋本食品と秋本会では行事を開催することができなかった。本日のセミナーは多くの方に参加いただき、喜ばしく思っている。コロナの第6波の到来が懸念されているが、この間に行事を行いたいということで来年1月26日と27日に春夏向けの提案会を開催する。また皆さんと直接お会いできることを心待ちにしている。本日の宮尾先生の講演にもあった『発酵』はプチブームとなっている。先日、発酵をテーマにしたカフェに行ってきた。米麹、酒粕、しば漬などが並び、発酵と健康を結び付けてPRしていた。我々の業界はプロモーションがあまり上手くない。発酵食品である漬物をもっとPRして良いと思う。ご講演をいただいた宮尾先生は全漬連と同じ事務所で漬物の研究を続けられるとのことでより身近な存在になったと感じている。今後も宮尾先生のご指導を仰いで発展していきたい。
【2021(令和3)年11月21日第5076号1、2面掲載】

【紙面アーカイブ】第51回秋本会総会(2021年4月16日開催)

秋本食品株式会社(秋本大典社長、本社=神奈川県綾瀬市)との取引先で組織され、会員相互の企業発展と親睦を目的とする秋本会(近清剛会長=株式会社三奥屋社長)は16日、オンライン形式で第51回総会を開催した。
役員改選で菅野弘副会長(すが野社長)が新会長、近清剛会長は相談役に就任。菅野新会長は第5代目会長。その他、梅澤敏晴会計理事(やまう会長)が退任し、伊藤征剛理事(信濃食品社長)が会計理事、新たに梅澤綱祐氏(やまう社長)が理事に就任した。
今年度の総会は、コロナ禍に対応してオンラインをベースに主催者や会長、副会長、監事ら役員を秋本食品本社会議室に招き、多くの会員にはパソコン上で参加できるようWeb会議ツール「ズーム」を活用する形で実施した。
新会長に就任した菅野氏(前列右から2人目)と会長を退任した近氏(前列右から3人目)を囲む秋本会役員
【2021(令和3)年4月21日第5055号1、3面掲載】
 
※記事の詳細は、↓下記よりPDFをダウンロードしてご覧いただけます。
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