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水溜食品株式会社 鹿児島県

鹿児島のお漬物「薩摩かんぼし屋」

<企業紹介> 水溜食品

水溜食品のギフトボックス
 「島津梅」でおなじみの水溜食品株式会社は、地元産の寒干し大根にこだわった良質の沢庵づくりに定評がある有力企業である。創業は昭和16年。看板商材「島津梅」の寒干し沢庵をはじめ、鹿児島県産の高菜漬・割干漬など、多彩な製造品目を誇る。
 水溜政典会長は、鹿児島県漬物商工業協同組合の理事長を長く務め、「鹿児島つけもの大使」の任命や、漬物の応援歌「ふるさとの贈り物」の制作など、鹿児島県の漬物業界に多大な功績を残している。
 現社長の水溜光一氏は前社長の思いを受け継ぎ、社内カイゼンや新商品開発に尽力、手腕を発揮している。
 
島津梅

<オススメ商品> ラインナップ

「ごぼう酢てぃっくす」

「漬物グランプリ2022」(主催:全日本漬物協同組合連合会)に出品した「ごぼう酢てぃっくす」が銀賞を受賞した。
同品は令和元年に発売し、それ以来好調な売れ行きを見せている。国産ごぼうを使用した甘酢漬で、ごぼう独特のしゃきしゃき食感が特徴。甘酢の“きゅん”とする酸っぱさが女性受けしている。
 常温流通が可能な個包装タイプで、一般の漬物売場ではなく“おつまみ”需要として販売先が広がっている。国内に200店舗以上を展開するコーヒー豆中心の食材店でも採用されており、人気商品となっている。
 「ごぼう酢てぃっくす」を始め、同社の人気商品である割干大根の「ぽり×2」(ぽりぽり)など、個包装製品全体の売上はここ数年でほぼ倍増しており、好調ぶりが地元紙にも取り上げられた。今後もコロナによる業務用やお土産関係の売上減をカバーすべく、積極的に売り込んでいく。

「島津梅」 割干漬の「ぽり×2」「高菜漬」

 看板商材は、干したくあんの「島津梅」。寒干し大根の旨味と梅酢の上品な香りが見事にマッチして、大好評を続けている。この商品は、水溜法光氏が社長時代、ある日ふと頭に浮かんだ「島津梅」という言葉を元に開発された。今では、同社を支える一番の売れ筋商材に育った。梅酢のさっぱりとした味わいが、歯ごたえのある干し大根に融合し、食べるほどに箸が進む逸品である。
 その他、ピロ包装の「割干漬」は、おつまみやお土産用として大人気の商材。社長の光一氏が商品開発した「ぽり×2」は、女性にも訴求するデザインだ。
 また、県産の高菜漬は特にホール(姿)物に定評がある。それぞれ製品のカテゴリーごとに「かんぼし屋」「わりぼし屋」「たかな屋」等のロゴをデザイン。特長をストレートに訴求するとともに、親しみのある製品としてアピールしている
割干漬の「ぽり×2」
水溜食品「高菜漬」の姿もの

漬物メニュー提案

記者のココがイチ押し!

水溜食品のイチ押しは、何といっても干し沢庵の銘品「島津梅」! さっぱりとした梅酢で味付けされた干し沢庵は、ひと口噛むごとにさわやかな風味が口いっぱいに広がります。ご飯のお供にはもちろん、焼酎・日本酒・洋酒・ワインなど、様々な酒のおつまみとしても添えたい一品です。
その他にも「ぽり×2」や「ごぼう酢てぃっくす」など、おつまみに最適な商品が揃っており、お酒好きにはたまらないラインナップとなっています。
(担当記者:菰田隆行)
 

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<企業情報>

会社水溜食品株式会社
代表取締役会長 水溜政典
代表取締役社長 水溜光一
創業昭和16年
業務内容干し沢庵・高菜・割干大根等の製造販売
住所(本社)〒899-3511 鹿児島県南さつま市金峰町宮崎2940
電話(代表)0993-77-0108
FAX0993-77-1423
HPhttp://mizutamari-shokuhin.jp/
メールsimazuume@po.synapse.ne.jp

