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こんにゃく インタビュー

 

蒟蒻☆MEN

蒟蒻☆MEN
 
有限会社上野屋 代表取締役社長 佐々木 幸太郎氏
商品開発や海外展開盛ん
蒟蒻の新たな可能性探る
 
県内の貴重な水源地=櫛田川源流に程近い三重県中南部の松阪市飯高町。この地で昭和33年から蒟蒻の製造卸業を営む有限会社上野屋は、雄大な自然と清流に恵まれたこの地から、特色ある商品開発や果敢な海外展開を行っている。
昨年(2017年)代表取締役に就任した佐々木幸太郎氏は、販路開拓には高付加価値商品が必要、との観点から麺やスイーツなど多彩なジャンルの商品を生み出す。近年は地元の魅力を伝える商品作りにも着手するなど、取り組みを活発化する佐々木氏に話を聞いた。(門馬悠介)
◇ ◇
‐三代目として代表取締役就任後、気持ちの面での変化は。
「最も意識するのは危機感だ。私が家業に入った2002年前後、インターネットの普及や輸送手段の発達から県内経済が大きな転換を迎えた。県内メーカーは全国展開する大手メーカーとの競争を強いられることになり、それまでの県内市場のみを見据えた商売の難しさが表面化した。その流れが続く中、代表として会社を存続させるため、新たな商品開発、従来のお客様を大切にしながら県外の新たな販路をどう開拓するかを強く意識している」
 
‐商品開発に取り組むきっかけ。
「私が初めて開発に携わったのが、2008年の三重大学とコラボ商品だ。食感を生かしスライスした蒟蒻を炒め、お肉のように使える商品として販売した。試作や製造現場との調整、売価設定まで全て手探りの状態で、たくさんの失敗があり結果として販売数は思うように伸びなかったが、商品開発のプロセスを一貫して経験出来たことが大きな財産になった」
 
‐販路開拓の苦労。
「県外での販売は相対的に輸送コストが上がるため、それでも利益が出る、以前より売価の高い商品でなくては商売にならない。闇雲に利益を上げる訳ではなく、良いものを作り続けられる、設備投資やリスク管理を行える仕組みが必要だからだ。子供たちが工場見学に来た際、蒟蒻の値段には原材料・人件費・会社を継続させて行くための費用が含まれていると話すと、すんなり納得してもらえる。メーカー・流通・店舗が利益を上げられるような、付加価値の高い商品作りに苦労している」
 
‐国内から海外に活躍の場が広がっている。
「きな粉や黒蜜をかけて食べる〝こんにゃくすい~つ〟を、4年前から香港で販売している。これはさしみ蒟蒻の食べ方提案のひとつとして始めたものを評価いただき、商品化に至ったものだ。綺麗な水で作るため蒟蒻の臭みが無く、甘い味付けでも美味しく食べていただける。少しずつだが定着して来たと思う」
 
‐展示会等で話題を呼んでいる新商品〝香肌(かはだ)麺〟について。
「香港では蒟蒻と言えばゼリーをイメージし、糸こんにゃくは蒟蒻のヌードルタイプと認識する人が多い。そこで、あえてヌードルのジャンルとして提案することで、蒟蒻の良さ・ヘルシーさが引き立つのではと考えた。今は業務用として発売しており、今後は市販用を発売予定だ」
 
‐ネーミングの由来は。
「地元の香肌峡から名前を貰った。当社が、臭みがなく品質の良い蒟蒻を作ることが出来るのは、綺麗な水があるおかげ。蒟蒻の良さを通じ地域の良さを知っていただきたいという想いを込めて名づけた。蒟蒻は様々な食材の置き換えに提案出来る商材なので、まだまだ可能性はあると考えている」
【2018(平成30)年12月10日第4959号7面掲載】
 