「シンたくあん 梅酢味」発売

シンたくあん 梅酢味
 水溜食品株式会社(水溜光一社長、鹿児島県南さつま市)は、看板商品「島津梅」に代表される干し沢庵メーカーとして著名な存在である。今秋は、「シンたくあん 梅酢味」に力を入れる。
 「シンたくあん 梅酢味」は今年4月より試験的に販売してきたところ、爽やかな梅酢味が利いたその味わいが好評を博していることから、本格的に生産体制を整えた。
 特徴的な製品名の「シン」には様々な意味を重ねている。昔ながらの寒干し大根を使った「真」のたくあんであること。「新物」のように大根のフレッシュな風味が感じられるよう漬けていること。パリパリと心地よい「神食感」であること。100gあたり食塩相当量2・5gと低塩でも美味しい「新製法」を採用していること。
 水溜社長は「ひとあじ違うたくあんであると直感的に伝えられるネーミング。一度手に取っていただければ、リピート率は高いようだ」と話す。
ぽり×2燻製
 原料となる大根はすべて九州産。この大根は天日干しをする過程で独特の食感が生まれるとともに、旨みと栄養が凝縮される。
 さらに同社独自の工程として、工場へ運び込んだ干し大根をさらにマイナス1℃の冷蔵庫で低温発酵・熟成させている。こうすることで、素材本来の風味と食感を閉じ込めることができる。
 また「シンたくあん 梅酢味」では、同市内にある株式会社ジェスク・コーポレーションの岩塩を使用した。カリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラルが豊富でまろやかな味わいがあり、浸透性が高いのが特徴の岩塩を使っていることが、低塩と美味しさを両立している秘訣の一つだ。
ごぼう酢てぃっくす
 同社はこの他にも、漬物の新たな価値創造に取り組み、成果を上げている。
 一口サイズの割干漬「ぽり×2」は若い女性をターゲットに伸長を続けているシリーズで、「醤油味」「梅酢味」「山椒味」「燻製」を揃える。  
 また、令和元年に発売した「ごぼう酢てぃっくす」は、国産ごぼうを使用した甘酢漬で、ごぼう独特のしゃきしゃき食感が特徴。甘酢の“きゅん”とする酸っぱさが女性受けしている。
 常温流通が可能なので一般の漬物売場ではなく“おつまみ”需要として販売先が広がっている。200店舗以上を展開する食のセレクトショップでも採用されている。
【2023(令和5)年9月21日第5140号4面】

紙面アーカイブ 2023年1月1日号 小学生が工場見学

笑顔で記念撮影
真剣に話を聞く子供たち
2校から年2回受け入れ
 水溜食品株式会社(水溜光一社長、鹿児島県南さつま市)では毎年、地元小学校からの工場見学を受け入れている。
 昨年は、同社そばの南さつま市立阿多小学校ほか、計2校から受け入れた。
 昨年10月20日には、阿多小学校の2年生10名が工場見学に訪れた。座学による漬物ができるまでの製造工程の説明と工場見学、子供たちからの質問という流れで実施された。
 子ども達は、普段食べている漬物がどのように製造されているかに興味を持った様子で、終始笑顔で見学を終了した。
 水溜社長は、「子供たちに漬物の良さを理解していただき、食卓に積極的に取り入れてもらいたいと思います」と語っている。
【2023(令和5)年1月1日第5115号12面】

紙面アーカイブ 2022年11月11日号 沢庵ワイド特集 新社長に聞く

水溜食品株式会社 常務取締役 水溜光一氏

漬物を〝リノベーション〟
自分のカラーで楽しい会社へ
 水溜食品株式会社(水溜政典社長、鹿児島県南さつま市)は、鹿児島産寒干し大根の銘品「島津梅」や、〝姿物高菜漬〟の製造で信頼度が高いメーカーとして知られている。それら伝統食品の他にも、割干し大根の個包装「ぽり×2」や、ごぼう酢漬の個包装「ごぼう酢てぃっくす」など、オンリーワン商品の開発力にも定評がある。新製品の開発や社内カイゼンの先頭に立っている常務取締役の水溜光一氏が、このほど11月18日付けで代表取締役社長に就任する。水溜新社長に同社の現況と取組、将来のビジョンなどについて話を聞いた。
(菰田隆行)
◇    ◇
 ‐新社長へ就任される現在の心境は。
 「会社の後を継ぐ、という前提で修業先の新進さんから戻ってきましたので、それは常に意識していました。課題は山積していますが、会長になる現社長と私、それに留任となる専務(水溜泰氏)が、考え方と心をひとつにして経営に取り組んでいくことが大切だと考えています。企業としては、商品開発の面にしてもまだまだ未熟さの残る会社だと思っています。これまでは、どちらかというと〝苦肉の策〟というか、いろいろな局面があって、それには〝こうするしかない〟といった対処の仕方をしてきていたと思います。しかし、もっと大局的な視点から物事を見て、ひとつひとつのことをしっかりと追及していくことが、イコール企業の成長ではないかと思います。特にこれからは業界がシュリンクしていく状況にあるので、当たり前のことを当たり前にやっているだけでは企業の成長はない。これまでのやり方に固執せず、時代に合わせて変えていく必要があります。自分が代表になることで動きやすくなり、挑戦しやすくなるのではないかと思っています」
 ‐原料農家との良好な関係が貴社の強み。
 「そうですね。土壌の管理、播種後の施肥など、どうしたらうまく行くか、収量が上がるか。それを話し合い、上手くいった事例を共有し、しっかりと取り組んでくれている生産者は結果が出ています。そして、メーカーである我々がその原料を使って、どんな製品を作っているのかをフィードバックしていく。原料を生産している農家さんと、末端で製品を販売している小売店さんの中間にいるのが我々メーカーなので、原料に合わせ、消費者に喜んでもらえる製品作りを行う体制を目指していきたいと思います」
 ‐人手不足が深刻な現状だが、外国人は採用していない。
 「例えば畜産農家などの労働環境に比べれば、クリーンルームで食品製造に携われる当社の労働環境は、働きやすいと言えます。しかし、それでも社員の満足度は簡単には数値化できない。なので、まずは働きやすい環境づくりへのカイゼンを進めながら、楽しみのある職場にしていくこと。現社長も楽しいことが大好きな性格ですが、私は私のカラーを出して楽しい会社にしていきたい。お陰様でまだ近隣には当社で働きたいと思ってくれる方々がいます。同じ文化や言葉を共有できる日本人との関係には、まだまだ伸び代があると思いますので、自分のやれるところから取り組んでいきたいと思います」
 ‐将来的ビジョンは。
 「当社の経営方針に、『漬けるを守り、リノベーションする』を掲げています。リノベーションとは建築用語で、ただ改修するだけのリフォームとは違い、プラスαで新たな機能や価値を向上させることを言います。漬物のポテンシャルはまだまだ高く、野菜をどう美味しく食べてもらえるか、プラスαを見つけていくことが、漬物を生業とする当社の使命です。〝漬ける〟ことにより野菜が発酵するには、ある程度の時間が必要です。じわりと口コミで広がっていくような、そんな商品作りに取り組んでいきたいと思います」
【水溜光一(みずたまり・こういち)氏】
 1986(昭和61)年5月10日生まれ。長崎県立大学経済学部流通経営学科卒、上海交通大学留学。株式会社新進(籠島正雄社長、群馬県前橋市)で2年間勤務した後、2014(平成26)年7月に水溜食品入社。群馬住まいの折に温泉好きとなり、趣味が高じて自宅の庭にサウナを建築、地元テレビ局の取材も受けた。
【2022(令和4)年11月11日第5111号6面】

電子版 九州うまかモン 水溜食品

紙面アーカイブ

 
2022年9月1日号5面 鹿児島特集

紙面アーカイブ 2022年4月1日号 高菜漬特集 <この人に聞く>

水溜食品株式会社 常務取締役 水溜 光一氏

高菜の漬込みは計画通り
カイゼン活動で生産性が向上

水溜食品株式会社(水溜政典社長、鹿児島県南さつま市)は、鹿児島産寒干し大根の銘品「島津梅」や、高品質な“ホール物”の高菜漬製造で知られる。その他にも、割干し大根個包装「ぽり×2」や、ごぼう酢漬の個包装「ごぼう酢てぃっくす」など、オンリーワン商品の開発力にも定評がある。また2021年2月には、鹿児島県が制定している「食品関連産業カイゼン活動取組優秀社表彰」で同社の取組が認められ、表彰を受けた。その活動の中心として高菜漬の製造工程見直しや生産性の向上に取り組んだ、常務取締役の水溜光一氏に話を伺った。
【菰田隆行】<文中敬称略>
◇     ◇
‐今期の高菜原料の作柄は。
水溜 昨年12月に収穫した早ものは、大変良好な作柄でした。今年に入り、1月以降は普通作といったところですが、全体では計画通りの数量が入荷し、品質も上々だったと思います。3月末いっぱいで、漬け込みを終了しました。
‐農家の作付意欲は。
水溜 当社の契約産地は地元の金峰町(南さつま市)と吹上町(日置市)ですが、作付の意欲はあり、今年も「もっと作らせてほしい」と申し出る農家さんもありました。ただ、新型コロナウイルスの影響で末端の動きがやや低調だったため、ヒネ在庫との兼ね合いで作付面積は前年並みとしました。高菜漬の需要は増えてきていますので、今後は作付面積を増やしていく計画です。