有限会社上野屋 http://www.konnyaku.co.jp/
 

こんにゃく組合 理事長に聞く

こんにゃく組合 理事長に聞く
 
山形県こんにゃく協同組合 理事長 長谷川 松寛氏
地域団体商標登録で品質維持
愛される「山形名物玉こんにゃく」
 
ヤマコン食品有限会社(長谷川晃一社長、山形市)は、山形名物「玉こんにゃく」を明治20年(1887年)の創業以来百余年の間作り続けている「玉こんにゃく」の元祖メーカーとして知られている。長谷川社長の父である長谷川松寛会長は、山形県こんにゃく協同組合の理事長を務めて「山形名物玉こんにゃく」のPRを推進。長谷川理事長に需要拡大につなげる取り組みなどについて話を聞いた。(千葉友寛)
◇ ◇
‐こんにゃくの需要の変化は。
「他の和日配の商材と同様に売れ行きは下降線を辿っている。以前は100社以上あった原料の業者が今では半分の50社程度まで減ってしまった。全国組織である全こん連の会合では全国からこんにゃく業者が集まってくるのだが、後継者がいないので自分の代で止める、という人もいる。市場は縮小傾向で、今後はよりその動きが強まっていくと見ている。需要の減少については食生活の変化が影響しており、若い人が利用するファーストフード、ファミリーレストラン、外食、コンビニエンスストアの商品でこんにゃくが利用されているメニューは少ない。それでも、需要としては小売向け商品より業務用の方が多くなっているのが現状だ」

‐山形県におけるこんにゃく業界の動きは。
「現在の組合数は20社。昭和50年~60年頃がピークで、当時は約60社が加盟していた。その後、県外メーカーの商品が入ってくるようになったことあり、倒産、廃業が続いた。こんにゃくを専業で作っているのは山形市のメーカーくらいで、その他の地域は豆腐、赤飯、おこわ、もち、弁当なども手掛けている。こんにゃくだけで企業を存続させていくことは困難な状況となっている。このような環境を打破しようと当組合では平成25年3月に『山形名物玉こんにゃく』の地域団体商標を登録した。他県産製品との差別化を図るとともに山形の特産性を強く訴求しながら品質維持に努めている」
 
‐山形の玉こんにゃくの特徴は。
「『山形名物玉こんにゃく』は、玉のように丸いのが特徴で、丸くない商品は規格外となる。品質や規格については組合で自主基準を作っており、各社の製品は一定の水準が保たれている。もちろん味も重要だが、形が悪いとクレームになる。他県産の製品と比べると原料となるこんにゃく芋の割合が多く、こんにゃく芋の味と風味、食べ応えのある弾力が特徴だ。そもそも玉こんにゃくは弊社の創業者である長谷川松四郎が明治20年頃、豊かではなかった食卓に彩りを出すために四角い形が一般的だったこんにゃくを牡丹餅のように丸い形にしたことが玉こんにゃくのスタートで、山形名物の地位を確立した。恒例となっている『日本一の芋煮会フェスティバル』では弊社の平こんにゃくが利用されている。原料は群馬県産が主流となっているが、弊社では地元でこんにゃく芋を生産し、製品化している。年間使える量ではないが、地元産の原料を大切に利用している」
 
‐ニーズの変化について。
「こんにゃくも規格や簡便性がポイントだ。各社の製品でも家庭で利用しやすいようにカット、スライスが増えてきている。山形も共働き世帯が増加しているので、そのような変化に対応していくことが重要だ。主婦が帰宅してすぐに食事を作ることを考えると、すでに味が付いている商品や袋を開けただけで食べられる商品のニーズが高まっている。通常、玉こんにゃくは1粒30gだが、弊社では一口で食べられる1粒15gタイプの商品を開発した。安くても美味しくなければリピートにならないし、長く愛されることもない。食物繊維が多くノンカロリーで健康に良いところを訴求しながら時代のニーズに対応し、お客様に喜んでいただける商品を作り続けていきたいと考えている」
【2018(平成30)年12月10日第4959号5面掲載】
 
ヤマコン食品有限会社 http://www.tamacon.co.jp/
 

トップに聞く

トップに聞く
 
株式会社猪貝 代表取締役社長 猪貝克浩氏
地域ブランドを発信
食文化としての蒟蒻やえご
 
株式会社猪貝は新潟県長岡市で創業105年を迎えた蒟蒻メーカーの老舗である。心太製造が発端だが、5代目社長・克浩氏は生産者と協力しながら新潟産蒟蒻を普及させており地産地消の取組みとして定着している。引き続き栽培の担い手確保が課題ではあるものの、業界や消費者から注目を受けている。また、越後えご保存協会の会長として、海藻食品・えごのレシピコンテストやメディアで発信したり、さらには自社経営の飲食店で様々な料理として提供したりするなど活動的だ。地域の食文化という点に着目し話を聞いた。(中村裕貴)
◇ ◇
‐新潟産蒟蒻について。
「大手との価格競争もある程度念頭にあるが県産品を仕入れ地元ブランドとして発信していく地産地消という流れを整えていきたいと考えている。蒟蒻芋の栽培は13年目を迎え現在年間収量は20トンほどで端境期になると足りない状態だ。新規生産者は出てくるが継続的なものにしていくことが大切で栽培ノウハウの確立やメーカー側の仕入れ単価を上げて再生産の体制をより作っていくことが必要だ。1年に1度は県の農業普及センター、地元JA,生産者と情報交換会を開いている。流通面ではJA産直所や学校給食で手ごたえがあり、その集落で栽培したものを、その地区で販売したケースでお客様の反応がより強く好評であった」

‐蒟蒻は健康食品として見直されるべきだ。
「健康にとても良いがその利点を生かすべく板蒟蒻、しらたき、麺以外にも商品形態を新たに打ち出していくことが必要ではないか。筑前煮やおでんという昔ながらの料理利用だけではない可能性がもっと出てくれば良いと思う。ゼリーはそうしたニーズにマッチして人気がある。料理レシピの提案や手作り体験などのイベントはこれからも継続して行っていきたい。実際、ミキサーなどを使用して蒟蒻を手作りした後は料理まで手掛けるので参加者も楽しんで頂いている。料理ではイタリアン風がおすすめだ。フライパンにオリーブオイルをひいてニンニクで香りづけした後に薄く切った蒟蒻を炒める。焦げ目が少しついた所に醤油を少したらし和えたら出来上がりだ。お弁当のおかずにもピッタリで好評である」
 
‐健康食で言えば、えごはおもしろい食材だ。
「エゴノリという海藻を煮て溶かして固めている。長岡を中心に中越地区は特に食べられている地域だが新潟ではお盆や冠婚葬祭に行事食として出されるなど食文化として浸透している。江戸時代初期の文献には既に載っていて、県内各地ではお盆の時期、丸い皿に流し込み『鏡えご』として仏前に供える風習もある。えご採りを行う地域は県内では佐渡、出雲崎、寺泊、柏崎、糸魚川などがあり、海女さんが潜って採るか磯見漁でえご採り専用の巻き取り棒で採る。新潟、秋田、山形、京都、福岡など日本海側のほか、長野や福島の一部でも食されている。海のミネラルを摂る手段として広まったと思われる。福岡では飢えをしのぎ人々を救ったことから『きうと(救人)』を語源とし『おきゅうと』とも呼ばれ北前船で新潟などへと伝わったと考えられており郷土食の一つとなった」
 
‐越後えご保存会について。
「若い世代への普及を目的に愛好家たちが集まり5年前に発足した。オリンピック開催年である2012,2016年と『えごリンピック』を企画しレシピコンテストを行ったが様々な調味料や食材と和える料理が提案され食べ方に広がりを見せている。2020年は6月15日に開催を予定している。歴史文献の調査や地域の伝承の実態調査など食文化としての側面から、えごを発表する機会にしてきたい。県立歴史博物館が長岡にあり主任研究員の方にも協力を仰いでいる。越後えご保存会では手づくり体験や産地視察旅行も実施している」
【2018(平成30)年8月27日第4946号6面】
 
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