‐製品動向は。
水溜 業務用(刻み)の需要も年々増え、力を入れていますが、やはりホール物比率が高い状態。量販店やお土産ルートでご評価をいただいています。姿物の高菜漬(200g、250g)で全体の80%以上を占めており、残りが刻み物の高菜漬です。あと最近では、原料の注文もスポット的に入ってきています。今後は、お客様の使用するニーズに合わせて、最適な状態で提供できるかが課題です。コロナもようやくまん延防止等重点措置が解除となり、これからの人の動きに期待がかかりますが、お土産ルートでの販売は完全に元に戻るか懸念があります。

‐製造工程でのカイゼン活動について。
水溜 当社の高菜漬は、塩分を少なめにしてタンクに漬け込み、乳酸発酵させた後にナベトロに入れ替えて冷蔵庫に移します。そこでマイナス1℃で冷蔵熟成させて製品化します。これにより脱塩工程がなくなるため、風味の良さをご評価いただけています。高菜漬製造ライン改善への経緯としては、整形工程(検査・ヘタ切り・半割・カット)のところで時間と人が多くかかり、計量・包装ラインで手待ち時間が発生するという課題がありました。干し大根や生大根製品は22回転/分であったのに対し、高菜漬は手作業による整形・袋詰めのため8回転/分しかできず、出荷に影響を与えていました。また、高菜には異物(石・笹の葉など)が多く、非効率な洗浄工程も課題でした。

‐見直したカイゼン点は。
水溜 ボトルネックの整形作業を軽減させるため、余力のあった洗浄工程でまず半割カットを実施しました。すると、整形工程での作業が1つ減り、手待ち時間が減少。また、洗浄工程でカットすることで異物も発見、除去しやすくなりました。さらに取組を進め、全体のラインバランスを取るために洗浄工程に整形工程(検査・ヘタ切り・半割・カット)を移動させて実施することにしました。これにより包装工程が短縮され、8枚/分だった出来高が18枚/分に改善、作業人員も10名から6名に削減することができました。結果として全体の生産性がアップし、在庫管理工程や取り置き工程が減少して、ジャストインタイムでの出荷が可能となりました。加えて、細かく整形をしてから洗浄することにより異物が除去され、社外クレームが減少しました。

‐カイゼンの成果は。
水溜 具体的な数字や実績を元に対策を考える、カイゼンの手法が身につきました。生産に余裕ができると教育への時間確保ができるようになり、従業員にも向上心が生まれ、自発的なカイゼン提案も出てくるようになりました。今後も、出来高の平準化を目指し、需要増に対応できる原料確保や、補助金を活用した洗浄工程における機械化の導入も進めて行きたいと考えています。
【2022(令和4)年4月1日第5089号3面】

食料新聞電子版 九州うまかモン 水溜食品



2022年2月11日号10面 SMTS特集
 
2021年4月1日号6面 高菜特集

カイゼン活動の取組で表彰

 鹿児島県(塩田康一知事)では2021年2月5日、食品関連産業カイゼン活動取組優秀社表彰式を開催。栄えある第1回目として5社が選ばれ、本紙業界関連では後藤漬物株式会社(後藤公也社長)、水溜食品株式会社(水溜政典社長)が表彰を受けた。
 その他の受賞は、株式会社ビッグファイブ(餃子製造)、株式会社丸俊(鰹節製造)、株式会社エヌチキン(鶏肉加工品)の3社。
 カイゼン活動とは、工場など生産の現場において誤りや欠陥、ミスを是正し、より良い状態にする行為のことで、トヨタの生産方式が有名。今回表彰された企業は、カイゼン活動の取組において特に優秀な成果を挙げ、県内食品関連産業の発展向上に貢献したことが評価された。
 今回の表彰について水溜社長は「日々の仕事をしっかりと把握することと、繁忙期と閑散期の計画出荷を改善する目的もあった。社員がしっかりと取り組んでくれたお陰で、品質管理面でも成果が上がり、大変良かった。これからもより一層磨きをかけていきたい」と語った。
【2021年2月21日第5049号4面掲載】
 
2020年11月21日号6面 沢庵特集
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